国債市場特別参加者会合(第13回)
| 開催日 | 2006-11-17 |
|---|---|
| 場所 | 財務省 第3特別会議室 |
| 議題 | (1)平成19年度の国債発行計画について (2)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて (3)当局からの説明 |
| 原文 | 財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元) |
配布資料
| 資料1PDF |
| 資料2PDF |
| 資料3PDF |
| 資料4PDF |
| 資料5PDF |
議事要旨
(1)平成19年度の国債発行計画について
4はじめに、資料1を配布の上、議論の前提として、来年度の国債の発行額等についての現時点での理財局の考え方について、以下のように説明を行った。
・19年度の新規財源債については、18年度予算の30兆円を下回り、可能な限り縮減する方向で予算編成が行われていると聞いているが、具体的な水準については見えていない。
借換債については、19年度のバイバックのあり方等とも関係するが、これから直近までの発行実績等を踏まえて精査していく予定である。現時点では、18年度予算の108.3兆円からは減少する見込み。
財投債については、今後の財投編成によるものであり現時点で具体的なことは申し上げられる段階ではないが、あえて申し上げれば、経過措置分を含む全体の発行規模は18年度計画よりも減額する方向になるのではないか、と聞いている。
以上より、19年度の国債発行額は、18年度予算の165兆円に比べ、減少するのではないかと見込まれる。
他方、消化面をみると、日銀乗換は、バイバックの効果もあり、日銀の19年度償還予定国債の保有額が10月末時点で10兆円、今後のバイバック予定を差し引くと9兆円となっている。これから12月までにどれくらい日銀が対象銘柄を買い入れるか等によって変わるものであるが、18年度計画の16.6兆円から大幅に減少する見込みであるので、予算ベースの市中発行額については、18年度に比べて減るかどうか分からない状況。
ただし、いわゆる20年度問題の解決を踏まえ、今後の国債発行に支障を来たさない範囲で借換債の前倒し発行の減額が可能であることから、その活用により、カレンダーベース市中発行額については、18年度現行(115.1兆円)を上回らない方向で考えていきたい。
本会合においては、我々として、現時点で市中発行額について確定的な見通しを持っているわけではないことに御留意いただき、各年限債の相対的な消化能力を把握する上で、市中発行額について、ある程度共通の前提を置く必要があることから、便宜上、市中発行額が18年度(9月変更後)と同じと仮定した場合の年限別発行額等をお答えいただきたい。ただし、増減同額にこだわるあまり、無理に特定の年限を減らしたり、増やしたりする必要はないので、どの年限が強い、弱いということについて、実感どおりにお話しいただきたい。
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
○ 総論
・基本的には今年度9月修正後の発行ペースを維持してほしい。
・増額余地があるのは30年債と物価連動債。減額の余地があるのはTB6Mと15年変動債と考えている。
・長い目で見て年限構成を変更していくことを視野に入れた方が良い。先日の「国の債務管理の在り方に関する懇談会」では、銀行、生保のALMマッチングによって、中短期ゾーン、超長期ゾーンのニーズが高まるといった議論もあった。実際にそうした投資行動が顕著になっているわけではないが、そういった動きに沿って、「国債投資家懇談会」等で議論をし、該当するゾーンを増やすというような検討をすべきではないか。
・今後の政策金利の変更の予測と、それに伴う最終投資家の需要動向を踏まえながら考えていくべきであるが、基本的な方向としては、中短期債の減額、超長期債・長期債の増額という方向で良いのではないか。
・発行計画全体が減額方向にあると見られる中で、敢えて増額するべき年限はないのではないか。
・今年度は、発行スケジュール、発行年限等の機動的な見直しが行なわれたことに対して、市場参加者からの評価は大変良好であった。今後とも、流動性供給や買入消却の積極的な活用を含めて、市場のニーズを的確にとらえた機動的な対応をしていただくことが、円滑な国債消化に資すると考える。
・タイトな入札スケジュールを緩和するため、物価連動債、30年債、15年変動債は、全て四半期に1回の発行とし、発行月が重ならないようにしてほしい。
・今後の国債の中長期的な消化という観点からすれば、外国人のほか、個人が重要となってくる。金利上昇に伴って個人向け国債の固定5年、変動10年は非常に需要が高まってくると考えている。したがって、市中消化から個人の消化へ振り向けて行くことを中長期的に検討していく必要があるのではないか。
○ 長期・超長期ゾーンについて
・20年債、30年債は、今年度増額しており、30年債は市場流動性が向上している過程であるため、現状を維持した方が良い。10年債についても、現状維持で良いと思う。
・長期・超長期ゾーンは生保、年金、海外等からの潜在的なニーズが引き続き強く、特に20年債は、国内外で人気商品となりつつあるため、何らかの調整が必要になる場合には20年債を増額するべき。
・10年債、20年債は現状維持で良い。30年債は、生保、年金、非居住者等に潜在的な需要があり、今後も育てていくべき市場であるため、増額の方向。ただし、1回当たり0.6兆円に増額してからまだ2回しか発行していないので、来年度は上期は0.6兆円×2回を維持し、下期に1回当たり0.7兆円へ増額したらどうか。
・30年債は、流動性も徐々に向上し、市場に定着してきたので、入札方法をイールド・ダッチ方式から価格コンベンショナル方式へ変更するべき。
・長期・超長期ゾーンは、大きな流れとして投資家からの需要が潜在的にあると思うが、来年度に関しては、例えば制度的に生保の時価会計の導入が具体化しているわけではないし、いまだインデックス運用をしている年金基金が多いといったことを考えると、少なくとも来年度いきなり需要が旺盛になるとは考え難く、実際にそのような話も聞いてはいない。これまで増やしてきた流れの中で現状のままで良い。
・物価連動債の今の市場環境はやや厳しいが、主に海外投資家を中心としたBEIトレード、要するに10年債を売って物価連動債を買うというような取引の影響から、潜在的に10年ゾーンの金利リスクがマーケットでは溢れている感じがある。そういう観点から、何か減らすのであればまず10年債を例えば1回当たり0.1兆円減らしても良い。
・長期・超長期のセクターでは、20年債と、暫く増発されていない10年債に増発の余地がある。30年債はまだマーケットが成熟していないということもあり現状維持が望ましい。
・超長期ゾーンの増額は可能と考えている。20年債は1回当たり0.1兆円の増額が可能であり、低金利環境下で国が債務長期化を図るのであれば、30年債の増額も考えられる。年間では20年債を1.2兆円、30年債を0.5兆円増額することが可能である。
・10年債と物価連動債は増額可能とは思うが、市中発行額が今年度と同程度とすれば、現状維持で良い。
・30年債の発行回数は年4回を維持することで良いが、その内2回を強制リオープン発行し、1銘柄当たりの残高を増やせば、マーケットに厚みが出て成長に加速が付く。
・絶対金利水準等々から勘案し、20年債及び30年債は相当程度増額余地があり、20年債は1回当たり0.1兆円増額し0.9兆円×年12回、30年債も1回当たり0.1兆円増額し0.7兆円×年4回とするのが適当ではないか。
・今後金利がある程度上昇していくという前提で、敢えて増額するならば20年債であるが、超長期セクターも近年増額を続けてきたゾーンであり、敢えて増額する必要はない。仮に、発行額を調整する必要があれば、増額は流動性供給を1回当たり0.2兆円にするのが良い。
・長期は、4月から10年債がシ団方式から完全競争入札へ移行されたが、入札状況を見ても問題はなく、今後もこのペースを継続すれば良いのではないか。
・実質的な需要を考えると超長期の増額は今の段階ではそれほど簡単ではない。
・超長期ゾーンは、マッチング運用の流れから生保・年金等の需要が強いことに加えて、最近、銀行勢も安定運用のニーズから、金融政策変更の影響を受けにくいこのゾーンの売買量を増やしていることもあり、増発の余地がある。10年債は、発行量も相当規模になっていることから据え置きで良い。
・超長期ゾーンは、30年債を1回当たり0.1兆円増やして0.7兆円×年4回としてはどうか。デュレーションが長く利回りの高いアセットへの投資家ニーズがあるが、40年債や50年債を新規発行するよりも、むしろ現在あるストリップス債制度を活用してゼロクーポンの30年債を供給するのが有効ではないか。ただし、ストリップス化すると市場での流動性がなくなってしまうため、同時にストリップス債を新たにバイバック対象に含める対応を行う必要がある。
○ 中期・短期ゾーンについて
・2年債、5年債、TB1Y、TB6Mのいずれについても、現状から変更する必要はない。短期は金融政策の変更の影響を受けやすくなるものの、市場の動向を早め早めに織り込む中で、売り買いが交錯し、TB1Yでも参加者が増える傾向があるため、さほどネガティブには捉えていない。
・2年債及び5年債は現状維持とし、減額するとすれば、TB1Yを1回当たり0.1兆円減の1.3兆円×年12回としてはどうか。TB1Yを減額することについては、市場は金融政策の変更をある程度想定している状況であり、今後利上げへの期待感が高まるにつれて、消化が厳しくなる可能性があるため、金利急騰を抑制する意味でも減額した方が良い。
・金融政策の変更が見込まれる中、今後、全体の発行額の減額が視野に入ってくると、2年債と5年債の減額の可能性を考える必要もあるが、減額するとすれば、FB3Mへの需要が弱くなっていることも踏まえ、TB6MのFB6Mへの振替えや、将来の借換債の抑制を優先した方が良いのではないか。
・中短期ゾーンは、5年債は現行のままだが、TB1Y、TB6M及び2年債は若干減額した方が良い。特にTB1YとTB6Mは日銀の短国買いオペに相当額が入ってしまっているようであり、セカンダリーでのニーズも見えないことから投資対象としてのニーズは少なく、TB6MとTB1Yは減額の余地があるのではないか。
・TB1Yは減額することが可能だと思うが、市中発行額が今年度と同程度とすれば、現状維持で良い。
・ゼロ金利解除後明らかに需要が減退しているため、最も発行量が多い5年債は、1回当たり0.1兆円減額し、1.9兆円×年12回に減額するのが良い。
・現状は、一時的に需給が悪くなる年限があっても、金利がそれなりに調整されれば消化は可能であると考えるが、その中で短期マーケット、特に3Mあたりを見ると、官民の金利が逆転しているところがある。こういった状況を踏まえれば、減額するのであれば短期から順番に減額していくべきであるが、1回当たり発行額が多い5年債も減額は可能である。
・中短期ゾーンは、日銀の金融政策の影響を強く受ける。中でも5年債は、投資判断が難しい局面が出てくる可能性があるかと思っていた。しかしながら、過去を振り返り入札状況を見ても特に問題はなく、現在のペースを継続すれば良いと考えている。
・中短期ゾーンは減額の余地があるが、TB6M及び、2年債と5年債では減額時のマーケットインパクトが大きい5年債を優先的に減額すべき。
・短中期債ゾーンは、日銀の金融政策の不透明感が強い中で、振らされる状況が続いている。特に5年債は、恒常的に投資家にはまる額が少なくなっている。市中発行額が今年度よりも相応に減るということであれば、現在の需給環境を鑑みて、5年債の発行量を1回当たり0.1兆円減額するのが良い。
・中短期ゾーンは、日銀の金融政策の影響を大きく受けるため、市場ではイールドカーブのリスクを常に意識しているが、均して見ると安定したバイヤーがいるため、わざわざカーブにバイアスをかけるような変更は必要ない。
・5年債には荷持たれ感があること、10年債には明確な買い手が見つけにくいということから、減額を考えても良いのではないか。
・中短期セクターは減額の余地があり。現状の金融政策の方向性を見ると、状況によってはニーズの増減が激しく変動する可能性があるので、減額するのであれば、荷持たれ感のある5年債やTB1Yではないか。TB1Yに関しては、日銀短国オペに玉が回っており、減額が考えられる。
○ 15年変動債・物価連動債について
[15年変動債]
・15年変動債は1.1兆円×年4回とし、2月、5月、8月、11月の発行とする。
・15年変動債は、12月からバイバックの対象に加わるとともに、発行額の減額が予定されていることから、需給改善期待は高くなってきているが、投資家には引き続き高アルファ物を売却したいニーズが残っていることから、1.1~1.2兆円×年4回に減額することが望ましい。ただし、流動性を確保するため、最低限1銘柄1.0兆円は発行するべきと考えている。
・15年変動債は直近の入札が好調だったが、国内金融機関は引き続き高アルファ物を売却したい意向を持っており、印象として需給はまだ悪いため調整余地がある。減額する場合、1.2兆×年4回で、2月、5月、8月、11月の発行とし、その見合いとして20年債を増額すれば良いと思う。
・15年変動債は、現在のニーズが弱いことに加え、既発債の中でも需給の偏りが大きくなっているため、1.0兆円×年4回の発行とした上で、流動性供給入札で流動玉が少ない銘柄を毎月500億円程度発行してはどうか。
・15年変動債は、需給バランスが引き続き緩んでいると考えており、1回当たり0.1兆円減額し、1.0兆円×年5回にすることが望ましい。発行月としては、5月、7月、9月、11月は従来どおりとし、1月~3月に関しては、入札頻度等を勘案し2月が良いのではないか。
・15年変動債と物価連動債はこれまでも発行額の見直し等を行い、需給の改善が図られてきたが、15年変動債は、依然として国債のイールドカーブから算出される理論値と比べて割安な状況が続いている。従って、もう一段の改善を図るべく、1回当たり発行額を0.1兆円減額し、1.0兆円×年4回にすることも検討していただきたい。
・15年変動債は、当面償還がないこと、日本銀行の利上げに伴うイールドカーブのフラットニングに対する警戒感から、投資家の追加需要が乏しい状況が続くと思われるので、更なる減額が望ましい。
・15年変動債は、理論値対比で割安な状態が続いており、結果的にコスト高になってしまっている。また、個人向け国債の変動10年の発行が着実に進んでいる状況では、変動債の比率を増やす必要はないのではないか。1.0兆円×4回にすることも検討していただきたい。
・15年変動債を減額し、1.0兆円×年4回としてほしい。
・15年変動債は、12月から買入消却の対象になるうえ、このところ減額を続けてきているので、流動性を維持することを考えると、絶対量として1銘柄1.0兆円は少なくとも維持するべき。今後の買入消却において、荷持たれ感のあるスプレッドアルファの高い既発債の消化状況などの様子を見てはどうか。
[物価連動債]
・物価連動債は、直近の値動きは心配だが、まだ裾野は広がっていくと考えており、中長期的にはネガティブな印象を持っていないため、現状のペースを維持して0.5兆円×年6回で良いのではないか。
・物価連動債は、国内の投資家層がまだ広がっていないため、海外投資家が主体の市場になっており、需給が一方向に傾きやすい状況に変わりはない。したがって、市場の発展をしばらく見守るためにも、0.5兆円×年6回を維持するべき。
・物価連動債は、現在の環境はアゲインストだが、潜在的なニーズはあり、長期的に育てていくべき市場と考えているため、0.6兆円×年6回に増額してはどうか。
・物価連動債は、商品ラインナップの多様化の観点から、長期的に徐々に育てていくのが良い。市場のコンセンサスどおり、今年度中の発行回数の変更を年度当初から反映させる形で、物価連動債0.5兆円×年6回、15年変動債1.1兆円×年4回とするのが良い。
・物価連動債は、0.5兆円×年6回でも問題はないが、将来的にはメインになる商品の一つなので、0.6兆円×年4回の方が良い。理由としては、1回当たりの発行額が少ない債券をダッチ方式で入札することの問題点があげられる。前回の入札以降、物価連動債の価格が大きく変動したが、この理由は単にダッチオークションで実勢よりも強い入札結果になってしまい、それが調整されただけと理解できる。発行額が少ない銘柄でダッチオークションをしてしまうと、その後の価格のブレが大きくなってしまう。将来的にそれが国債の安定消化に与える影響を懸念しており、1回当たりの発行額を増額してダッチオークションを維持するか、もしくは価格コンベンショナル方式に移行することも考えられるのではないか。
・物価連動債は、CPIショック等の問題を抜きにしても、投資家層の広がりが期待よりは若干鈍いという感覚があり、現状維持が良いのではないか。
・物価連動債は将来の基幹商品であり、徐々に増額することが望ましい。利付債、価格物含めて入札の回数が大変増えていることもあり、一銘柄の流動性を向上させつつ入札回数を減らす目的で、0.7兆円×年4回とし、年間0.3兆円の増額を提案したい。
・物価連動債は、ようやく市場に広がりが見えそうな雰囲気になっているところであり、育成ということも踏まえ増額の余地がある。
・物価連動債は、将来的にニーズが高まると思われ、このマーケットを育てていくことは賛成。ただ、期待以上に客層の広がりが進んでこないという現状や、保有層が海外投資家に偏っていることもあるので、もうしばらく現状を維持しながら、保有層の広がりを見ていく、あるいは育てていくという方向性を考えている。
・物価連動債は、欧州では年金が物価連動債を資産に組み入れなければならないという規制によって需要があることを考えると、安易に増額するよりも、1回あたりの発行額増と発行回数減を組み合わせて
一つの銘柄の流動性を高めるのもひとつの方法か。具体的には、0.8兆円×年4回としてはどうか。
○ 流動性供給入札について
・流動性供給入札は、毎月0.1兆円で下半期も続行しているが、引き続き現在の対象ゾーンに関してはかなりの需要があり、是非増やしていただきたい。
・流動性供給入札は、入札結果が常に強いことからも分かるように、まだまだ増発の余地はある。現在対象になっている銘柄を一部変えると新たなニーズも出てくることから、毎月0.2兆円でも0.3兆円でも消化は可能である。
・強いて増額するのならば、流動性供給入札が一番妥当である。
・市場環境の良い時こそ満期構成の長期化を図るべきであるが、20年債の入札後の消化状況が必ずしもいい時ばかりではないということを考えると、非常に需要の強い流動性供給入札の増額によって超長期債の発行増額に代替するのが
良いのではないか。
・流動性供給入札は、例えば20年債カレント物が業者間で前日の引けの気配と同水準でトレードされている時に、3bpも前日より金利が低いところで入札が行われているといった状況があるということは、マーケットのニーズが強いということを意味しているので増額をお願いしたい。具体的には、0.1兆円×年24回、もしくは0.2兆円×年12回。また、銘柄数のシステム制約が解消されれば、現在対象となっている銘柄のほか、20年債、30年債のうち、流動性の低いものをプライマリーディーラーにヒアリングし、10銘柄程度を追加的に選んでオファーする形で、0.2兆円×年12回が
良い。
・敢えて増額するのであれば超長期債であるが、現状、新発債と既発債の業者のポジションを考えれば、流動性供給入札を使って超長期セクターの増額ができる。超長期セクターは、ここもと増額の方向性が続いていること、また、いずれは30年債のニーズも広がると思われるが、現在は客層の広がりが不安視されていることから、基本的には現状維持とし、流動性供給入札において超長期セクターの発行を増やす形で需要に応えて行けば良いのではないか。
・基本的には、流動性供給入札と買入消却の増減によって、マーケット全体の需給環境に合わせて調整していけば良いのではないか。
○ 30年超の超々長期債について
・40年債や50年債を勉強した方が
良いとの議論が、先日の「国の債務管理の在り方に関する懇談会」等でも示されている。確かに生保、年金が、ライアビリティにあわせて買うというニーズは潜在的にはあると思っているが、本当に強いニーズがあるのかということはもう少し議論した方が良い。非常に安ければ買いたいという声は投資家からあるとは思うが、30年債から5bp~10bp程度乗せたフェアなところで買いたい、もしくは水準に関係なくライアビリティにマッチングさせなければいけないといった投資家の数や、そういう投資家が本当に安く放置されている30年債のグリッドポイントのマッチングを既に終えているのかどうかといったことを、もう少し話した方が良いのではないか。既に終えていて、どうしても40年債、50年債を欲しいというのであれば、30年債の量が多すぎるということかもしれないので、30年債を減額し、40年債、50年債を発行するということはありえるかもしれない。実感としては、現状では40年債、50年債は時期尚早ではないか。
・40年債と50年債の発行については、今後、市中発行額全体の減少が見込まれる中であり、投資家のニーズの有無や20年債、30年債の入札への影響を勘案する必要がある。
・30年-40年、30年-50年のフェアなカーブがどの水準かは推定できると思うが、過去に国内で発行された40年債は、その水準に対して非常にハイクーポンの債券になっており、それを目的に海外投資家や国内投資家が買っている状況。財務省が発行し、かつフェアなバリューでの発行となると、会計制度や規制の準備も整っていない現時点では、時期尚早ではないかと思う。
・40年債や50年債に関しては、商品性の多様化および様々なニーズを汲み取っていくという観点においては、検討の余地は大いにあるが、例えば、フォワードカーブで見た場合のイールド、実際取引されるレベル、ニーズの絶対量等々を勘案すると、もう少し30年債等をこなしていってからでも良いのではないか。
・40年債、50年債の新たな発行については、まだ欧米と比べ環境面の整備が進んでいないため、時期尚早だと思う。それよりは30年債の流動性を高めることが先ではないか。
(その後、超々長期債について、理財局から以下のように説明を行った。
本日の御意見も含め、現時点では既存商品のように定期発行できるだけのニーズは認められないことから、カレンダーベース市中発行のラインナップに加えることは考えていない。
しかし、先般の「国の債務管理の在り方に関する懇談会」における国債発行当局の円のリスクフリー資産を供給する役割から考えてはどうかとのご指摘もあり、市場にニーズがあるのであれば、数百億円程度とごく小さいロットとなる可能性もあるが、19年度中に適宜発行することはあり得ると考えている。
その場合、既存商品が存在しない年限であることから、市場で成立しているイールドカーブからみて適正な発行条件であることを当局として担保しておく必要がある。これから詳細をつめていく必要があるので、発行するとしても19年度下期以降になると考えている。)
○ その他(リオープンについて)
・海外投資家が相当程度JGBに参入してきているが、銘柄毎の需給の偏りが非常に大きく、流通市場に歪みが生じているため、個別銘柄の流動性が低く、希望するロットでの取引ができないとの意見が出ている。その結果、JGBから撤退してスワップに移行する投資家もいる。このため流動性を高める見地から、2年債を除いて3ヵ月間同じクーポンで発行する強制リオープン方式を検討してはどうか。カレントクーポンから離れてしまうと消化が難しいとか、銘柄数が多い方が選択の余地があるという意見も予想されるが、流動性の向上によるマーケットの拡大と、参加者層の拡大という大局的な見地から、検討すべきではないか。
・セカンダリーマーケットの流動性の向上のために、毎月発行されているものは、3か月間強制リオープンをし、一つの銘柄の厚みを持たせるのが良いと思う。それにより、海外投資家、国内投資家も含め取引に厚みが出ることになり、プライマリーディーラー間でのブローカーのアクティビティも増えると思われ、それが最終的には良い方向につながると考えている。
(2)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・市場の動向については、CPIショック後、若干金利が振れているが、10年金利は海外金利の変動によって変動するものの、1.7%を挟んで上下10bp程度のレンジ内の動きである。そのほかのゾーンについても、12月の入札を控える物価連動債が安値で推移しているものの、全般的に落ち着いた状況であり、需給面での偏り等はない。
・今後の見通しは、短いところは日銀の金融政策次第であるが、あえて見通しとして予測を入れるのであれば、1-3月に利上げをしたとしてもおそらくマーケットとしては2度目、3度目は難しいという織り込み方をすると思っており、全体としての動揺はあまりない。長期・超長期は、金融政策以上に国内の純粋な景気や、アメリカの金利動向といったファンダメンタルズの方が重要であり、ディスインフレという環境下においては、日銀が1回利上げしてもあまり長期金利は跳ね上がらない。過去とは違った形のイールドカーブ形状の変化が起こると考えている。
・債務や債務の利払いという観点、或いは国家の財政収支という観点からすれば、日本銀行は景気と物価を見ながら非常に妥当な金融政策を行っている。税収の増加と金利上昇が完全にレベルニュートラルとまではいかないまでも、こうした動きが投資家の信頼を得ている。同様に決算剰余金など国債整理基金に繰り入れるということで、金利が上昇することが必然的な前提ではあっても、債券市場をめぐる需給環境はそれほど悪くないというところが、海外の投資家も含めて信頼を得ているのではないか。
(3)当局からの説明
4理財局から、以下の点について説明した。
○ 平成18年12月以降の買入消却について(参考配布:資料2)
・現在、マーケットからの買入消却は、固定利付債を対象として毎月1,500億円程度で実施しているが、12月以降は、物価連動債、15年変動債についても、システム対応が整ったため、買入消却の対象とする。
入札は、①固定利付債、②物価連動債、③15年変動債の3通りとし、固定利付債については毎月実施するほか、物価連動債又は15年変動債のいずれかを月1回実施する。
実施予定額は、毎月総額は従来と同様に1,500億円程度とし、発行残高等を勘案して、固定利付債について1,000億円程度、物価連動債又は15年変動債については500億円程度とすることを基本とする。ここで「基本とする」というのは、基本から100億円程度上下した按分があり得るが、総額は1,500億円程度で変わらないということである。
各月の価格物の買入消却において、物価連動債と15年変動債のいずれを買入対象とするかは、遅くとも入札の前月末までに財務省HP上に添付資料にあるようなかたちで公表する。目先2ヶ月の価格物については、12月に15年変動債、1月に物価連動債を買い入れる予定。2月、3月に15年変動債と物価連動債のどちらを対象とするか、あるいは金額の按分をどうするかという点は、今後の市場動向を踏まえて見極めていくこととし、入札の前月末までに財務省HP上に公表する。
物価連動債と15年変動債の入札方式は、日本証券業協会公表の店頭売買参考統計値表の平均単価をもとにした「希望価格較差・コンベンショナル方式」によることとする。
○ 12月以降の入札結果発表時刻の変更について(参考配布:資料3)
・入札結果発表時刻については、これまで随時繰上げを行い、平成14年4月以降は、12時の応募締め切り、13時の結果発表というタイムテーブルで入札を行っているが、市場参加者からは、更に発表時刻を早めて欲しいとの要望を伺っている。
先月下旬より、日本銀行の方でシステムの変更が行われ、応札時のトラブルが発生する確率がかなり減少すると考えられる状況となったことから、これを機会に12月より、入札発表時刻について、15分繰り上げ、12時45分とする。
また、FB・TBの発表についても、現在の12時40分から少し早めて12時35分とする。
ただし、今後、従前よりも当局側での作業時間にバッファーのない状況となるため、入札時のトラブルなどにより事務処理が遅延し、予定時刻より発表が遅れる可能性もある。万が一、そのような状況となった場合には、例えば、「今回の入札については、事務処理が通常よりも時間がかかるため、結果の発表が予定時刻から若干遅れ、○時○分となる見込みです。なお、未達等の問題ではないことを申し添えます。」などと速やかにアナウンスすることとしているので、ご承知いただきたい。
また、同じく特別参加者の方々からの要望が強かったバイバックの時間帯についても、11時30分の応募締切、12時15分の結果公表というタイムテーブルに変更する。
なお、この他の、流動性供給入札及び借入金等の入札時刻については、現状からの変更はない。
○ 国債に係る手数料の見直しについて(参考配布:資料4)
・今年5月に成立した行政改革推進法等で、国債整理基金特別会計において経理される事務について、その費用の節減等に向けた見直しが求められており、その一環として、国債に係る各種手数料についての引下げを検討している。
見直しの方向性については、現下の我が国の厳しい財政状況、一般債の手数料水準等を踏まえ、大幅に引き下げることとしており、具体的には、償還手数料は元本額の0.0006%として現行の150分の1程度の水準に引き下げ、利払手数料は現在利払額の0.18%であるところを、算定ベースを元本額に変更した上で料率を0.0006%として現行の2分の1程度の水準に引き下げる。
また、金融機関が自己口で保有する国債に係る償還手数料及び利払手数料については、日本銀行の振替口座簿だけで完結する取引であることから、手数料は支払わないこととする。
更に、起債等手数料を大幅に引き下げるなど、その他の手数料についても見直しを進める。
なお、見直しの実施時期については、平成19年度から順次実施することとし、起債等手数料は19年度から大幅に引き下げる。一方で、利払手数料及び償還手数料の見直しは、日本銀行におけるシステムの変更に要する期間や手数料の変更がマーケットの価格形成に与える影響等を踏まえ、ある程度のアナウンスメント期間を設ける必要があることから、2年程度後(早ければ平成20年10月)を目途に、その後に償還又は利払が行われる分から適用することとする。
○ 海外IRについて(第5回の中間報告)(参考配布:資料5)
・今回(第5回)のIRについては、三菱UFJ証券及びクレディ・スイス証券の協力を得て、10月にシンガポール及び香港において開催した。また、11月にはシドニーで開催する予定である。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 八幡・田原
電話 代表
03(3581)4111 内線 5701
資料をご覧いただく場合には、PDFファイルの閲覧用ソフトが必要です。
Reader等をお持ちでない方は、左のボタンをクリックし、
手順に従いダウンロードしてからご覧ください。
出典:財務省