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auctions / pd / m / 14 — 2006-12-08

国債市場特別参加者会合(第14回)

開催日2006-12-08
場所財務省 第3特別会議室
議題
(1)平成19年度の国債発行計画等について
(2)金利スワップ取引について(参考配布:資料4)
(3)発行方式等の変更について(参考配布:資料5、資料6、参考)
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

配布資料

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF
資料4PDF
資料5PDF
資料6PDF
参考PDF

議事要旨

(1)平成19年度の国債発行計画等について

○国債発行計画(参考配布:資料1)

はじめに、理財局から、平成19年度の国債発行計画についての市場関係者の見方を説明した後、現時点での当局としての検討状況について、以下のように説明を行った。

・19年度の国債発行計画については、未だ発行総額が確定していないこともあり、本日の段階では、確定的な見通しは申し上げられない段階であるが、前回の本会合や国債投資家懇談会における市場参加者の意見を踏まえて、

一致して強い減額要望があった15年変動債については、来年度、思い切って大幅に発行額を引き下げ、1.0兆円×4回として発行ロット、頻度を減らすことを念頭におく、

30年債及び物価連動債については、将来的には増額の余地があると考えられるが、当初計画の段階では、今年度当初計画との比較での自然体での増額にとどめることとし、更なる増額については、今後の市場の動向・ニーズ等を踏まえて検討する、

③ したがって、自然体で増額するもの以外には、少なくとも当初計画の段階で新たに発行増額を想定する年限・種別はない、

という前提で検討しており、今後、要発行総額を踏まえつつ、更に検討を進め最終的な発行計画を決定していきたい。なお、15年変動債の発行ロットの1.0兆円への減額については、今年度中、すなわち来年2月の次回入札分から実施することも検討している。

・また、現在、今年度補正予算の策定作業も進められているところである。現時点で、その規模等については、まだ確定的なことを申し上げられる状況ではないが、いずれにせよ国債発行は減額する方向で作業が進められている。

その場合、当局としては、年度末までの限られた期間内でマーケットに不測の影響を与えないように対応する必要があると考えており、減額の方法として、例えば、今年9月の発行額見直しの際に行ったものに加えて、TB6MからFB6Mへの振替を更にもう1回分実施することも検討したいと考えている。

なお、現在、前倒債の発行額がある程度の規模になっていることから、仮に補正予算による国債発行の減額との関係で、過不足がある場合にも、特段の問題は生じない状況である。

・予算編成作業については大詰めを迎えているとはいえ、例年同様、まだ不確定要素が色々とある状況であり、それによる国債発行額への影響も考えられる。

しかし、既に申し上げたとおり、前倒債の発行額がある程度積み上がっていることから、来年度を含めて数年先を見通しても、マーケットに対してネガティブ・サプライズがないよう、国債発行額について十分な対応をとることが可能な状況となっている。

したがって、本日以降も予算編成が最終段階に進むにつれ、様々な報道等も出てくるとは思うが、国債発行当局としては、概ね本日説明したラインで、市中の発行総額がネガティブ・サプライズを与えるような形で大きく上下することはないという前提に立っており、その点は、改めて確認しておきたい。

○流動性供給入札(参考配布:資料2)

理財局から、これまでの流動性供給入札の実績及びその効果として対象ゾーンの割高感が緩和されてきていることについて説明した後、19年度の流動性供給入札の在り方について以下のように述べた。

・現状を踏まえて、19年度については、18年度の進め方と同様に、当面は上期分として、毎月1回・1,000億円程度の規模で流動性供給入札を継続することとしてはどうか、また、下期については改めて検討することとしてはどうか、と考えている。

・その場合の対象ゾーンとして、基本的には、18年度と同様に20年債を対象として、具体的には、10年新発債への影響に配慮して、残存10年6ヶ月から15年程度

のものを対象とする(=19年4月以降は、20年債34~37回を除外し、55~60回を追加する)ことを考えているが、市場ニーズに応じて変更することもありえる。

○買入消却(参考配布:資料3)

理財局から、買入消却の実績及びその効果として買入消却を通じた30年債の割安感が改善されたことについて説明した。また、日本銀行のシステム対応の完了を受けて、今月から15年変動債、物価連動債を買入対象に追加する点、及びこうした幅広い年限、銘柄での買入消却の実施が、市場の流動性の向上にも資する効果が大きいとの市場参加者の声を説明した後、19年度の買入消却の在り方について以下のように述べた。

・来年度の買入消却については、従来からのネット発行額の調整等に加え、市場の流動性の維持・向上に資することを目的とすることとし、現状の月1,500億円程度での実施を継続していきたいと考えている。

・その際、いわゆる利回物と価格物(物価連動債、15年変動債)の買入額の配分については、前回の会合で説明した通り、それぞれ1,000億円程度、500億円程度とすることを基本とする。ここで「基本とする」とは、基本から100億円程度上下した割振りがあり得るが、総額は1,500億円程度で変わらないという意味である。

・価格物の買入対象(すなわち物価連動債か15年変動債か)及び具体的な買入額については、遅くとも前月末までに、市場動向も踏まえて決定し財務省HP上で公表していくことを考えている。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

○ 発行計画について

・今回の発行計画は、以前から議論されてきた延長線上にあり、全体としてバランス良く取り纏められている。新しい点としては、15年変動債の発行減額があるが、今年度の減額後の1回1.1兆円から1.0兆円に更に減額するとのことだが、この水準についても、以前より要望していた1銘柄当たり1.0兆円として流動性確保にも配慮しており、違和感は無い。

・この国債市場特別参加者会合(旧国債市場懇談会)もスタートして5、6年になるが、発行計画についての市場の思惑の振れ、ボラティリティが年々減ってきていると思う。借換債の前倒し発行等の貯金による余裕があることがその背景にある。そのため我々が予想を行う際にも、あまり上下に大きく変動しないような、前年度に近い発行計画の見通しができ、市場の安定性にとってプラスになっている。

15年変動債の発行額を更に減額するとのことだが、昨年度来の数度の減額によって、理論値対比での実勢価格の割安さが徐々に解消されつつあるものの、現時点では理論値対比で未だ割安であることを踏まえると、1回1.0兆円×4回に大幅に減額するという方針は理にかなっている。

30年債と物価連動債に関しては、潜在的なニーズはあると思う。しかし、30年債は、未だ投資家層が拡大する過程であり、今後の市場の状況を見ながら、増発を検討すれば良い。物価連動債も同様で、足下のCPIの動向や、消費税の引き上げの動向等を考えると、すぐに大幅な増額をすると、市場に悪影響が出る可能性があるため、当面は現行の発行ペースを維持するべき。

・全体として非常に市場サイドの期待、事前の予想に沿った良い内容だと思う。また、今後も、今回同様に市場にネガティブ・サプライズを与えず、市場に事前に織り込ませるかたちでの発行計画策定を要望する。

・大枠の発行額、発行計画に関しては違和感は無い。ただし、来年度は金融政策がテーマになる年なので、中期セクターの需給が緩む可能性があり、そのような場合には、2年債、5年債の減額を予算編成の結果も踏まえて考える必要がある。

・物価連動債に関して、リオープン発行を原則とするにもかかわらず、年6回の入札としていることに違和感がある。例えば、7,500億円を4回とすればトータルの発行額では同じとなるのではないか。中途半端なロットを避けるならば、7,000億円×4回、または8,000億円×4回とすることも考えられる。リオープンによって入札方式が変わったり、償還が10年かそうでないかによって複雑になったりと、ただでさえ新規の投資家にとって参入し難い商品が、さらにやり難くなってしまう。

・物価連動債の入札回数について、国債全体として入札回数が非常に多くなっており、年6回発行よりは、年4回で良いのではないか。そうすることによって、リオープン等の煩わしさも無くなる。

理財局から、物価連動債の入札回数を6回とする理由を以下のように説明した。

・物価連動債は、将来的には1銘柄1.0兆円にしたいと考えている。現時点では1回1.0兆円の入札を行うのはイベント・リスクの観点で不安があるため、0.5兆円×2回の入札とし、1回をリオープン発行するという考え方である。いずれは、毎四半期に1銘柄1.0兆円ずつ発行することが念頭にあり、四半期毎に1.0兆円を2回に分けて発行したいが、現在はその途中段階にあるということである。過渡期にあるため、やや不合理に見える点もあるかも知れないが、この点はご理解願いたい。

○ 流動性供給入札について

・10年新発債との関係から、直近に加えた20年34回~37回債を19年度のオファー対象から除外することには賛成する。市場ニーズによって対象銘柄の変更もあり得るとのことなので、マーケットとしては安心感がある。

・新たに追加した34回~37回債を除外する点については、10年新発債と残存期間が重複するため、需給面から基本的にはやむを得ない。ただし、仮に今年度末の時点で、まだ市場ニーズが残っている場合には、引き続きオファーを継続することも検討して欲しい。55回債以降のより長期の銘柄を加える点は、当該ゾーンの流動性が向上するので歓迎する。

・導入時には長い時間を費やしてマーケットのコンセンサスをつくった経緯があり、そのプロセスを重視したかたちで来年度も継続するのであればありがたい。市場流動性が恒常的に不足しているゾーンに対して供給していくという、本来のコンセンサスに則り、対象ゾーン及び額を現行のままとして継続するのが基本となるべきである。

・当面の話として、新規にオファー対象になる銘柄、除外される銘柄ともに違和感は無い。なお、将来的には、15年変動債の既発債について、銘柄間での需給の偏りがあるので、流動性供給の対象に追加することも検討してもらいたい。

・買入消却が市場の流動性向上の性格を強めるなかで、その対にある流動性供給入札においても、その性格をもう一段強めても良いのではないか。具体的には、発行額を1回1,500億円に増額し、対象銘柄を20年債の恒常的なショート銘柄に限らず、マーケットが望む銘柄に拡大してはどうか。その場合、システム上の制約から20銘柄しかオファーできないならば、技術的に困難かも知れないが、入札の都度、特別参加者にヒアリングを行ってオファーする銘柄を選定することも一案である。

・確かにスワップ対比での流動性供給入札銘柄の割高さは解消されてきてはいるものの、イールドカーブを見れば、15年ゾーンはやはり凹んでいる。スワップレートも、現物の影響によって利回りが低くなる傾向にあり、スワップスプレッドの縮小だけを見て割高さがしっかり解消されたとは判断できない。実際の需要もかなり有り、少なくとも1,000億円を1,500億円や2,000億円、あるいは3,000億円に増額する方向で再検討してはどうか。また、早い段階で19年度下期への流動性供給入札の継続表明をお願いしたい。

・発行額の増額に加えて、20銘柄までしか入札対象とできないシステム面の制約を改善してもらうよう、日本銀行に要望してもらいたい。

・流動性供給入札の対象ゾーンのスワップスプレッドは確かに縮小しているが、10年-20年のスプレッドが全体的に縮小していることもあり、スワップの15年ゾーンが現物の影響を受けていることもあるので、まだまだ需要は強いと考えている。発行年限の長期化にもなるという利点もあることから、2,000億円に増額しても良いと思っている。

・ニーズはまだあると思っており、将来的には、1回1,000億円程度、月2回で年間24回とすることを希望している。このうち月1回は現行ゾーンの入札とし、もう1回は特別参加者にその都度ヒアリングを行ってオファーする銘柄を選定し入札を行う。さらに、流動性供給とセットで買入消却を位置付けて、これを増額することも、課題として検討してはどうか。

○ 買入消却について

・当面は、配分を利回り物1,000億円、価格物500億円として、上下100億円程度の自由度を持たせることは適切である。価格物の中での15年変動債と物価連動債の配分については、15年変動債2回に物価連動債1回の割合とする考え方もあるが、市場の状況を踏まえて前月末までに買入対象を公表するとのことなので、柔軟性の面からも、このような形で価格物の買入消却をスタートするのは適切だと思う。

・現行の月1,500億円を維持することは、市場の安定にとってプラスである。また、価格物の15年変動債と物価連動債の配分についてだが、当面は2:1の割合で、3ヵ月のうち15年変動債を2回、物価連動債を1回というかたちで良い。しかし、現存額等の状況を考えると、将来的に、理論値対比での割安度合等から、15年変動債をもう少し増やした方が良い局面が出てくれば、適宜変更を検討してもらいたい。

・利回物1,000億円、価格物500億円の配分で価格物の買入れを始める点には違和感が無い。ただし、価格物の配分に関しては、前月末までに買入対象を発表するということなので混乱はないとも思うが、15年変動債と物価連動債のマーケット規模が大きく異なることもあり、その規模の違いにも留意しつつ、前広に買入計画を発表した方が望ましい。

・利回り物1,000億円、価格物500億円を基本とすることに違和感は無い。価格物の内訳については、マーケット規模を考慮して15年変動債と物価連動債を2:1程度の比率とするのが適当である。原則として、3ヵ月のうち2ヵ月は15年変動債を買入れることを明らかにしても良いのではないか。

・実務上は難しい点もあるとは思うが、可能であれば毎月3回の入札を実施してもらいたい。15年変動債と物価連動債が、毎月どちらか1回よりは、やはり毎月あった方が良い。入札日程が過密であることから、例えば、15年変動債と物価連動債を、同日の前場と後場に実施とする方法もあるのではいか。

(2)金利スワップ取引について(参考配布:資料4)

はじめに、理財局から、金利スワップ取引のこれまでの実績と19年度の方針について、以下のように説明を行った。

・金利スワップについては、18年度は当初の発行計画と実際の発行とが乖離するようなケースにおいて、利払いコストと金利リスクのバランスを回復させることを目的として実施している。実施に当たっては予め上限を設けており、18年度中はマーケットへのインパクト等も踏まえて、上限額を1.2兆円と定めている。

具体的な実施内容については、18年度上期までは、17年度に10年変動の個人向け国債が上ブレして変動の比率が高まったことの調整として、10年の固定払いを実施している。上期までの取組額は、8回・4,000億円となっている。

下期は、10年固定払いに加え、第Ⅱ非価格競争入札が上ブレしたこと、流動性供給入札を継続したことを背景に、短・中期ゾーンの固定受け、10年超の固定受け、を実施している。具体的な取組内容については、下期終了後に公表する予定である。

市場関係者からは、これまでの金利スワップ取引のマーケットへのインパクトは、中立的であったとの評価をいただいていると認識している。

19年度の方針については、発行計画が確定していない現時点では、まだ確としたことを申し上げる段階にはないが、今年度同様、利払いコストと金利リスクのバランスを注視しながら、引き続き適切に実施したいと考えている。また、規模・上限額については、このところ固定受けの取組み等により実施頻度が上がっていることもあり、マーケットへの定着度等も勘案して、今年度より若干増額した1.8兆円程度を上限とする方向で検討している。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・当局の説明、今後の方針に全く違和感はない。金利スワップの取組みに関しては、マーケットへのインパクトもほとんどなく、19年度に上限額を1.8兆円に上げることについても全く問題ない。

・金利スワップ取引でマーケットに悪影響が出たという話は聞いていない。今後の計画についても問題なく消化されると思うが、仮に年限と取引種別が一時的に偏るような場合には、マーケットに何らかの影響が出ないとも限らないため、今後もマーケットをモニタリングしながら実施して欲しい。

(併せて、理財局より、先日の「国の債務管理の在り方に関する懇談会」において、特別会計改革に関連して、金利スワップションの導入による債務管理の高度化や、実際の発行を検討する予定は現時点で全くないものの、外貨建債を発行した場合の為替リスクのヘッジ手段の規定整備について検討している旨を報告したところ、債務残高が多額にのぼる中でその適切な管理のために多様なリスクヘッジ手段を柔軟に行い得るよう整備しておくべきとの議論があった旨を紹介した。)

(3)発行方式等の変更について(参考配布:資料5、資料6、参考)

はじめに、理財局から、物価連動債と30年債の発行方式等の変更について、当局としての考え方を以下のとおり説明した。

・物価連動債及び30年債については、過去の本会合等において、1銘柄当たりの流動性が低く相場が個別銘柄の需給要因に左右されやすい、あるいは、セカンダリー市場での売買が行いづらい等の状況がみられるため、リオープンを積極的に行ってはどうかとの指摘があった。

ちなみに、欧米主要国においては、物価連動債及び30年債については、年間1銘柄が普通で、1銘柄の発行額が2〜4兆円程度になるまでリオープンで追加発行している。日本の場合、銘柄数が多く1銘柄当たりのロットが小さいことから、特に海外投資家から両者についてリオープンの要望が出ている。

また、30年債については、イールドダッチ入札方式の弊害として、実勢からやや乖離した入札結果がみられることから、発行開始から7年が経過し、買入消却の対象にもなって市場に厚みが出てきていることを踏まえ、そろそろ価格コンベンショナル方式に移行することが適当ではないかとの指摘を受けている。

ちなみに、20年債については、1ロット5,000億円になった段階で価格コンベンショナル方式へ移行しており、これまで30年債ほど長期間にわたってイールドダッチ方式を維持してきた銘柄はない。

そこで、発行当局としては、物価連動債及び30年債の発行について原則リオープン方式を導入するほか、30年債の入札方式を価格コンベンショナル方式に移行することについて検討しているところ。具体的には、例えば以下のような案が考えられるのではないか。

物価連動債について、8月を6月の原則リオープン発行、2月を12月の原則リオープン発行として、年間4銘柄とする。ここで、原則リオープンとは、市場実勢がリオープン対象銘柄のクーポンレートから、例えば20bp程度以上乖離した場合には、国債市場特別参加者等にヒアリングを行った上で、例外的にリオープンしないことも検討し、WI取引が開始される入札1週間前までに発表するという意味である。即ち、それ程の乖離がみられない場合には自動的にリオープンとし、大きな乖離がみられる場合にはリオープンするか否か市場参加者の意見を聞いた上で判断するということである。

また、30年債については、7月を4月の原則リオープン発行、1月を10月の原則リオープン発行として、年間2銘柄とする。これに伴い、7月債と1月債の償還・利払月は現行より3ヶ月間前倒しすることとなる。また、同時に入札方式を価格コンベンショナル方式に移行する。

③ 変更の実施時期は、物価連動債については19年2月入札分から、30年債については19年4月入札分から、それぞれ導入する。

この提案について、導入の是非も含め、導入のタイミング、リオープンの例外の考え方、即ち、20bp程度乖離した場合にヒアリングを行うことが適当か否か等について、市場参加者の皆様方からご意見をいただきたい。また、他の年限の原則リオープン化の是非や、その他流動性向上のための御提案についても、今後の検討課題として、皆様の御意見をいただきたい。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

○30年債の価格コンベンショナル方式への移行

・価格コンベンショナルへの移行に賛成である。30年債のほか、物価連動債についても価格コンベンショナル方式に移行したほうが良い。

・移行に賛成である。物価連動債も、将来増額していく前に、イールドダッチ方式から価格コンベンショナル方式に移行することを検討していただきたい。

・30年債の価格コンベンショナル方式への移行は、方向性としてはあるべき姿である。30年債は買入消却の対象にも含まれており、マーケットメイクがしやすくなっていることから、大きな混乱は無いだろう。

・入札方式に関しては、これまでもイールドダッチ方式の継続を主張してきたが、まずはリオープン発行時に価格コンベンショナル方式を試行的に実施し、そのうえで完全に移行するという段階を踏んで欲しい。

○原則リオープン方式の導入

〔30年債及び物価連動債について〕

・物価連動債と30年債の流動性を補完していく策として、リオープンを行っていくことに全く異論はない。

・30年債と物価連動債について、原則リオープンが導入されることは当社としても希望していたことであり、歓迎したい。ただ、仮に20bp以上変動した場合はリオープンしないこともあるということであるが、こういう基準を設けてしまうと、結局リオープンの例外を広げただけとなる恐れがあるので、基本的には乖離があってもリオープンするということを大原則として掲げていただきたい。

ただし当然、発行体として札が集まらないのではないかという懸念をもたれることもあるかもしれないので、市場の状況に応じてリオープンしないこともありうるといった文言にされたほうが良いのではないか。その場合、一週間前に発表されるということでいいと思う。

・物価連動債と30年債の原則リオープン化ということに全く異存はない。さきほど財務省からも将来的には物価連動債の1銘柄あたりの規模を1兆円まで持ち込みたいという話があり、我々としてもそういった一つの目線を持ってやっていきたいと考えているので、とりあえずは8月債と2月債の6月債、12月債それぞれへのリオープンという形で進めて良いと考えている。実施時期についても、来年2月からということに関して全く異存はない。

30年債についても、一つの目線として、やはり1銘柄1兆円での規模は欲しいので、7月債、1月債のリオープンということに関しても問題ないと考えている。実勢との乖離幅については、原則ということで、ほとんどのケースにおいてはリオープンするというような形での表現の方が良いのではないかと考えている。

・リオープンに関しては30年債、物価連動債の両銘柄とももちろん賛成であるが、例外のあり方については、リオープンが原則である以上20bpはちょっと狭いという感じがする。例外として設けるのであれば、例えば、物価連動債であれば少なくとも30bp、30年債であれば50bpと設けると、ここ2年の動きからするとほぼリオープンになるかと思う。判断するタイミングに関しては、入札日の一週間前ということで良いのではないかと思う。

・物価連動債のリオープン発行は問題ない。将来的には年間2銘柄発行ということも検討の余地があるのではないか。

・リオープンを行わない判断基準も提案通りで問題ない。マーケット参加者が原則リオープンと認識していれば、混乱は起きないだろう。

・リオープン発行しない選択肢が残ると、マーケットの思惑で人気の偏りが生じてしまう可能性もあり、どの程度金利が動いたらリオープン発行を取り止めるかということは明示しないほうが良い。すなわち、リオープンのルールとしての金利変動幅を拡大するのではなくて、原則リオープンとすべきである。その場合、リオープンとしない場合については、必要に応じて、市場の動向を事前にヒアリングして随時決めるということで良いのではないか。

・(理財局から、「20bp程度乖離した場合には、ヒアリングをし、その結果に従って検討するということで、リオープンしないことを決めている訳ではないつもりだが、そうした選択肢は不要であり、当局の方で決定して構わないという趣旨か。」と問うたのに対して、)おそらく、そういう状況でヒアリングをしたら、業者は新発債を希望する。その方が、限界的には消化がしやすいというのは事実であるが、それでは原則リオープン制が定着しないと思われるため、基準を設けない方が望ましい。

理財局からは、例外としてリオープンしない場合の考え方については、本日のご意見を踏まえて、更に検討したいと述べた。

〔他の年限への導入について〕

・その他の年限についても原則リオープン化するべき。

・その他の年限のリオープン化に関しては、前回の会合でも御意見があったが、2年債を除いた利付債の月例発行分については、3、6、9、12月債を新発債として、それに続く2ヶ月については、原則リオープンというのが適当ではないかと思う。1銘柄あたりの厚みを相当持たないと、どうしても最近の外国人投資家のようにスワップの方を好む動きが出てくる。債券を取り扱っている業者としては、スムーズなカーブ、流動性の高い市場、投資家にとっての取引コストや価格の透明性の高い市場を作っていきたいと思うので、1銘柄あたりの厚みを作るということを前提に考えて5年債、10年債、20年債についても原則リオープンといった形で考えていただければと思う。

・他の年限については、基本的には原則リオープンとすることがマーケットの透明性の向上に繋がると考えている。

とりわけ今のマーケットにおいて、それこそ米国債のブローカーマーケットを見ても、取引されているベンチマークの透明性がより多くの投資家を引き付けていると思う。

・他年限の原則リオープン化に関しては、とりわけ国内投資家の話を聞くと流動性を高めてくれという意見がある一方で、銘柄が多い方が良いということもあり、実際入札になると新発債がほしいという声も多く、恐らくプライマリーディーラーにヒアリングをかけられる時にも銘柄統合されるよりは新発債で出してほしいと言う意見が今でも多いと思う。そのあたりの現状を考えると、まだその他の銘柄に関しては原則リオープン化というのは、ちょっと早いのかなという印象を持っている。

・ディーラーに新発債かリオープンかというヒアリングをした場合、新しい銘柄が良いと答えるのは選択肢があるからである。ディーラーとしては、選択肢がある以上は目先売りやすい方の新発債を希望するが、これと原則リオープン制にした方が良いというのは、全く違う状況のもとでの発言である。入札時にどちらが良いかと言われれば、状況に応じて新発債の方が良いと答えるが、そのことが原則リオープン制の否定に繋がるものではない。

・物価連動債、30年債以外の年限については、1銘柄の発行額が1兆円を割った時に原則リオープンを検討すれば良い。国内投資家はカレント志向が強いため、発行額が2兆円規模の銘柄については、必ずしもリオープンのニーズは高くない。

・その他の年限については、銘柄数を減らして流動性を高めるというのが、大きなメリットになるため、中長期的には原則リオープン制度の導入を検討すべき。ただし、国内投資家はカレント志向がかなり強いため、現状では時期尚早である。

・発行量の減るものをリオープンしていくというやり方はあるだろうが、現状5年、10年はいずれも発行量が多いので、現状維持の方が良い。

・基本的には全てリオープンにして銘柄数を減らして流動性を高める方が、海外の投資家も含めて良いのではないか。

・原則リオープンの拡大は大歓迎である。その際、リオープンするか否かの基準については明示しないほうが良い。現場のディーラー等の意見では、リオープンによる需要への悪影響はさほどなく、むしろセカンダリーマーケットの流動性が高まることで大きなロットを捌けるようになる利点のほうが大きいと考えている。

・流動性のないものについてリオープンするということは、論理的であって良いが、日本の投資家は簿価通算を採用しているので、全部リオープンとすることが必ずしも皆にとってハッピーかというと少々違う面も出てくる。流動性の少ない物価連動債や30年債のリオープンについて全く異論はないが、他の年限については状況を見ながらであり、程度の問題ではないか。

・プライマリーの話が中心になっているが、確かにカレント志向は強く、消化という意味ではその方が良いのかもしれない。しかし、セカンダリーマーケットを考えると、銘柄が多いことで、業者のロング・ショートのバリエーションが非常に多くなってしまうことに繋がっている。ロング・ショートがたくさんあると、資本力が必要となり、あるいはレポコストがかかってくる。2年債など短い年限であれば良いが、例えば、20年債や10年債は、発行時のロング・ショートを長期間抱えながらやっていかなければいけないことになっている。債券の種類も少なかった昔と違い、多くの種類が出ている現在では、プライマリーだけではなくて、セカンダリーとマーケットメイクという観点からリオープンを拡大していった方が良いと考える。

・(理財局より、5年60回債が3本1銘柄になったが、その後の状況から、これがリオープンになったことについて良かった又は悪かった等の意見を問うたのに対して、)メインである国内の投資家は、他の年限での原則リオープンは困る状況にあることは理解した方が良い。最近、5年債が3回連続して同じ銘柄になったときには、やや消化が厳しいという意見があったことも確かである。

・2回リオープンされた5年60回債はなかなか需給が締まらない銘柄ではあるが、それは2回リオープンされた銘柄とそうでない銘柄が混在しているからであって、全てリオープンになれば、時間とともに解消する問題だと思われる。

・確かに5年60回債は直近、色々と材料があった中での入札ということが大きかったのではないか。1銘柄3本出た後の市場の動向に関しては、どちらかといえばダブついているというより流動性がしっかりある銘柄となっており、他の銘柄と比べて沈んだような状況にはないと思う。

・(理財局より、5年債については、米国においても毎月償還月が異なる1銘柄を発行しており、リオープンは行っていない。国内投資家の一部からは、5年債については、米国のように年間12銘柄にして銘柄数を逆に増やしてほしいとの声も出ている。他の年限についても、中長期的に原則リオープン化に移行すべきというご意見が出ているが、5年債についても本当にそうすべきであるということなのかと問うたのに対して、)米国では、5年債は毎月発行・毎月償還で、年間12種類発行されており、複数の投資家から、米国のような銘柄の多様性を望む意見が聞かれている。

・最近は、5年債では500億円程度のロットの取引が頻繁に行われており、場合によってオプション等を絡める1,000億円単位の取引などが見受けられる。海外投資家との取引サイズが大きくなってきていることから、1銘柄2兆円でも十分な流動性を維持できるほどの量はないというのが実感である。

・投資家のカレント志向というのは相当あると思う。仮に、流動性の問題が深刻であるとするならば、2年債はリオープンになっていないとおかしいという話になる。毎月発行の2年債がリオープンでなくても良いという現状から考えると、カレント志向の方が上回っているのではないか。償却原価法ではあるものの、簿価通算するため、使い勝手の面からは銘柄が分散した方が決算対策等でフレキシブルに調整しやすい面もある。30年債では海外投資家の比率が相当高いが、10年以下の年限、特に5年債については国内の機関投資家の保有量が多いことを勘案すると、カレントニーズをある程度重視すべきである。その中で、リオープンのフレキシビリティを持たせるという方向の方が、少なくとも足元では、国債の安定消化に資するのではないかと考えている。

○その他の市場流動性向上のための提案

・プライマリーディーラーがセカンダリーマーケットのなかで出来ることとして、日本では未だに単利で取引されていることが海外投資家には分かりにくいということがあるので、そのあたりの対応についても考えていければいいと思う。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 八幡・田原

電話 代表

03(3581)4111 内線 5701

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出典:財務省