国債市場特別参加者会合(第30回)
| 開催日 | 2009-12-04 |
|---|---|
| 場所 | 第3特別会議室 |
| 議題 | (1)平成21年度2次補正予算に伴う国債発行計画の見直しについて (2)平成22年度国債発行計画について (3) 平成22年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料2〕 (4)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
| 原文 | 財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元) |
配布資料
| 資料1PDF |
| 資料2PDF |
議事要旨
(1)平成21年度2次補正予算に伴う国債発行計画の見直しについて
(2)平成22年度国債発行計画について
〔参考配布:資料1〕
はじめに、理財局から、平成21年度第2次補正予算に伴う国債発行計画の見直し、及び平成22年度の国債発行計画について、資料1に沿って適宜説明した。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
2次補正に伴う増発に関しては、需給を加味すると、利付債で対応可能であると思われるのは30年債であり、来年3月に6,000億円を1回追加できるのではないか。後は、T-Billで対応するのが望ましい。
来年度については不確定要素が多いが、基本的には、各年限とも、本年11月からの増額後の発行額を来年度も維持した上で、30年債を年8回まで増やせばよいのではないかと考えている。それでも足りない場合は、増額できるのは5年債で1回あたり1,000億円程度、その次に2年債で対応可能ではないか。逆に減額できる場合は、国債管理政策上、短い年限から削っていくことが望ましいため、T-Bill の1年物や6ヶ月物を減額する。
物価連動債と15年変動債に関しては、今年度当初と同様、各々3,000億円の仮置きとするのが望ましい。今のところ物価連動債はBEIが低く、すぐに発行できる見通しはないと考えているが、仮置きはしてほしい。
2次補正については、来年3月に30年債6,000億円を1回発行する余裕があり、それ以外ではT-Billでの対応が望ましい。
来年度については、利付債で発行余地があるのは2年債であると考えている。後は11月以降発行ペースが増えていることから、それを維持すれば賄えると考えている。また、定義付けの問題がクリアになれば月2回行っている流動性供給入札において、1回当たり2,000億円程度の増額余地はあると考えている。減額できる状況となった場合は、まず短い年限を減額し、利付債でも減額できれば、需給的に苦しい10年債の減額を希望する。
物価連動債と15年変動債に関しては今年度と同様の対応でよい。
2次補正は、国債の追加発行額を9.3兆円と予想しており、第Ⅱ非価格競争入札の上振れ分、前倒債の取り崩し、出納整理期間発行などを加味すると、年度内の市中発行での消化額は5.1兆円と予想している。これについては、3月に30年債6,000億円を1回追加発行し、残りの部分はT-Bill6ヶ月物で吸収可能と考えている。基本的に、T-Billの部分はクッションとして増減に使えるという考え方である。
来年度については、カレンダーベースの発行額は145.2兆円を想定している。増発余地があるのは10年債、20年債、30年債で各月1,000億円。各年限とも今年度中に増発してきているが、増発のバランスとしては2年債と5年債の割合が大きかったためである。減額するゾーンとしてはT-Billと考えている。
物価連動債と15年変動債に関しては各3000億円×1回を仮置きすることでよいのではないか。
2次補正に関してはこれまでの意見と相違はない。30年債の3月のスポット発行は可能であると考えている。
来年度増額できる可能性のあるゾーンとしては、30年債を年8回とすることや、40年債の1回当たり1,000~2,000億円の増額は可能であろう。これでも不足が出る場合は、10年債、流動性供給入札といった順番で考えている。逆に減額すべき年限に関しては、基本的にはT-Bill1年物、2年債、5年債の順に減額すべきと考えている。また、これまで20年債に偏った増発をしてきており、30年債対比で発行が多いという印象をもっているため、20年債も減額の対象になると考えている。
物価連動債と15年変動債に関してはこれまでの意見と変わりはない。
2次補正については、増発を総額7兆円程度と見積もった場合、30年債を3月に6,000億円スポット発行し、残りをT-Billで発行すればよいのではないか。T-Bill内の配分については、1~3月のみの対応であれば、T-Bill3ヶ月物を1回当たり5,000億円増額し、T-Bill6ヶ月物を1回当たり2,000億円増額すればよいのではないか。一方、来年度以降も増額したベースを平常化するのであれば、1月以降、T-Bill6ヶ月物を月2回に増やし、1回当たりの発行額を現在の3.5兆円から2.85兆円に減額し、月ベースでは発行額を3.5兆円から5.7兆円に増やす。短期セクターの発行の平準化を考えればT-Bill6ヶ月物は常においておくことも一考である。
来年度は、仮に2~3兆円の増額が必要であるという前提では、10年債を毎月1,000億円増額、30年債と40年債の発行スケジュールの平準化から、30年債を9月と3月の2回追加し、合計で2.4兆円の増額は可能であろう。一方、減額できる場合は、流動性供給入札を希望する。昨今の応札倍率の状況等を鑑みると、現状、ニーズはそれほど高くないと認識しており、月3,000億円×2回から月2,000億円×2回へ減額してもよいのではないか。
物価連動債、15年変動債については、ともに3,000億円の発行予定額の仮計上でよいが、市場環境に応じて機動的に対応するということは示しておいたほうがよい。
2次補正に関しては、3月に30年債を1回追加発行し、残りはT-Billで対応すればよいのではないか。
来年度増額が必要な場合には、30年債と40年債の増額が可能ではないか。空いている月に入れてもよいが、1回当たりの発行額も1,000億円ずつ増額できると思われる。反対に減額できる場合は、T-Billや2年債、5年債が対象になるのではないか。
物価連動債、15年変動債は3,000億円の仮置きでよい。
2次補正については、3月に30年債を6,000億円追加発行し、残りをT-Billに配分すればよい。
来年度増額が必要な場合には、30年債を年6回から7回とし、減額できる場合は、T-Billでよいのではないか。
2次補正については、T-Bill6ヶ月物の増額と30年債を3月に1回増やすことでよいのではないか。発行月が少ないことを考えるとそうせざるを得ないのではないか。
来年度については、11月以降の発行額を維持すれば、年間で140兆円前半となることから、基本的には動かさなくてよいのではないか。仮に増額ということになれば、30年債、2年債、5年債は対応可能であり、30年債は6,000億円×8回の発行が可能であろう。一方、減額できる場合は、超長期債のバランスを変えるという観点から、30年債対比で20年債は多いため、20年債を減額してもよいと考える。
15年変動債、物価連動債については、特段カレンダーに計上する必要はないと考えている。仮に合計で6,000億円計上しても、年度中に再び、どの年限に振り分けるかという話が出てくると思われる。注釈で市場環境が改善すれば発行すると記載すればよいのではないか。
2次補正については、30年債を3月に追加発行するほか、2年債を3月に2,000~3,000億円増額しても吸収余力はあると思われ、残りはT-billで対応する。
来年度は、増額が必要な場合は、30年債、40年債には増発余力があり、2年債、5年債も増額に耐え得るのではないか。また、流動性供給入札に関しては、もう少し短いセクターで増額の余力はあると思う。一方、減額が可能であるならば、20年債は多少減額してもよいと思う。
物価連動債、15年変動債については、仮置き計上で問題ない。
補正の対応については、特に大きな金額に膨れあがる懸念もないと考えており、30年債を3月1回スポット発行し、後は、前倒債の減額と第Ⅱ非価格競争入札での上積み分を充当し、不足分をT-Billで対応すればよいのではないか。
来年度については、11月以降の増額後の発行を続けることが前提だが、大幅に増額する必要はないのではないか。その上で、増発が必要な場合は、まず30年債、40年債が対象となる。30年債については、9月、3月の発行を追加し年8回は可能であろう。40年債についても、1回当たりの発行額を増額することは問題ない。将来的には40年債の規模が大きくなったところで、30年債と40年債を各々年6回にしてもよいと考えている。更に増額が必要な場合は、万遍なく増やしていくしかないが、20年債の増額は一番難しく、10年債もやや不安定になるのではないか。一方、減額できる場合は、これまで中短期債主導で増額しているため、まず短期債を中心に減額し、その上で更に減額が可能であれば、時期や金融政策等の見通しにもよるが、中期債から10年債ぐらいの減額で対応したほうがよいのではないか。
物価連動債、15年変動債の計上については、まず物価連動債は、国内の環境が発行に適していくかは不透明であるが、場合によってはグローバルな環境の中でニーズが出てくる可能性もあるため、当局のコミットメントを示す意味でも、振替のリスクを考慮し、最低限の3,000億円程度でよいので、ぜひ計上すべきである。一方、15年変動債については、無難に計上してもよいと思うが、計上する必要性はそれほど大きくはないと考えている。償還が始まる時期まで発行の再開は難しいと考えている。
物価連動債、15年変動債の計上方法を分けるということは、逆に強いメッセージになるとの指摘もあり、メッセージ性を和らげるという意味では、両方を仮置き計上することが無難だと思う。しかし、15年変動債については、投資家を含めたマーケット参加者が発行しないのではと考えていることから、無理に計上する必要性はないのではないか。もちろん財政制約が厳しい中で、買入消却を今後も大量にかつ継続的に続けられるか不明であるため、発行も買入消却もなくなった場合、市場がなくなってしまうという危険性を考えれば計上しておく方が無難ではある。そういった意味では、物価連動債と意味合いが少し違うのではないか。
2次補正の規模については、税収の下振れが8~9兆円程度、それに景気対策の真水部分の上積みでプラスアルファがあるかないかだと考えている。税収の下振れ分8~9兆円については、30年債を来年3月に6,000億円スポット発行、T-Bill6ヶ月物を4~5兆円増額、不足する残りの部分を前倒債の減額調整で3兆円、第Ⅱ非価格競争入札の上積みで1兆円程度という形で対応できればと考えている。また、景気対策の真水部分が4兆円規模であれば、1次補正の執行停止分2兆7,000億円の充当と利払い費の予算減額で対応可能である。しかし、それ以上の上積みや金融対策の中で財投債が増えるリスクもあり、仮にプラスアルファの部分が増える場合は、例えば来年3月のみ2年債を5,000億円程度増額し、発行額を現行の2兆6,000億円から3兆1,000億円にするのも一案であるほか、場合によっては5年債も若干の増額が必要かもしれない。
来年度に関しては、30年債を9月と3月に2回追加し、他は、11月以降の1回当たりの発行額をそのまま継続、物価連動債と15年変動債を各3,000億円仮計上し、T-Bill6カ月物を今年度当初計画と同じ9,000億円とすれば、カレンダーベース市中発行は144兆円程度となる。来年度の発行総額の見込みには不確定要因が多く、特に財投債は幾分上振れるリスクがあり、仮に4兆円程度の上振れであれば、T-Bill6カ月物を2次補正と同じように5兆円程度積むことで対応は可能となるが、それ以上の増額が必要になる場合は、例えば5年債を4月から毎月1,000億円増額することも可能ではないか。その他、30年債を5,000億円×12回とする選択肢や、40年債の発行額を3,000億円から5,000億円に増額する選択肢などが考えられる。
一方、減額が可能な場合は、将来的な借換の負担などからT-Billや2年債を優先するのがよいと思う。
この他、もう少し先を見越すという意味では、投資家の間でカレント志向が強まっているので、2年債と5年債の他に3年債を新たに発行することを検討してもよいのではないか。
国債管理政策はここまで非常にうまく機能していることを強く自信をもって訴えていくべきだと強調したい。これまで「サプライズなき増発」を実行してきており、特に、4月の補正や11月からの増発で、T-Bill6ヶ月物や前倒債の活用を温存し、今回の2次補正でうまく活用できることは非常に有効であると思う。来年度についても同様の方向性でやっていければ、ある程度の発行量になっても市場にショックを与えず、金利のボラティリティの低下や発行コストの低下に繋がっていくのではないかと考えている。
2次補正の増発については、これまでの意見と同様である。T-Bill6ヶ月物でどの程度増額できるか不透明な部分もあるが、足りない部分は第Ⅱ非価格競争入札の上振れ分、前倒債の減額調整を活用し、それでも足りないようであれば出納整理期間も活用すればよいだろう。
来年度について、増額が必要であれば、30年債を9月と3月に追加し、年間8回とするのがよいだろう。もっとも、これを2次補正後の延長と考えれば増額とは言えないかもしれない。一方、減額するならば、もちろんT-Bill6ヶ月物であり、次に対象となるのは特定の投資家層がいない10年債だと思う。更に可能であればT-Bill1年物や2年債を減額し、今後の借換債の発行増加を避けるべきだろう。
物価連動債と15年変動債の扱いに関しては、いろんな意味で温度差はあるものの、マーケットにあまりショックを与える必要もないので、基本的に今年度と同様の扱いでよいと思う。物価連動債については、もしかすると年度後半に発行が可能でなるのではといった淡い期待も抱いている。
(3) 平成22年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料2〕
はじめに、理財局から、平成22年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札の考え方について、資料2に沿って適宜説明した。
また、「国の債務管理の在り方に関する懇談会」において、流動性供給入札については、補完的手段として行うことが望ましいという議論がなされている旨を説明した。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
流動性供給入札を主たる調達手段ではなく補完的手段と整理するのであれば、現状の発行額はそれを逸脱していないと思う。
買入消却に関しては、借換債の発行を財源としている背景があり、物価連動債、15年変動債ともに市場環境が改善している現状を考慮すると、可能な限り減額する方向性でよいのではないか。具体的には、買入れ額を10-12月の1兆円から、2~3割程度減らすよう調整できればよいと思う。
流動性供給入札については、発行量が元々少ないゾーンへの対応という位置付けで始めたため、そのスタンスを維持するという意味では、これ以上の増額は考えなくてよい。流動性が低い銘柄の購入ニーズを満たすための特別な手段であるならば、これ以上の増額は全く必要ない。実際、昨日の入札での応札倍率も高くなかった。但し、規模は現状維持か若干減額であっても、市場でニーズが強くなっている40年債を対象に加えて欲しい。
買入消却については、まだマーケットには懸念があり、大きな減額はショックを与える。従って、できるだけ少ない減額とし、物価連動債で1回当たり100億円程度であれば許容できると思う。15年変動債は、買入消却入札が流れることもないと思われ、市中残高もまだ大きいことから、来年1-3月は現状維持を希望する。
流動性供給入札については、現状維持で実施してほしい。確かに構造的に流動性が低下しているゾーンについて追加発行するという当初の目的からは若干意味合いが変わってきたが、需給がタイトな銘柄を買う機会を提供して欲しいというのが要望である。
買入消却については、15年変動債の市況はかなり安定しているが、投資家による買入消却を使った売却ニーズもかなり強いものがあり、年度末も控えているため、1-3月については同程度で実施してほしい。物価連動債の流動性もかなり薄い状況が続いているが、市中残高が徐々に減少していることを考えれば、市場にショックを与えない程度に緩やかには減額してもよいと思う。1-3月については、現状の総額1兆円から1割程度の減額で9,000億程度としてほしい。
流動性供給入札は、消化余力という点では未だ発行可能であると考えるが、現状でも十分流動性は確保されており、補完性を逸脱しないためには現状維持が望ましい。
買入消却については、物価連動債は市場残高が減ってきているため、市場にインパクトを与えない程度の減額余地はある。但し、来年度の総額については、物価連動債、15年変動債ともに、何らかの形で市場にショックが発生することも考えられるほか、現状は全く問題ない利付債についても、例えば長期金利が大きくはねるケース等があり得るとすると、今年度同様4兆円程度の予算措置が必要と考えている。
流動性供給入札については、補完的な位置づけということであるため、今後も現状維持とし、詳細を3ヵ月毎に議論するということでよい。
買入消却について、来年1-3月は、物価連動債は日銀の買入オペと合わせて毎月2,200億円となるように計5,800億円、15年変動債は計2,800億円など、幾らかの減額は可能である。来年度もある程度減額は可能と考えており、当初の年間計画では3兆円台前半程度とし、状況の変化があれば4兆円にすぐに戻すというような注記を加え、実際そのようなことが起こればすぐに対応することを考えるべきである。
流動性供給入札については、5年、10年、20年等の新発債の円滑な発行との関係でも、業者のポジション調整に対する寄与度は高いと考えており、今の規模は基本的に合っている。結果発表時刻の繰上げも視野に入っているのであれば、最低限現状を維持するのがよいと思う。
買入消却については、物価連動債や15年変動債の価格そのものは戻っているが、これは国内投資家の最終需要ではなく当局の買入消却によるものであるため、慎重に考えるべき。ただ、市中残高の減少に対してはある程度対応する必要もあるので、具体的に来年1-3月には総額で1割程度減額し、物価連動債は計6,500億円、15年変動債は計2,500億円とすることを提案する。
流動性供給入札については、最近急激に発行額が増え、量的にも市中発行総額の5%程度を占めていることから、今後先行して増額させるものではないと思う。一方で、位置付けを変えながらも市場の流動性を高めるツールとしてマーケットメイカーにも非常に重宝されている制度であり、現状程度の発行量を維持しながら常に市場参加者で対応を考えていきたいと考えている。
買入消却についても、来年1-3月は国内投資家の決算期であることを考慮すれば、市場にあまり大きなインパクトを与えるような対応は避ける方がよいと思う。来年度以降、厳しい財政制約の中でどの程度の量を確保できるかという点について、不測の際には他の財源を差し置いて買入消却を優先すべき場合もあるとは思うものの、現状は市場がやや落ち着いてきているため、試行という意味でメッセージ性を込める程度の小幅な減額を来年1-3月に行うことも一つの選択肢かと思う。具体的には、市場残高が減少している物価連動債について1回当たり数百億の小幅減額、15年変動債は1回当たり1,000億円程度の規模を維持すればマーケットの大きな反応もないだろう。
流動性供給入札については、補完的という位置付けである限り、現状維持が最適と考える。
買入消却のうち、物価連動債については、これまでの大規模な買入が奏功し、価格も安定し始めているため、減額も可能ではないかと思う。今後は、市中残高と買入額の比率を維持する形での減額が望ましいのではないか。15年変動債については、市場の流動性を考えた場合、引き続き同程度の買入が必要と考えている。
流動性供給入札は、補完的という趣旨であれば、現状維持で問題ない。
買入消却については、基本的には市場の状況は大きく改善したとは言えず、特に、物価連動債は、市中残高の減少や買入消却の財源の問題等も考慮する必要があれば、多少の減額によりメッセージ性を持たせることも可能であるが、実際の減額は小幅にとどめるべき。具体的には、来年1-3月計で物価連動債は6,500億円程度、15年変動債は3,000億円程度とし、全体で5%程度の減額が考えられる。
流動性供給入札について、来年1-3月は現状維持で止む無しという意見。補完的な位置付けということであれば、現状の発行額が上限である。発行当局は、新発債を粛々と定例発行することでイールドカーブを形成させるのが基本であり、現在の流動性供給入札の規模は上限であると認識している。応札倍率の状況をみると、応札義務等を課すことも検討した方が良いのではないか。
買入消却については、来年1-3月以降、来年度も含め、物価連動債及び15年変動債を合わせた市中残高に対する現状の買入額の割合をベースにしていくのが妥当だと思う。具体的には、来年1-3月については、総額で800~900億円程度の減額が可能。来年度についても、今年度の4兆円程度から最終的には3兆円程度まで減額しても、特に大きなインパクトは与えないという認識である。その場合の内訳としては、元本保証がなく、デフレの環境下という事情もあるので、物価連動債の買入消却は現状維持とし、理論価格がある15年変動債を減額する方が良いのではないか。
流動性供給入札は、現状維持で良いと思う。ただ、位置付けの議論においては、流動性供給入札だけを取り上げるより、そもそも国債市場の流動性が低い理由を考える必要があり、レポ市場の機能向上という点で、全投資家に強制することは難しいとしても、大口投資家が纏まって保有した銘柄などがレポ市場に供給されるような働き掛けも必要ではないか。同様の観点では、発行時の銘柄統合の取り扱いのほか、3年債や7年債のような新年限を導入するより現状の方が良いという考え方もあるなど、大きな枠組みの中で議論する必要があるのではないか。
買入消却については、物価連動債及び15年変動債ともに応札倍率が引き続き2~3倍という状況を踏まえると、現状維持ないしは微減が良いのではないか。価格が回復し安定してきたが、未だに割安な状況であり、急激な減額よりも段階的な減額の方が良いと考えている。特に物価連動債については、買入消却入札のテールが流れるケースがあることを考えると、回数を増やして1回当たりの金額を減らすことも一案。さらに、物価連動債の市中残高はかなり減少してきたが、最後まで買入消却を行うのか、BEIの水準次第で止めるのかなど、買入消却の方向性を議論するべきであると思う。
流動性供給入札については、今年度は増発対応の中で発行額が増加したが、当初の目的であるスクイーズの解消という観点では、特に残存15年超の銘柄は問題が解消されているため、そろそろ発行額を減額し、減額分を各年限の新発債に割り振るのが本来の対応かもしれない。仮に、同程度の発行を継続するとしても、現在の対象ゾーンに5年未満を加えた3ゾーンなどについて議論していくべきと考えている。
買入消却については、現状、物価連動債、15年変動債ともに市況は安定しているが、買入消却の存在により落ち着いていると考えており、今後も同程度で続けるのが良いと思う。物価連動債は市中残高が大幅に減少しているので、来年度は多少の減額は可能だと思うが、市場の状況を見ながら徐々に対応するのが良いのではないか。
流動性供給入札については、現状維持でよい。
買入消却については、市場の安定化という点で相応の成果が上がっており、継続してほしい。しかし、来年度のカレンダーベースの市中発行額が140兆円を超える見込みの中では、買入消却の財源のための借換債の増発圧力を緩和するために、減額を検討せざるを得ない。来年度は、今年度から1兆円程減らして、3兆円程度とするのが一つの考え方。
その場合、物価連動債の残高は今年3月の約8.5兆円から来年3月には6兆円弱まで3割程度の減少が見込まれるため、現在のペースの3割程度、年間では8,000億円程度減らすことが可能ではないか。15年変動債については、毎月1,000億円程度の買入を続ければ市場の安定に寄与すると思う。日本銀行の買入オペの対象となる月は、若干少なくても問題ないだろう。これらを合わせると、来年度の実施額が3兆円程度まで減額できる。
それに向けて、来年1-3月期から少しずつ減らして市場の様子を見ることも必要だと思う。例えば、物価連動債を毎月2,000億円強とし、15年変動債については毎月1,000億円程度としつつも、日本銀行の買入オペの対象となる2月は800~900億円にしてはどうか。
流動性供給入札には、消化余力という観点では増額は可能である。
買入消却については、物価連動債、15年変動債ともにあまり大きく数字を動かすべきではない。物価連動債については、市中残高に比べて当局の買入額が大きくなっているが、市場において実需の買いは無いため、買入消却が減額されると市場が不安定になるおそれがある。また、15年変動債についても、あまり極端に減らさない方がよいと思う。物価連動債の買入消却が減額された場合に、15年変動債の減額のペースも速まると思った投資家が、売り急ぐことも十分考えられるので、慎重に対応してほしい。どちらかというと、15年変動債は減額しないほうがよいと考えている。
流動性供給入札については、増額の余地があると考えている。毒を食らわば皿までではないが、ある意味背景が変遷していると考えており、金額に具体的なイメージはないものの、対象銘柄の拡大を含め検討して頂きたい。
買入消却については、9月の会合でも述べたが、物価連動債を中心に若干の減額が可能だと思う。もっとも、市況は改善しているが、カレント債のBEIで▲1.0%を超えてくると相応の売りも出てくるという印象は強いため、1-3月においては微減に止め、減額のメッセージを強く出した上で来年度に向けて考えるのがよいのではないか。15年変動債も減額は可能だと思うが、投資家からは、物価連動債よりも減額余地は小さいとの話を聞いている。従って、同額でよいのではないか。
(4)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
経済環境の変化や政府のデフレ宣言がなされたことなどを含めたマクロ環境から考えると、現状の1.2%台後半から1.3%近傍の長期金利の水準は非常に説明がつきやすい水準であると思う。例えば、長期金利を構成する要因から考えると、足元はデフレ要因が金利を下に引っ張る方向であるが、来年にかけても財政のリスクプレミアムは高止まりし続けることが考えられる。こうした状況では、劇的に為替要因が大きく振れて目先の期待インフレ率が高まることなどが無ければ、足下の1.3%近傍の水準で推移することがマクロの環境から考えられる。金融政策に関連して考えてみても、先般の追加資金供給策により、やや長い金利を低めに誘導するというメッセージが日本銀行から出されたことにより、金融政策に対する不確実性が低下すると考えられるので、長期金利はゆくゆくは低位安定するのではないか。
直近の日本銀行による追加資金供給策については、当初の反応はかなり期待はずれという印象であったが、0.1%の固定金利で固定額の供給というのは、実際どのように運用するのかと思っている。ダッチオークションなどをイメージすると、欲しい額よりも多く応札しがちで、案分された額を想定しながら応札することになると思う。そうすると形の上では応札額が増えて、供給額が足りないという印象が出てしまい、その結果どんどん供給額が増えて、実質的に0.1%での無制限の供給に市場がなって欲しいと思っているところが現状あると思われ、そのため5年債がかなり買われてきている。2年債ももちろん買われてきているが、2年債は政策金利とのスプレッドを考えると現在7bpくらいであるが、これは2002~2003年頃にゼロ金利だったときと同じスプレッドなので、これ以上の低下余地は難しいと考えている。2003年に買い上がりすぎて結局その年の6月に反対方向に行ってしまったという学習効果が市場に残っているので、極端に動くことはないと思うが、今年は非常にレンジが狭くボラティリティの低い相場で、皆おとなしくやっていただけに、一度は買い上がる局面があるのではないかと思っている。
10月から金利が上昇する局面では、財政面を理由にする者や、今まで見たこともないような投資家が通常では考えられない金利の長期ゾーンのオプションを買うといった行為からはやしたてた結果、相場が低下していったが、実際、マクロ的に資金フローを考えれば今年度だけでなく来年度も需要自体は支えられると思う。ただし、金額的に支えられるだけであり、例えば、来年度140兆円の発行に対して140兆円の需要があり、新規財源債44兆円のうち結果として借り換えられる部分を除いたところにもニューマネーは入ってくるだろうが、年限の選択は投資家の自由であるため、場合によってはリスクプレミアムが上乗せされる場面もあり得る。また、現在は相場が安定しており、特に短い年限は今後ボラティリティが低下し、今後も安定していくことが予想されており、その過程では今後長い視点から国債管理政策を着々と進め始めればよいのではないか。特に今後も国債の発行額が容易に減少しないと思われ、また、発行額自体、政治サイドで決まることから、国債管理という面から、例えば将来的により借換債を少なくするにはどうするかを検討する時期として適切ではないか。
大きなマーケットのテーマとしては、基本的にデフレの長期化と財政悪化からの危うい均衡、ないしは綱引きと考えている。10年金利でみると、1.3%から1.4%を中心に、後はその時々の景気対策や株価、為替、発行償還バランス、銀行を中心とした決算に絡めた動き等により、あやがつくと思われる。特に今月は、6月同様償還が非常に多いことや、偶数月ということで年金の振込みがあるため、需給的には年間を通じて一番よい時期であり、足元の金利水準については、あまり過大評価せず、そこを割り引いて考えた方がよいのではないか。ポジションの傾き具合にもよるが、来年1月、2月にかけては若干調整から金利が上がり易い時期に入るというのが目先の見方である。
また、国債の消化の観点からは、特に今年度が特徴的であるが、銀行依存度が強まってしまったことである。2007年度まではどちらかといえば公的年金、海外勢、個人が国債の残高をどんどん増やしていったが、昨年度ぐらいからは、外人が売りにまわり、公的年金の買いが減り、個人も国債に対して興味を少し失っている状態である。こうした中で、銀行が債券残高を大きく積み増して、今の国債マーケットが成り立っているという状況だと思う。特に今年度4月から大幅な増額となったが、発行年限については、T-Billから5年が中心で、このゾーンを消化したのも銀行である。注意しなければならないのは都銀、地銀、信用金庫を含めた銀行全体の総資産に占める債券の比率が11月時点で約20%まで達しており、過去一番高い比率となっていることである。債券の場合、市場リスクという面があり、更に銀行はオペレーションが似ていることから、相場の変動が一方向に動きやすい傾向にあるため、来年度以降も引続き不安定な面は残ると思う。また、銀行の調達コストは日銀の金融政策にかなり影響を受けることから、日銀は積極的に国債を買ってマーケットの安定を図るということではなく、今後色々出口の議論も出てくるとは思うが、やはり市場への影響というところでは最大限配慮いただきたい。
また、マーケットの人間として政府に強くお願いしたいのは、これだけ債務残高が膨らんでくると、多少金利が上がるだけでも、利払いコストが大きく膨らむため、財政については色々な議論がなされると思われるが、国債マーケットに関しては市場の声を無視せず、真摯に財政再建を進めていただきたい。
円高・株安を踏まえ、先般、日銀が金融緩和を更に強化したことから、中短期の金利は当面低位安定して推移すると思われる。一方、長期・超長期のゾーンについては、11月のマーケットでテーマになった国債増発懸念や財政プレミアムは消えてはいるものの、依然として存在していると思われることから、相対的に引き続きボラタイルな展開になるのではないか。
今回日銀が資金供給を増やしたからといって、銀行の調達コストが大きく下がるわけではなく、それで何が買えるかというと、一般的には短いゾーンの国債を買うというのが普通の行動ではないか。これまでゼロ金利と量的緩和を経験しているが、いつまでもこの状況が続くわけではないと思っているので、それをよく踏まえてポートフォリオ運営を肝に銘じて行っていきたい。
量的緩和の時間軸効果次第だと思うが、中短期のボラティリティが低下して、金利の絶対水準自体が低位安定するというのはほぼ間違いないだろう。一方、より長い金利の上昇余地ということについても、中短期のボラティリティの低下と絶対金利の低位安定を考えると、金利上昇の余地もある程度は限られてくるが、長い金利のボラティリティ自体はそれほど落ち着かないという気はする。
国債増発や財政悪化でそれほど持続的な金利上昇はないという立場をとっているが、安心してしまうのは問題であると思っている。振り返ってみると、今年度はこういった問題で利回りが上昇した6月の1.56%、11月の1.485%で債券を買っておけばよかったとも言える。しかし、逆に言えば国債増発要因でしか金利が上昇していないという見方もできる。それに加え、政権が代わる中で、いろいろとルールが変わったとまでは言わないが、例えば年末にむけて予算の財務省案を出さないとなると、発行計画が今までとは違ったスケジュールで出てくるのでないかという不安を感じる。年末にネガティブなサプライズがあるとは思わないし、思いたくもないが、今、安心感が強くなっている分、気になるところではある。
9月、10月と海外勢で売っているのはメインなプレイヤーではないが、財政悪化といった問題に関しては、絶えずつきまとう問題だということは今も残っていると思う。仮に今年度サプライズなしに終わったとしても、来年度、再来年度を考えた場合、必ず問題は大きくなっていくのではないか。来年度金利が上昇した時に、国債増発なのかという議論は今年度の延長線上ではできる。2次補正も来年度も大丈夫という安心感が生まれているが、手放しでそういう見方をして良いのかという気がする。安心した時には備えが必要なのではないか。年末まで気を抜かずにマーケットを見ていきたい。
相場の動きとしては、基本的には方向感のないレンジが続いているということである。違いとしては、先般の日銀の追加緩和により、2年、5年の金利が10bp程度切り下がったということだと思う。最終的には、国内で国債は基本的にすべて消化されており、国内投資家のコスト、具体的には銀行であれば預金、生命保険であれば予定利率といったコストが変わらない以上、なかなか大きく金利のレンジは変わらないと思う。他方、入札は、増発と投資家の寡占化により振れやすくなると思う。
日本銀行には、臨時会合の開催は極力入札の日を避けていただきたい。特に、前場引けでの臨時会合の発表はやめていただきたいということをいろんな方面から言われていると思うが、改めてお願いしたい。
海外投資家の動きに関しては、今のところ本腰を入れていないと思うので、彼らに来年も本腰を入れさせないために、政府として中長期的な観点での財政再建を示す必要があると思う。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 鈴木・橋本
電話 代表 03(3581)4111 内線 5701
出典:財務省