概況 ニュース イールドカーブ 銘柄一覧 入札 カレンダー Tビル PD 需給 日銀 金融政策 物価 債務 保有者 RV STRIPS スワップ 外貨債 年報
auctions / pd / m / 20 — 2008-03-14

国債市場特別参加者会合(第20回)

開催日2008-03-14
場所財務省 第3特別会議室
議題
(1)40年債の入札方法等について
(2)流動性供給入札の実施方法等について
(3)20年度上期の買入消却入札の実施方法について
(4)ストリップス債の買入消却入札の実施方法について〔参考配布:資料4〕
(5)理財局からの説明事項〔参考配布:資料5〕
(6)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

配布資料

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF
資料4PDF
資料5PDF

議事要旨

(1)40年債の入札方法等について

〔参考配布:資料1〕

はじめに、理財局から、20年度より定期発行とした40年債の次回入札方法等について、以下のように説明を行った。

40年債については、第1回債(クーポン2.4%、発行額約1,000億円)を19年11月に発行したところであり、20年度国債発行計画においては、本会合等の意見も踏まえて年間4,000億円(2,000億円×2回)の定期発行を行うこととしている。これにより、20年度末の40年債の発行残高は5,000億円となる予定である。

初回入札時の入札方式は、金利推定モデルによる下値制限を付したイールド・ダッチ方式により入札を実施した。その際、リオープン発行時には、価格コンベンショナル方式を基本としつつも、その時点での流通市場の状況等を踏まえて、改めて決定するとしていたところである。

本年5月のリオープン発行時の入札方式として、価格コンベンショナル方式とイールド・ダッチ方式それぞれを希望する声がある。当局としては、基本的には価格コンベンショナル方式に移行することが望ましいと考えるが、現時点での流通市場の状況も踏まえてご意見を伺いたい。

また、資料1-2のとおり、平成19年9月の本会合において、「リオープン発行を行った場合の1銘柄あたりの発行規模をいずれは明確にしてもらいたい。」との要望があったところであり、その際、当局からは初回発行分の消化状況等を見た上で発行規模の検討を行いたい旨回答していたところである。

今般、1銘柄当たりの発行規模としては5,000億円程度、1回債のリオープン発行期間は20年度いっぱいとすべき、という意見が多く聞かれているところである。リオープン期間が長期化すると、実勢金利とクーポンレートが乖離する恐れがある点、投資家は新規銘柄に対するニーズもあり、ある程度のペースで銘柄数を増やすこともマーケットを育成する上で有効であると考えられる点から、当局としては、流動性とリオープン期間のバランスを勘案すると、第1回債の規模としては5,000億円が一つの目安と考えているが、この点についても入札方式と併せてご意見を伺いたい。

なお、40年債の流通市場がまだ発展途上ということもあり、募入決定に当たっては、金利推定モデルにより算出した金利水準も一つの参考として弾力的に活用することを予定している。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

【入札方式】

・現時点の流動性や投資家の需要等をみると、まだ需要がそれほど強くない状況であり、実勢水準の見方が振れやすいため、イールド・ダッチ方式を希望する。イールド・ダッチ方式の場合には入札結果が高く決まってしまう懸念が指摘されるものの、価格コンベンショナル方式では応札が流れてしまうリスクもあり、現時点ではイールド・ダッチ方式の方が望ましいのではないかと思う。

・セカンダリー市場での流動性が確保されておらず、入札時の足切り水準の見当が付かない。そのような状況で行われる入札に関しては、一昨年までの30年債入札と同様にイールド・ダッチ方式の方が望ましいと考える。

・投資家の呼び込み易さを考慮すると、イールド・ダッチ方式より現行の30年債入札と同様の価格コンベンショナル方式とした方が良い。

【リオープン期間(1銘柄あたりの適正規模)】

・流動性確保と新規銘柄に対する投資家のニーズを両立するためには、1回債の発行量を5,000億円とし、21年度から2回債を出す方式が良いのではないかと考える。

・1銘柄の規模についてはもともと少なくて良いと考えており、適正規模は多くても5,000億円程度だと思う。

・投資家の銘柄入替ニーズを踏まえて、銘柄数を多くした方がよいと考えており、1回債の発行量を5,000億円までとして、2回債に移行する形が望ましい。一方、1銘柄の発行量を増やすことで流動性を高める観点からは、2回債を発行した後に1回債を発行できないというルールもないので、1回債を5,000億円発行した後、1回債と2回債を交互に追加発行する方式も考えられるのではないか。

(2)流動性供給入札の実施方法等について

〔参考配布:資料2〕

20年度上期の流動性供給入札の実施方法について

理財局から、20年度上期の流動性供給入札の実施方法について以下の通り説明を行った。

20年度上期については、資料2-1に示すとおり、①残存6~15年、②残存16~29年の2つのゾーンを設けて、月毎にいずれか片方のゾーンを対象に入札を実施することとし、ゾーン毎の具体的な金額配分については、市場の状況にも左右されるため、後日決定することとしていたところである。なお、新発債への影響を排除するためにカレント近辺の9~11年、19~20年ゾーンは対象外とすることとしている。

市場参加者からは、「各ゾーン3回ずつ」を支持する意見と、「ゾーン①4回、ゾーン②2回」を支持する意見が多く聞かれているところである。また、ゾーン②の月と30年債、40年債の入札月は極力重複しないほうが良い、という意見があった。当局としては、借換リスクを軽減する観点から、できるだけゾーン②に厚めに配分したいところであるが、一方で市場ニーズ以上に供給し、結果的に市場実勢よりも高金利で発行することは避けたいとも考えている。

これらを踏まえると、当局としては資料2-2の案1(6~15年ゾーンを3回、16~29年ゾーンを3回実施)または案2(6~15年ゾーンを4回、16~29年ゾーンを2回実施)が適当ではないか、と考えている。案1については、30年債、40年債と重複しないように配分するパターン1と、ゾーン①と②を交互に入札するパターン2を考えている。市場状況等も踏まえて、いずれの案が適当か、市場関係者のご意見を伺いたい。

なお、20年度から、流動性供給入札のオファー銘柄が増加し事務負担が増加する都合上、入札結果発表時刻を現行の13時から13時15分に、15分間後ズラシする予定である。なるべく早い時刻に公表して欲しいとの意見も承っているが、当局としてはシステム対応を検討しており、公表時刻の繰下げは当面の措置ということでご理解願いたい。また、システムの都合上、発行銘柄は最大38銘柄となるため、万が一募入銘柄数がこれを超えた場合には、当局の判断で一部銘柄を除外することとなるが、この点もご了承願いたい。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・30年債、40年債の入札と16~29年ゾーンの入札が同月にならないことが望ましいと考えており、案1のパターン1が良いと思う。また、上期のオファー対象から除外とされているカレント近辺の銘柄に関しては、下期については後ろの銘柄にずらすことを検討していただきたい。

(これに対して理財局からは以下の通り回答した。)

・資料2-1に示しているオファー対象から除外されている銘柄については、現段階でのカレント近辺ということで除外しており、将来的にも除外のままということではない。下期以降の除外銘柄についてはその時のカレント近辺の銘柄に移る。

・スワップスプレッドでみて当局に有利な銘柄を発行することが当局のスタンスとして正しいのではないか。上期については、6~15年ゾーンを重点的に発行する方が望ましいと考えることから案2が良い。ただし、当局が年限の長期化に重点を置

くのであれば、案1のパターン1でも良い。

・今後も流動性供給入札を実施していくことの影響と、超長期のカレント債の安定消化を考慮し案2を希望する。

・30年債と40年債の入札への影響を考慮し、案1のパターン1で良い。

・6~15年ゾーンの方が需給がタイトという認識があることから、こちらのゾーンを多く実施する案2を希望する。

・潜在的なショートカバーニーズに関しては、6~15年ゾーンの方が多いと思っており、また、新発債の入札への影響等も考慮すると案2が良い。

・入札結果公表時刻に関しては、システムが整備されていない以上は仕方がないと思うが、できるだけシステム対応を早急にやっていただき、現在と同じ13時発表として欲しい。

・昼休みを挟んでマーケットが大きく動くことがあることから、応札締切から結果発表までの時間は、できるだけ短くしていただきたい。

(これに対して理財局からは以下の通り回答した。)

・入札結果公表時刻に関しては、オペレーションリスクもあることから正確には正確を期して作業したいということもあり、導入当初から13時発表は難しいと考えている。ただし、システム対応も含めてなるべく早く公表できるよう努力したい。

・セカンダリーマーケットにおけるフローの量は、長い年限より短い年限の方が多く、また6~8年ゾーンについては、恒常的に需給がしまっている銘柄も散見されることから、短い年限の頻度を多くしていただきたい。20年超の年限については、投資家がもともと限定されていることもあり、流動性供給入札の頻度を多くすることで、イールドカーブを歪めてしまうリスクもあると思う。

除外ルールが複雑であり、札の状況次第では発行予定額を大きく下回るような落札額になる可能性もあることから、除外ルールによって銘柄数をコントロールする方法よりは、事前に国債市場特別参加者にヒアリングし、その結果によって38銘柄に絞って入札を行う方法も検討してはどうか。

特別流動性供給入札の実施要領について

理財局から、特別流動性供給入札の実施要領について以下の通り説明を行った。

特別流動性供給入札については、これまでも何度か議論してきたが、市場関係者のコンセンサスとしては、スキームの存在意義を認めつつ、慎重かつ透明性の高い運用を行うべき、ということかと理解している。資料2-3の具体的なスキーム案について、市場関係者のご理解を概ね得られているようであり、当局としては20年度の導入に向けて、スキーム案を確定することとしたいが、特段の追加的なご意見があれば伺いたい。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・当局案に対して異論はない。これまで議論を重ねてきた中で、ある程度イメージができてきたというのが率直な感想である。

・このような枠組みがあること自体が大切だと思う。実際にどのように発動するかは運用面で調整できるので、当局のスキーム案に異論はない。

・当局案に対して異論はない。実際の運用では、当局において大所高所から実施するかどうかの最終判断をしていただきたいと考えている。

(3)20年度上期の買入消却入札の実施方法について

〔参考配布:資料3〕

理財局から、20年度上期の買入消却入札の実施方法等について、以下の通り説明を行った。

20年度の買入消却入札は、財政投融資特別会計からの繰入れ(9.8兆円)を受けて、総額3兆円に増額し、このうち理論値対比で割安となっている15年変動債に1.2兆円を配分することとしている。

20年度上期の実施に当たって、入札回数については、20年度上期は40年債(19年度上期比+1回)、ストリップス債の買入消却(同+1回)が追加されることもあり、一部から回数増を要望する意見があったものの、基本的には現状維持(毎月2回×6ヶ月、うち利回り物6回、15年変動債4回、物価連動債2回)に賛成する意見が多い。従って、20年度上期の入札回数は、資料3-1のとおり、毎月利回り物1回、価格物1回の現状維持とすることを考えている。

上期買入額は総額1.5兆円、うち15年変動債6,000億円となり、残差9,000億円を利回り物、物価連動債に振り分けることとなる。その際、日銀国債買入オペの対象外である物価連動債の配分額を優先的に決定し、最終的な残額を利回り物に配分することとしたい。物価連動債の上期買入額が合計3,000億円であれば、利回り物の買入額は概ね19年度並みとなる計算である。BEIの低落傾向が続く物価連動債について増額を求める意見が多いが、これは国内投資家層が育たない中で流動性不足が深刻化していることを受けた要望と理解している。また、先に行った欧州IRの際も、物価連動債の需給の悪化が多く指摘されており、当局としても流動性を向上させ、不利な新規発行を回避する観点からは、物価連動債の買入額を増額する必要があると考えている。もちろん同時に国内投資家の開拓・育成も重要である。

具体的には、隔月5,000億円の新規発行が継続されることを踏まえると、19年度買入額の2倍超となる1回1,000億円以上といった水準も想定し得ると考えている。一方で、買入価格が市場実勢よりも不利とならないようにする必要もある。こうした観点から、市場にプラスのインパクトを与える物価連動債の買入額の水準について、ご意見を伺いたい。

次に、利回り物についてであるが、利回り物の買入額は、総額から15年変動債と物価連動債の買入額を差し引いた額を各月に平準化して配分することを考えている。また、利回り物に関しては、利回り較差競争入札を行っていることから残存期間の短い銘柄に有利であり、19年度の買入消却の落札銘柄をみると(資料3-2)、短期ゾーンの銘柄が多く、結果的に流動性向上が短期ゾーンに偏っているとの指摘が一部市場参加者から聞かれている。当局としては、過度の偏りによって市場流動性の向上効果が減じられているとすれば、例えば、1年未満の短期ゾーンをオファー対象外とする等の是正策を講じる必要があると考えているが、この点についてご意見を伺いたい。

さらに、物価連動債について買入消却以外でも需給改善に向けたご意見があれば、併せて承りたい。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

【物価連動債の買入消却額の配分について】

・物価連動債の足元の需給悪化は非常に深刻であり、かなり思い切った手を打っていかないと、今の状況は打開できない。1回の買入額として1,000億円以上も想定しうる旨の当局の発言があったが、1回1,500億円×2回、半期で3,000億円という提案をさせていただく。物価連動債の4月債入札により、さらに需給不安が拡大するリスクも払拭しきれないと考えている。買入額の増額については、入札前のできるだけ早いタイミングでアナウンスしていただきたい。

・現行、月2回実施されている買入消却の入札頻度を増やしていただきたいが、月2回の入札頻度が前提条件ということであれば、物価連動債の買入額を四半期に400億円から増額することについて異論はない。但し、マーケットの流動性や規模を勘案すると、1回債1,000億円、2回債3,000億円のように発行額が少額な銘柄がある中で、1回の買入額が4桁に近い、または4桁以上になるようなことについては反対である。大きいロットで買入れる場合、当局が物価連動債のエグジットをするのではないかという誤解を招く可能性もあり、かえって流動性を損ねてしまい状況が悪化することもあり得る点を十分考慮した上で判断していただきたい。

・物価連動債の買入消却額の規模に関しては、上期1,500億円×2回を支持する。物価連動債のマーケットは一部の投資家のフローによって市場が大きく歪むという状況が続いているため、当局の買入消却が一定規模で存在するという安心感が当該商品の流動性を高めると考えている。物価連動債への投資は海外投資家が中心となっているので、国内投資家の投資を促す観点からも、当局の買入消却によって流動性を高める状態を作り出していくことが重要である。

・物価連動債の需給が非常に悪化しており、投資家の売り注文に対して業者がまともに応えられない状況が続いていることから、20年度上期における買入額については1,500億円×2回に増額していただきたい。

・昨今の市場の流動性の低下、さらには今後の円滑な消化という観点から、物価連動債の買入規模を拡大し、半期で3,000億円とすることに賛成である。

ただし、現行の四半期に一度の買入というスケジュールでは、市場の安定化という観点から頻度が少ないと感じる。1回あたりの買入額を1,500億円とした場合の市場への影響を懸念する声もあったことや利回り物と価格物の入札ロットが逆転することもあり、利回り物の入札回数を減らし、物価連動債や15年変動債の入札回数を増やす方が市場の安定化に資するのではないか。

・物価連動債の買入額については、現状の需給動向を考えて増額すべきだと考えており、1,500億円×2回が望ましい。

・物価連動債の買入額を増額する必要性は理解できるが、急に買入額を増額すると、物価連動債を発行する意義が曖昧になってしまう。20年度も19年度と同額発行を予定している中で、急に買入額を400億円×2回から1,500億円×2回へ増額することについては違和感を覚える。商品設計等に関しては、今後も各会合のなかで検討していかなければならないと考えている。

【物価連動債の入札方法について】

・物価連動債の入札方式は、新規銘柄はイールド・ダッチ方式、リオープン時は価格コンベンショナル方式と、2通りで実施しているが、投資家からみるとやや複雑になっており、どちらかに統一する方向で検討していただきたい。当面の需給等を考えると、イールド・ダッチ方式に統一するほうがより適切だと考えている。

・現在の入札方式は、価格コンベンショナル方式とイールド・ダッチ方式が併用されているほか、リオープン時の入札においては、連動係数を含まない価格で取引されている市場慣行と異なり、連動係数を含む価格で応札する必要があり、複雑で投資家に分かりにくいとの声がある。少なくとも入札方式はイールド・ダッチ方式に一本化する方が良いと考えている。

・入札方式を一本化するのであれば、価格コンベンショナル方式に統一することを希望する。

【物価連動債の商品性について】

・本来の需要を増やすという意味では、商品性についても検討していかなければならないと考えている。

現行、物価連動債は10年債のみ発行しているが、1回債が残存6年以下になっており、発行年限の分散化を考えて、これに近い5年債を新たに導入し、10年債から振替えていくことで比較的取引が薄い中期ゾーンの流動性に厚みが出て、フローがより活発になり、物価連動債全体の需要増加に繋がると考えている。

物価連動債は元本保証がないため、通常の国債としては投資できず、オルタナティブだとかエクイティといった範疇でしか投資ができないという声も一部投資家から聞かれている。こうした投資家を取り込むために、償還時のゼロフロアを付した物価連動債の発行を検討していただきたい。また、既発の物価連動債にはフロアは付いていないが、技術的に難しく、やや飛び道具的ではあるが、既発債に対するフロアの入札も一つの解決策として考えられるのではないか。償還時の元本の増加部分について税制優遇措置あるいは非課税措置を行うなど、税制を見直すことも一案かと考えている。

・商品性については、国債投資家懇談会の方も含めて、再度議論を十分すべきではないか。物価連動債の発行を続けて、育てていくということを前提とするならば、元本保証を付けることも含めて明確なメッセージを送っていくということが必要である。マーケットが上手くいかないからといって買入額を増やすという対応になると、流動性がかえって歪になってくるのではないかという印象がある。

・物価連動債の投資家層の拡大については、物価上昇を望まない投資家を作っていかないと安定的な保有にはつながらず、結局は参加者みんなで投機的な運用をするということになる。物価連動債は主に海外投資家が保有しているが、サブプライム問題で保有できなくなってきており、需給が悪化している。一方、国内銀行の負債は預金で物価に連動しないし、生命保険も物価に連動しない商品しかない。長い道のりかもしれないが、例えば、年金は最終的な給与に連動するという意味で物価に連動しているので、その需要を開拓していくとか、生命保険で満期返戻金がCPIに連動する商品を作っていくとか、物価上昇リスクをヘッジする個人向けの商品を作っていくとかすれば、物価連動債によって物価上昇リスクをヘッジする需要が出てくる。海外では、やはり年金等が物価連動債の保有の主体になっているので、我々国債市場特別参加者も含めて需要の開拓に努力していかなければいけない。

【15年変動債について】

・15年変動債は、いわゆる理論値価格と実勢価格の乖離がここにきて一段と進んでおり、計算にもよるが7円とかそれ以上とか言われている。世界的にクレジットスプレッドの拡大という潮流の中、国債に関しては理論値と実勢値の乖離幅が広がって良いという話でもないと思う。

この事象が、イールドカーブのスティープ化という15年変動債にとって本来フェイバーな状況の中で起きていることは重視すべきである。既に買入消却の増額については昨年来議論を重ねてこれから実施されるという段階にある中で、こういう状況が新たに起きているということについては改めて重視して考える必要がある。具体的な方策もすぐには見出しにくいが、15年変動債の需給改善に向けて、ある程度姿勢を示していくということについて、今後考えていかなければならない。

【残存1年未満の買入消却入札からの除外について】

・買入消却入札から1年未満の短期ゾーンを完全にオファー対象外とすることには反対である。業者からすると残存1年未満の債券は扱いにくく、ある程度マーケットからの出口があることが、市場にとって非常に大切だと思っている。代替案として、例えば、事前にアナウンスした上で利回り物の入札があるうちの何回かで短期ゾーンをオファー対象外とすることも考えられるが、慎重に議論していく必要がある。

・残存1年未満の銘柄は業者として扱い難いこともあり、現行どおり買入の対象としてほしい。

・日銀の国債買入オペでも残存1年未満の銘柄が相当吸収されていることもあり、残存期間が3ヶ月未満の銘柄や基準利回りが0.5%を切るような極端な値付けがされている銘柄については対象外にしたほうが良い。

・残存1年未満の銘柄に買入実績が集中しているが、これは市場ニーズを反映した結果であり、当該ゾーンを一括して買入対象から外してしまうと、需給に混乱をもたらしてしまう恐れがある。ただし、極端に残存期間の短い銘柄を外すことについては賛成である。

・残存1年未満の国債は日銀の国債買入オペの対象でもあり、財務省の買入消却入札から除外した方が超長期ゾーンをはじめとする他年限の需給改善に資するのではないか。

・利回り物の買入額が1,000億円×6回では、買入銘柄が残存の短い債券で占められてしまう可能性もあるが、3,000億円×2回ということであれば、短期ゾーンをオファー対象外としなくても、多様なニーズに対応することができるのではないか。

質疑応答

(当局より出席者に対し、下記の通り質問を行った。)

・物価連動債については、国内投資家の保有拡大に向けて、償却原価法の適用を可能にするなど、既に様々な措置をとってきたが、課税やフロア設定について更にご意見を伺いたい。

(これに対し出席者より下記のような回答があった。)

・物価連動債が海外投資家主体の取引になっているということは認識しており、商品性の改善によって投資家層を拡大する余地はあると思う。物価連動債の元本部分の増加分は利子扱いで通常通り課税されている認識であるが、改めて確認したい。

・既に商品性の改善も行われてきたが、正確に認識されていない部分がある。長い意味では需要の開拓は非常に重要であるが、本会合で議論できる範囲としては、参加者の意識を高めるべく、商品性見直しを含めてもう一度根本的な議論

をするということではないか。その一案として、あえて具体的にフロアの導入について述べたところであるが、フロアがあれば投資家が入ってきやすくなることは事実である。

(当局より下記の通り発言した。)

・物価連動債の買入消却の増額は、足元の一時的な需給悪化への対応であって、決して構造的に物価連動債に見切りをつけたわけではない。むしろこのアセットクラスは育てていかなければならないという強い信念を持っている。従って、かなり大きな金額の買入消却を発表する際には、当局が物価連動債に対するコミットを落

とすわけではないというメッセージ、例えば、商品性の問題についても議論を継続していくというようなことを併せて発信していくつもりである。次回入札前に何らかのシグナルを発する必要があり、その方法などはまたご意見を頂戴して考えていきたい。

(4)ストリップス債の買入消却入札の実施方法について〔参考配布:資料4〕

理財局から、20年度より入札を開始するストリップス債の買入消却入札の実施方法について、以下の通り説明を行った。

20年度国債発行計画において、ストリップス債の市場育成を目的として分離利息振替国債(ストリップス債の利息部分)の買入消却を半期に1回200億円、合計400億円実施することとしている。

初回入札の200億円については、他の国債の入札スケジュールを勘案すると、早くても6月と思っている。買入対象の分離利息は15日利払いの2年債以外の銘柄の利息とし、さらに残存1年未満の20年度償還の銘柄も除外するといったスキームを検討しているところである。

入札方式は、FAX入札とし、日証協の売買参考統計値を基準価格とする希望価格較差・コンベンショナル方式としたい。希望価格較差入札とするのは、当方の事務上の都合である。入札のフローは、希望価格較差毎に買入を希望する銘柄の額面金額合計額により応募し、募入決定後に具体的な買入銘柄を申請していただくこととなる。

例えば、▲10銭安で10億円、▲9銭安で15億円・・・といったように、1億円単位1銭刻みで最大5口応募していただき、仮に応募が募入となった場合、その募入額について買入対象銘柄を24年3月償還が5,000万円、24年9月償還が5,500万円・・・といったように、100万円単位で最大60銘柄を申請する、という流れとなる。

決済については、振替はT+3日の午前10時を目処に完了していただき、当方からの入金はT+4日の午前中を想定している。本来はT+3日で入金したいところであるが、当方の事務上の都合で1日後となる点をご了承願いたい。なお、初回入札の結果をみて、事務上問題ないようであれば、次回入札ではT+3日に入金することも検討したいと思っている。以上のような入札スキーム案について、ご意見を伺いたい。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・入札スキームのコンセプトについては賛成である。技術的に複雑なところがあるので、間違いを起こさないように入札日が近づいた際に入札参加者に方法を周知徹底して欲しい。

・いろいろな入札の選択肢があった中で、非常に良く考えられた上手いやり方だと思う。最初は慣れない部分があるかも知れないが、やり方としては良いのではないか。

・銘柄数が極めて多くなり、事務的に煩雑でまとめにくかったと思うが、細かなところまで考慮してこのようにまとめてもらいありがたい。

・投資家から15年変動債をストリップス化するのはどうかといった話があるので、当局においてストリップス適格化に向けた検討を行ってもらいたい。

(5)理財局からの説明事項〔参考配布:資料5〕

理財局から、以下の事項について説明を行った。

TBとFBの統合発行について

・20年度中を目途としてTB・FBの統合発行が実施できるようシステム対応等実務的な検討を進めているところである。統一名称は、「国庫短期証券」(英語名はTreasury

Discount Bills、略称はT-Bill)とし、証券コードの付番体系については近日中に東証より発表される予定である。現行のTB・FBの財政制度上の位置付け等は変更せず、市場で流通する名称のみを変更することとし、統一名称の下で現行のTB・FB及びその統合銘柄を発行する。

海外IRの実施状況について

・2月下旬から3月上旬にかけて日興シティグループ証券、メリルリンチ日本証券及びアール・ビー・エス証券の協力を得てロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダム及びハーグの5都市を訪問し、説明会を開催すると共に個別に投資家に対し説明を行った。

今後の海外IRについては、5月下旬頃に北米地域において大和証券SMBC、リーマン・ブラザーズ証券及びモルガン・スタンレー証券の協力を得て、6月下旬頃に中東地域において三菱UFJ証券、ゴールドマン・サックス証券及びバークレイズ・キャピタル証券の協力を得て実施する予定である。

金利スワップ取引の取り組みについて

・金利スワップについては、20年度においても引き続き、コスト・アット・リスク分析を活用し、国債発行計画における利払いコストと金利リスクを共に削減するために実施していく。規模についてはマーケットへのインパクト等も勘案してスワップ実施の上限額(想定元本ベース)として、19年度同様1.8兆円程度を上限とすることとしている。

また、金利スワップ取引におけるカウンター・パーティー・リスクに関しては、20年度以降、スワップ取引先の皆様のご協力も得ながら、マージン・コール頻度の増加等、よりきめ細かなリスク管理を実現する方策について検討していく予定であり、21年度中を目処に事務フローを変更したいと考えている。バックオフィスの事務負担増にも配慮して欲しいという本会合で聞かれた意見も踏まえ、最低受渡担保額については、現行どおり1億円とする予定である。

償還手数料及び利払手数料の引き下げについて

・償還手数料及び利払手数料の引き下げについては平成18年11月の本会合で決定されたところであるが、アナウンスメント期間及び準備期間を経て本年10月以降に予定どおり実施する。

(6)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・CDSマーケットのスプレッドが異常なレベルに広がっていることに象徴されるように、極端なリスク回避がグローバルに広がっており、それが日本のマーケットにおいても影響を及ぼしている。

特異なのは、信用不安からくるCDSマーケットのスプレッドは拡大しているが、社債そのもののスプレッドは拡大していないという点であり、非常に金融的な信用不安が起きている。

日本国債においても10年金利が1.3%を割れるような段階に来ているが、今後も金利が下がり続けるとは見ていない。この先、日本銀行による利下げが現実的なものとして感じられない限りは、ここから更に上値を追う(金利が低下する)展開にはならないのではないか。

日本の景気に関して、現在、起こっている信用不安が実体経済へ影響することは無いとみている。直近の消費や設備投資といった実体経済を表す指標をみる限りは、日本経済が景気後退に突入するような兆しは見られない。2008年度の日本のGDP成長率見通しは1.4%とみており、潜在成長率である1.5%を大きく下回る展開にはならないのではないか。

・クレジット市場が崩壊するなかで、「リスク・リダクション」、「質への逃避」という流れで基本的に米国債利回りが低位で推移している。今回の問題では、米国経済に対する信任が問われている面があり、それがドル安円高、ひいては株安を招くという外部環境が重なり合う形で、本日、10年債利回りが1.25%を付けている。この先についてはよく分からないというのが正直なところである。

サブプライム問題が何処で落ち着くのか、マーケットで起きている混乱がどこで収まるかは、マーケット参加者が色々な形で精査をしていくのではないか。一つのきっかけとなり得るものとして、来週から欧米大手の金融機関、証券会社の決算発表がある。その内容が良い悪いということを直接議論するよりも、それを見たときにマーケットがどのように判断するのか、これは○なのか×なのかということを一つ一つクリアしていくのだと思う。実際、昨年11月、12月の決算が概ね出揃った1月中旬頃が米国債の10年利回りが一番低い時期であり、マーケットは前回の決算発表の精査に関して○を出しかけていたのではないか。ただ、その後、様々な問題が持ち上がる中で今日に至っている。

昨年11月、12月の決算時よりは今回の方が内容が良くなる可能性は高いと思われるが、今回の決算発表においてもマーケットが同じ事を繰り返す可能性はある。今回でマーケットが落ち着くのか問われると、残念ながら未だ判断は難しい。少なくとも、もう一回、あと3ヶ月先、6月中旬から7月にかけて、マーケットで起きている混乱が一旦終わるのではないかと、期待を込めて思っている。

マーケットの混乱が年後半にはある程度落ち着いたとしても、サブプライムローン自体は住宅ローンであり、それが実体経済の重石になってくる。特に住宅部門は調整スピードが遅いので、一時的に米国経済が景気対策によって浮揚したとしても、その効果が来年まで持続できるかは疑問である。従って、年後半に混乱が一旦収まったとしても、金利が持続的に上昇したり、株価が持続的に戻ったりするというシナリオは考え難い。

日本銀行の利下げに関しては、年後半にはマーケットの見方としては収束していくだろうと思っており、現在の10年債利回り1.25%は年間を通じてかなり低い水準ではないかと思う。金利が上昇したとしても1.5%以上で推移する時間というのは、年後半になってもそんなに長くならないと

みており、現時点での予想レンジは10年金利1.25~1.75%位と思っている。

・マーケットの先行きは非常に見通しづらいというのが正直なところ。米国において、利下げが効かないのではないかという見方が強まっているのではないか。1年前の段階だと住宅市場が少しずつ下がり始めた時に、利下げをすれば支えられるだろうという見方が米国の中でも大勢だったのに対して、現状はFF金利を6月位までに1.25~1.50%まで切り下げるという見通しを持っているほど、利下げ効果が薄れているのが非常に不気味なところであり、それが米国の景気に対する強い閉塞感と金利低下に繋がっていると考えている。政策金利を引き下げたところで、実体経済には効きづらいというのが個人的な見方である。実際にFF金利を昨年の夏場以降に下げてきたが、実際の民間の貸出金利は、上がっているところも下がっているところもあるが、トータルでは殆ど変わっていないのではないか。そういったなかでは、利下げ効果は限られてしまう。

国内投資家が共通してよく言う事として、マーケットの反転を促すためには、米国の財政資金がどのタイミングで動くのかということと、もう一つは住宅価格がフリーフォールのような状況に陥るかも知れないが、ここに反転の兆しが見られるのかが、今年の相場を占う上でのポイントである。それらが、どのタイミングでどのように動き出すのかというのは、非常に見通し難い。

また、4~6月というタイミングで考えると投資家からは、安全資産以外へのリスクは取りづらいという環境の中で4~6月に一段の金利の低下を探るという局面があるのではないかと予想している。ただ、行き過ぎた金利低下は、その反動として、金利急上昇を招くことも想定されるので行き過ぎなければ良いと考えている。

・サブプライム問題には二つの懸念があると考えている。一つは流動性クランチのような短期突発的に起こるかもしれないものに対する懸念であり、もう一つは、恐らくメインの経路として、個人の借入れが住宅に限らず、あらゆる面で消費に結びつきにくくなっていくことによる米国消費経由の実体経済の悪化の懸念である。当初は、短期突発的なことが昨年8月頃にあるかどうかという話がありそこを乗り切ったかと思ったが、半年以上経っても一つ目の問題でさえ解決できているのかどうか分からない状態が続いている。期末ないし四半期末の度にそういった話が出てくるので、マーケットを予想する人間、あるいは投資ストラテジーという立場から、国債のショートという方針は取り得ない、止めたほうが良いと言うしかない。こういった状況が続く、本質的な関係が無いとはいえアセットプライスの下落が続いていく、あるいは為替が介入せざるを得ないような1日数円動くような可能性が残っている限り、最終的には利下げを織り込むような相場になってもおかしくはないと思っている。そういった見方も1年後には変わっているかもしれないが、今、投資家に対してアドバイスする立場としては、そういった懸念がありショートはやめた方が良いと言っている次第である。

・マーケットメイクをしている立場から見ると、かなり大きなポジションのアンワインドが起こっている。プライムブローカレッジをやっている会社が、パフォーマンスの悪化、あるいは悪化懸念が起こっているヘッジファンドに対して、マージンを上げるとかヘアカット率を上げるといったことが起こっており、そうしたヘッジファンドのアンワインドが始まっていると思われる。ここ1、2週間続いているが、まだ少し続くと考えている。

証券会社は客にプライスを出して売買をしている中で、売ったものをそのまま買い戻すとか、買ったものをそのまま売るといったことはせず、多かれ少なかれレラティブバリューを見ながら売買してリスクを取って収益を獲得しているので、こういった状況が続くと、流動性を供給する立場としても少しやりづらい。先ほど、物価連動債の流動性の話があったが、来週の20年債入札や来月の30年債入札、物価連動債入札に響かなければ良いと思っている。こういったことは年に1回や2回はあると思うが、過去何年かヘッジファンドに対する資金流入がある中で、レラティブバリューを見て投資する人たちが同じようなポジションを持ち、一斉にアンワインドしている状況なので、来月の入札等を心配するということだけではなく、今後、ヘッジファンド業界から資金が流出する、あるいは資金が入ってこないという状況になったときに、今までの発行計画、とりわけ物価連動債や15年変動債、30年債など大きく見直しを迫られることもあるかもしれないと思う。

・トレーダーの立場から見ると、グローバルに金融市場を取り巻く環境が不安定な中、リクイディティが低い超長期セクター、物価連動債、15年変動債などにリスクプレミアムを要求するような環境が足元で続いている。投資家がポジションを圧縮するような動きが続いており、需給面でもしばらくはこの環境が続かざるを得ない。外部環境同様に、金融市場を取り巻く環境が不安定な中、来年度に入ってすぐに超長期セクターの供給が多いので、こちらに何とかリクイディティをつけていきたいと考えている。新年度に入り、外部環境が不安定な中、国債に対する投資家のニーズが高まり、今回説明のあった買入消却のスケジュールなどを好感してマーケットが少し安定してくれればと期待している。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 金森・田原

電話 代表

03(3581)4111 内線 5701

資料をご覧いただく場合には、PDFファイルの閲覧用ソフトが必要です。

Reader等をお持ちでない方は、左のボタンをクリックし、

手順に従いダウンロードしてからご覧ください。

出典:財務省