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auctions / pd / m / 54 — 2013-12-16

PD Meeting #54

Date2013-12-16
Venue財務省第3特別会議室
Agenda
1. 平成26年度予算に伴う国債発行計画について〔参考配布:資料1〕
2. リオープン方式(10年債及び20年債)について〔参考配布:資料2〕
3. 流動性供給入札について〔参考配布:資料3〕
4. 買入消却入札について〔参考配布:資料4〕
(1)15年変動債の買入消却入札について
(2)物価連動債の買入消却入札について
5. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕
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Materials

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF
資料4PDF
参考資料PDF

Minutes

○はじめに、理財局から、平成26年度予算に伴う国債発行計画等について、以下のように説明を行った。

・12月12日に予算編成の基本方針が閣議決定され、「新規国債発行額についても、平成25年度を下回るよう最大限努力する」とされた。これに従い、現在、予算編成の詰めの作業が行われているところ。

・前回の本会合でお話した通り、26年度は、借換債及び財投債の増加により、国債発行総額の増加が見込まれているが、一方で、25年度中の前倒債の発行が進んでいる。このため、26年度のカレンダーベース市中発行額は、今年度並み又は若干下回る見込み。

・カレンダーベース市中発行の年限構成については、超長期債市場の消化余力、中短期債の投資ニーズ、国債市場の流動性の維持・向上などの観点を踏まえ、各年限についてバランスのとれた増額・減額を行いつつ、平均償還年限の長期化を行うこととしている。

・物価連動債については、11月の本会合の意見を踏まえて本年度と同じペースの1.2兆円の発行は少なくとも行う方向であるが、公的年金等の動向も踏まえ現在検討中である。引き続き、市場とのコミュニケーションに配慮して、サプライズにならないようにしたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・来年度の物価連動債は、3,000億円の入札が4回行われるのが基本で、それに公的年金の投資に対してどれ程上積みするかがポイントになるものと見ている。この点については、市場の育成という観点から、1回当たり1,000~2,000億円の増額、特に来年度後半においては、場合により、1回当たり2,000億円を増額し5,000億円の発行を視野に入れることも可能ではないか。政府・日銀がデフレ脱却に向けて取り組んでいることから、将来のニーズに合わせることが必要であるし、保有者層の拡大・商品性の多様化の観点から、超長期の物価連動債の発行も今後の課題として検討すべきである。

2. リオープン方式(10年債及び20年債)について〔参考配布:資料2〕

○次に、リオープン方式(10年債及び20年債)について、以下のように説明を行った。

・今年7月以降の10年債の発行方式については、暫定措置として、新発債の表面利率と入札日の市場実勢利回りの乖離が概ね15bp以内である場合にはリオープン発行としてきた。

・10年金利は資料2-1のとおり推移し、この暫定措置にしたがって、6月・7月・8月には329回債を約7.2兆円(2.4兆円×3回)、9月・10月には330回債を4.8兆円(2.4兆円×2回)、11月には331回債を2.4兆円(2.4兆円×1回)発行した。

・また、11月末現在の10年債発行額と日銀保有額は、資料2-2のとおりであり、329回債から331回債のいずれも、発行額の40%以上を日銀が買入れている状況である。

・7月以降の10年債のリオープン方式について、事前に意見を伺ったところでは、1銘柄当たりの発行量が増え、流動性向上に一定の効果があったと評価する意見が聞かれた一方、シングルイシューとなった331回債についてレポレートや流動性が低下している状況を受けて、今後の原則リオープン発行を望む意見があった。また、簿価分散ニーズ等にも配慮したリオープン方式としてほしいとの声もあった。

・これらの意見を踏まえ、1月・2月における発行方式について、これまで新発債のクーポンと市場実勢利回りとの乖離幅を15bpとしてクーポン設定を行ってきたものを、20bpに拡大することを提案したい。

・12月債は既に0.6%クーポンで発行済であるため、乖離幅を20bpに拡大した場合には、資料2-3のとおり、金利変動が大きかった5-6月の金利水準を除き、基本的にはリオープン発行できることとなる。

・1月・2月におけるリオープン方式は、具体的には資料2-4のとおりである。

・なお、20年債については、国債市場特別参加者・国債投資家懇談会メンバー双方から、原則リオープン発行を望む意見が多かったため、1・2月も引き続き12月債のリオープン発行とすることを基本とし、26年度以降も原則リオープンとすることとしてはどうかと思う。

○平成26年1-3月及び平成26年度の20年債の発行方式については、原則リオープンとすることでよいとする意見が示された。10年債のリオープン方式については、流動性確保等の観点から、提案した案で問題ないとする意見が多数みられたほか、以下のような意見があった。

・10年債の現行のリオープン方式については、発行時の安定性と流動性のバランスをどうとるかという議論から始まったものであることから、この部分さえ担保されていれば15bpから20bpへ拡大しても問題ない。もっとも、今回20bpまで拡大したとしても、シングルイシューの銘柄が発生する可能性は引き続きある中、更なる乖離幅の拡大といったような限界的な議論を続けていくと安定性に欠くおそれがあるため、今後もその都度議論を行っていく必要がある。

・乖離幅を平成26年1-3月から20bpに変更するという提案については、331回債の流動性を鑑みると、20bp程度の拡大であれば特段問題はないと考える。来年度については、暫定措置の状況を見ながら実施していくのがよいのではないか。331回債の入札は、金利が低下する局面での入札であったところ、今後は金利上昇を含めての影響・対応について検討していくことが必要であると考える。

・10年債については、簿価分散の観点からある程度の銘柄数を確保したいというニーズや実勢に近いクーポンの銘柄に対するニーズが投資家には引き続きある中で、原則リオープンという方向性を一概に打ち出していくのはいかがなものかと思う。

・リオープン方式については、シングルイシュー銘柄を可能な限り作らない方がよいというのが基本的な考え方だが、投資家の意見等とも摺り合わせる必要があるため、すぐにでも全てリオープンにした方がよいということではない。現状、発行額の4割程度が日銀買入により吸収されているという点を考慮し、少しでもマーケットの流動性を高めていくという観点でリオープンに賛成である。

・将来的なチーペスト銘柄の流動性を確保するという点において賛成である。一方で、投資家の中にはできるだけ多くの銘柄が欲しいという意見があることを承知しているところ、折衷案として10年債の乖離幅を15bpから20bpに拡大することについては賛成である。

・業者としては原則リオープンが望ましいが、投資家からは実勢に近いクーポンの銘柄が欲しいとの声もあると思うので、乖離幅が20bpでも問題ない。ただし、例えば331回債のようにシングルイシューとなった銘柄は、将来日銀買入オペの対象外となって銘柄間格差が出てしまう可能性があるということも考慮すべき。

・当面は乖離幅を20bpとする提示案でよいと思う。このほど10年331回債がタイトになったものの、金利低下局面であったため問題にならなかった。しかし、金利上昇局面であればシングルイシュー銘柄が先物の受け渡しとなる等の問題が発生するため、リオープンをベースに考えるべきである。ただ、原則リオープンとなった場合は、投資家サイドにおいて簿価分散の問題も生じるため、引き続き議論が必要である。

・流動性向上の観点から原則リオープンが望ましい。1-3月期は乖離幅を20bpに拡大して実施し市場の様子を見てみることで異論はないが、4月以降は原則リオープンが望ましい。

・20年債と同様に10年債も原則リオープンにすべきである。マーケットの国際化という観点から、JGBを主としている投資家だけでなく、海外の投資家も含め、あらゆる投資家に簡単に理解できるようなシンプルなルールであることが望ましい。

・10年債の投資主体である預金取扱金融機関は、簿価を重視する運用スタイルをベースにしており、簿価分散ニーズが非常に強く、また、原則リオープンとなった場合、相場が暴落した際に新たな銘柄でなければ投資できない投資家が相当数存在するため、基本的に現行の方式を希望する。なお、多数の地域金融機関から、原則リオープンには反対してほしいとの声が当社に寄せられている。

3. 流動性供給入札について〔参考配布:資料3〕

○次に、流動性供給入札について、以下のように説明を行った。

・流動性供給入札については、10-12月期の入札結果は、資料3-1及び3-2に示すとおり、総じて安定している。また、資料3-3では、4月から直近までの入札における残存期間別発行額を示している。

・1-3月期の流動性供給入札の実施方針について、アンケートでは、資料3-4のとおり、残存5-15.5年ゾーン及び残存15.5-39年ゾーンを対象にそれぞれ毎月3,000億円ずつ発行する現状維持の案を提案した。

・事前にご意見を伺った際には、国債市場特別参加者・国債投資家懇談会メンバーとも基本的には現状維持の案を支持する意見が多かったように思う。

・また、26年4月以降の流動性供給入札においては、資料3-5のとおり、対象銘柄をさらに拡大し、カレント銘柄以外の全ての銘柄を対象とすることや、流通市場における国債市場特別参加者の役割に鑑み、応札義務の設定を検討することを提案したい。

・こうした点について、事前にご意見を伺った際には、対象銘柄の拡大については特段異論がなく、また、落札義務は困難であるが、応札義務の設定については、強く反対する先はなかったように思う。

・なお、午前中に行われた国債投資家懇談会においては、ゾーン区分については現状維持を望む強い意見があったことを申し添える。

・26年4月以降の流動性供給入札の実施方針については、本日の会合に加え、次回3月に予定している本会合でも引き続き議論したい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・平成26年1-3月の実施について現状維持で問題ないが、一点だけ、以前より当社から要望していた、残存4-4年半近辺の銘柄まで実施対象に入れる点について、再度検討をお願いしたい。26年度については、カレント銘柄以外の銘柄を対象とすることについて特段異論はない。応札義務については、今後実施額が増額されていく中で流動性供給入札自体の安定性を鑑みると、それを課すことに異論はないが、当初の流動性供給入札の持つ補完的な意味合いも含めて、特段応札ニーズのない特別参加者がいることについては議論が必要であると考える。

・対象銘柄をカレント銘柄以外の銘柄に拡大するという点については賛成である。応札義務については、現状の3,000億円の発行額のままであれば必要ないが、実施額を増額するのであれば応札義務を課してもよいのではないか。また、年限区分を日銀買入オペに合わせるという点については、引き続き検討してほしい。追加発行の銘柄が偏ってくるようであれば、年限区分の変更が必要ではないか。

・対象銘柄の拡大及び応札義務について特段異論はない。ただし、年限区分について、区切りを10年にしてほしい。この点については、日銀買入オペの年限区分に合わせるという意味だけではなく、7-10年は現在及び将来的なチーペスト銘柄になる銘柄でもあるため、この辺りの流動性を担保してほしいということである。

・対象銘柄の拡大については評価している。また、応札義務について強い異論はないが、市場の環境や流動性供給入札の位置付けは非常に変化しやすく、今後も変化していくものであると認識しているところ、可能な限り制度を固定させないためにも義務化しない方が発行体にとっても自由度が確保できてよいのではないか。ただ、応札義務だけであれば、当社にとっても弊害はなく、マーケットにとってもそれほど悪影響はないと考えるため、特段反対するものではない。年限区分及び対象年限については、5年より少し手前の残存3-4年程度まで対象を伸ばすことについて引き続き検討してほしい。また、10年まで、又は15年までの短めのゾーンに比較的増額要請が多いため、このゾーンを増額することが市場の流動性にとってプラスになるのではないか。

・現行の日銀買入オペの区分では、相場状況によって6年や12年前後のゾーンが極端に入りやすい状況であるため、流動性供給入札でも同ゾーンを厚く供給できるような年限区分としてほしい。一部年限が重複するが、残存5-15.5年ゾーンと12年超ゾーンとすることを検討願いたい。応札義務の設定については、当社は本入札の増額を希望しており、また、過去の入札において2倍を下回る応募倍率が発生していることからも、義務の設定に対して異論はない。

・対象が拡大されることには賛成である。カレント銘柄を対象に加えてもよいが、カレント銘柄はリオープン発行されるため対象外でもよい。また、マーケットからの要望の多い5年より短いゾーンの対象化は、流動性向上に繋がるものであり、好ましいと考える。年限区分については、4月以降、区切りを10年に変更することを希望する。応札義務については、最近の流動性供給入札はやや過熱気味であるため応札義務を課す必要はないと思うが、マーケットに特段影響を与えるものではないことや、来年4月以降の発行増額は既定路線となっていることから、増額に合わせて応札義務を課してもよいのではないか。

・1-3月期は提示案で問題ない。応札義務については、マーケット実勢から大きく乖離した入札結果を回避するためにも、妥当と考える。落札義務については、制度上の矛盾が生じるので課す必要はないと考える。

・流動性供給入札については、カレント銘柄以外を対象とする当局案に賛成である。応札義務は必要ない。

・流動性供給入札に関しては、基本的には現行方式で異論はない。ただ、日銀買入オペの影響が大きい状況となっているため、これに合わせるべく、年限区分を残存5-10年、残存10年超とする形が望ましい。また、落札義務については、流動性の改善を目指すという流動性供給入札の本来の趣旨から外れるため不適当であると考えるが、応札義務については、特に問題は無いと思う。

・26年度の対象銘柄について、カレント銘柄以外全てを対象とすることについては、賛成である。年限区分については、前回の本会合でも10年を区切りにすることを希望する意見は多かったことから、引き続き検討してほしい。応札義務については、今後の発行額増加を踏まえれば、発行の安定性という観点から、課してもよいと考える。

・日銀買入オペでは6年や12年ゾーンが落札されやすい一方、流動性供給入札においては15年より少し長いゾーンが落札されやすい中、両入札の対象のずれによりイールドカーブに歪みが生じている。その歪みを修正するためにも、対象年限の区切りを日銀買入オペと合わせ10年に変更することを希望する。応札義務及び落札義務については、特段異論ない。

・現行の残存5年超を残存4年超まで拡大することを希望する。また、来年度に月2,000億円の増額が視野に入るのであれば、対象年限を残存10年以下、残存10年超20年以下、残存20年超の3区分にする案を検討願いたい。応札義務については、積極的に反対はしないが、落札義務については、将来的に弊害を生む可能性があることから見送るべきである。

・応札義務の設定はやむなしと考えるが、落札義務は将来的にもなるべく課さないでほしい。

・応札義務については、そもそもの流動性供給入札の趣旨からすれば義務化するようなものではないと考える。札の集まりに懸念がある場合は、金額で調整すべきものと考える。

・落札義務を課さないのであれば概ね問題はないと思うが、補完的位置付けであるとの観点からすれば、応札義務を課すのもいかがなものかと思う。

4. 買入消却入札について〔参考配布:資料4〕

○次に、買入消却入札について、以下のように説明を行った。

(1)15年変動債の買入消却入札について

・足元の15年変動債の買入消却入札結果は、資料4-1のとおりである。

・また、今後の15年変動債の買入消却入札の買入額を決定する際の参考とするため、国内金融機関43社に対して、25年9月末時点の保有区分別銘柄別保有高に関するアンケートを実施した。その結果を資料4-2に示している。これによると、本年度末時点見込みで、満期保有目的以外で各金融機関が保有している15年変動債は約18.4兆円であり(一部推計)、償還の開始に伴って逓減するかたちとなっている。

・1-3月の買入消却入札の実施方式について、事前にご意見を伺った際には、資料4-3のとおり、現状維持(1回当たりの買入額を1,300億円に固定化したうえで、日銀買入オペのある偶数月に1回、日銀オペのない奇数月に2回実施)で問題ないとの意見が多く聞かれた。

・もっとも、引き続き、1回当たりの買入額を1,000億円程度に減額することが適当とする意見もあり、買入額の減額について、今後も本会合において四半期毎に議論していきたい。

(2)物価連動債の買入消却入札について

・足元の物価連動債の買入消却入札結果は、資料4-4のとおりである。また、第1回債から第16回債までの日銀保有分を除いた市中残高は、資料4-5のとおり、約1.9兆円である。

・1-3月の物価連動債の買入額について事前にご意見を伺った際には、発行入札がない2月・3月の買入額については、現状維持の200億円とすることで問題ないとの意見が多かった。他方、発行入札のある1月の買入額(午前中に行う買入消却入札における買入額)については、国債投資家懇談会メンバーから200億円よりも増額すべきとの強い意見もあった。

・そこで、1-3月の物価連動債の買入額については、資料4-6のとおり、2・3月の買入額は現状維持とする一方、1月の発行入札日の午前に行う買入消却入札の買入額については、既発債から新発債への円滑な乗換えを促すため、300億円に増額することを提案したい。

・なお、発行入札を行う1月9日の午後には、発行額を上限とする追加買入消却入札を実施予定なので、引続きご協力願いたい。

・また、物価連動債第1回債については、3月10日に償還を迎えることから、2月・3月の買入消却入札の対象銘柄からは除外することとしたい。

○1-3月期の買入消却については、提示案で異論ないとの意見が示された。1-3月の状況を踏まえて、4月以降の減額幅がポイントと考えるが、それについては、四半期毎に議論すればよいとする意見が多数みられたほか、以下のような意見があった。

・買入消却に関しては、15年変動債は、引き続き減額余地が多少あると思う。少なくとも数ヶ月前は市場価格で買う投資家もいたが、過去数ヶ月間の流れた入札結果によって相場が上昇し現在の割高な状況となったため、買う投資家がいなくなり、結果として市場機能が失われてしまっている。市場での売買が成立する商品だと思っていることから、このような状態を続ける必要はない。

10月の物価連動債の買入消却入札の結果については、それまで1円安程度の水準でしか売却できなかった1-7回債が対象化された結果、売却ニーズが集まったため、安い結果となったのは当然である。その後、市場での浮動玉も減ってきたため、200億円でも問題ないと思うが、当局案のように300億円に増額してもそれほど大きな影響はないと思われる。

・15年変動債の売却ニーズは減少してきていると感じており、将来的には減額方向で検討するのが望ましい。

物価連動債については、1-16回債の売却ニーズがここもと急激に減少してきていると感じており、1月の買入消却額を300億円にすると価格が上振れするおそれがある。1-16回債の残高が減少していく一方、17回債の発行額が増えていくことを踏まえれば、4月以降は買入対象に17回債も含めるのが望ましい。

5. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・前回の本会合以降の変化点としては、米景気に対する強気の見方が広がってきたこと、円安の見通し及び超長期ゾーンでの増発が市場のコンセンサスになってきたことで、結果として、超長期債を中心に全体的に金利上昇が観測されていることが挙げられる。

今後の見通しについて、来年6月までは、基本的には10年金利で0.5~0.8%の現行の水準が続くと考えている。理由としては、①大量の日銀買入が継続することや、②消費税率の引上げにより、どこで景気がボトムを打つか見極めないと先行きについて強気になれないと考えていること、また、③足元明確なインフレが見られておらず、コアCPIは1.0%程度まで上昇しているが、コアコアCPIでは依然として0.0%を若干上回った程度であり、しかも、為替の影響がコアコアには含まれているため、今後円安が一服すると物価上昇圧力も一服してしまう可能性があること、が挙げられる。こうした環境を踏まえると、来年前半の一段の金利上昇にはつながらないと考えている。

その後、来年末に向けてドル高が実現する環境であれば、QE3の縮小がされても、今年5月のようなリスクオフは起きず、円安トレンドが加速するだろう。そして、来年後半に所定内賃金あるいはコアコアCPIの安定的な1.0%程度の上昇が確認できれば、金利上昇要因になりうると考えている。

・足元の金利については、11月中旬以降、米国でのテーパリング観測の広がりや、円安株高により上昇しているが、公的セクターの需給に絡んだ話題も攪乱要因になっていると考えている。

具体的には、1点目として、日本銀行が、国債買入によって年間約50兆円ペースで残高を増加する予定であるが、目安にしているのはあくまで残高であり、月々の買入額ではないということが挙げられる。日本銀行は、4月以降に月々7.0兆円のペースで国債を買入れてきたが、来年以降の月々の買入額が場合によっては減額されるのではないかという思惑がある。市場は不透明感を嫌うことから、日本銀行からの分かりやすいメッセージが必要だと考えている。

2点目は、公的年金の運用見直しについてである。現行のGPIFの基本ポートフォリオでは、国内債券の構成比率は60%±8%とされ、下限52%となっているが、市場では、今後、市場への影響を極力減らす観点から、償還分の資金を他の投資に充てることで52%の下限まで順次比率を下げていくことが見込まれていた。しかし、最近の一部関係者からの発言の中には、直ちに比率の低下に取り組むべきである、あるいは日本銀行が大量に国債を購入している時こそ売り時であるというニュアンスで伝わっているものもある。市場の売買量が減って流動性が低下しているため、直接日本銀行が購入するのであれば問題ないが、一旦市場に売りが出されると、相応のインパクトが起こりうるので、留意が必要であると考えている。

財政については、今まさに来年度の予算編成が進んでいるが、消費税率引上げや景気回復によって税収が増える中で、歳出のカットが思うように進んでいない模様なのが気がかりである。中期的な財政健全化に向けて、強い意志を見せないと、市場は非常に不安になる。2014年12月頃には、2015年10月からの消費税率8%から10%への引上げについて判断をすることになると思われるが、政府日銀も含め、消費税率引上げをより確実なものにするために対応をしてもらえれば、市場も安心感を持って国債の投資を行うことができるため、国債の安定消化につながると思われる。

Source: Ministry of Finance.