PD Meeting #55
| Date | 2014-03-20 |
|---|---|
| Venue | 財務省第3特別会議室 |
| Agenda | 1. リオープン方式等について〔参考配布:資料1〕 2. 平成26年4-6月期における流動性供給入札及び買入消却入札等について (1) 平成26年4-6月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2-1、2-2、2-3、2-4、2-5〕 (2) 平成26年4-6月期における買入消却入札について〔参考配布:資料2-6、2-7、2-8、2-9、2-10、2-11、2-12、2-13〕 3. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕 |
| Sources | Removed from mof.go.jp; restored here from web archives |
Materials
| 資料1PDF |
| 資料2-1、2-2、2-3、2-4、2-5PDF |
| 資料2-6、2-7、2-8、2-9、2-10、2-11、2-12、2-13PDF |
| 参考資料PDF |
Minutes
○はじめに、理財局から資料1に沿って、平成26年度の10年債、20年債、30年債、40年債および物価連動債のリオープン方式等について説明を行った。
・10年債のリオープン方式については、平成25年7月以降、新発債の表面利率と入札日の市場実勢利回りの乖離が概ね15bpである場合にはリオープン発行とし、1月以降はこれを20bpに拡大してリオープン発行としてきた。
・この方式について、事前に意見を伺ったところでは、今後の原則リオープン発行を望む意見がある一方、簿価分散ニーズ等にも配慮した現行方式としてほしいとの声もあった。
・これらの意見を踏まえ、4月及び5月の10年債のリオープン方式については、現行の方式を継続し、新発債の表面利率と入札日の市場実勢利回りの乖離が概ね20bpである場合にはリオープン発行とすることを提案したい。
・次に、20年債および30年債のリオープン方式については、現状維持の年間4銘柄案を提案したが、事前にご意見を伺った際には、大多数の方がこの提案を支持する結果となった。
・また、40年債のリオープン方式については、今年度と同様に年間1銘柄とする案を提示した。事前にご意見を伺った際には、この提案を支持する意見が大勢であり、入札方式については、流動性等の観点から、新発・リオープン債ともに現行の利回りダッチ方式の継続を支持する意見が多数であった。
・最後に、物価連動債については、リオープン方式は年間2銘柄とする当局案を支持する意見が多く、4月の新発債発行額は平成26年度の国債発行計画策定時の想定どおり4,000億円とすることが適当であるとの意見が大勢であった。
・平成26年度のリオープン方式等については、本日いただいた意見も勘案して総合的に判断していきたいと考えており、改めてご意見を頂戴したい。
○平成26年度の10年債、20年債、30年債、40年債および物価連動債のリオープン方式等について、提示案に対して問題ないとする意見が多数見られたほか、以下のような意見があった。
・10年債について、投資家にとっては銘柄数が多い方が簿価分散の観点から保有しやすいが、足元の入札は安定しており、現行方式に変更したばかりであることから、金利水準が動いた際の影響を確認する必要があり、現行方式を継続することに異論はない。
・日銀買入オペの規模が大きく、特に残存5-10年を対象としたオペは他のゾーンを対象としたオペと比べ実勢より強く決まることが多い中、残高確保をより確実にする観点から、10年債も原則リオープン方式とする方がよい。今回については現行方式の維持でよいが、引き続き四半期毎に見直しを行ってほしい。
・10年債のリオープン方式については、ルールはシンプルであるべきとの考え方や日銀買入オペにおいてカレント銘柄に落札が集中している現状に鑑み、原則リオープン方式が望ましい。
・40年債の入札方式については、投資家が増え流動性が出てきていることに加え、発行残高も膨らんでいるため、価格コンベンショナル方式への移行を考えてもよい。利回りダッチ方式の場合、入札結果が前場の終値と不連続になるおそれがあるという弊害がある。
・40年債の入札方式は現行の利回りダッチ方式を継続する方がよい。日銀買入オペが巨額であり、カレント銘柄付近に落札が集中していることからすれば、オフザラン銘柄の流動性も以前とは異なってきていると考えるべきである。日銀買入オペが続く中にあっては、流動性から判断するのは時期尚早である。
2. 平成26年4-6月期における流動性供給入札及び買入消却入札等について
○次に、平成26年4-6月期における流動性供給入札及び買入消却入札等について、以下のように説明を行った。
(1) 平成26年4-6月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2-1、2-2、2-3、2-4、2-5〕
・流動性供給入札については、1-3月期の入札結果は、資料2-1及び2-2に示すとおり、総じて安定している。また、資料2-3では、平成25年度の入札における残存期間別発行額を示している。
・平成26年度国債発行計画では、流動性供給入札の発行額を7,000億円(前年度比+1,000億円)としているため、残存5-15.5年ゾーン及び残存15.5-39年ゾーンの各ゾーンにおける増額幅についてご意見を伺ったところ、4-6月期については、資料2-4のとおり、残存5-15.5年ゾーンを1,000億円増額して、月4,000億円の発行とし、残存15.5-39年ゾーンは月3,000億円とすることが適当であるとの意見が多かった。
・対象銘柄については、カレント債以外の全ての銘柄に拡大し、入札を実施する方針である。
・また、こうした発行額増額や対象銘柄の拡大等に伴い、平成26年4月以降の流動性供給入札については、各入札において発行額の3%以上に相当する額を応札する責任、いわゆる応札義務を設定することを昨年12月の本会合で提案しており、資料2-5に「国債市場特別参加者制度運営基本要領」の改正案を示している。昨年12月の会合後、これまでご意見を伺った際には、応札義務の設定について異論はなかったように思う。
・平成26年4月以降の流動性供給入札の実施方針については、本日いただいた意見も勘案して総合的に判断していきたいと考えており、改めてご意見を頂戴したい。
○平成26年4-6月期における流動性供給入札については、提示案に対して問題ないとする意見が多数見られたほか、以下のような意見があった。
・対象銘柄を残存5年よりも手前まで拡大することや、対象ゾーンを日銀買入オペと同様に残存5-10年、残存10年超に変更することを今後検討してほしい。 ・残存5年よりも手前まで対象を拡大してほしい。応札義務については、増額されることに鑑みて問題ない。
・日銀買入オペによる買入額は短いゾーンが圧倒的に多くなっているため、残存5-15.5年ゾーンでの増額が望ましい。応札義務については、増額を希望している以上、義務に応じる必要もあると考えており、問題ない。
・4月以降の30年債の増額を考慮すると、残存5-15.5年ゾーンを増額することに異論はない。応札義務については、本入札で意図しない事態が発生し、市場全体に波及するのは望ましくないことから、やむを得ない。
・足元で超長期ゾーンのボラティリティが上昇している中、先物で全てヘッジできるわけでもないため、増額するならば残存5-15.5年ゾーンがよいのではないか。応札義務については、発行額が増えていく中で、発行の円滑化を図るという観点から義務を課すことに問題はない。
・応札義務については、1,000億円程度の増額であれば必要ないとも考えられるが、問題があるわけではないことから、異論はない。
・4月以降の30年債増額を勘案すると、超長期ゾーンにこれ以上負担をかけるのは適当でなく、残存5-15.5年ゾーンを1,000億円増額するのがよい。応札義務については、国債市場特別参加者である以上、国債の安定消化を推進していく上で、それが課されることは全く問題ない。他方、落札義務については、本入札により落札される銘柄はテクニカルな要因により決まることもあるので、導入するのは時期尚早であり、そもそも制度の趣旨に反する部分もあると考える。
・直近の20年債・30年債入札が流れていることや、残存10年超を対象にした日銀買入オペの買入額が2回連続で減額されたこと、残存5-15.5年ゾーンの流動性供給入札の多くが市場実勢よりもやや強い結果となっていることに鑑みると、残存5-15.5年ゾーンを1,000億円増額するのがよい。もっとも、投資家によっては残存15.5-39年ゾーンを増額して欲しいという意見があるのも事実であり、4-6月の様子を見てから検討してもよいのではないか。
応札義務については、足元の入札が流れ気味であることや、過去に3,000億円の予定額に対し4,000億円強しか応札がなかった入札があることを考慮すると、入札が大きく流れた場合、国債発行のあり方について疑義が生じることとなるので、応札義務を課すこと自体はやむなしと考える。ただし、落札義務を課すことは、流動性供給入札自体の根本的な意味を問い直すことになるので、将来的にも賛成しかねる。
・応札義務については、流動性供給入札における事務負担は他の入札と比べて大きいため、事務ミスのないよう対処する必要はあるが、国債の安定消化という観点からは致し方ないと考える。他方、落札義務については、流動性供給入札制度の位置付けや、マーケット環境に合わせた自由度を確保する観点からも、設定しない方がよいだろう。
・残存15.5-39年ゾーンの増額を志向すべきではあるが、現在の日銀買入オペを背景とした需給環境を考えると、残存5-15.5年ゾーンの発行額を厚くする方がバランスはよい。応札義務についても、日銀買入オペが実施される中で増額することを考えれば、妥当である。
(2) 平成26年4-6月期における買入消却入札について〔参考配布:資料2-6、2-7、2-8、2-9、2-10、2-11、2-12、2-13〕
・足元の15年変動債の買入消却入札結果は、資料2-6のとおりである。
・また、資料2-7では、15年変動債の市場価格と買入消却額の推移を示している。足元では買入消却額は変更していないが、全銘柄平均の市場価格は、リーマンショック以前の水準に戻っており、銘柄によっては、市場価格が理論価格を上回る状況である。
・資料2-8は、昨年12月の本会合でも提示した推計であるが、これによると、本年度末時点見込みで、満期保有目的以外で各金融機関が保有している15年変動債は約18.4兆円であり(一部推計)、平成27年6月の償還の開始に伴って逓減するかたちとなっている。
・こうした状況を踏まえ、4-6月の買入消却入札の実施方式については、資料2-9のとおり、買入頻度は現状維持としたうえ、入札1回当たりの買入額を1,200億円に減額する案を提案している。
・買入額の減額については、本日いただいた意見も勘案して総合的に判断して参りたい。
・物価連動債の買入消却入札結果は、資料2-10のとおりであり、直近では、買入平均価格較差および買入最大価格較差ともプラス圏で推移している。また、物価連動債の市中残高は、資料2-11のとおりであり、特に、第2回債から第16回債までの日本銀行保有分を除いた市中残高は、約1.8兆円まで減少している。
・4-6月の物価連動債の買入額について事前にご意見を伺った際には、発行入札がない5月・6月の買入額については、100億円に減額する意見と現状維持の200億円とする意見が出された。また、発行入札のある4月の買入額(午前中に行う買入消却入札における買入額)については、現状の300億円を維持することで問題ないとする意見が多数であった。
・そこで、4-6月の物価連動債の買入額については、資料2-12のとおり、4月の発行入札日の午前に行う買入消却入札の買入額については、既発債から新発債への円滑な乗換えを促すため、現状維持の300億円とする一方、5月・6月の買入額は100億円に減額することを提案したい。なお、発行入札を行う4月3日の午後には、これまでどおり、発行額4,000億円を上限とする追加買入消却入札を実施予定なので、引続きご協力願いたい。
・また、物価連動債第2回債については、6月10日に償還を迎えることから、5月・6月の買入消却入札の対象銘柄からは除外することとしたい。
・最後に、資料2-13を用いて、買入消却入札の結果公表時刻の後倒しについて説明する。買入消却入札の対象としている物価連動債の市中残高が減少する中、実勢価格から大きく乖離した場合には、当局の判断で、同入札における申込みの一部または全部を買入れないことがある。
・この対応にかかる時間を確保するため、新発債発行入札のある月・ない月のいずれについても、4月以降に実施する物価連動債の買入消却入札の結果発表時刻を現状の12時15分から12時35分に後倒しすることとしたい。
・なお、これに合わせて、4月以降に実施する15年変動債の買入消却入札の結果発表時刻についても、12時35分としたい。
○平成26年4-6月期における買入消却入札については、提示案に対して問題ないとする意見が多数見られたほか、以下のような意見があった。
・15年変動債、物価連動債ともに、引値の上昇や残高の減少に加え、買入消却入札の結果水準を見る限り、100億円の減額はよいのではないか。
・物価連動債の買入消却入札については、新発債の発行入札と同日に行う買入消却入札には売却ニーズが集中するが、その他の月は変動的であることから、基本的には当局案に異論はない。
・15年変動債、物価連動債ともに100億円の減額はやむを得ないと考える。物価連動債に関して、既発債の価格がインフレスワップ等を折り込む数字と乖離していることから、減額により若干の水準調整があってもよいと思う。ただし、100億円という額自体が極めて小さいので、1回1回の結果に大きく強弱が出る可能性があるため、市場実勢によっては、7-9月、10-12月に柔軟に対応し、増額の可能性を排除せずに、1回減額するのがよいと考える。
・15年変動債、物価連動債の買入額減額については、第1四半期の状況を勘案し、第2四半期以降柔軟に対応してもらえるのであれば問題ない。
・15年変動債は、店頭での売却ニーズに変化が見られず、市場残高も相応にあるため、減額の必要性をあまり感じないが、100億円程度の減額であれば問題ない。
・15年変動債は市中残高が相当ある中、日銀買入オペと当局の買入消却入札が事実上の流動性を提供している構図に変わりはないため、当面は現状維持が望ましい。もっとも、15年変動債の買入額を100億円減額することはそこまで問題でないと考える。買入消却入札の減額が必要なのであれば、どちらかと言えば、物価連動債の減額の方がよい。
・物価連動債の買入額の減額について異論はない。ただし、市場の実勢から離れた札は買い入れないことに関しては、そもそも市場の実勢として扱われている引値のレベルが、日銀買入オペ及び当局の買入消却入札によって既に歪められているという点も将来的には勘案していくべきであると考える。
・物価連動債の100億円程度の減額は問題ない。ただし、15年変動債は安値の札が入る場合もあるので、できれば現状維持が望ましい。
3. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕
○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・現状の国債市場は、日銀買入オペの効果が大きく、多少の外部環境や需給の変化があっても低位安定を続けている。
来年度の国債金利については、今年度より景気が減速すると思われるため、長期金利のコアレンジは0.5~0.7%をイメージしている。期待インフレ率が上がると名目金利も上がることになるが、残念ながら日本銀行の物価目標達成はマーケットの中で懐疑的に見られているため、そうした金利上昇の可能性は低い。一方で、追加緩和を契機とした金利低下の可能性は考えられる。追加緩和において国債買入の拡大となれば、昨年4月につけた長期金利の最低水準である0.315%を突き抜ける可能性もある。もっとも、同水準では投資家も保有玉を売却したいと思われることから、その後は逆に金利が急騰し、1%台に乗っても不思議ではない。したがって予想レンジとしては0.25~1.25%と広めに取っておく必要がある。なお、米国ではIT化・グローバル化、あるいは「ニューノーマル」という言葉で表現されるような経済構造変化が起きていることから、成長率が過去の趨勢的な値に戻ることは考え難く、そのため、米金利が4~5%といった過去の水準に戻り、日米長期金利の連れ高が起きることはないだろう。
・消費増税後の国内景気が本当にボトムを打つのか確認ができない限り、4-6月期での金利上昇はないと考えている。足元の需給環境が非常にタイトであることもサポートしている。
7-9月期以降については金利上昇リスクが高まり、10年金利が1.5~1.6%まで上昇する可能性がある。足元では「不透明感」という言葉がよく使われるが、はっきりしていることが2つある。1つは日銀買入オペによって需給がタイト化しているということ。もう1つは政府・日本銀行が2%のインフレに対してコミットして共同して目指しているということである。日本銀行が国債を買い入れているのは2%のインフレを目指しているからで、当然インフレ目標を達成した場合には、日本銀行が国債を買い入れることが当たり前ではなくなる。今米国で行われているように、年度後半に日本でもテーパリングがマーケットのテーマになってもおかしくない。その際、買入額を現在の規模から過去の規模に戻す、あるいは、1/4に戻していくということが起きた場合のショックを考えると、金利上昇のテールリスクは高いと考えている。
・残存10年超を対象にした日銀買入オペの買入額が減額された際にボラティリティが上昇したように、足元の円債市場は、金融政策の影響が高まっている。
当面の金利見通しは、金融政策の方向性に変更はないと思われることや、グローバル経済に対する懸念や地政学的リスクの高まり等から、低位安定すると思われる。
長期的には、日銀買入オペが減額となる局面においても、国債の円滑な消化を継続するため、当局が予め財政健全化を進め、国債発行額を減らしていく必要がある。
・当面の金利見通しは、日本銀行の追加緩和次第と考えている。仮に、日銀買入オペが増額になる場合、一段の金利低下が見込まれる。一方で、金利が急激に低下すると、結果としてボラティリティが上昇し投資家が売買を手控えるケースも想定されることから、昨年4月に見られたように、10年金利で1%を越える局面も想定される。
非伝統的金融政策の効果は不確実性が高いため、日本銀行の追加緩和については、経済指標だけでは予想が難しい。消費税増税の影響を見極めるため、4-6月期の金融緩和はないとの意見もあるが、消費者物価の上昇見込みの判断次第で追加緩和の可能性もあると考えている。
・消費者物価指数が2年で2%を達成することは極めて困難であり、従って、金利の大幅な上昇はないと考えている。たとえ米金利が上昇したとしても、日米金利の連動性は薄れた状況が続いており、円金利がそれに伴って大幅に上昇することはないだろう。ただし、向こう2、3か月は金利低下が続いたことの調整が起こってもおかしくない頃であると考えている。具体的には、4月以降に①新興国通貨の暴落、②米国の大寒波、③中国景気の下振れ、④ウクライナ情勢緊迫化、といった「グローバル四重苦」が解消に向かえば、米国株、米金利の本格上昇からドル高円安が進行し、結果として日本株の上昇の影響を受けて円金利も多少上昇する可能性はあると考えている。
今後の焦点としては、日本銀行の追加緩和であり、実施される場合には国債買入額も増額されるだろう。これは、流動性の枯渇懸念を余程刺激するものでない限り国債市場にとっては好材料であると考えている。時期としては、追加の消費増税を決断する決め手となる7-9月期GDPは高成長であることが望ましいことから、4-6月のいずれかになると思われる。中でも、4月の消費税増税後の経済動向をもって景気物価認識を修正する必要性に鑑みると、4月以降の経済データが出てくる6月会合で決断される可能性が高いと考えている。ただし、追加緩和の可能性はグローバル経済動向次第であり、「グローバル四重苦」が4月以降解消に向かい、ドル円が上昇し、日経平均株価が1万7,000円を超えることがあれば追加緩和の必要性は薄まるのではないか。
・当面は、世界経済では、中国やロシアを中心に景気の下振れリスクが意識され、新興国市場も引き続き不安定な状況の中、国内では決算期末を控えたタイミングで株価も大きく下げていることを考えると、金利低下の材料に目が行きやすいと考えている。
来期の運用については、日本銀行の大量購入が続く環境下において、クーポンの高い債券の償還が続くため、特に地方金融機関を中心に保有債券の利回り低下を警戒する声が多い。今年度は円安株高の恩恵があったが、来年度は今年度並みに収益をあげられるか不確かであり、一部には債券投資に戻る投資家も出てくるのではないか。
FRBによる早期利上げ観測が出ており、テーパリングを淡々と進めていくのであれば、一般論からすると米金利は上昇しやすいと思われるが、一方で新興国市場が影響を受けて不安定化すると、結果的に質への逃避で米国債が購入されることも考えられる。こうした理由から、一部の投資家からは内外ともに金利が上昇しにくいのではないかという見通しも聞かれている。
来年度以降については、財政問題が要注意であり、引き続き市場の流動性が低いこともあって、財政規律の維持が重要だと考えている。主流ではないが、海外ファンドの一部には日本の財政収支、経常収支の双子の赤字をテーマに日本の株式、債券、為替を売る日本売りを考え始めているところも出てきている。一つ懸念しているのは、昨年末対比でみるとドル円は3円程度の円高なのに対して日経平均株価が▲2,000円となっており、従来のバランスで考えるとそれ程円高が進んでいないにも関わらず株価が大きく下落しており、海外ファンドの件と絡めて考えるとやや要注意であると感じている。こうした状況の中で、日本は海外に対して財政政策で隙を与えないことが大事だと考えている。特に、2015年は政治では地方選等があり、財政ではプライマリーバランスの赤字をGDP対比半減させる目標の年である。それ以外にも、法人税改革や公的年金の運用見直し等、どちらかと言えば債券よりも株式を重視しやすい環境になっており、例えば法人税の議論では財源の手当てについて楽観的な見通しではなく、きちっとしたものを想定しないと結果的に財政規律が緩むことを材料に海外に隙を与えかねない状況であることから、十分注意してほしい。
Source: Ministry of Finance.