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auctions / pd / m / 53 — 2013-11-22

PD Meeting #53

Date2013-11-22
Venue財務省第3特別会議室
Agenda
1. 平成26年度予算に伴う国債発行計画について〔参考配布:資料〕
2. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕
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Materials

資料PDF
参考資料PDF

Minutes

○はじめに、理財局から、平成26年度予算に伴う国債発行計画について、以下のように説明を行った。

・来年度の発行計画について確たることを申し上げられる状況にはないが、現時点で分かっている状況を説明すると次のとおり。ただし、計数については今後の変動があり得るので、ある程度幅をもってみる必要がある。

・「発行根拠法別発行額」としては、建設・特例国債については「前年度を上回らないよう、最大限努力する」とした中期財政計画に沿って、予算編成作業が進められている。借換債については、26年度概算要求では約120兆円を要求しており、現時点では、今年度より約8兆円上回る見込みである。財投債については、26年度財投計画の規模等により、今後決まることとなる。しかし、平成15年度から16年度にかけて約5兆円増加した10年債の財投債が償還を迎えるため、その分は自然体で増加する点に留意が必要である。なお、年金特例国債(24・25年度:2.6兆円)は、来年度は発行しない。また、復興債については現時点で申し上げられる点はない。

・一方、「消化方式別発行額」としては、今年度に発行した国債のうち約5兆円は前年度補正予算のために発行したものであるが、来年度はこのような特殊要因がないことから、その分余計に消化余力が生じることとなる。さらに、足元では第Ⅱ非価格競争入札が好調であることなどにより、25年度中に発行する前倒債が発行予定額より上振れており、限度額(20兆円)一杯まで発行される見込みである。この上振れ額の大半は26年度の消化余力となる。日銀乗換については、最終的には日本銀行の決定によるものではあるが、今後、当局として要請内容を検討していきたい。個人向け販売分については、足元では堅調に推移していることなどを踏まえて、来年度の発行予定額を検討していきたい。

・また、「国の債務管理の在り方に関する懇談会」において国債市場の流動性や平均償還年限長期化の議論が進められていることも踏まえて、今後、発行計画策定に向けた検討を進めていきたいと考えているが、本日の会合では、様々な状況に的確に対応できるよう、幅広く皆様のご意見を承りたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・超長期ゾーンについては、20年債は荷もたれ感が出ており増額困難と思われるが、30年債、40年債はそれぞれ1回当たり1,000億円程度の増額余地がある。

超長期ゾーンの増額を優先させるべきではあるが、10年債は月1,000億円程度、2年債、5年債は月1,000~2,000億円の増額が可能である。

他方、T-Bill・1年物のほか、2年債、5年債は、いずれも月1,000億円程度の減額も可能であり、特に、日銀当座預金の付利金利(0.1%)を下回っている2年債を優先して減額すべき。

流動性供給入札については、月1,000~2,000億円の増額は可能。また、対象年限を残存3年程度までに拡大した上で、現行の2区分から3区分に増やすことも検討して良いのではないか。

物価連動債については、現行の発行規模・頻度を継続し、四半期に1回3,000億円の発行は可能と思われる。将来的には増額も考えられるが、来年度は据え置くべきと考える。

・発行計画全体のバランスを考えた上ではあるが、超長期ゾーンについては、増額は可能。ただし、荷もたれ感が出ている20年債よりは、30年債を月1,000億円程度増額するのが良い。40年債については、日銀買入オペで多く買入れられており、投資家の需要は十分ではないと思われることから、増額は見送るべき。

10年債については、月1,000億円程度は増額可能と思われる。

2年債、5年債については、増額、減額のいずれも可能と思われる。減額するのであれば、付利金利を下回っている中で、一時期ほど投資家需要が見られず、投資家層が偏っている2年債を優先すべきであり、月1,000~2,000億円程度の減額は可能。

T-Bill・1年物については、日銀買入により、付利金利と比べて金利が下がり過ぎており、減額は望ましくない。

流動性供給入札については、1回当たり1,000億円程度の増額は可能であり、対象年限の区切りを日銀買入オペと合わせることについても検討の余地はある。

物価連動債については、現行の発行規模・頻度を継続し、四半期に1回3,000億円の発行は可能。

・来年度の国債発行額の増額は、現下の金融緩和政策がいずれ変更されることを前提に、慎重に行うべき。年限を極端に長期化すると、金融緩和の出口の際に市場への影響が大きくなり過ぎる。

超長期ゾーンについては、30年債は、5,000億円発行している5、8、11、2月の発行額を6,000億円に増額することは可能。20年債は荷もたれ感が出ていること、40年債は投資家需要がなく日銀買入オペに多く入っていることから、増額は見送るべき。また、2年債、T-Bill・1年物は減額可能と思われる。

流動性供給入札については、対象年限を残存5-10年、残存10年超に分けた上で、それぞれ1回当たり1,000~2,000億円の増額は可能。当該入札は四半期毎にその発行方式等について議論している中、市場環境の変化に合わせたフレキシブルな対応が可能ではないかと思う。

・30年債は、月1,000億円程度の増額は可能。優先順位は劣るものの、40年債についても、1回当たり500~1,000億円程度の増額は可能と思われる。

10年債についても、月1,000億円程度は増額可能と思われる。

2年債、5年債については、月2,000億円程度の増額・減額のいずれも可能と思われる。T-Bill・1年物は、日銀買入により流動性が低下しており、現状維持が望ましい。

流動性供給入札については、対象年限を日銀買入オペに合わせて残存5-10年、残存10年超に分けた上で、前者は1回当たり3,000億円、後者は1回当たり2,000億円の増額は可能。

物価連動債については、現行の発行規模・頻度を継続し、四半期に1回3,000億円の発行は可能。

・超長期ゾーンでは、30年債は月1,000億円程度増額し、やや発行過多の20年債を減額することによって、このゾーン全体の発行コストが改善される可能性があるのではないか。

10年債は月1,000億円程度の増額が可能。

2年債、5年債については、月1,000億円程度は増額可能と考えているが、現状でもそれなりに発行額が大きいため、積極的な増額は望まない。

増額余地が最も大きいのは、流動性供給入札であり、月3,000億円程度の増額が可能と考えている。最近は流動性供給入札の位置付けや市場環境が変わってきているため、残存2‐3年まで対象年限に加え、入札を3区分に分けて実施するのも一案かと思う。この場合、3区分の中では、残存10年までが最も需要があると考えている。

T-Bill・1年物については、減額しなくてよい。

物価連動債については、四半期に1回3,000億円の発行をまず定着させるのがよいのではないか。

・40年債、30年債に増額余地があると思う。他方、20年債や10年債は、現下では需給環境が良好で安定的に消化されているが、これまでも増額してきており、市場環境が悪化した際には安定消化に不安が残るのではないかと思われ、増額を控えた方がよい。

2年債、5年債については、全体の発行額にもよるが、月1,000~2,000億円程度の減額余地はある。

流動性供給入札については、日銀買入オペの区分等も勘案しながら、残存5-10年、残存10-15年、残存15年超の3区分にするのが望ましい。市場の流動性向上に資するよう、区分を増やすことによって増額を行うのも一案ではないかと考えている。

物価連動債については、当面は現状維持として、投資家の需要をしっかり定着させるべきである。

・超長期ゾーンについては、30年債の発行額を一律6,000億円とする増額がよいのではないか。20年債については、投資家の需要等を考慮すると増額すべきではなく、むしろ減額することを検討するべきである。

その他に関しては、まず流動性供給入札の増額を検討するべきである。日銀買入オペを背景とした投資家の需要に鑑みると、月5,000億円程度までの増額余地はあると考えている。この点、残存10年以下、残存10年超の区分に分け、投資家の需要を踏まえて大半を残存10年以下で増額するのがよいのではないかと思う。流動性供給入札を増額した分は、2年債や5年債を減額すればよい。10年債は月3,000億円程度の増額余地がある。

物価連動債については、四半期に1回3,000億円の発行を行い、投資家の需要を探っていくのがよいのではないか。

・超長期ゾーンについては、40年債、30年債の順に増額余地があるが、20年債の増額は慎重に対応すべきと考えている。

流動性供給入札については、残存10年以下と残存10年超の区分で実施し、それぞれ月1,000~2,000億円増額するのがよい。また、増額した分は2年債、5年債の減額が可能と考えている。

物価連動債については、四半期に1回3,000億円の発行で問題ない。

・超長期ゾーンについては、40年債及び30年債で、それぞれ1回当たり1,000億円程度の増額が可能であるが、20年債の増額は慎重に対応すべきである。

超長期ゾーンの増額よりも優先順位が高いのは流動性供給入札であり、各区分1回当たり1,000~2,000億円程度増額してほしい。また、流動性供給入札の対象年限の区分についても、現行の残存5-15年を対象とした入札では、その日の相場状況によって、落札される銘柄が極端に偏ってしまうため、可能ならば3区分に増やしてほしい。

物価連動債については、現在の発行額・頻度で様子を見たい。四半期に1回3,000億円の発行でよい。

発行額を減額する場合は、2年債が可能である。

・どのゾーンでも月1,000億円程度の増額は可能ではあるが、全体として増額が必要ないのであれば、慎重に考えてほしい。

超長期ゾーンについては、20年債よりは30年債及び40年債に増額の余地があると考える。

10年以下のゾーンについては、2年債及び5年債、10年債のいずれも増額可能。他方、2年債及び5年債については減額も可能。

流動性供給入札については、現状の需給からすると1回当たり1,000億円程度の増額ならば可能。ただし、流動性供給入札における本来の在り方といった問題に加え、日本銀行による金融緩和が未来永劫に続く訳でもないため、ドラスティックに変更するのは如何なものかと思う。

・最優先で検討してほしいのは流動性供給入札の増額である。対象年限の区分を工夫した上で、月1,000億円~2,000億円程度の増額が可能。

また、30年債については、5,000億円発行している月を1,000億円増額し、6,000億円の入札を年間12回実施することを検討してはどうか。

2年債及び5年債については、増額、減額いずれも可能。

T-Bill・1年物については、日銀買入オペによって需給が逼迫しているため、月数千億円程度の増額が可能。

・30年債は今年度対比4,000億円の増額が可能で、1回当たり6,000億円の入札を年間12回実施するという形がよい。30年債に次いで増額が可能なのは40年債で、1回当たり1,000億円の増額は可能。

10年以下のゾーンについては、増額するのであれば、10年債及び5年債である。2年債については、減額が可能である。

物価連動債については、発行再開から間もないため、現状を維持してマーケットが育つのを待つべきである。

・年限長期化については、日本銀行が金融政策において国債の買入年限を長期化し、イールドカーブ全体に下方圧力をかけている中で当局が発行年限の長期化を行えば、金融政策の効果を相殺しかねないといった点も考慮すべきである。また、預貯金が積み上がり、運用サイドのニーズは短期化していく傾向がある中で発行年限の長期化を行えば、運用サイドと発行サイドの年限にミスマッチが起きることからリスクプレミアムが高まる可能性がある。現に、20年債はフォワードカーブ対比でもアセットスワップカーブ対比でも割安方向に歪んでいる。

その上で、仮に年限の長期化を行うのであれば、フォワードカーブ上の歪みが大きい20年債を減額し、30年債を増額することが適当。発行額全体を増額する必要があるのであれば、超長期ゾーンの増額ではなく、2年債や5年債、10年債を増額対象とすべきである。

流動性供給入札については、区切りを現行の15年から10年に変更した上で、それぞれのゾーンにおいて1回当たり1,000億円程度の増額が可能である。

物価連動債については、四半期に1回3,000億円の発行が適当である。

・流動性供給入札については、対象ゾーンを拡大した上で月2,000億円の増額が可能であり、優先順位が最も高い。その他、30年債は、5,000億円発行している5、8、11、2月の発行額を6,000億円に増額することが可能である。2年債及び5年債については、月2,000億円程度の増額・減額のいずれも可能と考える。

・デフレ脱却を果たした場合におけるリスクをコントロールすることを考えると平均償還年限の長期化を行う必要がある。

流動性供給入札については、現在の市場の流動性に配慮して、対象年限のゾーンを見直した上で増額余地があるほか、30年債も増額可能である。一方で、2年債、5年債は減額余地があると考える。

T-Bill・1年物については、現行の金利水準を踏まえると、減額にやや慎重な意見も多いようであるが、先日の「国の債務債務の在り方に関する懇談会」でも意見が出ていたように、それも含めた平均償還年限の管理を行うべきと考える。

物価連動債に関しては、現行のペースを維持し、四半期に1回3,000億円の発行が適当だろう。

2. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・今後の国債市場は、日本銀行の政策がどの様な形で結実するのかという点が重要である。今のところは、4月5日から5月にかけて金利が乱高下した反省も踏まえて、日銀買入オペもうまく対応されており、狭いレンジの中、ゆっくり金利が低下し、この傾向が今年度中は続く可能性も十分高いと思う。

ただし、市場の流動性が低下している点には留意が必要。例えば国債の入札日には日銀買入オペが入らないため、何らかの理由で投資家が売ると、入札による発行と相俟って、供給過多になるという状況が一時的にも生まれ、乱高下が生じる可能性がある。

日本銀行の政策の結実についての見方は分かれている。もちろん日本銀行は物価目標の達成に自信を持っているのだろうが、残念ながらマーケットやエコノミストは、それが難しいと思っているとの指摘もある。

もし、日本銀行の思い通りになるのであれば、金利が低下している今の状況が変わることになる。物価目標が達成できれば、当然期待インフレ率の上昇を通じて金利が上昇するし、いずれどこかで今の政策をやめる訳であるから、金利の上昇は避けられない。

一方、物価目標の達成ができないとなると、日本銀行の金融政策に対する信頼が損なわれかねない。そうなると、4月4日の量的・質的金融緩和を契機に始まった円安株高の基調が反転し、今、追加緩和について取りざたされているが、これをきっかけに急速に金利が下がった後に再び乱高下することになりかねない。

来年度、どちらに転ぶかは不透明だが、マーケットの多数派の見方からすると、金利が一気に下がった後に乱高下するリスクが今年度以上に高まると思っているだろう。

発行年限をどうするのかという課題は、短期的な視点でもって臨むべき話ではない。もちろん財政再建を考えると長期化しなければならないということもあるだろうが、こういった大きな相場変動のリスクを抱えている中で、来年度の発行年限をどうするのか考えていくことも必要だと思う。

・今後の見通しについては、日銀買入が続いている間は、金利は低位に安定するという見方が比較的強い。日本の今年の成長率は高まった上、世界的に見ても、来年にかけては特に先進国の成長期待が今年度より強いことから、先進国の金利は上がるとの見通しが多い。

一方で、来年の国債需給という観点からいえば、発行額から償還額を引いて、さらに日銀買入分を考えると、需給は非常に引き締まっている。そういった観点で円金利は上がりにくい状態が当面続くと認識している。

とはいいつつも、金利上昇のマグマが溜まっている状態であることに変わりはないと思う。変動が大きくなるタイミングが来年のどこか、もしくは2015年まで待たなくてはいけないのか分からないが、そういった可能性を認識しつつ、当面の相場は展開していくと考えている。

金融政策の帰結がどちらに転ぶかわからないという状況においては、直近見られているような、「一旦作られた安定」が続くだろう。

・6月以降円金利が低下基調を辿っているのは、日銀買入オペを背景に、投資家の国債保有に対するリスク許容度が高まったためであると考えている。

他方、足元で金利低下の動きは足踏みとなっているが、これは、①日銀当座預金の超過準備付利金利が0.1%で維持されている以上、中短期の金利の低下余地が限られていること、②インフレ率についてコアコアCPIがマイナス圏からフラット程度まで改善してきており、需給ギャップを見てもこの先のCPIの上昇が見込まれる中で、円金利のフェアバリューに対する見方も徐々に上昇してきていること、③超長期金利については、1.5%を下回る水準ではリアルマネーの投資家需要が鈍ること、等が背景だと考えている。

金利低下余地がそれほど大きくない一方で、株価が持続的な上昇とならない限り金利上昇余地も限定的であることや、日本銀行の大量購入が依然として控えていることが金利上昇幅を限定的とさせることから、目先についてはレンジ相場であろう。

他方で、日本銀行が大量購入を続けていることで、投資家のポートフォリオからどんどん国債がなくなり、当座預金へと入れ替わることで、結果としてリターンが低下する動きが見られている。こうした動きを背景に、投資家がデュレーションリスクを長期化させることでイールドカーブのフラットニングが進むという可能性はある。過去の例を振り返ると、こういったフラット化の後はスティープ化・金利上昇といった反動が来る可能性があるため、今後、長めの年限主導でのボラティリティ上昇というリスクに注視していく必要がある。

・先行きの見通しについて、来年の4-6月までは10年金利で足元の0.60%から上下0.10%程度しか動かないと考えている。また、今後は需給のタイト化に加え、国内では消費税率引上げ後の景気動向を見極める動きが投資家の間で強まってくると考えている。

足元ではリスクオンの動きとなっているが、来年はQE3縮小の過程の中でリスク資産がどのような動きをするのか、米景気回復が持続するのかということがテーマとなってくると考えている。現在はFRBのハト派的なスタンスによるリスクオン基調にあるが、来年の4-6月にFRBの政策が金利上昇をうまく抑えながら、景気回復を持続させるパスを見通せるまでは、円金利は上昇しないと考えている。

来年の後半以降は、非常に不透明だと考えている。ただし、急激な金利上昇は考えにくく、例えば10年金利で1%台になったとしても、2%にまで行くのかというと、投資家のポジションが金利上昇に備えるポジションに少しずつ移行していることから、現行のマネーフローを考えると金利の急激な上昇懸念は少ないと考えている。

・足元の金利については、欧米金利が大きく振れている局面においても、10年金利は0.60%台前半で安定的に推移している。背景には、日銀買入効果に加え、財政への信認が維持されていること、具体的には、消費税率引上げを決定したこと、更に、本会合を中心に市場との対話を重視した国債管理政策を長期間続けてきており、市場の信認が高まっていることがあると考えている。来年度国債発行計画についても、本会合等で市場のニーズを細かく汲み上げていることや、前倒債の余裕もあることで、おそらくネガティブサプライズはないと市場は想定していると思われる。

今後の見通しについて、外部環境については、足元の株高は先物・外人主導と言われているが、どちらかというと成長期待や収益の増加期待というよりは、3つの株価維持策(PKO)と言われている、①公的年金の運用見直し、②日本銀行の更なるETF購入、③NISAによる個人投資家への減税、等の需給に焦点があたっているので、株高による日本国債市場への影響は限定的だと考えている。

また、米国はテーパリングを模索しているが、おそらく政策金利のフォワードガイダンスが導入されることや、欧州についても、どちらかというと利下げの可能性がまだあることを考えると、欧米の金利が大幅上昇する状況ではないと考えている。

攪乱要因は、円相場だと考えている。日本銀行の次の一手も影響してくるが、財政に対する信認が失われた場合には、急激な円安が円金利上昇につながるリスクがある。緩やかな円安は問題ないと思われるが、制御不能な円安リスクは要注意だと考えている。特に内部要因として、財政に対する信認には注意が必要だと考えている。

国内的には、市場の流動性が低いということと、日銀買入が永久に続くわけではなく、いずれは減額・停止が視野に入ってくること等の金利上昇要因を抱えていることを勘案すると、中期的に財政の信認を維持できるかが一番のポイントだと考えている。来年度予算編成では、診療報酬や地方財政等の議論が行われているが、来年の消費税率引上げに伴い、社会保障の充実という議論がある一方で、どちらかというと受益と負担の関係を整理したうえで財政再建につなげていくという議論が欠けている印象を持っている。現状では大きな材料にならないかもしれないが、来年春・夏以降に市場の環境が急変したときに、いつまでたっても財政再建が進んでいないと市場が注目した場合には、大きなリスクになりかねないため、市場の声として真摯な気持ちで財政再建に取り組んで頂きたい。

Source: Ministry of Finance.