PD Meeting #25
| Date | 2009-03-13 |
|---|---|
| Venue | 第3特別会議室 |
| Agenda | (1) 平成21年度における超長期債のリオープン方式について〔参考配布:資料1〕 (2) 平成21年4~6月における流動性供給入札について〔参考配布:資料2〕 (3)平成21年4~6月における買入消却入札について〔参考配布:資料3、資料5〕 (4)その他の施策について〔参考配布:資料4〕 (5)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
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Materials
| 資料1PDF |
| 資料2PDF |
| 資料3PDF |
| 資料5PDF |
| 資料4PDF |
Minutes
(1) 平成21年度における超長期債のリオープン方式について〔参考配布:資料1〕
(2) 平成21年4~6月における流動性供給入札について〔参考配布:資料2〕
4はじめに、理財局から、平成21年度における超長期債のリオープン方式及び平成21年4~6月における流動性供給入札について、以下のように説明を行った。
資料1-1では、平成20年度における30年債と40年債の発行について示している。30年債については、3月に追加発行した分も含め年5回の発行となったが、4・7月発行分の計1.2兆円と10・1・3月発行分の計1.7兆円に分けて銘柄統合し、年間2銘柄とした。40年債については、2月に追加発行した分も含め年3回の発行となったが、3回分の計0.6兆円を平成19年度に発行した第1回債に銘柄統合し、年間1銘柄とした。
平成21年度については、昨年末に発表した国債発行計画の中で30年債と40年債の発行予定額は明らかにしているが、30年債は1回当たり0.5兆円で年6回、40年債は1回当たり0.2兆円で年4回の発行予定としている。
このうち、30年債の銘柄統合の方法については、案1として、4・6・8月発行分の計1.5兆円と10・12・2月発行分の計1.5兆円をそれぞれ銘柄統合し、全体として年間2銘柄とする方法、案2として、銘柄統合は6・8月分の計1.0兆円と12・2月分の計1.0兆円のみとし、4月発行分と10月発行分は単独銘柄とし、年間4銘柄とする方法を挙げている。
40年債の銘柄統合の方法については、案1として、4回分の計0.8兆円を1銘柄に統合する方法、案2として、5・7月発行分の計0.4兆円と11・1月発行分の計0.4兆円をそれぞれ銘柄統合し、年間2銘柄とする方法を挙げている。
次に、資料2-1にある流動性供給入札については、昨年11月から毎月1,500億円を2回実施する形となり、平成21年度の国債発行計画の中でも、このペースを継続して年間3.6兆円の発行を予定している。その際、世界的な金融市場の混乱に伴う国債市場の流動性の低下への対応策として、カレント近辺の銘柄を対象とするよう検討する方針を示した。
現状では、半年に1回の頻度で対象銘柄を見直し、発行後1年以内に属する銘柄を中心に入札対象から除外しており、20年度下期の流動性供給入札を例にとると、資料2-1で赤色に示した銘柄が入札の対象から外されている。
平成21年度からは、まず対象銘柄の見直しの頻度を四半期毎にすることとし、今回は、4~6月の対象銘柄についてご意見をいただきたい。カレント付近の銘柄を対象に加える場合、資料2-2にあるとおり、案1としては、除外期間を6ヶ月程度まで縮め、4月の流動性供給入札では昨年11月発行分までを対象として加える方法、案2としては、除外期間を更に短い3ヶ月程度まで縮め、4月の流動性供給入札では本年2月発行分までを対象に加える方法が考えられる。
なお、資料2-2の注2に示しているが、現行の入札システムでは、毎回の入札におけるオファー可能銘柄数が60銘柄に限られるため、カレント付近の銘柄まで対象に加える結果、一部の銘柄を対象外とする必要が生じる。この点については、過去の流動性供給入札の実績も考慮し、相対的に需要が低いとみられる20年債の一部銘柄、具体的には、案1の場合には残存6~10年程度の銘柄、案2の場合には残存6~11年程度の銘柄がオファーの対象外となる点もお含み置きいただきたい。
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
【超長期債のリオープン方式について】
・30年債、40年債のリオープンについては、マーケットの流動性を勘案し、30年債は半期毎の原則リオープンで年間2銘柄、40年債は年間を通して原則リオープンとして年間1銘柄がよいと考えている。
【流動性供給入札について】
・最近カレントゾーンに対するニーズが高まってきており、できるだけ早い段階で対象銘柄に入れてもらいたいことから、除外期間は3ヶ月程度にしていただきたい。
・除外期間は3ヶ月程度としていただきたい。但し、投資家には様々な意向があると思われるので、除外期間を6ヶ月程度にする要望が強ければ、それでもやむを得ない。6ヶ月程度であっても、少なくとも現行ルールよりは除外期間が短縮するので、流動性供給入札の利便性は向上すると考えている。
また、現行では残存6年以上のゾーンが流動性供給入札の対象になっているが、今後仮に流動性供給入札での発行額を増額しなければならなくなった場合には、より幅広いニーズに対応する観点から、残存6年未満の銘柄も対象に加えることを検討していただきたい。
・除外期間は3ヶ月程度でも6ヶ月程度でもどちらでもよい。むしろ、現行の流動性供給入札では1回当たりの発行額が少ないことが応札を難しくしているので、発行額を更に増額していただきたい。
・除外期間は6ヶ月程度としていただきたい。むしろもっと長い期間としてもよいと考えている。ALMの観点から金利リスクをコントロールする上でも、纏まった金額のカレント銘柄を保有するニーズが高いが、発行から間もない時期に流動性供給入札により追加発行されてしまうと、マーケットの需給が変化してしまい、当該銘柄の値動きに予想外のインパクトを与えてしまうことから、カレント近辺の銘柄はできるだけ流動性供給入札の対象から除外していただきたい。
・現状、カレント銘柄の利回りが既発債の利回りを下回るような局面が度々発生することが示すように、カレント銘柄のニーズは非常に強い。従って、発行後3ヶ月程度経った後に流動性供給入札の対象に加え、ニーズが高い銘柄をマーケットに供給することで需給のバランスも適正になるだろう。そうすることが、発行当局にとってもトータルでの発行コストの抑制に繋がると考えている。
・除外期間を3ヶ月程度に短縮するのはよいことであるが、後々は、新発債まで対象に加えることを展望してよいのではないか。最近の投資家のカレント志向を考えると、ニーズのあるところに発行するメリットもあるだろうし、スクイーズ等の需給逼迫の防止にも繋がるだろう。
(3)平成21年4~6月における買入消却入札について〔参考配布:資料3、資料5〕
4理財局から、平成21年4~6月における買入消却入札等について、以下のように説明を行った。
【買入消却入札について】
平成21年度の買入消却については、昨年末の国債発行計画の発表時に、総額4兆円に増額することとした。その中で、10年物価連動債及び15年変動債に重点をおいて実施することとし、具体的な配分は、四半期毎に市場の状況を見ながら決定することとした。資料3-1では、今年度の買入消却の実施状況を示しているが、第4四半期では、物価連動債を計6,000億円、15年変動債を計4,000億円実施している。来年度の4~6月の買入消却の実施額についてご意見を頂戴したいが、資料3-1では、参考までに同じ期間の日本銀行の長期国債買入予定額を示している。
なお、10年物価連動債の市況については、資料3-2にあるように、昨年末に比べれば幾分改善しているとはいえ、価格の振れが大きい状況が続いており、実質利回りも3%を超えている。一方、15年変動債については、会計上の評価方法の柔軟化の効果もあり、足元では値動きが安定してきたが、実勢αは0.267%となっており、過去の水準に比べると低い状態が続いている。
こうした状況を踏まえ、21年度の4~6月の買入消却の実施額や、物価連動債や15年変動債の今後の取扱いについてご意見を頂戴したい。なお、物価連動債については、先日ある新聞において、来年度中にも元本保証を付与して発行を再開するような記事があったが、当局としては、既に昨年末の国債発行計画の中でも示しているとおり、物価連動債については、国内投資家の投資促進の在り方を検討し、その際には、既発債の取扱いにも留意しつつ、償還時の元本保証等を含めた商品性の見直しを検討する方針であり、現段階で具体的な決定を行ってはおらず、引き続き市場関係者と議論させていただきたいと考えている。
【海外投資家によるJGB市場、特に物価連動債についての見方について】
2月24日から3月3日までJGB IRのためロンドン、オランダの数都市(アムステルダム、ハーグ、ザイスト)を訪問した(個別面会先20件(英・蘭中銀を含む)、蘭発行当局)。
今回は、これまでヘッジファンドの割合が高かった個別IRの面会先をリアルマネー中心に切り換えて実施し、この結果、今回初めて面会した先が10社となった。
欧州投資家の日本国債にかかる主要関心事項としては、①日本の国債増発が欧米主要国に比較して限定的なものにとどまっていることついて、その理由や今後の見通しはどうか、②来年度発行計画で超長期債の増発が予定されているが、国内の需要が見えているのか、③物価連動債について、今後の買入消却の方針、国内投資家の投資誘引についての方針はどうなっているのか、といったところに集約される。
特に、本日の議題でもある物価連動債の買入消却については、欧州の投資家の一部から「現在、2,000億円/月で実施されている買入消却が来年度から減額されるのではとの噂があり、これが最近の物価連動債の価格下落の一因となった」との指摘もあり、買入消却を増額して欲しいとの要望が複数寄せられた。また、今回のIR時点での意見ではないが、外国人投資家の中には、来年度4~6月期には日本のCPI上昇率がマイナスになるとの予想の下、物価連動債にとってはこの時期が重要な局面となることから、買入消却の増額が必要であるとの意見もある。
物価連動債についての欧州投資家の関心は、セーフティー・ネットである買入消却から、発行再開に向けた発行当局の取組に移っているとの強い印象を受けた。発行当局の取組については、
① 来年度発行計画上は年度の後半に3,000億円の発行を予定しているが、これは発行当局とし て中長期的に物価連動債市場を育てていくというコミットメントを示すものであることを説明しつつ、BEIが▲200bpといった現状では発行できる状況ではなく、来年度においても発行できるかどうかは市場状況次第であることを説明。
②今後の発行再開に際しては、国内投資家がきちんと投資をしてくれることが重要と考えており、国内投資家の投資を誘引するためには何が必要なのかを見極めなければならない旨示した上で、勿論、基本的にはインフレ期待が醸成される必要があろうが、発行当局としてできることは何かについて、投資家との意見交換を積極的に実施していく方針であることを説明。
③元本保証の付与については、1)それが投資の意思決定にとって決定的な要素であるかどうかをよく見極める必要があること、2)仮に元本保証の付与を検討する場合には、元本保証の付いていない既発債をどのように取り扱うのか、買入消却を継続的に実施して相当程度の残高を吸収するのか、あるいは現行制度の枠組みの中でオークションのやり方を工夫したりすることが可能なのかどうか等、色々と検討する必要があることを説明した。
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・買入消却については、市場規模を勘案すれば、物価連動債の買入額を徐々に減額し、その分を固定利付債の買入消却に充てるのが本来の形ではないかと思っているが、足元の物価連動債のマーケットの脆弱な状況を踏まえると、まだ買入額を減額するにはタイミングが早いのではないかと考えている。この第1四半期については今と同水準の2,000億円×3ヶ月、合計6,000億円の買入れを継続すべきである。
15年変動債については、最近の買入消却の結果を見ても分かるとおり、入札結果が実勢価格から上下に大きく乖離することもなく安定している。3月からは、会計上の評価に理論価格を採用する金融機関が更に増えるとは思うが、市場規模を勘案するとまだまだ潜在的な売りニーズはあると思われ、引き続き理論価格対比で割安な状況に放置されていることも考慮すると、買入消却を継続する意義はあると考えている。ただ、15年変動債については、日本銀行のオペでも隔月1,000億円が買い入れられることから、それと合わせて毎月2,000億円になるような形で実施し、財務省の買入消却としては、第1四半期は4,000億円とするのが適当ではないか。
足元のマーケットが非常に脆弱な状況なことから、新規発行を大々的に発表することは、逆に悪いインパクトを与える可能性があると考えている。物価連動債の商品性見直しや発行再開をどのような時間軸で進めていくかという点については、マーケットと十分にコミュニケーションを取りながら決めていくべきである。
・買入消却のうち、物価連動債は毎月2,000億円、四半期で計6,000億円とし、15年変動債は毎月1,000億円、四半期で計3,000億円を希望する。ただ、15年変動債については、日本銀行の買入オペが実施されない月には2,000億円としてもよいのではないか。
固定利付債の買入消却に財源を回すのは時期尚早で、当面は物価連動債と15年変動債に重点を置いて買い入れればよいと考えている。物価連動債に関しては、流動性が極端に欠如した状態が続いているので、現状の需給環境やCPIの見通しを考えると、積極的に買入消却を行い、需給バランスの改善を図る必要があるのではないか。また、新規発行に関連したフロア付与の議論に関しても、現状では時期尚早という感があり、まずは既発債の吸収を積極的に行い、需給バランスが好転した後に議論を始めるべきである。
15年変動債についても、会計制度の影響で相場は落ち着いているものの、買入消却に対する期待は大きく、売却ニーズもかなりあるので、引き続きある程度のペースを維持していただきたい。
・物価連動債や15年変動債の買入消却は継続していただきたい。現在のマーケット環境は全然落ち着いておらず、特に物価連動債については、前回会合からの3ヶ月間を振り返っても価格が上昇したわけではないので、引き続き積極的な買入消却が必要と思われる。実際、海外投資家はまだ大量に保有しており、買入消却は毎月2,000億円もしくはそれ以上実施してもよいと思われる。買入消却の財源が不足するならば、発行余力がある流動性供給入札を増額し、その分を買入消却の増額に充てるという考え方もある。
・買入消却については、総額で年間4兆円という枠があるが、必ずしも四半期1兆円という均等配分に拘る必要はないと考えている。
物価連動債については、毎月2,000億円の規模を維持することも一案ではあるが、当面はCPIの下落率が大きくなるというリスクや足元の需給が改善していない点を考慮すると、現行の四半期6,000億円から7,000億円に増額するといった対応もよいと思われる。
反対に15年変動債については、比較的価格も安定しており、4~6月という四半期単位でみると、日本銀行のオペが今の四半期よりも1,000億円多い合計2,000億円実施される予定であるため、財務省の買入消却は減額することも可能と思われる。
従って、四半期1兆円の買入消却を前提とするならば、物価連動債7,000億円、15年変動債3,000億円という組み合わせが妥当ではないか。場合によっては、1兆円という枠に囚われず、4~6月には1.1~1.2兆円を配分し、15年変動債は4,000億円を継続、物価連動債は7,000億円又は8,000億円に増額するといった形で両者に重点を置いた対応もあり得ると思う。
物価連動債の新商品については、マーケットでは、例えばフロア付新発債が発行された場合、既発債への売り圧力が高まる可能性を懸念しているため、新商品の議論を開始する場合には、必ず既発債の取扱いもセットで検討しなければ危険であるという点を指摘したい。一方で、現在BEIが▲200bpという状況下でフロア付新発債の発行となると、価格形成も極端なものになると思われるので、新商品の議論は時期尚早と考えている。
・15年変動債と物価連動債は、市中残高でみると、15年変動債が40兆円強、物価連動債は9兆円弱の残高があり、また、物価連動債は海外投資家が多く保有し、15年変動債は逆に国内投資家が多く保有している特徴がある。15年変動債は、価格が安定していると言う意見があるものの、現実には理論価格と実勢価格との乖離が4~6円程度あり、残高を吸収し実勢価格を上げるのが適当であると思われるので、国内投資家としては、今後も15年変動債の買入消却を継続していただきたい。
また、来年度は、国債の増発は避けられないと予想しているが、一方で、長期資金を国債に投資してきた年金勢の買いが減少すると見込まれるため、増発分の主な引受手は、今後貸出の伸びの鈍化が予想される銀行勢になる。しかし、銀行にとってのネックは、不安定な株価の影響から政策投資株の保有リスクが上昇していることや、本業の貸出に関しても与信関係費用が増加するなど、リスクキャピタルの制約が大きくなっていることである。従って、15年変動債の価格が上昇し、ボラティリティが低下すれば、銀行勢は、15年変動債に割り当てるべきリスクキャピタルが減少するので、他の国債の購入余力が高まり、結果的に国債の安定消化に貢献できると考えられる。従って、15年変動債の買入消却についても、現状よりも増額するのが望ましい。案としては、物価連動債と15年変動債を同程度行うのがよいのではないか。
・15年変動債の買入消却の増額を希望する。具体的な数字としては、4~6月について15年変動債は毎月2,000億円、物価連動債は毎月1,000億円がよいのではないか。15年変動債は国内投資家が多く保有しており、物価連動債は海外、特にヘッジファンドが多く保有している。物価連動債の価格が下落したのはここ半年から1年程度のことだが、15年変動債の方は、更に長い期間、国内投資家に影響を与えてきた経緯があることから、どちらを先に救済するかという場合は、国内投資家からというのが筋なのではないか。
商品として物価連動債を育成することや発行再開を目指すことも重要ではあるが、買入消却を積極的に実施して、ヘッジファンドの保有額が減少することが、直ちに物価連動債の発行再開に結び付くとは考え難い。どちらの商品を守るかという観点ではなくて、投資家としてどちらを救済するかという考えに立つ方が大切と思われる。
また、4兆円のうち、四半期に1兆円という枠に囚われる必要はなく、前倒しで大胆に買入消却を実施し、早めに値段を上昇させるべきと考える。その際、物価連動債も重要かと思われるが、それ以上に15年変動債に重点を置くべきと思われる。
・基本的には発行残高が多い15年変動債を優先してもらいたいが、足元の物価の状況等考えると、半々程度の割合としてはどうかと考えている。
15年変動債については、確かに最近価格は戻っており、ボラティリティも非常に低くなっているが、これは買入消却が功を奏しているからではないか。こうした施策を維持することも非常に重要だと考えている。一方、物価連動債は買入消却を行っても価格が戻っていない。この理由を少し突き詰めて考える必要があると思う。今後、その理由なども含め、海外投資家の声なども聞きながら具体的に考えていけばよいのではないか。
・物価連動債や15年変動債の買入消却を導入したときや、一回当たりの買入額を増額したときに、もしかしたら早い段階で札割れのような状況も見られるかもしれないと思っていた。しかし、今のところそういうこともなく、15年変動債については、会計上の評価方法が見直された後も毎回相応の応札がある。一方で物価連動債も、当初は値が飛ぶような決まり方をするようなこともあったが、最近そういうこともない。この買入消却が徐々に機能してきている現れではないかと考えている。物価連動債と15年変動債のバランスは非常に難しいが、今の割合を維持することをベースにしてはどうか。年間4兆円、単純計算で四半期に1兆円とすると、4~6月期に関しては、物価連動債を毎月2,000億円、15年変動債を毎月1,000億円を基本とし、残りの1,000億円については、一回当たりにすれば300~400億円となると思うが、物価連動債に充当し、しばらく様子を見てはどうか。
・海外投資家の中では当然、物価連動債のウェイトが高い。昨年9月以降、ヘッジファンドの経営状態が悪化し、今年に入っても物価連動債の価格が回復してこないという現状に鑑みると、4月以降も物価連動債の買入消却を更に増額するニーズはあると思う。今後も引き続き国債の安定消化を図る上では、リアルマネー系を含む海外投資家の信頼も重要であり、海外投資家の意向も踏まえ、早い段階である程度の量を買入消却する必要はあるのではないか。
(4)その他の施策について〔参考配布:資料4〕
4理財局から、その他の施策について、以下のように説明を行った。
国庫短期証券の発行の状況についてご説明したい。昨年12月の本会合でも述べたが、資料4-1にあるとおり、国庫短期証券については、国庫内引受の財源となっている国債整理基金や財政融資資金の余資の減少に伴い、最近は市中残高が増加傾向にある。そこで、資料4-2にあるように、1回当たりの発行額については、主力商品である3ヶ月物の発行額を、昨年の毎週4.5兆円から、本年1月には毎週4.8兆円、2月には毎週5.1兆円に増額したほか、6ヶ月物の発行額も3.5兆円に増額した。今後を展望すると、毎年年度初から法人税収が国庫に計上される6月初までは、国庫短期証券の発行残高が増加する時期に当たるため、来年度も4月以降更に国庫短期証券の発行を増額せざるを得ない可能性がある。具体的には3ヶ月物及び6ヶ月物の1回当たりの発行への上乗せ、また2ヶ月物を毎月発行としロール化するなど、いずれにしても、状況を確認しながら、増額が必要になった場合には、市場関係者には前広に見通しを明らかにしていきたい。
(5)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・現在の環境を話すことはさほど難しくないが、今後の話については少し困難であると思っている。現状に関しては、長期金利は1.3%前後で非常に安定している。裏を返せば、円債市場に限らず、各マーケット、更にはクロスマーケットでリスクテイカーやアービトラージャーがいなくなり、流動性が落ちている。従って、イールドカーブやスワップスプレッド、ドル円のベーシススワップなど、色々なところに歪みが出てきている。おそらく年度末を越えれば、4月以降修正される部分はあると思うが、リスクテイカーやアービトラージャーが一気に増えるという環境にはないため、ある程度の歪みを残したまま、来年度まで行ってしまうと考えている。
今後の見通しに関しては、例えある程度の財政政策等が出てきても、基本的に長期金利は1%台前半がコアのレンジだと考えている。更に色々な懸念が重なっても、1.6%ぐらいが上限ではないか。財政懸念について、今回は過去に比べマグニチュードが大きいかもしれないが、その一方で長期金利を規定するのは期待名目成長率である。おそらく来年度は、ゲタの影響もあり、▲4%台となることは必至の状況であると思われ、その中で一定のリスクプレミアムが乗ったところで金利の急騰があるのかといえば、疑問を持っている。
財政の変化率にも注目すると、もともと日本は財政が悪い中で、今後変化率も悪化していくと思うが、その変化率は欧米に比べて小さく、欧米よりも悪くなることは基本的にないと思っており、そういった観点も必要であろう。
ただ、発行もさることながら、需要サイドの動きも非常に不透明である。年金の買い余力がかなり落ちていく中で、別の買い手が果たして登場するのか懸念される。こうした環境の中では、どうしても金融機関に頼らざるを得ないが、今の段階で貸出残高が低下し、それが公社債に振り替わるという絵を描くことはまだ難しいと思う。
こうした中、金利を左右するのは、需給と景況感との綱引きであり、市場参加者がどういう捉え方をするかにより、1%台前半を中心に上限1.6%というレンジを予想することは困難ではないが、どのタイミングで動くかという見極めが非常に難しい。
全く個人的な相場観では、年内もしくは来年度内という期間の中で、利回りが最も低いのは4~5月であると考えている。逆に利回りが最も高いのは6~8月と見ている。
一方で、消費者物価指数などの指標は前年比のマイナス幅が2%台半ばぐらいと大きくなることも予想され、日銀に何らかのプレッシャーがかかってきたときに、市場参加者がどういったバイアスを取るかによっては、6~8月の金利が高いかどうかという疑問も出てくるとは思う。
最後に、日本では既に中央銀行が長期国債を買っているが、世界的にそのような施策が出てくるのではないか。日銀も昨年12月に長期国債の買入の増額を行っており、財政に対する懸念が漠とした中で徐々に弱まっているのは、それがマーケットにとっては安心材料になっているからではないか。
・ここ1年半は債券買いを推奨してきたが、来年度の夏場にかけては一旦金利が上昇局面に入るという見方をしている。
大きなテーマとして、金融政策について考えた場合に、利下げは昨年12月である程度手を打ち尽くし、世界的にも打ち止め感がある。むしろこれからは財政政策で対応していくという流れになるのではないか。
こうした中、来年度も景況感は悪いと見ており、経済はデフレということになるが、財政のリスクや投資家サイドの問題等もあり、デフレ下でもなかなか金利が下がらないのではないか。来年度の長期金利は、上期が1.5%中心、下期は下がっても1.3%中心と考えている。
需給面での懸念材料として財政が挙げられるが、マーケットでは真水で10~30兆円の追加対策を予想しており、その場合は赤字国債や建設国債に頼る部分が多くなるであろう。また、税収についても来年度で言えば状況次第では10兆円規模の下振れもあると見ており、消化には相当厳しい面がある。
投資家サイドの問題としては、公的年金の買いが大幅に減ることや、昨年の夏頃まで国債の消化を支えてきた海外投資家や個人も今は大きな買い手としては期待できない状態であることが挙げられる。従って、消化については銀行や日本銀行等に期待が高まるが、実際、昨年秋から銀行の債券買いは活発化している。しかし、アウトライヤー規制が、銀行にとって金利リスクを増やす上でのネックになっている。
中央銀行においては、BOEは国債の買入れに大きく踏み込んだが、FRBは依然として国債の買入については慎重スタンスであり、ECBもなかなか難しい状況である。日本銀行も、財政ファイナンスという面では、国債のマーケットに悪影響を及ぼすため、自由度は限られている。
こうした状況の下では、デフレだがなかなか金利は下がらず、大きく跳ね上がるまではいかないが、場合によって金利が上昇することもあり得るとも考えている。マクロ経済的には、実質長期金利の上昇が更なる経済の悪化要因になる可能性があり、また、経常黒字が大幅に減少し、今後、経常赤字まで落ちた場合、それが新たな金利上昇圧力にもなるため、将来的な金利上昇に備えたオペレーションが来年度は必要ではないか。
・リスク許容度の落ち込みについては、以前、日本の金融機関の問題として話題になったが、今は海外の方が酷く、グローバルに金融機関のリスク許容度が落ちている。それに伴い、株価のインデックスなど、色々な資産が急激に値下がりしたことによって、資金の融通が非常に難しくなっているというのが現状であろう。結果としてなかなか債券の買いも進まず、金利が高止まりしている状況だと思う。実体経済の落ち込み度合いやスピード、深さと比較すると、今の10年利付債で1.3%という利回りは非常に高いと言えるのではないか。それぞれの投資家にリスク許容度を規制するものがあり、なかなかそのリスクを増やせない状況がその要因と考えられる。
金利の高止まりは、金融を引き締めていると見ることもできるため、経済が弱い状態が長く続くということであろうが、リスク許容度が低下している点が問題なのであれば、例えば発行の方法によって一旦金利がスパイクアップするようなことも考えられる。
個人的には、どちらかというと楽観的で、そういったことはないだろうと思っており、今後は順風満帆に金利が下がっていき、実体経済に対して緩和効果をもたらすと考えているが、そうならない場合は、その先の景気の悪化度合が長引き、デフレ環境が深くなっていくであろうと考えている。
・足元、短期金利のボラティリティが低下している状況であると考えているが、短期金利が動かなかった2001~2006年当時の10年債利回りの月間レンジの中央値が、15bp程度と記憶しており、現状のようにショートレンジでマーケットが落ち着いていることに違和感は無い。
水準感も、例えばターム物のレートや米10年債との利回りのバランスで考えても、方程式で弾けば1.2~1.3%台程度となり、なるべくしてなったトレンドの無いマーケットだと言える。
ただ先行きについては、景気のミニサイクルに着目すると、フォワードルック的に見れば底入れという見方もできることに加え、株価がバリュエイションを失ったと言われているが、例えばGDPと東証1部の時価総額を見ると規則性があり、東証1部の時価総額が名目GDPの半分程度となると、ボトムアウトしていると見られる経験則もあり、センチメントは好転に向かいやすい局面を迎えるだろうと考えている。
マクロ経済の面では、大幅なGDPギャップを抱えていることはみんな分かっているが、今後、ベースラインとなるそれぞれのファクター自体の方向性は少し変わってくると思われ、金利は上振れの方に潜在的に働きやすい位置にきていると考える。
需給の面では、供給サイドのアナウンスなど、出てくる数字については市場は早く察知することができるが、需要サイド、つまり買う側ではやや遅行的に確認していくことが多く、債券市場にお金が回ってくるスピードが遅くなるためミスマッチがおきやすい。こういった面を合わせて考えるとイールドカーブ全体にスティープ化のイメージがかかる形で、今後は水準を切り上げてくると考えている。
米国の長期金利との関係については、現状ではあまり感応度が高くないが、例えば日米の長期金利差が開けば、ヘッジ付き外債投資などができる環境となるため、それは最終的に日本の長期金利に裁定がかかり、上昇圧力になると考えている。
・マーケットの流動性という観点から話をすると、先物の残高がかなり減少するなど、複合的な要因で市場全体の流動性が低下していることが問題だと認識している。業者からは、バランス・シートの問題で、期末は在庫やレポのポジションを絞らざるを得ない制約があると聞いている。しかし、リスクアセットという視点では、証券化商品や他のクレジット商品であれば、現在の情勢の下で保有を絞らなければならないことは理解できるが、国債やそれを担保にしたレポのポジションまで絞るという姿勢は、多少行き過ぎのようにも感じる。もっとも、実際にはリスクアセットの問題だけでなく、外資系の場合には組織全体としての色々な考え方や制約があるのかもしれないし、そう単純ではないのかもしれない。ただ、全体の傾向として、そうしたマーケットの流動性を抑える要因が存在するのは、市場において纏まったボリュームの債券を売買しづらくしている。こうした点は、業者や海外サイドの話でもあり、全てが見えているわけではないが、そのあたりの分析ができて、物事が上手く整理できてくれば、何かよい解決策があるのではないかと思っている。
・トレーダーの視点でみると、先物は138~140円辺りを行き来している状況で、レンジ内を安定して動いていると感じている。サブプライムローンの問題や金融危機は、いわば暫く積み上げてきたものが一気に崩れた現象で、暫くの間は市場に細かい歪みが残るのは当然のことで、大枠ではかなり安定している位置にあるといえる。マーケットでも徐々に価格の競争が激しくなっているというのが正直な感想。相場については、当面はこうした展開が続くとみており、各国の政府や中央銀行がパニックを食い止める意気込みを見せているので、不測の事態でも相場の上昇は限定的ではないかと思っている。
国債増発による金利上昇が話題になるが、本当に現実問題となるのかという点については、個人的には疑問に思っている。特に日本の場合は、国内で多くの国債を消化できている環境が続いているので、海外とは別に考えたほうがよい。需給バランスで金利が上昇する局面はあっても、全体として国債市場は安定した状況が続くとみている。
・欧米市場では大幅な国債増発となっているが、各国発行当局とも市場との対話は大切にして欲しい。日本の場合には、発行残高が大きいこともあり、そういう意味では吸収の余地があるとは思うが、最近の米国債のように、金利が日々10bp程度簡単に動くという状況は、日本では起きて欲しくない。そういう意味でも、市場との対話は非常に重要なのではないかと思う。
・米国を例に取ると、7年債が発行されるということも含め、色々なことが突然決まっている。発行量も入札の直前に発表され、とてもうまく機能しているとは思えない。日本は元々ある程度発行量が多かったため、国債をどのように順調に消化していくかという点に対する意識が高い。また、日本は、国内投資家がある程度確立されており、年間100兆円もの国債が悪くない形で消化されている。一方で、米国は急激に発行量が増えている中、投資家サイドでは、手段について当局側の段取りがよくないという印象も受けている。米国債のプライマリー・ディーラーに質問しても事情を十分に把握していない状況などみると、むしろ日本の方が先進的であると感じている。特に、発行計画の透明性が高いことは、仮に発行量が多くても、投資家として安心して将来の需給の見通しが立つため、非常によいことではないか。
・米国の国債発行の手順はかなり唐突で、市場としては戸惑いが大きいが、昨年の秋以降の金融危機の中では、米国発行当局も、市場に配慮している余裕がなかったということではないか。米国債の金利水準は、アップサイドリスクの方が高いとみている。今の水準を支えているのは、FRBの累次の利下げと、FRBの国債買入の増額への期待、米国債の平均の残存年限は4年程度とかなり短いのでデュレーション・リスクもそれほど高まっていないことなどが考えられる。ただ、今後を展望すると、7年債の新規発行や30年債の再発行も含め、残存年限の長期化などから、発行増額分以上にデュレーション・リスクが大きくなることや、TARPなどの金融支援策の前提となる予想損失率が3分の1程度と甘めに見込まれているため、仮に損失率が高まれば、米国政府が想定している以上に財政支出が大きくなることも考えられ、夏から秋以降、かなりのスピードで増発ピッチが上がると予想している。従って、米国発行当局も、市場との対話を丁寧に進めていかないと、市場にかなり混乱が起きるのではないかと懸念している。
・日本は発行計画を十分余裕を持って発表しているのに対し、米国は直前にアナウンスを行っているが、発行の方法としては、日本の方がよいシステムであり、米国は日本を参考にしてもらいたい。ただし、日本において、今後大幅な税収減が見込まれ、来年度下期に増発のプレッシャーがかかる可能性がある。税収減見合いの発行をまだ計画していないとの理由で上期の増発を見送り、全て下期に発行すると下期に金利急騰を招きかねない。例えば、ニーズの強い流動性供給入札を4月から増額するなど、柔軟に対応していくことも必要ではないか。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 太田原・橋本
電話 代表 03(3581)4111 内線 5701
Source: Ministry of Finance.