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auctions / pd / m / 24 — 2008-12-12

PD Meeting #24

Date2008-12-12
Venue第3特別会議室
Agenda
(1)平成21年度の国債発行計画等について〔参考配布:資料1〕
(2)物価連動債及び15年変動債について〔参考配布:資料2〕
(3)その他の施策について〔参考配布:資料3〕
(4)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
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Materials

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF

Minutes

(1)平成21年度の国債発行計画等について〔参考配布:資料1〕

4はじめに、理財局から、平成21年度の国債発行計画等について、以下のように説明を行った。

過去3年は国債発行総額を減少させる中で発行計画を策定してきたが、今回は色々な面で増発圧力がかかる中での策定となる。また、21年度当初の計画の議論と合わせて20年度の2次補正関連の議論が必要。

20年度2次補正予算や21年度当初予算での国債増発の規模は、現時点では確たることはいえないが、20年度については相当額の税収減が見込まれており厳しい環境にある。

次に国債消化の面での留意点を申し上げれば、個人向け国債は、金利水準の影響で売り上げが伸びず、20年度で4兆円程度下振れする可能性があり、市中発行額には更に増額圧力がかかることとなる。

こうしたことを踏まえて、カレンダーベース市中発行について議論を行いたい。現在、20年度補正予算、21年度当初予算の姿については未だ極めて不確定・不透明な状況にあるが、発行計画策定のスケジュールを考えれば、この場で皆様から色々と具体的なご意見も伺う必要がある。既に色々なレポートで発行計画についての分析がなされていると承知しているが、そうしたことも念頭に置きつつ頭の体操ということで議論していただきたい。当方としては、今後生じうる色々な状況にも鑑みて、いただいたご意見を今後発行計画の策定を進めていく材料としていくこととしたい。20年度の発行計画の変更と21年度の発行計画について、各年限別の発行をどうすべきか具体的にご意見をいただきたい。

買入消却については、20年度は総額3兆円規模で市中からの買入消却を実施している。21年度については、全体の発行額がどうなるか不透明な状況の中で確たることは申し上げられないが、少なくとも20年度と同程度の規模は維持する方向で対応できないか考えているが、如何か。

買入消却の総額の議論とは別に、内訳をどうするかについては、市場実勢に合わせた対応が求められることから3月に改めて議論することとし、その後も、例えば四半期毎に見直しをして決めていくというやり方もあり得るのではないか。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・20年度2次補正については、更なる増額の可能性も考えられるが、税収不足や先般出された対策等を勘案し、新規財源債は現時点で7兆円程度の増額を考えている。借換債については、買入消却のシフト分も考え1兆数千億円の増額。財投債は、政策金融の強化等もあり、1~2兆円の増額があり得ると見ている。1次補正での4,000億円の増額もあり、全体として20年度当初比10~12兆円程度の増額があり得ると考えている。これらと個人向け国債の足元の売れ行き状況を踏まえた減額等を勘案し市中発行分を考えた場合、2次補正後で大体122兆円台、場合によってはそれ以上となり、カレンダーベースの市中発行額は、1月以降1.8兆円程度の増額が必要で、前倒債は大体13~15兆円程度の減額となる可能性がある。したがって、今回の補正により前倒債の大半が取り崩されることになり、必然的に21年度は前倒債を利用することが極めて限定的となる。

こうした前提で2次補正後のカレンダーベースの銘柄毎の発行を考えると、基本的には短中期債及び超長期債に限定せざるを得ないのではないか。TB1年物を1月から1.7兆円に増額、2年債については既に公表している1月発行分をどうするかという問題があるが、2兆円に増額。5年債についても1,000億円増額の2兆円にする必要がある。また、10年債は横ばいとし、20年債も既に11月から増額しているため横ばい。30年債及び40年債は、最近スワップ金利が急低下していることもあり、需給は相当よくなっていることから、期末ではあるが、30年債を3月、40年債を2月にそれぞれ1回ずつ増発することは可能と考えている。物価連動債及び15年変動債については、2月の発行は見送り。流動性供給入札は1月以降も0.3兆円を継続する。これで1.8兆円の増額に対応できるのではないか。

21年度については、現段階で新規財源債が少なくとも20年度当初比6.5兆円程度の増額と考えているが、最近の報道等を見ると総額35兆円程度との見方もあり、20年度当初比9兆円近い増額となる可能性もあり得ると考えている。借換債については、先般のTB増額の影響と2次補正での増額の影響、更に買入消却を3.4兆円程度実施するという前提で、2兆円程度の減額を予想している。財投債については、相当不透明ではあるが20年度当初対比で4,000億円減の8兆円程度とすると、国債発行総額は20年度当初比で4.2兆円程度の増額、更に新規財源債等が増えれば7兆円程度の増額もあり得るのではないか。

この他、個人向け国債は4兆円程度の減額となることが必至であり、新規財源債を32兆円とした場合、21年度のカレンダーベースの市中発行額は115.1兆円程度となることから、20年度の第Ⅱ非価格競争入札発行を除いたベースでは10兆円程度の増額が必要になってくる。場合によってはもう少し上振れる可能性もある。

これを基に銘柄毎の発行額を考えると、まずTB6ヶ月物がT-Billにシフトするため、TB6ヶ月物は年額0.9兆円程度まで大幅減額し、その代わりにTB1年物を4月から1.9兆円に増額する。また、2年債及び5年債は、2次補正後の2兆円を維持し、10年債及び20年債については、来年の金融環境や金利環境を見据えると、むしろ20年債の増額より10年債を2兆円に増額することが無難であろう。20年債については、金融政策に大きな変化が見込みにくいことを勘案すると、利回りが2%に近づけば需要が減少するという問題もあり、今後の増額ないし再度予算が上振れた場合のための増額余地として残した方がよいのではないか。また、30年債については、0.6兆円を4月以降隔月発行とする。この場合、3月と4月が連続するが、30年債の需給が相当良好であることや、9月及び3月発行は避けた方がよいといったことを考慮し、偶数月での発行を薦めたい。40年債については、現行の5月、11月に8月、2月を追加し、四半期ベースでの発行が考えられる。

その他、物価連動債及び15年変動債については、仮置きということで年度末に各々0.3兆円を計上。流動性供給入札については、月0.3兆円を4月以降も継続する。これらを合計すると、115.1兆円となる。仮に今後、発行増が一段と必要になるのならば、TB1年物、2年債及び20年債で対応すればよいのではないか。

・20年度の1~3月は2次補正対応として2兆円弱の増額が必要という見通しを立てている。その前提において、市場にあまりショックを与えないようにするためには、やはり投資家のニーズが強い20年、30年、40年の超長期ゾーンと、1年及び2年の短期ゾーンの増額にならざるを得ない。TB1年物を1.7兆円、2年債を2兆円、5年債を2兆円に増額し、30年債を3月に0.6兆円、40年債を2月に0.2兆円増発し、物価連動債と15年変動債は見送り、流動性供給は0.3兆円を継続という試算をしている。

21年度のカレンダーベースの市中発行額は115兆円程度と予想している。まず30年債を0.5兆円ずつ偶数月に発行し、その間の5、7、11、1月に40年債を0.2兆円ずつ発行する。その他の年限については、TB1年物を1.9兆円、2年債は2.1兆円まで消化できると思われ、5年債、10年債、20年債は2次補正後のロットを据置き、流動性供給入札は0.3兆円ずつ毎月行い、物価連動債・15年変動債を仮置きでそれぞれ0.3兆円程度としてはどうか。2年債の2.1兆円の代替として、10年債を2兆円にすることも考えられるが、今の段階では短期ゾーンと超長期ゾーンを中心とした増額の方がマーケットに与える影響は少ないと思われ、10年債2兆円より2年債2.1兆円の方がよいと考えている。

・まず2次補正分の増額として、20年度の1~3月は、基本的には比較的短期ゾーンの発行を増額した方がマーケットに与える影響は少ないと考えている。発行額はTB1年物を1.7兆円程度、2年債を2兆円まで増額、5年債も同じく2兆円まで増額可能と思われる。30年債、40年債については、発行が重ならないように、30年債を3月に0.6兆円、40年債を2月に0.2兆円追加することとしてはどうか。

21年度は、TB1年物は2兆円まで増額可能と思われる。2年債も2兆円もしくは、2.1兆円までは増額可能と考えている。5年債は2兆円、10年債は1.9兆円に据え置き、20年債も0.9兆円に据え置き、30年債を0.5兆円の隔月偶数月に発行、40年債は30年債と重ならない5、7、11、1月の奇数月に各0.2兆円発行と考えている。また、流動性供給入札は現行の0.3兆円で毎月実施、物価連動債は下期仮置きで0.3兆円程度が妥当と考えている。

・21年度の国債の発行総額は、133~134兆円程度と仮定する。公的部門に関しては、日本銀行がTBの再乗換えを半分行うという前提であり、個人向けの販売は総額4兆円と見込んでいる。また、前倒債については、第Ⅱ非価格競争入札の発行額によって多少変わるものの、20年度2次補正対応により前倒債の発行が相当程度減額されるため、21年度で4~5兆円の発行を可能とするよう仮定すると、カレンダーベースの市中発行額は116兆円程度と見込まれる。

これを前提とした2次補正及び21年度の年限別発行額は、まずTB6ヶ月物を年間1.2兆円と仮定した場合、TB1年物は来年1~3月が1.7兆円、4月以降が1.9兆円。TB1年物は2兆円まで増額しても問題ないが、TB6ヶ月物との関係や22年度の借換債が増額するという問題も出てくる。2年債は、来年1月から2兆円、4月から2.1兆円に増額。5年債は、来年1月から2兆円とし、4月以降は据え置き。10年債は、全体が増額するからといって、特定の投資家がいないゾーンを増額するのはあまりにも単純と思われ、1.9兆円のまま据え置き。20年債は、11月から増額されているため、できれば来年4月以降も据え置きがよいが、カレンダーベースの市中発行額の総額との関係もあり、4月から1兆円とする。30年債、40年債は、何月に発行するかはそれほどナーバスになっておらず、30年債だからといって3月、9月を避けるよりも、12月を避けた方がよい程度のイメージであり、多数決で決めればよいのではないか。ただし、来年2月に40年債を0.2兆円、3月に30年債を0.5兆円発行するのであれば、30年債が3、4月と連続することになるので、30年債0.5兆円を奇数月隔月発行とする。40年債は空いている6月、8月、12月、2月に0.2兆円ずつ発行することとしてはどうか。流動性供給入札は毎月0.3兆円とし、物価連動債と15年変動債は、各々1回0.3兆円をどこかに置くこととしてはどうか。

・これまでの意見と大きく相違はないが、TB6ヶ月物は20年度3.3兆円の発行を予定しているが、21年度の補正財源のバッファーとして調整のしやすさを考慮すると、とりあえずは年間1.6兆円を置いておくことでよいと思う。

現段階では、20年度2次補正分については、これまで出ている意見とほとんど同じであるが、21年度については、30年債を隔月発行とした場合0.5兆円とするか0.6兆円とするか意見が分かれるところではあろう。21年度のカレンダーベースの市中発行額は115兆円程度と考えており、他年限を考慮すると0.5兆円の隔月発行としてはどうか。20年債は0.9兆円のまま据え置き、TB6ヶ月物を年間1.6兆円と置いている。もし30年債や20年債を更に増やせるのであれば、その分T B6ヶ月物を減額して調整すればよいのではないか。万が一需給が悪化して金利が上がった場合、20年債はおそらく買い手が必ず出てくると考えるが、10年債については、更にスパイラル的な金利上昇のリスクもあることから発行額は1.9兆円に留める方がよい。

・2次補正で増額するゾーンについては、これまでの意見とほとんど同じである。21年度については、10年債は1,000億円増額し、2兆円とすることが可能だと考えている。確かに金利上昇リスクはあるが、短期金利の落ち着き等を考えると、例えば更に増額する必要があるときのバッファーとしてなるべく短期ゾーンを残しておきたいと考えるのであれば、当初の段階で2兆円とした方がより安全ではないかと考えている。30年債は、いきなり0.6兆に増額することはいかがなものかと考えている。短期ゾーンは、それなりに増額余地があると考えている。

流動性供給入札については、毎月0.3兆円実施し、できる限りカレントに近いところを対象とすることを検討していただきたい。

・年度内の対応についていえば、40年債については未だ投資家層の広がりが限られるため、2次補正予算成立に伴い20年度中に超長期債を追加する場合には、30年債を優先すべきであろう。特に2月末など投資家の年限長期化ニーズに合わせればタイミング的にもよいと考える。仮に、30年債と40年債の両方を追加実施するのであれば、安定消化の観点から2月と3月に実施するのが妥当ではないか。

21年度については、短期及び超長期ゾーンを増発して、全体でカレンダーベース市中発行額が114兆円程度と見ている。

(2)物価連動債及び15年変動債について〔参考配布:資料2〕

4理財局から、物価連動債及び15年変動債について、以下のように説明を行った。

物価連動債については、本年9月以降の市況の悪化に対し、新規発行の見送りに加え、買入消却を積極的に実施するなど発行当局として機動的に対応してきた。しかし、12月に入ってからは、特に値動きが荒い状態になっており、本日実施した買入消却においても、平均価格は昨日の終値からやや乖離が大きな結果となった。こうした物価連動債を取り巻く状況について、ご意見を頂きたい。また、来年1~3月について、来年2月の発行については厳しい見方を持っているが、その間の買入消却に関しては、現在の各月1,200億円の規模が妥当かどうかご意見を頂きたい。

21年度の市場の状況は予想が難しいところであるが、発行計画での取扱いや買入消却の必要性について、この場でご意見を頂きたい。

このほか、物価連動債については、前回の本会合等でも、一部の諸外国の例にも倣い、元本保証の付与をご提案頂いている。発行当局としては、元本保証について、国内投資家の需要の喚起に繋がるのであれば、その方向で検討をしたいと考えている。また、その際の既発債への対応についても検討をする必要があると考えている。

次に、15年変動債については、会計制度上の対応による効果もあり、値動きは幾分安定しており、カレント債の市場実勢αは0.2%程度となっている。しかし、最近では、市場の流動性の低下から、銘柄間の需給や価格の差が開いているとの指摘も出ている。

この間、発行当局の施策としては、11月の新規発行の見送りに加え、1月に1,000億円の買入消却を追加実施し、また今月中には2,000億円の買入消却を実施する予定である。来年も1、3月にそれぞれ2,000億円の買入消却を予定しているが、仮に1回当たりの金額を若干減らしても、2月を含め毎月買入消却を行うべきとの考え方もあろう。また金融機関の中には15年変動債を理論価格で保有しているため、売りが出てこないことも考えられる。

15年変動債についても、来年1~3月の買入消却、そして21年度の発行と買入消却の在り方についてご意見を頂きたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・15年変動債については、発行計画に一応載せておくことがコンセンサスになっているかもしれないが、物価連動債のように将来育成していく商品とは異なると考えており、発行計画から削除してもいいのではないか。

買入消却については、現在、2月には15年変動債の買入消却の予定はないが、1~3月の買入額の総額を維持して平準化するのではなく、2月にも2,000億円を純増する形で実施していただきたい。発行残高を考えると、15年変動債は物価連動債よりも遙かに多額であり、価格が早く回復することを望んでいる投資家がかなり多くいることからも、できるだけ早期に買入消却額を増額し、価格を上昇させることが重要である。

確かに15年変動債については、銘柄間格差が大きいという意見もあると思うが、市場でショートになっている銘柄を流動性供給入札により更に追加発行するのも違和感があり、それよりも価格の安い銘柄を積極的に買入消却し、理論価格に近いところで投資家が売却できる状況にしてほしい。

なお、毎月2,000億円の買入消却を実施した場合に、本当に十分な応札があるかということへの懸念もあろうが、実際に入札が流れるようなことがあれば、買入額を減額するなど柔軟に対応すればよいのではないか。

そもそも、国が高い価格で買い戻すこと自体があるべき姿ではないという意見もわかるが、例えば、本日実施された物価連動債の買入消却も、足切り+4円99銭、平均でも+3円程度と昨日の引値対比では高いのかもしれないが、絶対水準として高いか安いかは別の議論であり、15年変動債についても同じことが言えるのではないか。理論価格に近づいてく中で、買入消却への応札ニーズは相応に出てくると思っている。

・物価連動債、15年変動債とも発行計画上で仮置きすることは特に反対しない。買入消却については、15年変動債の入札を2月にも実施し、更に物価連動債の買入額も1~3月は少なくとも2,000億円に増額していただきたい。

買入額の増額見合いで、流動性供給入札を11月、12月同様に今後も毎月3,000億円に増額してはどうか。当社としては、更に増額してもよいと思っている。この先もヘッジファンドの清算はあり得ることから、1~3月も毎月買入消却を実施していただきたい。

物価連動債の商品性については、需給が戻ってから議論すればよい。まずは1~3月の買入消却を増額することが大事だろう。

・来年2月の物価連動債・15年変動債の発行は難しいだろう。さらに、2月に15年変動債の買入消却を追加できるのであれば、価格回復のために効果があろう。

15年変動債は会計上の取扱いの弾力化により足元の売りが一服しているものの、理論値近くまで価格が戻ってくれば、戻り待ちの売りが再出する可能性がある。しかし、当面は物価連動債に投げ売りが出やすい環境で、海外投資家にとっては為替面を勘案するとまだ益出しできる水準でもあるため、そうした潜在的な売りへの対応にも備え、21年度も物価連動債に重点を置いた買入消却を実施していただきたい。

買入額については21年度も現在の金額を継続するとともに、入札回数を増やしていただきたい。また、価格が急落しているような状況では、事前に買入消却の日程をアナウンスするという緊急対策も考えられないか。

(当局からは以下のように回答した)

・買入消却については、前日に発表される各銘柄ごとの売買参考統計値を基準価格として入札を実施しているため、事前に日程をアナウンスした場合には、入札の公正性が損なわれるおそれがあると考えている。

・買入消却については、価格下落がより深刻な物価連動債を優先的に実施すべきであり、来年1~3月期については物価連動債を月々1,200億円から2,000億円、場合によっては2,500億円まで増額すべきと考えている。財源は、前倒債の取り崩しが難しければ、状況次第では15年変動債の買入消却をある程度減額することも選択肢ではないか。例えば、物価連動債を2,000億円×3回とするのであれば、15年変動債を800億円×2回とすることが考えられる。

21年度の買入消却額については、物価連動債を各月2,000億円、15年変動債を1,000億円で年間3.6兆円程度をイメージしているが、物価連動債の市況に改善の方向性が見えてくれば、四半期毎にでも見直しの機会を設け、15年変動債との配分を変えていけばよいのではないか。また、可能であれば入札回数を多くしていただきたい。

・物価連動債のボラティリティが上昇している背景には、ヘッジファンドの保有比率が非常に高いことに加えて、市場規模自体が小さいことが挙げられる。そのため年度内については、多少のやり繰りをしてでも物価連動債の買入消却額を維持すべきであるが、一方で15年変動債の市況も不安定な状態にあるため、安易に買入額を減らすべきではない。

21年度の物価連動債の買入額については、市場規模を考慮して各月1,000億円程度でよいのではないか。15年変動債については理論値を採用する投資家などは新規購入は難しくても、価格回復の過程で売却を行うことも予想される。そうした投資家の行動の自由度を維持する観点からも各月1,000億円から2,000億円規模の買入を継続していくべきであろう。固定利付債の買入消却が停止されているが、流動性供給入札とセットで市場流動性の維持に資する手段に位置付けられるため、各月1,000億円程度は実施すべきである。財源が不足する場合には、流動性供給入札を増額するなどして対応すべきではないか。

・15年変動債については、投資家が理論値を採用したことにより、売買量が低下し、市場の流動性が一段と低下している。そうした中で、買入消却入札を継続していることから、市場価格は理論値に向かって回復していく方向にあると思われるが、3月末に向けて、市場の価格や流動性がどの程度回復するか心配している。業者がショート銘柄のカバーに苦労したり、レポでの手当てが難しくなると、特に年度末にかけてマーケットが大きく混乱するリスクがある。こうした状況を回避するため、緊急的ではあるが500~1,000億円程度を流動性供給の形で発行していただきたい。

物価連動債についても、買入消却が継続されれば価格は自然に回復していくと思うが、今日の買入消却入札の結果をみると、前日から5円程度高い価格となっている。新規発行については予定額を必ず消化する必要はあろうが、買入消却については、例えば前日から1円高などの上限を区切るなどして、オファー額を必ずしも全額落札しなくともよいのではないか。そうすれば、今日のような事態は起こらず、買入消却入札を見越して価格を強制的に下げていくような動きもなくなるのではないか。

・物価連動債については、70円、80円台という価格自体がかなり異常値であると思うが、そういう状況では買入消却入札で前日から4~5円高い価格での落札は、ある意味やむなしという印象である。問題としては、物価連動債は海外投資家の保有比率が非常に高く、その海外投資家が大きな損失を被ったことで、日本の国債の対外的なイメージを落としてしまったことがあげられる。こうした状況を改善させるためにも、価格を早急に回復させる必要性があるのではないか。

物価連動債の元本保証については、少なくとも今のようにBEIが大幅なマイナスの状況では現実的な対策にはならないと考えている。将来的に物価連動債を育成していくという観点からも、まずは今の大幅なBEIのマイナスは早急に解消しなければいけないと考えている。

・21年度の買入消却については、総額で3.4兆円程度としてはどうか。内訳のとしては、20年度の下期の緊急対応的な15年変動債と物価連動債への集中配分を当面は維持し、下期と同程度の金額を21年度の上期まで実施し、情勢が改善すれば適宜3ヶ月ないし毎月見直しをして再度固定利付債への配分を戻すという形にしてはどうか。

物価連動債の商品性の見直しについては、本会合の前身の国債市場懇談会でも、物価連動債の導入については相当議論があった。カナダとイギリスの物価連動債には元本保証はないが、この2国では相当なインフレ時に導入された。インフレが少し落ち着いたところで導入されたアメリカ、フランス、ドイツが元本保証を付けたという経緯がある。デフレ下で導入されたのは日本だけである。当時も元本保証を付けるべきではないかという意見も相当出たが、元本保証によるオプションの価値が大きくなりすぎ、市場の正確な期待インフレ率を算定することが困難になることから、現状の商品性に決定したという経緯がある。ここで元本保証を付けるのであれば、何故発行されたのかという、そもそも論に立ち返る面がある。まずは理論値対比での異常値を改善することが先決なのではないか。今、元本保証を付けたからといって急に投資家のニーズは高まるとは考えにくく、逆に既発債のニーズが落ちることも想定され、慎重に対応すべきではないか。

・今日の物価連動債の買入消却入札の結果をみると、確かに価格が大きく上昇したが、物価連動債の商いが薄いというのも事実であり、1~3月は今の計画をそのまま実行し、21年度は、物価連動債と15年変動債合わせて月に3,000億円程度実施することとしてはどうか。その後の情勢に応じ、四半期ごとに割り振りを決めていけばよいのではないか。半年先、一年先の状況は、誰にも分からず、計画としては二つ合わせて毎月3,000億円を立てておけばよいのではないか。

・物価連動債のマーケットの動きは、積極的に投資するというスタンスというよりは、ポジション調整、あるいは売らなければならないものを売るという状況ではないか。今の時点ではこれが来年改善するとは考えにくい。したがって、買入消却については、1~3月は現行のまま対応し、21年度については、新規発行額の問題も考慮し、15年変動債と合わせてそれぞれ1,500億円程度としてはどうか。また、一つの考え方として、札割れ等も発生する可能性もあると思うが、前倒債を取り崩し、物価連動債の買入消却を2,000億円程度とし、状況を見ながら上期に多めに配分して様子を見る方法もあるのではないか。

(3)その他の施策について〔参考配布:資料3〕

4理財局から、その他の施策について、以下のように説明を行った。

(流動性供給入札の対象銘柄)

流動性供給入札については、10~12月の発行を増額したが、前回の会合において、その実施方法について、2ゾーンから3ゾーンへの細分化、および発行後約1年以内の除外銘柄の考え方についてご議論いただいた。この議論は、来年3月頃開催する本会合で最終的に議論を集約したいと考えているが、少なくとも、除外銘柄の範囲については、現行の発行後1年から3~6か月程度に短縮する方向で検討したいと考えている。

(第Ⅱ非価格競争入札)

次に、第Ⅱ非価格競争入札に関する応募限度額を引き上げたいと考えている。具体的には、現在落札額の10%の上限であるところ、来年1月から15%に引き上げる措置を実施したい。この背景には、本入札については、競争入札後の市況によって需要が大きく異なるが、直近1年間の実績をみると、応募があったケースでは、その9割以上で限度額一杯の応募があった。こうした需要を踏まえた対応である。なお、これに伴い、国債市場特別参加者制度基本運営要領を改めることになる。

なお、同じく国債市場特別参加者制度基本運営要領の改正に関する事項としては、ご案内のとおり、来年2月より、現行のTB(割引短期国債)、FB(政府短期証券)がT-Bill(国庫短期証券)に統合されることに伴う技術的な対応を予定している。

(FB発行について)

FBについては、これまで国債整理基金や財政融資資金の余資により国庫内引受を行ってきたが、今後これらの資金が減少し、市中発行を増額せざるを得ないと考えている。具体的には、来年1月から、主力商品である13週間物については毎週の発行を3,000億円程度増額、また6ヶ月物についても1回当たりの発行を5,000億円程度増額する方向で検討している。状況によっては、更なる増額もあり得るが、市場関係者には前広に見通しを明らかにしていきたい。

(ストリップス債の買入消却)

ストリップス債の利息部分である分離利息振替国債の買入消却については、暫定的な対応として本年6月、11月の2回、計約400億円を実施した。分離利息の残高の推移については、11月買入分200億円(12月に消却を実施)も考慮すると、本年5月のピーク時から減少した状況が続いている。また本年6月、11月の買入消却の結果をみると、特に11月の入札で倍率が2倍を切るなど、定期的に実施するにはやや応募額が少ない結果となった。

21年度については、本年度のように予め一定金額の買入消却を計画することは見送ることとし、当面の間は、市場でのストリップス化の広がりを見極め、本会合の場等で再び買入消却の実施の希望が幅広く聞かれた場合に、次回の実施を具体的に計画するなど、柔軟な対応をしていきたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・第Ⅱ非価格競争入札の落札限度額の増額は、基本的には国債市場特別参加者サイドのオプションであるが、相当部分が応札されているという現状を考えれば、ニーズは強いと言えるだろう。10%から15%への増額であれば十分吸収可能であり、むしろボラティリティの低下要因になるのではないかと考えており、歓迎したい。

ストリップス債の買入消却については、足元の金利水準では超長期債のストリップス化のニーズが低迷している状況であるため、市場環境によって若干増減するという形でよいのではないか。

流動性供給入札の銘柄拡大についても、市場の環境を見ながら、銘柄の見直しを検討するなど、フレキシブルな対応を行えばよいのではないか。

・流動性供給入札の除外銘柄については、新発債まで対象にすることは避けた方がよいが、極力対象外の範囲を狭めるため、発行後3ヵ月位まで縮めることが妥当ではないか。そうであれば、ニーズのある所に発行するというメリットは維持しつつ、イールドカーブに与える影響も限定的であろう。

・流動性供給入札の対象については、除外銘柄という考え方をやめ、新発債も対象に加えてよいと考えている。

また、第Ⅱ非価格競争入札の応募限度額引き上げに関しては賛成である。

ストリップス債の買入消却へのニーズはあるので、可能であれば計画に金額を計上してほしい。

・第Ⅱ非価格競争入札の応募限度額を15%に上げることは賛成である。ただし、国債市場特別参加者は、経済合理性に基づいて相場が上昇している時に権利行使し、応募が100%になることが多いが、このまま更に30%や40%と限度額を引き上げると、需給にはある程度影響が出てしまう。ただ、10%を15%に変える程度であれば当日の需給に影響を与えることはなく、相場が上昇しているときに発行額を増やせるので、市場にも国にもよいことだと思う。

流動性供給入札については、これまで入札に対する影響という意味で発行後1年まで除外銘柄にすべきとの立場だったが、今は償還月が替わりリオープン発行の可能性がなくなった銘柄から対象とする取扱いで問題ないと考えている。

・流動性供給入札において除外銘柄を減らすことは、国債市場全体として需給の悪化が懸念される中で、ニーズの高いものを発行できるという点で、望ましい対応だろう。

第Ⅱ非価格競争入札の限度額を10%から15%に引き上げることについても、同様の考え方で賛成である。20%まで引き上げる選択肢もあると思う。

ストリップス債の買入消却は引き続きニーズがあり継続してほしい。少なくとも金額を計上し、例えば100億を2回で計上してほしい。買入消却の具体的な金額がないと、財務省がストリップス債の普及を諦めたというメッセージとなり、マーケティングをする立場としてはやりにくい。買入消却が札割れになるようなことがあれば、そこで改めて方針を見直せばよいのではないか。

・国内投資家のリスク管理が厳しくなったこと、海外勢というリスクテイカーがマーケットからいなくなったこと、さらに業者の体力が非常に奪われている中でB/Sの制約もあり、セカンダリーで国債を買えず、全て入札で買わざるを得ない状況もあり、今後の発行増を考えると、セカンダリーの流動性の整備、例えば、投資家サイドは違った意見があるようであるが、発行銘柄数を少なくすることを要望する。

(4)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・円債市場の利回りがあまり下がらない。アメリカやヨーロッパでは結構下がっているが、円債は特に長いところの金利が下がらない。色々な条件を考えると、円債市場はボラティリティが下がってきたり、通貨が高くなったり等債券にいいことばかりのような気がするし、円債に比べて他の需給が良いわけでもない。違う部分としては、短期金利がしっかり下がっていくかどうか、それでキャリーが見込めるかどうかというようなところではないか。したがって、最終的にはそこが一番重要なのであって、そこがどういう風に解消されていくかが重要なポイントではなかろうかと考えている。ただし国債についてどこがどれだけ増えるかということは、当然ながら市場の材料にはなり得るので、発行当局においても注意深い情報発信をお願いしたい。

・国債市場の大きな流れとしては、米債市場のブルフラットニングというサポート要因と、ターム物レートが少し高止りしていることや、需給の不透明要因、あるいは市場流動性の低下といったネガティブ要因が拮抗していると現状解釈している。相場の方向性を見出しにくくなっているのもそのためではないか。投資家から見ると、景気循環の下振れは認識済みであり、投資資金の振り向け先はやはり円債となると思われるが、市場流動性が不安定であり、量的な側面でアプローチがやや難しくなってきているのではないか。したがって、全体的に取引量が減少し、回転が速くならざるを得ない。

今後については、株式市場の下落といったストレス要因が決算期末に向けて継続すると考えている。極端な話、当期の日経平均ベースの予想EPSを30%程度の前年比マイナスと置き、予想PERを10倍程度と仮定すると単純な試算で日経平均が6,200円程度という結果になる。そういう状況で易々とリスクアセットに資金を振り向けるのは難しいだろう。その場合、単純な推計では長期金利は悪くても1%前半というような意識が出てくるが、一方で株安はリスク許容度の低下にも繋がるため、そのバランスが非常に微妙であり、こういう状況はまだ続くと思っている。もちろん金融政策の対応如何にかかってくるので一概には言えないが、慎重に金利リスク物で対応するという流れが続くと考えている。投資家に対してこの10月以降の混乱についてどう説明したらよいのかといったことにも苛まれている。もちろん価格物についてもその一環となっており、異常値をいかになくすかということは、国債の位置付けの議論にも繋がってくるものでもあるので、積極的な対応をお願いしたい。

・現在の市場は海外主導で動いているが、本日も米国BIG3救済法案の協議が決裂し、不透明感が増した状況となっており、リーマンの破綻や金融安定化法案が下院で否決された時と同様に、先行きが読めない状況となっている。本来、国内の金融市場はサブプライム問題から最も遠くにあり安定しているはずであるが、ボラティリティが大きくなってしまっている。投資家や業者もリスク許容度が低下しているだけではなく、将来の不透明さが想定以上に大きくなっている中で、心理的にもなかなか動きにくくなっている。

国債市場でも売買高、資産残高の積み増しが大きかった海外勢の撤退や、それ以外の資金循環の変化もあって、全般的に現物市場、先物市場、スワップ市場の流動性が相当枯渇している。最近の膠着した状況の最も大きな要因は売買高の減少と流動性の低下であり、業者はオファー・ビッドを出す上でのリスクも大きく、状況は極めて厳しい。特に今期は過去にない特徴として、株価、15年変動債、物価連動債、SB、デリバティブといった決算調整対応に追われ、新規投資を考える余力がない顧客が相当多く、閉塞感がある。

・足元の鉱工業生産指数の10-12月期の見込みが8.6%のマイナスであり、最終的には二桁に近い数字になるであろうし、来年1~3月も前期比で5%以上減少するイメージではないかと思っている。加えて、かつてないほど雇用調整のスピードが速まってきている中で、従来の景気の悪化の際には、貸出しが減少し、余剰資金が債券に回る流れだが、今回は景気も金融も悪すぎてリスク許容度が大きく低下し、長期国債が買えない状況となっている。

21年度は国債が大幅に増発される一方で、公的年金の新規市場運用額も大幅に減ることから需給は悪化すると思うが、仮に景気と金融の問題がさらに悪化すると国内投資家が国債を買い増せるかどうか非常に難しい。ネックの一つにはアウトライヤー規制の問題があり、株価が大幅に変動すると、バリューアットリスクの関係で債券のリスクすら落とさざるを得ない事態も起こり得るし、金融機関によっては自己資本比率が大きく下がれば流動性の確保が重要になってくる。これらの要因を踏まえた上で、国債が増発され、公的年金の買いも減少することになれば、21年度はデフレの中で長期金利が上がり、国内経済にとっては最悪の状態も想定される。国債を取り巻く環境は、需給面、国内投資家のリスク面も非常に厳しい環境にあり楽観視できないと思われ、当局の対応が重要になってくると考えている。

・基本的に景気が悪化するという力と、国債が増発された上に公的年金の買いが減少するという需給悪化の力との綱引きになると思うが、懸念すべき点としては、海外投資家の買い余力が減少している中で、フローが一方通行になるリスクがある。

入札も、最近のTB、FBの落札状況には偏りがあると思うが、超長期債も同様に偏りが進むということになれば、一方通行になるリスクもあるかと思う。FBも年度末に向けて増発圧力がかかると思うが、FBでも予断は許さないという状況になっていくと思うので、発行当局として機動的に動いていただければと思う。

・財政支出の拡大と国債増発によって長期金利が上昇するという指摘が以前あったが、この程度の財政支出の拡大と国債増発ではそれは起こりえないと思っている。外部環境の悪化によって金利が低下する一方で、発行増から需給悪化するところだが、逆に言うと調整スピードがゆっくりであればマーケットでそれを織り込みやすくすると思う。リスク管理についてもネガティブには捉えておらず、様々な規制があることによってかつて見た10年で言えば0.5%割れという事態を防いでいると思うし、透明性が逆に高まった感じがする。

発行当局として心配する点はないが、一つ懸念があるとすれば、国債発行が増加する中で、マーケットの機能が失われると予期しない動きが出てくる可能性があることだけは注意すべきかと思う。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 太田原・橋本

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

Source: Ministry of Finance.