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auctions / pd / m / 23 — 2008-11-14

PD Meeting #23

Date2008-11-14
Venue第3特別会議室
Agenda
(1)平成21年度の国債発行計画等について〔参考配布:資料1、資料2〕
(2)流通市場の在り方について〔参考配布:資料3〕
(3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
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Materials

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF

Minutes

(1)平成21年度の国債発行計画等について〔参考配布:資料1、資料2〕

4はじめに、理財局から、平成21年度の国債発行計画等について、以下のように説明を行った。

今後の国債発行を取り巻く環境について申し上げると、まず、10月30日に取りまとめられた「生活対策」においては、その財源については、赤字国債に依存しないこととされたところ。

これを受けた追加の補正予算の内容については、時期等を含めて現在検討が行われているところであり、現時点では確たることは申し上げられないが、補正予算の内容次第で国債発行計画の追加的な見直しが必要となる。

その上で、平成21年度の市中発行額については、今後の当初予算編成、税制改正の状況、財投編成によるものであり、現時点で具体的なことを申し上げる段階にはないが、考慮すべき点として2点申し上げたい。

まず、個人向け国債の販売状況について申し上げると、足元の低金利の影響もあり、販売は低調に止まっており、平成21年度の国債発行計画においてどの程度の減少を見込む必要があるか今後見極めていく必要がある。

次に、買入消却については、本年度と同様に市場の動向に応じて機動的に対応することとしたいが、その際、国債の発行サイドにも影響する可能性があることにも留意願いたい。買入対象としては、基本的には物価連動債及び15年変動債に重点的に実施する方向で検討したい。

【物価連動債及び15年変動債の在り方について】

4理財局から、物価連動債及び15年変動債の在り方について以下の通り説明を行った。

物価連動債については、ご承知のとおり、9月以降の金融市場の混乱の中で、極端な需給悪化が進んだため、この会合等でのご意見も踏まえて、10・12月(計1.2兆円)の発行を取り止めることを決めた。その際、来年2月の発行(0.6兆円)についても、「市場の状況が改善しない場合には、発行を取り止めることも含め検討」することとした。

そこで、まずは来年2月の発行、そして来年度の国債発行計画の中での新規発行の取扱いについてご意見を頂きたい。その際、今後も買入消却を継続すべきということであれば、その具体的なイメージについてもお考えをお示し頂きたい。

なお、物価連動債については、この会合の席上でも、その商品性を巡って、償還時の元本保証を付すべきとのご意見が出されているところ。この点についても、改めて投資家の具体的な声を踏まえたご見解を頂戴できればと思う。

15年変動債については、この会合等でのご意見も踏まえて、8・11月(計1.2兆円)の発行を取り止め、11月分については2月発行と置いて、物価連動債と同様に「市場の状況が改善しない場合には、発行を取り止めることも含め検討」するとしていた。

その後、企業会計基準委員会における金融商品の会計処理や時価の算定を巡る議論の進展がある中、価格が上昇する局面もみられたが、こちらも依然として市況は回復には至っていない。

こちらも、まずは来年2月の発行、そして来年度の国債発行計画の中での新規発行の取扱いについてご意見を頂きたい。その際、今後も買入消却を継続すべきということであれば、その具体的なイメージについてもお考えをお示し頂きたい。

なお、物価連動債及び15年変動債の2月発行について取り止めるべきというご意見であれば、代替財源についても合わせて意見をお伺いしたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・物価連動債及び15年変動債については、市場の状況が改善しておらず、今後の見通しも分かりづらい状況と考えており、今年度の2月の入札については、取り止めを考えていただきたい。その場合の代替財源としては、発行ロットを考慮するとTB1年物は6ヶ月物や2ヶ月物に比べ少なく、また、今後の経済状況等の見通しが明るくない中でTB1年物の需給状態は比較的悪くないと考えており、イールドカーブ全体に与える影響は軽微であるため、TB1年物で代替できる。

来年度の新規発行については、本日の物価連動債の買入消却は非常に良好な結果だったが、現時点では状況が改善したか判断ができないため、当初計画には計上しないということでよいのではないか。その分、利付債の短いゾーンでの増額で対応すればよい。

来年度の買入消却については、物価連動債及び15年変動債とも、毎月2,000億円程度ずつ、年間で合計4.8兆円程度行って欲しい。大きめな額で、札割れになる可能性も十分考えられるが、現時点では、引き続き需給の改善を優先するというアナウンスメント効果が期待できる。買入消却が札割れや不要になるという状況が早めに出てきた場合には、本会合などで議論していけばよい。

・15年変動債については、会計処理制度の見直しで価格が下げ止まったものの、需給関係がよくなったわけではない。物価連動債も投資家からの売りはまだ見えており、今年度の2月の入札についてはいずれも取り止めていただきたい。

その分の代替発行は1.1兆円が必要になるが、まず、それぞれの償還年限に対する対応として、流動性供給入札を1月~3月についても毎月2,000億円増額し3,000億円とする。次に、2年債を1月から毎月1,000億円増額し、1.9兆円とする。残りの2,000億円については、超長期で対応すべきと考えている。ただし、1月に30年債が予定されているため、2月、3月に30年債を追加すると吸収が厳しいのではないか。また、20年債も今月の入札から0.9兆円に増額されているが、現時点では影響度が不明である。ここ最近の入札や投資家の需要等を考慮すると、40年債であれば2,000億円程度発行しても吸収できるのではないか。

来年度の新規発行については、今後の相場環境の不透明感が未だ強く残っており、発行計画へ計上しないで欲しい。

来年度の買入消却については、物価連動債は2,000億円×8回、15年変動債は1,500億円×12回行っていただきたい。

・物価連動債及び15年変動債は、足元では価格が下げ止まったようにも見えるが、11月末や12月末の不確定要因がまだ残っており、2月は見送りとするのが適切ではないか。代替の財源は、発行余力という意味においては、超長期は需要があり安心感もあると思うが、20年債を増発しており、その影響を見極める必要もあることから、流動性供給入札、またはTB1年物や2年債で対応すべきと考えている。

来年度の新規発行は、15年変動債は、発行当初のようなニーズはなく、買入消却を進めながら、市場環境次第でニーズが健在化するならば今後発行するという程度にとどめておき、新規の発行は見送るべきではないか。物価連動債は、買い手が顕在化しておらず、不安定な状況ではあるが、流動性がないだけで発行をやめてしまうことが適正かどうかの判断をしていくべきと考えている。国内投資家の需要を見極めながら、商品性の見直しも含め今後議論が必要であろう。ただし、国際的な商品の位置付けという意味もあり、発行計画上は、下期に0.3兆円×2回程度は計上してもよいのではないか。

来年度の物価連動債の買入消却は、仮に新規発行の商品性を変えた場合は、市場に商品性の違うものが混在することになるため、既発債の買入消却を積極的に行う必要があると考えている。少なくともネット発行額をゼロとするために、500億円×12回は必要であろう。また、早期に状況を改善するという意味で、年度の前半に集中し、1,000億円×6回とすることも一案である。

15年変動債の買入消却は、必要であるとは思うが、予算上、他の年限の増発も必要になってくる中で、固定利付債の新規発行に大分負担がかかることになるため、バランスを見ながら、買入消却をする必要があるかどうかを含め、議論する必要があるのではないか。

・物価連動債及び15年変動債は、今年度の新規発行は取り止め、需給の改善のために物価連動債の1月~3月の買入消却を月1,200億円から2,000億円に増額し、代替財源として流動性供給入札を積極的に実施してはどうか。2年、5年、10年、20年、30年債のいずれのゾーンでも1,000億円程度の増額は可能であろう。

来年度は、物価連動債の買入消却を2,000億円×12回、15年変動債の買入消却は1,000億円あるいは1,500億円×12回を実施しながら、物価連動債の新規発行を四半期に1回程度実施することでよいと思っている。

・物価連動債及び15年変動債は、2月予定の入札は取り止めてよいのではないか。来年度、超長期ゾーンが増発されることが想定されるため、影響を和らげるためにも、代替財源として3月に30年債を0.6兆円追加発行していただきたい。更に不足する分については、流動性供給入札や10年債、2年債の増額でよいのではないか。

来年度の新規発行については、当初計画から外してよいのではないか。

買入消却は、15年変動債と物価連動債の残高に差があるので物価連動債は1,500億×12回、15年変動債は2,000億×12回実施してはどうか。

・本日の物価連動債の買入消却の結果を見て大丈夫と判断するのは時期尚早であり、補正予算の発行額、発行のタイミングが分からないことを考えると、早めに分かるものに対しては早めに対処しておくという意味で2月に予定されている入札は15年変動債と共に早々に取り止めることとし、その代わりにいつ、いくら発行するかということは、来週にでもアナウンスする必要があると思う。代替財源に関してはイールドカーブ上、超長期ゾーンに発行余力はあると思うし、短期ゾーンも当然発行余力はある。しかし、ファンディングが世界的に大変な状況を考えると、短期ゾーンだけに集中するよりは超長期ゾーンも少し増やすこととしてはどうか。

なお、20年債は今月の入札から増額されるため、30年債に少し振り分け、大丈夫であれば40年債を増額していく形でよいのではないか。短期ゾーンは金融政策で支えられるし、超長期ゾーンは利回りの絶対値を見て買う投資家で支えられるという安心感がある。それでも不足がある場合は、中期ゾーンで対応してはどうか。

来年度の新規発行については、双方とも決して商品性が悪いわけではなく、国内投資家の需要も多少ではあるが見えており、下期に1回ずつ0.3~0.4兆円程度であれば計上は可能であろう。仮に発行枠を設けない場合でも、市場回復次第では少額でも発行するといったことを明記した方がよいと思っている。

買入消却に関しては、投資家層の違いから15年変動債よりも物価連動債を大きくした方がよいと思っている。15年変動債は安定投資家層である国内投資家が7~8割を保有し、物価連動債は海外投資家が7~8割を保有している。会計処理制度の変更で、15年変動債を満期保有に入れる投資家が多くなると、そもそも買入消却をしても大して売りが出てこない可能性がある。物価連動債の価格の回復を優先し、例えば物価連動債の買入消却を年間2~3兆円、15年変動債を年間1兆円程度としてはどうか。

・物価連動債及び15年変動債は、今年度の入札を見送り、1~2年ゾーン中心に増額してはどうか。TB1年物は2.0兆円程度までの増額は可能であり、2年債も2.0兆円程度は十分対応できると思っている。来年度は、物価連動債と15年変動債のアナウンスの仕方を少し変えた方がいいのではないか。発行の見送り等は「その債券がなくなる」というメッセージとして受け取る投資家もいるが、15年変動債については、継続的なニーズは見込みがたいと思っている。よって、来年度の15年変動債の発行額はゼロにしてもよいと思う。一方で、物価連動債については、発行を取り止めることによって商品性を否定するようなメッセージになり得るため、半期に1回、0.2~0.3兆円程度の発行を当初の発行計画でアナウンスしてもよいと考えている。

来年度の15年変動債の買入消却に関しては、2,000~3,000億円×12回実施してはどうか。現在発行残高が40数兆円あり、徐々に減らしていくしかないと思っており、1回3,000億円とすると年間3.6兆円となるので、7年後から償還が始まることとあわせて10年程度かけ徐々に残高をゼロにしていけばよい。

物価連動債の買入消却に関しては、1,000億円×12回程度でよい。ネットの供給量としてはマイナスとなり、今の10兆円程度の残高を少しずつ縮める形で、落ち着くところを探っていけばよい。

・来年度の物価連動債の発行予定額をゼロとすると、どんな注釈を付けたとしても国がコミットしていないというメッセージになってしまう。また既存の銘柄についても、流動性が大幅に低下してしまうだろう。40年債は年2回の発行であるため需給が把握しにくいが、物価連動債にも同様のことが起こりかねない。そのため、元本保証を付与するといった商品性の改善も視野に入れた上で、最低でも四半期に1回程度発行した方が、市場のモニタリングをする上で有効ではないかと考えている。ただし、需給が完全に崩壊していることは事実であり、発行コストの上でも不利であるため、既存の銘柄を発行時よりも割安に買い戻すことで、新規発行のコストを賄い、またネット発行額をゼロもしくはマイナスとすることで需給を改善させるのがよいだろう。

・今年度の物価連動債及び15年変動債の発行額は、当然ゼロと考えている。2月発行予定の振替先としてはTB1年物という意見もあるが、TB1年物では来年度の借換債が増加してしまう。2年債に振り替えた場合は再来年度の借換債は増えるものの、現状では消化しやすい。2年債を1月から各月2.0兆円に増やすと、計3回で6,000億円の発行が可能となる。さらに来年度の30年債隔月発行を前提に、3月に30年債を0.5兆円発行すればよい。

来年度については物価連動債の発行額はゼロがよい。市場参加者はその後も発行が再開されないとは考えないと思う。したがってマーケットメイクへの影響も限定的ではないか。そもそも今の状況で発行を続けることは国民に対する説明ができない。しかし物価連動債はグローバルスタンダードな商品であるため、環境が改善すれば発行すると謳っておくべきである。投資家の意見をヒアリングしたところ、元本保証を付与すると価格上のメリットが無くなるものの、それでもあった方がいいという意見が多数派であった。したがって元本保証を付けた上で環境が改善した段階で発行を再開した方がよい。一方で15年変動債については発行停止でよいと考えている。

買入消却については、原資の問題もあるが、来年度は年間で3兆円強としてはどうか。内訳としては物価連動債が750億円×12回、15年変動債が1,000億円×12回、利回り物が1,000億円×12回で考えている。割り振りについてはフレキシブルに対応していただきたい。

・物価連動債や15年変動債については、来年度の発行計画には計上した方がよい。例えば下期にそれぞれ0.3兆円×1回程度とし、マーケットの状況に応じて取り止めればよい。また、ネット発行額はマイナスとすべきである。新規発行と買入消却を組み合わせることで流動性を確保した方がよい。15年変動債についてはαの小さいカレント債についてはある程度ニーズがあるので、買入消却ではαの大きい銘柄を吸収し、新規発行ではαの小さいものを発行することで、投資家のポートフォリオを改善していくのがよい。物価連動債については、グローバルスタンダードであり、インデックスもあることから、商品性の見直しを行いつつ、発行の余地を残すべきではないか。仮に来年度の発行計画に計上しなければ、特に海外を中心に完全に発行停止となったと受け止められるだろう。

・物価連動債については個人への販路も検討すべきである。課税の問題で譲渡制限があるが、何とか対応できるよう検討してほしい。

【国債の年限別発行額等について】

4理財局から、国債の年限別発行額等について以下の通り説明を行った。

固定利付債については、今年度は、昨年度に導入した40年債について年2回(5・11月)の定期発行に移行したほか、物価連動債等の発行取り止めの代替調達の対象として20年債・2年債・TB1年物について、1回当たりの発行額を年度途中に増額した。

来年度について、どの年限に増額余地があるのか具体的な規模・頻度について、利付債等の買入消却と合わせてご意見をお伺いしたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・短い年限であれば毎月1,000億円程度の増額は問題ないと考えており、具体的には、2年債を1.9兆円×12回に増額してもよい。5年債と10年債については、それぞれ据え置きがよいとは思うが、短い年限の方が市場で吸収しやすいので、10年債よりは5年債の方が増額余地はあると考えている。

20年債は今月から毎月0.9兆円に増額したばかりなので、暫くは様子を見た方がよい。超長期債で増額余地があるのは30年債で、0.7兆円×4回の規模を考えている。30年債の現在の発行規模では、カレントセクターの需給がタイトな状況もあるので、流動性を高める観点からも増発してはどうか。40年債は、来年度以降も年間1銘柄で0.5兆円程度を考え、半期に1回0.25兆円ずつリオープンで発行するのがよい。

30年債のオフザランの需給調整手段のためにも利回り物の買入消却の機会を残し、年間0.5兆円以内の規模で続けて欲しい。

・来年度発行計画の増額余地については、まずは40年債と考えており、0.2兆円×4回で年間0.8兆円とし、全てリオープンでよい。次に30年債は0.5兆円×6回にする。ただし、30年債と40年債は、3月と9月の決算月に投資家の動きが不透明なこともあるため、それ以外の月に入札を実施して欲しい。その他の年限では、まず2年債を毎月1,000億円増額し、1.9兆円×12回にする。2年債は毎月2.0兆円までは増額の余地はある。その他では、5年債や20年債も候補になるが、20年債については、今月から0.9兆円に増額したばかりであり、少し様子を見る必要がある。

利回り物の買入消却については、1,500億円×4回程度の規模で引続き行って欲しい。やはり30年債や40年債といった超長期を増額する中で、入れ替えニーズなどで手前の銘柄が在庫になりやすくなっており、その吸収手段として考えている。

・来年度は、2年債は毎月1.9兆円、5年債は毎月1.9兆円、10年債は毎月2.0兆円、20年債は毎月0.9兆円、30年債は0.6兆円×6回、40年債は0.3兆円×4回を提案する。15年変動債と物価連動債の発行額はともにゼロと考えており、買入消却も含めるとある程度の発行規模が必要と考えている。

30年債は、投資家のニーズが強く、市場での引き合いの回数も増えているが、発行頻度が四半期に1回と少ない。このため、在庫手当に対する不安感があるが、発行頻度を増やせば解消できる。場合によっては発行額も更に増やす余地がある。40年債も、今まで発行額が少ないため、投資家の注目を集められていないのが現状であることから、発行頻度も発行額も増やすことが必要だと考えている。短い年限に関しては、今回政策金利の利下げも行われ、短期金利の安定ということを前提にすると、増額余力は十分にある。

従って、各年限万遍なく増額できると考えているが、超長期ゾーンを入れ替えで買う場合には、手前の銘柄が売られるケースもある。そのため、イールドカーブがいびつな形になっており、手前のオフザランの銘柄に対する買入消却は引続き行って欲しい。具体的には、利回り物の買入消却として毎月1,500億円を考えている。ここもと日銀の国債買切オペで年限の長いオフザランの銘柄が入らない傾向もあり、買入消却は、超長期の需給を均し、イールドカーブのスムージングに非常に役に立つだろう。

・来年度の市中発行総額を111兆円と仮定して提案する。その割振りとして、短い年限では、TB1年物は消化余力はあるものの、再来年度の借換債が増発されるため、毎月1.6兆円程度の増額に止め、年間で19.2兆円とする。2年債も、余力はもう少しあるとは思うが、物価連動債等の発行取り止めの代替として増額する場合には、来年度はそれを据え置き、毎月2.0兆円とする。5年債、10年債に関しては、毎月1.9兆円で据え置き。5年債と10年債とどちらに増額余地があるかと問われれば、5年債ではないか。ただ、毎月2.0兆円に増額する2年債とのバランスで、5年債の増額も抑えておきたい。一方、超長期の20年債は、毎月1.0兆円もあり得ようが、今月から毎月0.9兆円に増発され、その影響がまだ見極められてないこともあり、例えば1.0兆円にするのは来年度下期からという選択肢もある。次に、30年債は社内でも意見が分かれるが、トレーダーは0.7兆円を年4回を希望していたが、物価連動債と15年変動債の来年2月発行予定の分を振り替えて、3月に発行すると仮定した場合、来年度は奇数月に0.5兆円×6回という形がよいのではないか。それから、40年債に関しては、前回の入札結果は良かったが、やはりまだ不安なところが残る。ただ、最終的にはここも増額余地があるので、ひとまず0.3兆円×2回とする。ただ、20年債の増額を下期からにするのであれば、2010年1~3月にもう1回0.3兆円を入れてよいのではないか。流動性供給入札は、1,500億円を月2回実施し、年間で3.6兆円とした。

これまで積み上げると、111兆円という形となり、今年度に比べて6兆円程度増額となる。21年度の買入消却は、基本的に20年度とあまり変わらないと置いており、6兆円分はこれで上乗せできることとなる。ただ、これでも発行額が足りない可能性もあろう。

・最大どの程度の増発があり得るかという角度から数字を置き、そのあと数字が小さくなった分だけ増発を避けるべきものを挙げる。

まず、買入消却を物価連動債と15年変動債で1.5兆円ずつとして3兆円程度と想定した場合、来年度は財政投融資特別会計からの繰入れが見込めない可能性もあり、その分を国債の発行で手当する必要が生じる。このほか、税収が6兆円程度不足すると見込まれるが、交付税交付金が減額されること等も踏まえ、国債発行を要するのは5兆円程度。個人向け国債の4兆円程度の下振れや、日銀乗換えを考慮し、仮に前倒し債を使わない場合には1兆円程度更に加味する必要がある。逆に、借換債の発行額は5兆円程度減るため、大まかなイメージでは全体で10兆円程度の増発リスクがあると考えた。

これを賄うための発行のイメージは、まず40年債は、1回0.2兆円を変えずに頻度を4回にする。30年債については1回0.6兆円を変えずに頻度を6回に増額する。20年債は今月から毎月1,000億円増えるが、更に1,000億円増額し毎月1.0兆円。10年債は増額を避けた方がいいと考えており、毎月1.9兆円のまま据え置く。5年債は毎月2.0兆円。2年債はかなり大きな数字になるが、現行の毎月1.8兆円から2.1兆円まで増やす。TBについては毎月1.6兆円。最後に、15年変動債と物価連動債については、来年度の下期に3,000億円だけ計上しておく。流動性供給入札は、本年11月と12月は3,000億円となるが、来年度も継続する。以上で概ね115.1兆円になり、10兆円程度の増発をカバーできる。

その上で、例えば前倒し債の取崩しや、その他の要因で増発が減額されれば、今月から既に増発される20年債の更なる増発を最も避けるべき。5年債や2年債も増発を避けたい候補であり、その次には流動性供給入札が来る。

更に、国債発行の方式には日銀乗換があるが、例えば、20年度計画の9.6兆円の半分程度は、状況によっては、日銀による再乗換も考えられるのではないか。現在、日銀券の発行残高と、日銀の保有長期国債の残高のギャップが33兆円程度あり、この結果、短期の資金供給のオペがかなり頻繁に行われている。日銀においても是非検討して頂きたい。

・国債が増発されても金利を安定させるためには、短い年限の方が吸収力があると考える。40年債については、流動性を向上させるために、0.4兆円×2回または0.2兆円×4回と増額する余地がある。30年債は、0.6兆円×6回までいきなり増発可能かは自信がない。超長期セクターの入れ替えにより保有されることが多いが、例えば来年度に年金運用の新たな資金が入らなくなった時に、吸収する主体がないという状況である。30年債は、好調な需給を背景に超長期の金利を低く抑える機能を果たしているため、それを大量に増発すれば、いわゆる利下げは行われたが20~30年の金利は上がるとの事態が生じるおそれがある。世界的にも財政拡大の傾向にあるため、外部環境的にはイールドカーブが立ちやすく、慎重に考える必要がある。30年債は、年4回発行を維持し、各回1,000億円ずつ増やすなどの対応が安全である。こうした超長期セクターの懸念を踏まえると、逆に短期のTB1年物、その次の2年債は、増発余地はある。なお、足元我々が最も懸念しているのは、マーケットにおける流動性である。現在、流動性が最も高いのは、マーケット参加者が非常に多い10年新発債であり、マーケットメイクにも安心感がある。流動性を重視するなら、10年債も毎月1,000億円程度の増発余地はあるのではないか。

・来年度発行計画に関しては安定的な投資家層がどこの年限にいるかという所に重点を置いて考えている。その際、基本的には、長い年限の消化は生保に、短い年限の消化は銀行に頼る必要がある。この前提で国内投資家のALMの観点から買いニーズを想定すると、順番としてはまず2年債、30年債があり、次にTB1年物、40年債及び20年債、次に5年債があり、主要な投資家のいない10年債が最後の候補になる。流動性供給入札に関しては、需要面でもニーズがあることから今年度対比で増額して、毎月2回の入札も選択肢になる。具体的な金額について、市中発行額を今年度と同じ105兆円を前提に考えると、2年債と5年債に関しては毎月1,000億円増額、10年債は据え置き、20年債は今月から1,000億円増額となるため、21年度当初は毎月0.9兆円のままで様子を見て、仮に来年度発行計画に見直しが生じる場合に1,000億円増額し、毎月1.0兆円にしてはどうか。30年債は0.7兆円×4回に増額するか、各回0.5兆円に減額して隔月発行が考えられる。40年債については0.2兆円×2回とするが、1回当たり500~1,000億円なら増額してもよい。40年債は、30年債と同様に、リオープンすることで流動性を高めた方がよい。その際、1回債と全て統合するという形が適当である。

・増発余地を問われれば、全ての年限で1,000億円程度の増額は問題ないと考えている。むしろ、流動性供給入札へのニーズが強いため、1,500億円×24回を優先的に増額してほしい。

・来年度の国債の需給は、海外投資家の戻りが期待できないこと等から非常に厳しい状況になる。従って、国内投資家や業者のニーズがある年限から増額すべき。色々な考え方はあるが生保や年金のニーズを勘案すると30年債を0.5兆円×6回とし、年間3.0兆円まで増額するのがよい。また、現状では銀行には預金が集まる傾向にあるので、銀行のALMの観点からも短い年限を増額しても消化に問題はないだろう。短い年限のうち、どの年限を選択するかによっては、TB1年物と5年債がよいか。銀行のポートフォリオで考えた場合には、あまり短い年限ばかり増発されて、5年債の需給が相対的に良くなり、5年ゾーンのイールドカーブがフラット化することにもリスクがある。5年債であれば銀行勘定の預金の存在を考えると、ある程度時間をかければ十分に消化できる。また、国債市場では、今回の金融不安で流動性の確保の必要性が確認されたため、流動性供給入札は現状の1,500億円を月2回実施することを継続して、年間24回にするのが望ましい。

・昨年までに比べて、今年は市場環境が激変したが、海外投資家の不在は来年以降も続くだろう。海外投資家の退出により、債券先物の建玉が減少したり、債券先物がボラタイルになったことから、従来のように債券先物がヘッジ機能を果たさなくなった。そうした状況を勘案すると、海外投資家の参加比率が高かった20年債や30年債を大きく増発することはネガティブに考えている。しかし、現在の需給状況であれば、1回0.5兆円または0.6兆円を年6回発行するくらいは問題ないか。一方で金融政策の効果次第ではあるが、2年以下の年限は来年以降も安定的な消化が見込まれるため増額も可能。いずれにしても、流動性が低下した市場での発行になるので、利回り物の買入消却と流動性供給入札とを一対に考えて、双方を可能な限り増額するのがよいのではないか。

・重要なのはニーズがある年限を増額することである。超長期債は生保等のニーズが見えていることから増額余地はあると思う。流動性供給入札については、これまでより金額は多くなるが2,500億円を年24回、年間6.0兆円くらいまで増額してもよいと考えている。着実に各年限に新規債を発行していくということは非常に重要だとは思うが、それとともに既発債の流動性というものも考慮し、チーペストも含めた流動性というのも考えて発行した方がよい。

・他の年限の増額余地は、今年度増額する場合と同様に1年、2年、5年のゾーンは2.0兆円強まで発行可能と思っている。銀行の立場から、預金のデュレーション等を考えて、1~2年のゾーンは、運用対象の期間として、今の国債の発行残高ではまだ不十分と思っており、もう少しあってもいいという認識を持っている。超長期ゾーンの、30年債、40年債の増額発行は可能と思うが、今まで購入の中心であった海外投資家がこれだけ痛んでいて、来年すぐ復活する見込みも立たないため、超長期ゾーンの資金の流入状況等を考えると、おそらく生命保険等の国内投資家に入れ替わることが考えられ、多額の増額は、結局10年以上の金利の上昇要因になってしまう懸念がある。

10年債の1.9兆円はこの程度に収めた方がよいと思っている。市場流動性は、来年度においては今よりも復活してくると思うが、これまでのような10年債の位置付けは、やはり変わってしまったと思うので、1.9兆円以上の増額は若干荷もたれ感が出て、長期の指標金利である10年金利が上昇することになってしまい、マーケットへの影響としては宜しくないと思っている。

(2)流通市場の在り方について〔参考配布:資料3〕

4理財局から、流通市場の在り方について、以下のように説明を行った。

国債流通市場については、前回のこの会合でも議題として取り上げ、特にリーマン・ブラザーズ証券の破綻に伴うフェイルの影響等についてご意見を頂戴したところ。その後、9月以降の金融市場の混乱の中で、国債市場においては、海外投資家の減少、アービトラージャーの退出を受け、先物市場の出来高の低迷、その結果として現物取引に対するヘッジ機能の低下、そして現物市場の流動性の低下等の影響が出ているとの指摘がある。

これらの問題について、この会合を持つ機会にその都度状況を確認させて頂くことは発行当局にとっても参考となるので、お気付きの点があれば、この場でご指摘頂きたい。

発行当局として、国債流通市場に対して能動的に関与する手段として流動性供給入札がある。流動性供給入札については、国債のイールドカーブの歪みを是正することが発行市場の円滑な運営にも資するという考え方の下で、今年度当初では対象ゾーンを拡大し、毎月1,000億円の発行を計画した。

更に、9月以降の金融市場の混乱の中で、国債流通市場の円滑な取引に資する対応の一つとしては、流動性供給入札の積極的な実施が考えられたことから、入札を取り止めた物価連動債の代替となる調達の一つとして流動性供給入札を選択し、11・12月は各月3,000億円を実施することにした。

今後の流動性供給入札の金額についてご意見を伺いたい。また、対象ゾーンの分け方、これまでは発行対象から除外してきたカレントゾーン(発行後1年間程度の銘柄)を対象に加えること、チーペストの取扱いについてもご意見をお伺いしたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・先物が売買高や建玉の減少により使い勝手が悪くなる一方、現物の先物セクターが割高に推移するのは、その部分の流動性が厚いことを意味している。

同じく、10年のカレントも堅調に推移しているのも流動性があるからであって、オンザランとオフザランで流動性の差が生じるのは仕方がない。また、イールドカーブをスムージングするという観点からみれば、行き過ぎた局面がないとは言わないが、市場参加者がポジションを取りやすいのは流動性のある銘柄であり、その差によって若干割高で推移することはやむを得ない。

流動性供給入札は、本年度中は、現在の1回当たり1,500億円を維持し、来年度は増額も選択肢である。カレントに需要が集まる問題に対処するため、新発債をスポットで外すことはありえるが、それ以外の銘柄については、現在のように発行後1年を待たずに速やかに流動性供給入札の対象としてほしい。また、流動性供給入札を増額した場合、オフザランの消化が問題となるが、その処理のため利回り物の買入消却を最低毎月1,500億円行ってほしい。

・流動性供給入札は、来年度1回当たり1,500億円×24回(月2回)もしくは3,000億円×12回(月1回)、同時に利回り物の買入消却を1,000億円×12回を希望する。流動性供給入札と利回り物の買入消却の額はそれぞれ増額余地がある。

・7年ゾーンの歪みが指摘されているが、現在の流動性供給入札においても7年ゾーンを対象としているので問題はない。また、流動性供給入札については、国債全体で増発を行うならば最優先で対象とすべきところで、特にカレントを含めた10年超のゾーンは毎回対象としてほしい。仮に流動性供給入札以外のほか、30年債も増額するのであれば、超長期ゾーンが相当増額となるので、発行当局としては利回り物の買入消却を行い、更に日銀は輪番オペの対象に30年ゾーンを加えるべきかと思われる。

・流動性供給入札は月2,000億円×12回を提案するが、月3,000億円の実施でも問題ない。チーペストを特別に毎回の入札の対象に加えることについては、イールドカーブを歪ませる可能性があるので、あえて行う必要はない。また、対象ゾーンは1回ごとの対象ゾーンを増やした上で、3分割よりも現行の2分割の維持を希望する。その場合、事前にアンケートを取って銘柄を38銘柄に絞ることも検討してほしい。

・流動性供給入札は3,000億円×12回、もしくは1,500億円×24回を希望する。対象ゾーンについては現在2分割であるが、その時々のイールドカーブの形状によって銘柄間で有利か不利が分かれやすいので、今後は3分割し、細かくゾーンを設定して発行してほしい。流動性供給入札の対象銘柄は発行後1年以内のものが外されているが、総じてカレントの需給はよい状態が続いているので、今後、発行直後は対象外にしてもよいと思うが、3ヶ月後から半年程度を経過した後、速やかに対象銘柄としてほしい。

・先物の流動性は特に問題はない。流動性供給入札の対象ゾーンは2分割よりは3分割の方が良く、タイト銘柄となっているオフザラン銘柄の流動性の向上に寄与すると思う。流動性供給入札の対象外とする範囲を、現在の発行後1年から狭めることに強く反対はしないが、発行後間もない銘柄まで対象に加えることは、入札で落札した参加者が損失を被ることにもなりかねないので反対である。

・マーケットの流動性が低下している状況において、国債管理政策上どの年限を増額するのが有効かというのが今回のテーマであるとすれば、先物の清算時に受け渡しできるという点で流動性が高いと考えられているチーペストは流動性供給入札による増発の対象と考えてよいのではないか。

(3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・最近の問題点は、レポマーケットの金利が高止まり、流動性が落ちていることではないか。結果として、マーケットの中での物のやり取りが困難になっており、リスクプレミアムも生じている。国債を担保に金をやり取りするため、信用リスクが無いように思われるが、取引としてはリスクを感じざるを得ないというのが現場の印象のようで、そこが落ち着くような方策を執ることが当局として一番に考えるべき点ではないか。それができれば、過度なリスクプレミアムは次第に剥落していくと思う。

国債の発行増はマーケットのネタとしては分かりやすいが、長期金利が高止まりしている一番の理由はレポマーケットにあると思う。

・ここ半年~1年を遡ってみると、リーマンショックの前からボラティリティが非常に高かったが、景気の下振れと物価の上振れという、相反する力が働いていたため、利上げや利下げをその時々によって織り込むなど、コンセンサスがフラフラしていたことが理由の一つとして挙げられる。最近では、もう1つの理由として、海外投資家の参加者数もしくはシェアが減少していることがある。先物の売買シェアは落ちていないが、現物については、特にレラティブバリュー系のファンドは資金調達が困難になっており、売買動向を見てもシェアが落ちている。

来年度については、物価はなかなか注目度が出ないと思うが、需給は相当悪くなる可能性がある一方、景気悪化要因があるため、引き続き相反する力が働くと思われる。また、海外投資家の減少により、2002年、2003年ほどではないと思うが、国内投資家主導の一方通行になりやすい構造になりかねない。しばらく静かな相場でも急に売り買いが一方通行で生じ、相場が大きく動く可能性がある。ボラティリティは高まりやすいのではないか。ただ、終わってみればレンジ内に収まるとも思う。

こうしたことから、今年度残り及び来年度は、例えば、流動性供給入札は3分割し、年限も前もって決定せず、随時アンケートを取りながら、急に買いが膨らんだところに機動的に発行できるようしたり、逆に売りが出たところは、固定利付の買入消却で対応することが必要ではないか。

・現状の長期金利がなかなか下がらないという点に関しては、短期のファンディングコストが安定しないというのが理由の1つである。市場自体の流動性が低下していることで値動きが荒くなっており、ボラティリティの高さに対するリスクプレミアムが要求されている。来年までを見通して考えた場合、ここまでの状況から考えると、中央銀行がある程度、流動性供給や信用仲介機能を補完していく状況がしばらく続いていくと思う。ゼロ金利時代には、内需は駄目だったが外需はそこそこあり、日本経済は構造改革等をしながら回復軌道に乗りかけたという経過があるが、今回は日米欧といった主要セクター全体が需要不足に陥りそうであり、それに加えて新興諸国の経済も崩れかけていることを考えると、世界的な需要不足を補うために財政が拡大していくというのは必然の流れになりつつある。

100年に一度の危機と言われており、過去を振り返るのは適当ではないかもしれないが、金融緩和と財政拡大の組み合わせについて、やや参考と思える局面は1998年ではないか。今はそこまでのショックはないものの、金融緩和と財政拡大という組み合わせは、ともすれば金利上昇リスク、イールドカーブのベアスティープ化のリスクをはらんでいる局面ではないかと考えている。

需給面でも必ずしも構造的に良くはない状況に加え、今後、1月以降もヘッジファンドの解約等が増えそうであり、来年に関してはヘッジファンドや海外投資家の参加比率が小さくなることを想定しておくべきではないか。外人がいると短期的に相場は荒れるが、長期的には市場を安定化させる作用がここまではあったため、それがいなくなると流動性が低下するという状況がやや長続きするのではないかと思う。流動性供給入札や買入消却を組み合わせ、現物債の流動性を供給するのも必要不可欠ではないか。

・株価が下がっても国債金利がなかなか下がず、むしろ上がる局面もあることが今の一つの象徴であろう。外部環境に比べて、金利が高止まりしている。その背景には、国債の需給の問題があり、問題の根源としてはGCレポレートが無担保コール翌日物レートに比べて高すぎることが挙げられる。日本銀行もその点を認識して、来週から準備預金への付利が開始されると理解している。

しかし、短期市場の構造が大きく変化した中では、そもそも金融政策のターゲットをGCレポレートにするという考え方もあろう。かつては、都銀中心にマネーポジションだったものが、今では全てローンポジションになっており、資金供給オペに応える8割位は証券会社ではないか。今回は一時的な要因で証券会社の資金調達が難しいため金利が上昇している面はあるが、その結果、国債イールドカーブの発射台が上がってしまっている。これにより金融緩和効果が限定されるのであれば、改善を図るべきだと考えている。

株安やクレジット商品で損失が生じたことにより投資家のリスク許容度が低下している。多少株価が安定し、ボラティリティーが下がっても、年度中の回復は難しいだろう。加えて、海外のリスクテイカーが、マーケットから退出しているため、需要サイドの問題で、外部環境に比して相対的に金利が高めの状況は続くとみている。一方、供給サイドに関しては、財政面で国債増発懸念が根強くあるが、日本銀行によるTBの再乗換を含め市中消化に重大な影響を及ぼさないような対応がなされるものと期待している。

来年度以降も、財政は悪いと予想されるが、国債を増発した98年11月の補正予算では、12.4兆円の国債増発、うち市中消化は10.4兆円であったほか、いわゆる資金運用部ショックもあり、長期金利が2.4%まで上昇したのに対し、今回は建設国債が生活対策で0.7兆円と報道されているので、前回の経済対策の財源を加えても1.1兆円に過ぎず、大分マグニチュードは異なると予想している。だからこそ、今のところ長期金利は1%台で推移している。いわゆる財政赤字プレミアムの拡大は、基本的には実質金利の上昇に当たり期待成長率を落とすことになる。こういったタイプの金利上昇は、最終的には元のところに収まることになるので大きな懸念はしていない。

基本的に成長が難しい日本の金利水準が高止まりすることは考えづらい。将来に向けて不安を持つことなく国債発行も考えられる。

・足元の金利動向は、概ね想定どおりで、以前から日本銀行の利下げもあり得ると考えてきたが、サブプライムローンに端を発した金融危機が深刻化し、その中で欧米のみならずアジア・日本でもバランスシート調整型の不況が厳しくなるという流れが現実化してきた。特に今年度の成長率は+0.1%程度を見込んでいる方が多いと思うが、実際には発射台として+0.9%のゲタがあるので、実際には▲1.0%近い成長率ということである。このことは、来年度に向けては、発射台がむしろ下がる可能性があるということであり、かつ、また設備投資・個人消費を中心に、一段と悪化するリスクを考えると、来年度の成長率が▲1.0%とか▲2.0%になる可能性も十分にある。原油安等もあって、CPIは来年の春頃にはマイナスになり得るため、名目成長率でマイナス幅が大きくなるリスクもある。そういう状況であれば当然長期金利は低下圧力があると思うが、一方で、来年度は国債の発行圧力はかなり強まることや、財政投融資預託金の戻りがないことにより公的年金の市場運用が大幅に減ってしまうことのほか、海外勢がJGB市場から退出していることが、特に今の株安の中でも債券の金利が高止まりしている理由だろう。

投資家にとっては、来年度はデフレの中で金利が上がるリスクがあるということで、非常に運用が難しいという状況になる。発行体としての財務省にとっては発行年限の割り振りは非常に重要ではあるが、100年に一度の危機という状況では、前倒し債をほぼ全額取り崩すくらいのことも視野に入れることも必要だし、日本銀行については、国債の需給に働きかけるという立場は難しいと思うが、金融市場の安定化や、流動性供給の円滑化という視点から短期国債の再乗換を含む諸々の対応を考えていただきたい。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 太田原・橋本

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

Source: Ministry of Finance.