PD Meeting #10
| Date | 2005-12-09 |
|---|---|
| Venue | 財務省 第3特別会議室 |
| Agenda | (1)平成18年度の国債発行計画について (2)買入消却入札の実施の在り方について (3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて (4)第3回海外IRの実施について |
| Sources | Removed from mof.go.jp; restored here from web archives |
Materials
| 資料1PDF |
| 資料2PDF |
| 資料3PDF |
| 資料4PDF |
| 資料5PDF |
Minutes
(1)平成18年度の国債発行計画について
4まず、資料1、資料2に基づき、財政融資資金特別会計から国債整理基金特別会計への繰入れを原資とする国債残高の圧縮について及び平成17年度における前倒し債発行残高の抑制について、理財局から説明を行った。
4次に、資料3に基づき、理財局から、平成18年度の国債発行計画についての市場関係者の見方を説明した後、検討の方向性について、以下の通り説明した。
(平成18年度国債発行計画)
・18年度の国債発行計画については、現在、予算編成、税制改正等のさなかであり、計数的なことは申し上げられない段階であるが、ただいま御説明した国債市場特別参加者会合や国債投資家懇談会における意見等を踏まえ、
・強いニーズが示された20年債については、発行額の増額、
・将来的な固定物と変動物の発行割合については留意しつつも、市場の状況や投
資家のニーズ等を勘案し、15年変動利付債については、発行額の減額、
・全体の当面の借換債発行額を抑制する観点から、短期国債についても発行額の
減額、
を、それぞれ検討したいと考えている。
また、物価連動債については、市場関係者の方々から、中長期的には強いニーズがあり、今後会計処理の見直しが行われた場合には増額すべきであるとの御意見が多く聞かれたところであり、現在財務会計基準機構で行われている見直しが仮に我々の求める方向で行われることとなった場合、市場環境や投資家のニーズ等を見極めた上で、18年度の期中において、物価連動債の増額も視野に入るものと考えている。
(バイバック)
・前倒し債の発行残高の抑制、財融特会からの臨時的・一時的な繰入を原資とする国債残高の圧縮を目的として、18年1月から毎月1000億円程度、18年4月から19年3月まで毎月1500億円程度実施し、対象銘柄については、20年度までに償還を迎える国債に限定することなく、全ての銘柄を対象とすることを基本とする方向で検討している。この点は、前回の特別参加者会合でのご説明から変わった点である。後ほど、更に詳しく述べたい。
(流動性供給入札)
・市場のニーズが強い20年債の残存13年~14年ゾーンについては、市中流通玉が極めて乏しく、具体的なニーズがどの程度あるのかを正確に測ることが困難であることから、導入初年度である来年度については、①特定ゾーンへの影響を緩和するため、対象を広げる(20年債の残存12年~15年)、②1回当たりの発行額を1000億円程度と比較的少額にとどめ、上期に6回程度の入札を実施の上、様子を見る、こととしてはどうかと考えている。
(金利スワップ取引)
・この点も、前回の特別参加者会合でのご説明とは異なることとなるが、前述のように20年度問題解決の目処が立ったと考えられることから、20年度を超える長期の「固定払い・変動受け」と20年度までの中期の「固定受け・変動払い」を組み合わせた取引を行う必要性はなくなったと考えられる。
一方、17年度においては、変動利付である個人向け国債の発行実績が発行予定額を大幅に上回る見込みであり、負債構成における変動利付の割合が高まったことから、それによる金利変動リスクを適切にコントロールするため、当面、中長期の「固定払い・変動受け」の取引を実施する方向で検討している。
なお、17年度については取引限度額が3000億円となっているが、これは「固定受け・変動払い」と「固定払い・変動受け」を組み合わせた取引を行うことを前提としたものであることもあり、限度額一杯まで取引を行うことを前提としているわけではないことにご留意頂きたい。
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・当局の説明にあった来年度の発行のイメージは、基本的に、国債市場特別参加者会合や国債投資家懇談会等で出された市場・投資家のニーズに対応した形となっており、歓迎したい。
また、今回の財政融資資金の金利変動準備金の活用は、これまで様々な取組みがなされてきた2008年度問題を一気に解決し、将来の国債発行コスト、足下の残高の減少にも繋がるものであり、財政再建の流れと市場のニーズの双方に合致する施策として評価したい。
買入消却についても、市場にそれほど大きな影響を与えるものにはならないよう、買入金額等の面で配慮がなされていると感じている。
・年限別の発行額の方向については、これまでの様々な議論を反映し、市場のニーズに沿ったものとなっており、当局の説明に特に違和感はない。
また、それ以外の点についても、将来的な見通しも想定しつつ前倒し発行の抑制を進めるなど、正しい方向に進んでいると認識している。
・2000年の国債市場懇談会の創設以来、議論されてきた2008年度問題対応や国債管理政策上の様々な手法の整備等の課題に対する対応が出揃い、動き始めたという感じを受けており、非常に良い方向に向かっているという印象。
今回の発行計画についても、これまでの議論の内容に沿ったものだと感じている。特に、物価連動債に関しては、会計の見直しについての最近の報道などを見ていると、我々の要望をサポートする方向に進んでいるようであり、こうした動きの中で、来年度中に発行額を増加できるような環境になれば、海外・国内の新たな投資家層を開拓する上でも非常に良いのではないか。
・国債発行計画の焦点は、いまや、15年変動利付債をどれだけ減額するのかに尽きるのではないか。自分としては、15年変動利付債は、非常に位置付けが難しい債券になったという印象を持っており、今後物価連動債が変動金利物の中心になっていく中、15年変動利付債の位置付けをどう考えていくか、エグジットをどうするかということが重要な課題だと思っている。今後10年間くらいはまだ償還がなく毎年の発行分だけ残高が増えていくことを考えれば、来年度に関しては大きく減額する必要はないかもしれないが、長期的にどうランディングさせていくかは考えていく必要があるのではないか。
・今後の国債発行について、固定金利物の比率に対して変動金利物の比率がまだ低いので、中長期的にはそれを上げていく方向という説明があったが、今回のスワップはどちらかというとそうした流れとは逆の方向になるという面もあるのではないか。(これに対して、理財局から、「固定・変動のバランスは、今後中長期的な課題として、基本的には各年度の発行計画の中で考えていくものである。今回のスワップは、当初考えていた固定と変動のバランスに、年度途中でズレが生じ、我々のコスト・アット・リスク等に変化が起こったため、微調整をして当初計画で考えていた負債構成に近付けるというのが、基本的な考え方である」旨説明した。)
・15年変動利付債は、特に超長期ゾーンのイールドカーブの形状にかなり影響を受ける商品設計となっており、仮に世界的な超長期ゾーンのフラットニングが今後も続くようなことがあれば、需要があまり高まらない懸念もある。今後変動金利物のシェアをもう少し高めていく方向性であるのであれば、より手前のゾーンのスティープニングに依存する変動利付債、すなわちもう少しタームの短い変動利付債の発行を検討するという考え方もあるが、どう考えるか。
(これに対して、理財局から以下の通り回答した。
現時点において、御指摘のような商品の導入を具体的に検討しているということはないが、先般、国の債務管理の在り方に関する懇談会において、より長期の物価連動債の発行を検討してはどうかといった指摘もなされるなど、変動金利物であれ、固定金利物であれ、中長期的には、幅広くいろいろなものが検討課題になってくると思う。
なお、変動金利物については、我が国では15年変動利付債が先行して発行され、残高も多いが、諸外国を見るとむしろ物価連動債がスタンダードであり、会計問題もあって当初計画段階ではやや様子をみるということではあるが、我が国においても中長期的には、物価連動債を柱の一つとして育てていきたいと考えている。)
・2008年度問題が12兆円という巨額の買入消却により解消し、市中消化額は減額され、新規財源債も30兆円まで絞られるといった方向性が示されており、18年度発行計画は、財政危機からの脱出というのは言い過ぎかもしれないが、10年~15年後に振り返って見た場合に、大きなターニングポイントとなったと言えるようなものになっているのではないか。
その意味では、市中消化を今後どのように減額していくかといった点を含め、長期的に見て、国債の発行や財政の問題が良い方向に向かっているということを対外的にアピールしてもいい時期なのかもしれないと感じている。
(これに対して、理財局から以下の通り回答した。
新規財源債については、先般の総理の指示もあり、現在主計局において30兆円に近づけることを目指しているところであり、市中発行額についても、これまで発行された前倒し債を活用して、僅かでも減らせればという希望は持っているが、いずれにせよ、予算の編成中であり、最終的に決まった訳ではない。
その上で、全体として見れば、一時期の最悪の状況から比べれば、ベクトルとしては良い方向に向かいつつあるとは思うが、それでも新規財源債30兆円というのは大きな額であるので、財政状況は依然として厳しく、過度に楽観的になってはいけないと感じている。)
・財政プレミアムが縮小するという指摘があったが、将来的に別の償還の山が来る可能性もあり、その時には、またバイバックが必要になるかもしれない。2008年度の山がなくなり、全体として残高が少し減ったというだけでは、楽観できないところがあり、新規財源債をもっと絞りこまないと財政の問題が明確にクリアされていくとは言えないのではないか。
(2)買入消却入札の実施の在り方について
4資料4に基づき、理財局から説明が行われた後、意見交換が行われた。出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・30年債や物価連動債といった比較的新しく、まだ十分定着していない商品についてもこのタイミングで幅広く対象としていくこととするのは、これらの商品の育成を進めていく上で有意義。そのためのシステム対応が早めに進むことを期待している。
・流動性供給入札の対象となっている12年から15年までの年限のセクターについては、買入対象外とすることを検討しているとのことだが、16年、17年近辺についても流通量が非常に少なく、買入対象になってしまうとさらに流動性が乏しくなってしまう可能性もある。これらのゾーンについては、流動性供給入札による追加発行の対象とはしないまでも、買入対象とはしないでいただきたい。
・買入消却の対象に30年債や物価連動債を加えた場合、例えば5000億円程度しか発行されていない銘柄が1000億円近く買い入れられてしまうようなことになるのは問題ではないか。例えば、発行残高の何割といった形で銘柄ごとに買入上限を設けるといった工夫ができないか。
(これに対して、理財局から以下の通り説明した。
①発行量の相当部分が日銀・財融等の保有となっており、市中流通玉が極端に少なくなっている銘柄、②現に流動性供給入札による追加発行の対象となっている銘柄、③入札を行った結果、落札される銘柄に偏りが生じ、債務管理上これ以上買い入れることが適当でないと認められる銘柄等が出た場合、それ以降の入札について対象銘柄から外してはどうかと考えている。
しかしながら、御指摘のように、入札の実施に当たって、落札額の上限を設けることについては、今のところシステム的に実施が難しい状況にあり、どういう方法があるのか、今後検討したい。)
・チーペスト、30年債、物価連動債については、流動性が乏しくなったとしたら、その時点で対象銘柄から除外をすればよいと考えており、具体的には、財務省の内規において、発行額が5000億円のものについては2割、それ以外のものに関しては3割~4割といった形で、年限・発行額に応じた日銀保有割合の上限を設定し、それを超えて日銀等が保有している銘柄については、オファーしないということにすればよいのではないか。
また、チーペストに関しては、公表されているレポレートを日々モニタリングしつつ、市場参加者から要望があれば、それも考慮して外すといったことも考えられる。
また、本当に流動性が乏しくなった銘柄については、流動性供入札により新たに供給することもできるのではないか。
(この点について、理財局から以下の通り発言した。
30年債や物価連動債も含め買入対象とすることとしたのは、それによって、市場参加者のマーケットメイクがやりやすくなり、結果として流動性が向上することを期待する声に応えてのものである。
国債市場特別参加者の皆さまにおかれても、流動性提供責任を踏まえ、これらの銘柄のマーケットメイクについて、引き続き、更に一層の御協力をお願いしたい。)
・発行体として当該年度に発行した銘柄を買い入れるのはどうかという気もするが、理財局が構わないのであれば、我々としては、対象は広い方がよく、日銀がオペ対象から外している直近発行2銘柄も除外せず、チーペストも含めて原則的に全銘柄でやった方が良いと思っている。
・日銀の買切りオペを利用して、入札後にポジション調整をする場合、直近発行2銘柄がオペの対象から外されていることから、それ以外の既発債を入れざるを得ず、新発債の需給はますます緩み、既発債の需給はますます締まるといった形になることがある。既発債と同じ日に受渡しが可能なものであれば、新発債も対象に加わる方が、オペレーションはやりやすくなる。
・現行の買入消却と同様、ザラ場中に実施するというのでは、やりにくい面もあり、できれば日銀の買切りオペに準ずる形(10時10分オファー、20分締め切り、30分頃に発表)の方がありがたい。
・買入銘柄と銘柄ごとの買入額を公表することについては、賛成。ただ、従来から言われていると思うが、市場全体の流動性を測る意味で、いわゆる旧資金運用部の保有銘柄についても、日銀の保有銘柄と同様公表されることになれば良いと思っている。
・買入消却について、来年度以降の取扱について、市場の思惑を呼ばないよう、おおまかなイメージを示して頂きたい。
(これに対して、理財局から以下の通り説明した。
18年1月から行うバイバックは、①個人向け国債の発行実績が予定を上回ったこと、第Ⅱ非価格競争入札の発行額を当初計画で見込んでいなかったことに伴う前倒し債の発行残高の抑制、②財融特会からの臨時的・一時的な繰入れを原資とする国債残高の圧縮を目的とするものであるが、19年度以降において、これらを目的としてバイバックを行うことを予め見込むことは適当ではない。
いずれにせよ、19年度におけるバイバックの取扱いについては、現時点では具体的な方向性をお答えできる段階にはなく、19年度の国債発行計画の策定の過程で改めて判断することになる。)
(3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・昨日福井総裁がかなり強めのトーンで発言したが、市場はそれほど反応しなくなってきたという印象。むしろマスコミが政府と日銀との対立を煽っているという面もあるのではないか。市場は、日銀は量的緩和解除を早く実施したいと考えているが、早期の利上げはなかなか難しいといった見方である程度収斂してきたといった状況ではないか。
来年にかけ、ファンダメンタルズの面では、アメリカの経済や原油高といったリスクもあるが、大枠ではそういったものが徐々に戻り、金利はなかなか下がりにくいという見方をしている向きが多いのではないか。
・市場では既に日銀・政府双方からのメッセージが大分消化されてきており、量的緩和解除はある程度条件が揃えば実現されるが、その後のゼロ金利政策の解除はかなり先になるといった方向で織り込まれつつあるのではないか。
もう少し大きな視点から見ると、ファンダメンタルズの改善が徐々に明らかになっていくことが金利上昇圧力となる一方、財政改革のたゆまぬ努力が市場に徐々に浸透し、財政プレミアムは縮小していく方向となっている。財政プレミアムの縮小による金利低下圧力とファンダメンタルズからの金利上昇圧力は、バランスすると金利上昇圧力の方が勝ると考えており、思ったよりは上昇しないながらも、金利のレンジは徐々に下値を切り上げていくような展開になっていくのではないか。
・ファンダメンタルズに関しては、大きな枠組みで言えば、世界的にディスインフレとなるのか、インフレ懸念が高まるのかということによって、今後の金利環境、イールドカーブの形状も違ってくると見ている。米国は利上げの過程で長期金利が下がったが、欧州も同様の過程を辿る可能性があると見ており、その場合には、日本銀行の利上げを受けて日本も長期金利が下がるという可能性もある。極めて少数派だとは思うが、自分としては、例えば、無担コールのオーバーナイトのターゲットが1%になった時に長期金利が1%を付けることもあると思っている。夜は夜明け前が一番暗いと言うが、長期金利は利上げ前が一番高いと思っている。
(4)第3回海外IRの実施について
4資料5に基づき、理財局から説明が行われた。出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・我が国財政は、ベクトルとして良い方向に向っており、ここ数年間で見ても、非常に重要なターニングポイントを迎えていると言っていいのではないか。その意味では、海外IRにおいて、日本国債の格上げも意識して訴えて行けるような状況になってきたと思っており、今後そうしたPRがますます重要。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 辻・田原
電話 代表
03(3581)4111 内線 5701
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Source: Ministry of Finance.