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auctions / pd / m / 7 — 2005-08-29

国債市場特別参加者会合(第7回)

開催日2005-08-29
場所財務省 第3特別会議室
議題
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

議事要旨

(1)はじめに、最近の国債市場の状況等について意見交換が行われた。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

○最近の国債市場の状況について

・7月後半から、主に先物主導で下げの展開が続いた。8月に入って、投資家にとって当面のキャリーを確保するには十分な魅力のある水準に達したこともあって、継続的な買いニーズが見られ、値動き自体は依然不安定なところもあるが、相場全体としては一定のレンジ内で推移する状況となっている。

・7月の下旬以降、マーケット全体において、ファンダメンタルに対する関心が、数ヶ月前に比してかなり高まってきた中で、GDPが二期連続して良好となり、また、下半期、早ければ年内にもCPIがプラスに転ずるのではないかとの見方が浮上したこともあり、8月の初旬以降、これまで比較的安定していた中短期債が主導するような形で金利が若干上昇した。

一方、海外市場では、アメリカ、欧州において、8月に入って株がやや失速するような形となり、直近では金利が非常に落ち着いてきている。そういった環境もあり、結果的には日本の株は非常に堅調ではあったが、金利の上昇自体も、一定の水準で押しとどめられたといるということなのではないか。

・6月30日に141円24銭の高値をつけた後、7月1日の短観以降、相場が下げ、8月11日には先物が137円93銭まで売られたが、海外市況や株式市況の落ち着きなどを受け、ほぼ半分くらいまで戻ってきたという状況であり、景況感に注目する形での下げ相場も一旦収束したのではないか。当面選挙結果を見るまでは、徐々に大きな動きは見られなくなるではないかと思っている。

・相場が7月、8月と押してきたところで、地方金融機関が積極的に買いに向かっていたという印象であり、投資家別売買動向を見ても、地方金融機関が大幅に買い越していたところにも現れている。

ここまで相場が戻すと、買った分だけ売りも出てくると思っており、9月末ごろには1.4%あたりで着地するという見方も多いが、原油、株式、為替といった他の市場でそれぞれ水準調整が起きている中、債券だけ現在の水準で買い続けるのは難しく、下期においてもやはり慎重なスタンスは変わらないのではないか。

・今期、期初の想定レンジは大体1.3%から1.8%という人が多かった。期初から6月にかけてはこれを下回る水準で常に推移していたので、買い遅れた投資家が多かった。こうした者から見れば、7月以降の金利上昇は待っていた買い場が来たということなのではないか。

今後の見通しとしては、10月にもCPIがプラスになると見られている中、量的緩和の3条件のうち、安定的にプラスを維持できるかどうかに問題の焦点が集まってくるのだろうが、来年度のCPIの基準の変更などを考えるとそう簡単にはいかないと思っている。

下期についても、引き続き、国内の投資家は、節目々々で買っていくと見ており、相場を大きく動かす要因としては、外国人投資家の動きが今までどおり要注意だと思っている。

・今年度が始まるときの金利のイメージは、10年債で1.2%から1.7%と考えていたが、ここに来ても、そのレンジを変える必要はないと考えている。

一つのテーマは景気の回復であるが、原油価格の高騰もあって、アメリカの景気は近い将来ペースダウンしそうであり、我が国の景気回復も緩やかなものに留まるというイメージで見ている。運用難という状況に変わりがないことを考えると、このレンジからはみ出すのはなかなか難しいのではないか。

・4月下旬から景気の踊り場脱却の見通しを背景に、それまであまり動意のなかった中短期金利の上昇が目立っている。大きな流れとしては、デフレを脱却しつつあり、長期的に見れば、金利はじりじりと上昇してく傾向にあると思っているが、そこは緩やかに、株価や景気指標、金融政策等といった材料を一つ一つ吟味しつつ、この一ヶ月の動きと同様20bpないし30bp金利が上がったところでは投資家等の買いが入り、また落ち着くということを繰り返していくと思われる。

しかし、量的緩和解除の話などが出てくれば、また相場が振れるということもあり、いずれかの段階で、またこうした不安定な動きが出てくるのではないか。ただ、その中でも投資家としては、金利上昇の節目では着実に買いを入れていかなければならない状況にある。

・個人的には、下期にかけて金利は安定推移していくと考えている。おそらく日銀は、ITの在庫調整の終了を一つの判断基準に踊り場脱却宣言をしたかと思われるが、その後の景気回復のテンポについては、やはり外需、海外の景気次第ということになろうかと思う。注目すべきポイントは、やはり米国経済だが、景気の先行指標といわれている2年ー10年のスプレッドが、十数bpまで縮小しており、また住宅バブルという問題も抱えている。さらに原油価格の上昇を受け、ガソリンの店頭価格が上がり始めたのは7月の後半以降であり、その影響が9月に公表される8月の経済指標にどう現われるかが注目される。アメリカの経済指標は、6月頃は非常に強い数字が多かったが、7月分の経済指標はどちらかというと強弱まだら模様で、8月に弱い数字が出るようであれば、景気の回復期待は徐々薄まっていくのではないか。

・日銀の強気な景気判断などから、日本経済がボトムアウトしているとの見方から、外国人が債券を売り、国内投資家がそうした動きをパッシブに受け止める中で金利が上がったが、銀行の貸出しが伸びず、民間の資金を国がファンディングという形で吸収するという基本的な構造には変化がなく、また、根本的に人口が減っている中では長期的にインフレが継続することも考えにくいと見ている。

・相場が下げに入っているところに外国人を中心としたディーラーサイドの売り乗せで相場が大きく下げたが、超長期では2.1%を超えたところでは大きな買いがあり、相場が反騰したところで幅広く買戻しが入った。

店頭において相場が下げて崩れている状況でも政地債の1.5%には強いビットが入り、ショートしても買戻しが難しいほどの状況。全般的なマーケットとして、地方の投資家の10年で1.5%、20年で2.1%の買いはかなり強いものがあることは確認ができたが、ここからどんどんと買っていけるという訳ではなく、上値は1.3%、下値が1.7%から1.8%のレンジ内で推移するのではないか。

・足元の金利上昇は、昨年、一昨年の下げと比べて比較的落ち着いた動きであり、長期債・超長期債にはしっかりとした買いが見られている。今後の動きは、日銀の動向次第という面はあるが、基本的には、急激な動きというよりは比較的落ち着いた動きになっていくのではないか。

・最近1か月間、景気の踊り場からの脱却とそれに伴う株価上昇を織り込みにいく相場となっていたが、足元では需給相場に入り、一部買戻しも見られる状況となっており、今後相場はややこう着状態になると見ている。

・足元の金利上昇については、ファンダメンタルに比してやや過度に調整されたと見ている。これは、現在、海外市場が比較的安定している中、日本は金融政策や景気・政局など、テーマが非常に豊富であるので、海外ファンドからすると、資金を非常に集中しやすいという結果、株が上がって債券が売られた、ということが背景にあるのではないか。

しかしながら、国内の需給状況は非常に良好であり、日本の景気の先行きに対する過剰な期待感が後退すればむしろ金利低下に向かうのではないかと考えている。

・先般の日銀の踊り場脱却宣言、株高を受けて、先物を中心に売り崩されたが、期初にある程度益出しをし、資金的にも余裕があったことに加え、昨年、一昨年にも6月に相場が調整したことから、今年も相場調整を待って買いたいという投資家が大勢おり、7月以降の調整に際しては、10年・20年とも、節目の金利では買いが入った。

今後は、景況感や日銀の資金調節等から、金利の水準を模索していく展開に入っていくことになると見ている。

・今回の金利上昇は、穏やかな金利上昇というかなりめずらしいものであったという印象を持っている。

この金利上昇の特徴は、市場の期待インフレの上昇というより、量的緩和政策による時間軸効果の短縮に伴う水準調整であると見ている。金先を見ても、3ヶ月物カーブの起伏が上昇してくる時点、つまり0.25

%割れしてくる時点が、前に倒れてきている一方で、その先の時点でフォワードカーブを計算してみてもあまり形状が変わらない。したがって、先々のインフレ期待、金利上昇があるというより、むしろ日銀の政策を見ながら動いたと考えられる。

・外国投資家は、国債の保有では全体の4%程度であるが、フローでは20%程度のシェアがあるのではないかと言われており、その動向には注視する必要がある。直近7月の統計では、外国投資家が一年ぶりに売り越しに転じており、7月、8月の金利上昇にはその影響が大きい。

8月に入って、10年金利で1.5%に近づいたところでは、根強い国内投資家の押し目買いが入り、しっかりサポートされた格好になっている。

・この1ヶ月間、特に短期から中期ゾーンにおいて、外国投資家は、基本的には、金利の絶対水準が低いこともあり、年限ごとに織り込まれているリスクプレミアムの差に着目した投資を行っているというイメージ。したがって、多少金利が上がっても、上がったところで更に売っていくような投資行動はとらないのではないか。

・足下の動きについては、やはり、外国投資家と国内投資家の売買行動がはっきりと分かれているという印象である。

すなわち、7月に入ってファンダメンタルズが改善し、8月に踊り場脱却宣言が出されたこと、それに伴い株も1万2,200円を超えたことを受けて、国内投資家としては、買いの目線を若干上にあげたが、その間に、マクロ系のヘッジファンドやCTAといった外国投資家がトレンドフォロー的に売ってきた。これに対し、国内投資家は1.5%の手前でしっかりと買い向っている。

その意味では、踊り場脱却をしたという幸福感から少し冷静になり、「今後それが本当に継続していくのか」、あるいは「どれくらいの期間、景気がいい状態が続くのか」ということを冷静に見ていく時期に入ってくるのではないか。

足下はやや戻ってはいるが、買戻しをしているのは外人勢が中心である。今までは外人の売り、国内の買いだったが、今度は外人の買い、国内のヘッジ売り、そんな構図になるのではないか。だから、目先は1.3%から1.5%くらいのレンジだろうと見ている。

・外国投資家は、国内投資家と比べ、景気指標に対し、素直に反応しているというのがここ数ヶ月のイメージ。ただ、ここ数日、利食い売りを相当入れており、足下の景気指標や、金融当局からのコメントを受けてスタンスを少し変えて来ていると考えている。

・夏場には、直近のボトムからピークまで、約0.3%程度金利が上昇したが、日経平均株価が一時は12,600円まで上昇し、海外のヘッジファンドが期初に買い持ちだったポジションが売り持ちになるまでかなりの量を売ったと思われる割には金利の上昇が限られたものだったと見ている。その背景としては、昨年度から金利上昇に備えており、潜在的に買わなければならない投資家が多かったということだろう。9月も下期にかけてもかなり高いクーポンの国債が償還されるので、引き続き買わなければならない投資家が多いと考える。

・8月中旬までは外人の先物売りで相場が下げてきたが、先週の頭から状況が変わり、一部ファンドではロングに転じた先もあるようだ。ただ、基本的には、不良債権処理等日本経済の再生に対する期待はまだ強く、マクロ系のファンドはまだ

視線が下を見ているという印象を持っている。他方、国内勢は1.5%が近くなるとまだ買い需要は旺盛であり、一段の株価上昇を確認されるようなことにならなければ1.5%を抜けて金利上昇するような事態にはならないのではないかと思っている。

一部には2006年1-3月期に量的緩和の早期解除をするのではないかとの見方もあるが、個人的には2006年4月の展望レポート前に解除するのはなかなか難しいのではないかと見ている。

・これまで景況感の改善や米国金利の上昇から乖離した形で国内の金利が推移していたが、7月以降、外人の売りをきっかけとして、そういった乖離を埋めるような形で少し金利が上昇した。しかし、昨年、一昨年と比較して、投資家の金利上昇への備えができていることもあり、金利の上昇幅が大きくならなかったと思っている。

・今後とも債券相場に対する日本銀行の金融政策の影響は大きく、極端な金融緩和という状態から次のステップにどのように移行するかについてのマーケットの思惑に相場が左右される状況が継続される。ただし、長期債に関しては、まだ比較的安定的な金利を維持できると思われる。

・中短期ゾーンについては、コアCPIが年末に向けてプラス化してくることがほぼ織り込まれつつあるが、具体的に、日銀の量的緩和解除に向けた取組をどう考えるかは、投資家によって意見が分かれている。

・中短期ゾーンについては、日銀の政策変更の影響が大きい。具体的には、日銀が実際にゼロ金利を解除するタイミングがいつなのか推理し、割安だと思えば買うし、割高だと思えば売る。ポジションを全て解消するということは考えていない。

・今後の市場のテーマは日銀の量的緩和の解除時期をどう見るかということであり、おそらく足下の可能性を織り込んだ状態にあると思われるが、今後はその確率をどう見るか、もしくは手順というか、具体的な量を解除して、金利を上げるタイミング、次に上げる金利の幅等々を確認していくことになると思う。

・9月の選挙で民主党政権となった場合は、量的緩和の早期解除がマニュフェストで言われており、また、自民党政権が維持される場合でも、来年9月の小泉首相退陣直後には日銀は大きな政策変更はやりづらい面があることから、本年末から来年前半にかけての半年間は、日銀として何かをやりたいインセンティブが高まってくることも予想され、予断を許さない状況となる可能性はあると見ている。

・引き続き穏やかな金利上昇が継続する可能性は高いとは思うが、やはり大事なのは、日銀がいかにマーケットと対話をしていくかであると思う。今回の上げ局面は、そういった意味で、うまくいったのではないかと思っており、こういった形で継続していくならば、量的緩和の解除も、あまり大きなレンジの触れがなくできるのではないかと思っている。

・イールドカーブは、ここもと10年の需給がよく、20年の需給があまり良くないという傾向が見られていた。7年―20年、10年―20年といった年限間のスプレッドについても、これまでと違った見方をする向きが出てきており、海外勢も需給構造が少し変わりつつあるいうイメージを徐々に持ち始めているのではないか。

・今回の下げ局面では、普段比較的弱かった超長期ゾーンが強く、フラットニングしたが、グローバルに見て、JGBのカーブは、まだかなり立った状態であり、特に最近、20年セクターを気にしている海外投資家もいることから、今後はそこがテーマとなるのではないか。

○物価連動国債について

・物価連動国債については、足元BEIが大きく縮小し、マーケットメイクをする立場としては正直辛い状況となっている。しかし、物価連動国債市場は、今後拡大するマーケットであり、基本的に足元の動きは割高感の修正局面に過ぎないと考えている。

・物価連動国債市場を育成していくためには、新たな投資家の参加を促してくことが必要であり、そのためには、会計処理の問題とレポの取引の統一的な慣行の整備が不可欠と考える。これらの点については、少し時間がかかるテーマではあるが、関係者で引き続き取り組んでいく必要がある。

(これに対し、理財局から、大略、次のように回答した。

物価連動国債に係る会計処理上の問題については、当局としても認識しており、先週会計基準を所掌している財務会計基準機構と会計基準の下にある実務指針のメンテナンスを担当している公認会計士協会との協議に着手したところ。当局から、米国会計基準及び国際会計基準では、フロアーのない商品であってもP/Lヒットさせる必要のない取り扱いになっており、わが国においても同様の取扱いをすることができないかという要望をしたところ、財務会計基準機構及び公認会計士協会は、まずは、米国等における取扱について精査し、その上で検討させていただきたいとのことであった。その際、物価連動

国債の扱いに対する理屈付けのほか、他の商品への波及等も併せて検討していく必要があるということであった。現時点では、当局として要望している段階であり、

今後の見通しについては確たることはいえないが、当局としては、引き続き、国債市場特別参加者等の協力も得ながら、財務会計基準機構及び公認会計士協会とともに一層の議論を進め、できるだけ早期に結果が出るように取り組んで行きたい。)

・物価連動国債に関しては、まだ導入して間もない商品であり、流動性等の面で問題はあるが、会計上の問題、またレポの整備等が今後本格的に進められていけば、参加者も徐々に増え、最終的には安定した市場に移っていくのではないか。

・同様の商品を発行している諸外国では、いわゆるP/Lヒットしない会計処理が認められているが、一方、国内の投資家は、評価損益の資本直入が認められないため、他の要因が揃って物価連動

国債を購入したいと思っても、手が出しづらいという状況となっている。まだ議論が始まったところで、どういう展開になるか見守っていかなければならないと思うが、会計面での整備に向けた協議が始まったことについては、市場関係者としては歓迎したい。

・物価連動国債をマーケティングする際、中央の金融機関からは会計の問題が一番の懸念材料として挙げられており、この点が改善されれば流動性の向上も期待できる。

・物価連動国債については、レラティブバリューの観点から投資する外国ファンド等の買いが入っており、第4回債も4割以上は外国ファンド等が保有しているのではないかと思っている。ただし、こうした投資家は入札が近づいてくると利食い売りをする可能性もあり、現状の発行量を今後も維持していくためには、大口の保有者が参入してくることが望ましい。その意味で、会計制度の問題というのはやはり非常に大きく、地方の顧客にヒアリングをした結果、半分程度の先から、会計の問題が投資を検討する上で支障になっているという回答があった。

・物価連動国債の会計処理については、投資信託に組み入れること等により、問題点を回避する動きも一部に出ている。色々と手を打つにしても、こうした民間サイドの自助努力によって利益を取っていく動きを活かせる形にすることが必要。

・物価連動国債は100円での償還が保障されておらず、一部投資家にはフロアを付けることに対するニーズがある。この点に関連して、年金基金の運用については、元本保証がない仕組債を資産に組み入れることを控えるような指針があると聞いており、本来国債として安全性が非常に高い商品であることにかんがみ、財務省として物価連動国債を年金基金が保有しやすくなるような環境作りに向けた働きかけができれば、国内投資家層の拡大につながると思う。

(これに対し、理財局から、フロアについては、これまでも様々な意見が出されているが、今のところ物価連動国債に関する商品性の見直しは考えておらず、まず会計処理の問題について、財務会計基準機構及び公認会計士協会等とともに検討を進めていくことが先決と考えている旨回答した。)

・フロアをつけることにより、投資家層が広がるという面があるのは確かだが、実際に10年後に100円割れする確率が非常に低いにも関わらず、フロアをつけることによって利回りが下がってしまうことにより、商品として魅力が下がると考える投資家がいることも事実だと思う。まず、会計面の整備を進め、その後どうするかについては、投資家のニーズをよく見極めながら考えていくべき。

・地方の顧客にヒアリングしたところ、クーポンが低いので買えないという先が3分の1くらいおり、そういう意味ではフロアをつけることによってクーポンが下がることはデメリットとなることに留意が必要。

・現在、日証協の債券現先取引研究会(レポ研)において、物価連動国債の貸借レポにおける時価総額の算出の考え方、連動係数の適用の在り方等に関する市場関係者の統一的な見解をベスト・プラクティス・ガイドという形で提示すべく検討している。既に大筋において内容が固まりつつあり、9月6日の入札前までには公表する予定。こうした取組により、物価連動

国債の流動性を高め、市場の活性化を実現していくことは我々の特別参加者の責務であると考えている。

・8月の中旬からアメリカの金利が上げ止まって低下に転じていることや、株の上昇が一服してきたということもあって相場の戻りが顕著である中、物価連動国債の戻りの鈍さが目立っている。6月からのBEIの縮小については、アメリカのTIPSマーケットの調整や、世界的なディスインフレの状況等も背景にあったと思うが、足下では日本独自の要因により物価連動

国債が割安化している状況であると思う。この背景としては、来週に入札を控えていることもあるが、投資家層が広がっていないことが大きい。

経済環境的には、インフレ期待が高まらない中で、物価連動国債にはなかなか投資しづらいという面も大きいが、業者がきちんとマーケットメイクしてくれるのかという流動性への不安もある。その意味では、レポマーケットの整備は非常にプラスであり、今後、業者が責任を持ってマーケットメイクをしていかなければならないと考えている。

・物価連動国債については、BEIが下落する過程では、これまであまり関心を示していなかった海外ファンドからも引き合いが入っていた。今後、レポ市場が整備されれば、そういった先が参加してくることが期待される。

・物価連動国債は、ボラティリティが極めて大きく、リスクテイク能力が下がっている中でディーラーがうまくマネージできなかったというのが一番の問題。ただし、ここにきて、相対価値の観点から投資する外国投資家がディーラーに代わってリスクテイクするような状況も出てきて、マーケットとして健全な状態となってきているという認識。

・物価連動国債に関しては、国内の最終投資家が参加していないことから相場に厚みが出てこず、結果として外国人もなかなか入りづらいといった状況になっているのではないか。したがって、今後会計上の問題、あるいは商品性の見直しによって国内投資家の参加が広がってくるようになれば、外国投資家も入ってくると思っている。

・物価連動国債については、BEIが40bp台まで低下する中、「このレベルなら買いたい」という顧客も出てきており、消化に時間はかかるものの、そう慌てる必要はないと思っている。そもそも物価連動

国債は、普通の利付債と比べ、ボラティリティが高い商品であり、そうした点を認識したうえでリスクを取る必要がある。

・物価連動国債の足下の動きは、来週の入札を意識してやや売られすぎている面もあるが、割高部分の修正局面と認識。本来想定されていた長期的なインフレヘッジという投資目的を考えると、本来年金が保有主体となるべき業態であるが、残念ながら年金勘定で購入している先が非常に限定的であるという状況にあり、年金等の保有促進に向けた環境整備が望まれる。

・金利上昇をヘッジしたい投資家はたくさんいるが、物価上昇をヘッジしたい投資家はそれほど多くない。その意味では、年金が物価連動国債の主要な投資家となるべきと思われるが、まだ、物価連動国債をきちんとポートフォリオに組み込むまでには至っていないのが現状。将来的にはこの点が一番のポイントになるのではないか。

・生損保は株や土地を保有しており、インフレヘッジのニーズはそれほどないことから、投信や年金といった新しい投資家が参入されることが期待される。ただし、そうした投資家も9月の決算を迎えており、買いづらい点が懸念される。ただし、落ち着けば、商品性には十分魅力があると思っている。

・物価連動国債は、本来年金向きの商品であるが、年金は決定のプロセスが遅く、足下の急速な発行増に着いてきていないというのが実態。当面、銀行の本格的な参入が期待される。20年国債の時もそうであったが、流動性があれば投資家が増えるというより、投資家がいないと流動性がつかないということがいえることから、会計などの面で環境整備を進め、最終投資家を増やしていく必要がある。

・物価連動国債については、地方の投資家の中にも関心を持つ者が増えてきている印象を持っている。

・物価連動国債については、投資家は、会計基準というよりむしろ流動性を問題視している。流動性向上によりロジカルなプライスの動きになれば、投資が促進されるのではないか。

・物価連動国債については、海外投資家等の保有が可能になったものの、投資家はまだ限定的で、流動性が依然低いことがネックになっている。会計上の問題等を一つ一つクリアする中で、徐々に投資家層の厚みが増し、プライスもより理論的に動くようになれば、将来的には魅力のある商品であり、徐々に堅調な展開になっていくのではないかと考えている。

・物価連動国債というものは、10年のデュレーションリスクを取る商品であり、金利が上がれば価格は下がるということがあらためて確認されたと思う。また、デフレ観測が薄まっていく中でBEIが縮小したように、結果的にはまだ流動性が十分ではなく、期待インフレ率を十分に反映させるほどの商品ではないと思う。ただ、この商品は、ある程度時間をかけて、長期的に育てていくべきものであり、会計処理についての検討等インフラ整備が進めば、徐々に物価連動国債のマーケットも、広がっていくと考えている。

・マーケットの市場育成の観点から、日銀の買入オペの対象になっていない物価連動国債、30年債及び変動15年債について、日銀の買入れオペや国債整理基金によるバイバックの対象にすることにより、流動性を高めることができないのかと思う。(これに対し、理財局から

、大略、次のように回答した。

日銀の国債買入オペの対象になっていない物価連動国債、変動15年債、30年債についてもオペの対象として欲しいという要望があることは認識しており、当局としても日銀にかねてからお願いはしているものの、最終的には日銀が国債買入オペの目的に照らして判断するもの

である。他方、国債整理基金が行う買入消却については、現時点では2008年度問題への対応ということで行っているが、この春以降、買入消却の新たな目的のための活用について検討を進めているところであり、この新たなバイバックにおいては、日銀の国債買入オペの対象

かどうかと関係なく、その目的に照らして適当と認められれば、対象銘柄となり得るものである。この点については、日銀オペの対象となっていない銘柄はバイバックの対象にもならないと思っている関係者もいるかもしれないので、改めて申し上げたい。)

・物価連動国債に関しては、五千億円が三ヶ月ごとに発行されるのは少し荷が重い。

・物価連動国債については、まだ市場の厚みが乏しく、需給の偏りが起きていることから、レポ市場が整備されただけでは状況は変わらないとは思う。ただし、投資家層は除々にではあるが着実に増えてきており、財務省として、物価連動

国債を育成していくことに対する明確なコミットメントを

示すことが重要。この段階で、発行量の減額や商品性の見直しといったコミットメントが揺らぐようなことはすべきではない。

(2)次に、理財局より2年債の発行日の変更について、資料に基づき説明が行われた。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 辻・田原

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

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出典:財務省