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auctions / pd / m / 61 — 2015-06-12

国債市場特別参加者会合(第61回)

開催日2015-06-12
場所財務省 第3特別会議室
議題
1. 平成27年7月における物価連動債の発行額について〔参考配布:資料1〕
2. 平成27年7-9月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2〕
3. 平成27年7-9月期における買入消却入札について〔参考配布:資料3〕
4. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

配布資料

資料1PDF
資料2PDF
資料3PDF
参考資料PDF

議事要旨

○平成27年7月における物価連動債の発行額について、理財局から以下のように説明を行った。

・資料1のP1は入札の状況、P2は発行再開後の各銘柄のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の推移を示しており、足元はいずれも安定して推移している。

・7月の物価連動債の発行額については、P3のとおり、現状維持の5,000億円とする案を提示している。事前に意見を伺ったところでは、5,000億円の発行額を適当とする意見が大多数であった。

・これについて特段のご意見があれば伺いたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・発行額については当局の提案に異論はない。BEIは2月以降堅調に推移しており、物価連動債へのニーズも相応にみられるものの、流動性の低さは引き続き問題だと思っている。この点、日本銀行に対して、物価連動債の適格担保の掛け目を引き上げることを要望したい。同掛け目は昨年10月に89%から93%に引き上げられたが、更なる引上げがなされれば、投資家が物価連動債を購入する際の資金調達コストが低下し、流動性の向上にも資するものと考えている。

2. 平成27年7-9月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2〕

○平成27年7-9月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・資料2のP1及びP2は最近の応札状況、P3は、4-6月期の入札における残存期間別発行額を示している。市場参加者からは、残存5-15.5年ゾーンの発行額を月5,000億円に増やしたことで落札銘柄が分散しており、より多くの参加者への流動性供給につながっているとの声が聞かれている。また、残存15.5-39年ゾーンについては、応札倍率が低めとなる場合やテールが広がる場合もあるものの、同ゾーンにおけるオフ・ザ・ラン銘柄へのニーズは相応に存在することから、3,000億円程度の発行額は維持することが適当ではないかとの声も聞かれている。

・以上を踏まえ、7-9月期における発行額の配分については、P4のとおり、残存5-15.5年ゾーンを月5,000億円、残存15.5-39年ゾーンを月3,000億円として現状維持とすることを提案する。事前に意見を伺ったところでは、この配分が適当であるとの意見が大多数であった。

・また、残存5年以下の銘柄の流動性の状況及び流動性供給入札の対象銘柄の在り方については、前回の本会合において、引き続き議論・検討するとしたところ。今回、事前に意見を伺ったところでは、残存5年以下のゾーンの流動性は引き続き低いとの意見が聞かれた一方で、従来需給が著しく逼迫していた一部の銘柄に4月以後も一定の売却が見られており、早急な対応が必要とまではいえないとの意見も聞かれた。足元の市場の状況を見ても、残存5年以下における流動性の低下が国債市場全体の不安定化を招きかねないといった状況にはないものと認識している。以上を踏まえ、本件については、引き続き市場の状況を注視していくこととしたい。

・7-9月期における流動性供給入札の発行額については、本日いただいた意見も勘案して総合的に判断したいと考えており、改めてご意見を頂戴したい。

・なお、流動性供給入札の対象銘柄は、これまで同様、カレント銘柄以外の全ての銘柄とする方針である。また、10月以降の流動性供給入札の具体的な実施方法は、引き続き、本会合及び国債投資家懇談会で四半期毎に検討する。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案のとおりで問題ない。

・今月実施された残存15.5-39年ゾーンの流動性供給入札は強い結果であったとはいえ、同ゾーンの入札はテールが流れることが多い。一方、残存5-15.5年ゾーンについては、残存5年より少し長いゾーンに需要が集中しており、需給に偏りのある銘柄が散見されるため、同ゾーンに増額余地があると考えている。

・当局の提案に賛成する。残存5年以下の銘柄については、マーケットで売買が成立し難いものの、全く売買できない状況ではない。オファーとビッドの差も広がっていないことを踏まえると、残存5年以下の銘柄を入札の対象に加えない方がマーケットの安定化に資するのではないか。

・当局の提案に賛成する。残存5年以下の銘柄の流動性は改善しており、現時点での対応は不要と考えているが、残存2-3年のゾーンにおいては流動性が極めて低下している銘柄が見られるため、引き続き対象ゾーンの拡大について議論を続けてほしい。

・当局の提案に異論はない。残存5年以下の銘柄に投資家のニーズが生じることもあるため、対象ゾーンを残存1-15.5年に拡大することも一考かと思う。当局の事務的な負荷がないのであれば、残存1-5年ゾーン及び残存5-15.5年ゾーンに分割した上で入札を実施してもよいのではないか。

・当局の提案に異論はない。30年債及び40年債の発行額の増額の影響もあると思われることから、残存15.5-39年ゾーンの発行額は現状維持を希望する。残存5年以下のゾーンでは、日銀買入の影響により引き続き需給が逼迫している銘柄があり、投資家のニーズに対応できないことがあるため、対象銘柄の拡大について検討してほしい。

・当局の提案に賛成する。残存5年以下のゾーンの流動性について、早急に対応が必要という状況ではないものの、特に残存2-3年ゾーンにおいては、日銀買入の影響もあって需給が逼迫しており、たびたびマイナス金利となっている。今年1月から2月にかけての国債市場のボラティリティの拡大は、中短期ゾーンの流動性の低下が要因であったと認識しており、対象銘柄を残存2年までに拡大することを検討してほしい。

3. 平成27年7-9月期における買入消却入札について〔参考配布:資料3〕

○平成27年7-9月期における買入消却入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・足元の15年変動利付債の買入消却入札の結果は資料3のP1のとおりであり、4月に入って以降、買入最大価格格差・平均価格格差ともにマイナスに転じている。

・他方、P2で示しているとおり、4-6月期に1回の入札当たりの買入額を200億円減額したにも関わらず、全銘柄平均の市場価格は下落することなく推移している。この結果、多くの銘柄について市場価格が理論価格を上回り、全体として当局が割高な価格で買入れを行っている状況に変わりはない。

・P3は、これまで示した残高推計を更新したものである。これまで同様、15年変動利付債の残高は、6月からの償還の開始に伴って逓減する見通しとなっており、平成27年度においては1兆円を超える償還が予定されている。

・7-9月期の買入消却入札について、事前に意見を伺ったところ、現状維持を望む意見も多く聞かれた一方、市場原理に基づく価格形成を促すためにも、買入額を更に減額するべきであるといった意見も相応に聞かれた。

・以上を踏まえ、前回の本会合で示したように15年変動利付債の買入消却入札は今年度縮小していくとの方針の下、7-9月期の買入消却入札については、P4のとおり、1回の入札当たりの買入額を600億円に減額するとともに、買入頻度を引き下げ、日銀買入オペの実施の有無に関わらず月1回とすることとしたい。

・以上について、本日いただいた意見も勘案して総合的に判断していきたいと考えており、改めてご意見を頂戴したい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案のとおりで問題ない。

・当局の提案に賛成する。投資家からは現状維持を望む声が聞かれているが、償還により市中残高が減少する中で、買入額を現状維持とすると投機的な動きが出かねない。

・当局の提案に異論はない。4月以降、買入消却入札における買入価格格差はマイナスとなっているものの、依然として市場価格が理論価格を上回る状況であり、市場原理に基づく価格形成を促す観点から、買入額を減額することで問題ない。

・当局の提案に異論はない。国債の発行や日銀買入オペの入札の回数が増加しており、証券会社のオペレーショナル・リスクが増大していることを考えると、1回でも入札の回数が減ることは望ましい。

・当局の提案に異論はない。ただ、最終的に15年変動利付債の買入消却入札を終了することを考えているのであれば、早い段階でマーケットに対して当該方針を打ち出してほしい。

・現状維持を希望する。今月から償還が開始するものの、未だ市中残高は多く、地方の投資家を中心に売却ニーズが相応にみられることから、もう少し緩やかなペースでの減額が望ましいと考える。もっとも、減額の方針自体に異論があるわけではなく、1回の入札当たりの買入額を600億円に減額しても大きな混乱が生じるとは考えていない。

・現状維持を希望する。市中残高が相応に残っている一方、マーケットでの流動性がほとんどなく、売却する場合には当局の買入消却入札に頼らざるを得ない。もっとも、当局の提案する減額幅であればマーケットへの影響も大きくはないと考えられるため、反対はしない。

・現状維持を希望する。15年変動利付債の潜在的な売却ニーズは存在すると考えており、減額方針は理解できるものの、大幅に買入額を減額することは避けてほしい。現状維持が難しいのであれば、1回の入札当たりの買入額を600億円に減額しつつ、買入頻度は現状維持としてほしい。

4. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料〕

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・足元、海外の金利及びボラティリティの上昇の影響が日本市場にも波及している状況であるが、この背景には日本やドイツの国債市場における流動性の低下があるものと思う。ドイツにおける金利上昇は、ファンダメンタルズを反映しているというよりも流動性低下の影響による面が大きいと考えており、日本も経験したように、今後は中央銀行による買入れの効果が効いてくる中、時間をかけてドイツの金利も低下していくのではないか。

日本においては、金利が低下した後上昇するというパターンを一度経験したことによって、今年度はそうしたパターンが複数回繰り返されるのではないか。こうしたパターンが繰り返される中で市場参加者にとってのリスク値が上昇し、国債の購入余力が低下する結果、大きな金利上昇につながりかねないと考えている。外部環境において様々な材料があり、日本銀行による国債買入の先行きにも不確実性がある中、流動性の低下によってどのような事態が生じるか、注視していきたい。

・今年1月の金利上昇の後、金利が低下する局面においてもボラティリティが下がりきらず、4月に入ってから海外の動きに引っ張られて再びボラティリティが上昇する展開となっている。この背景には流動性の低下があるのかもしれないが、欧州の金利が大きく低下したことで、欧州市場と日本市場とで相互にボラティリティを提供し合うような状況となっていることも一因ではないか。こうした状況が続く間はボラティリティの高い相場が継続すると考えており、米国の利上げに伴う世界の金融市場の変動にも影響を受けていくものと思う。ボラティリティに比してリターンが伴わない市場環境が続くのではないか。

・日本銀行が公表した4月の展望レポートで物価安定目標の達成見通しが後ろ倒しとなったこと等を踏まえれば、金融緩和が継続する国内環境には大きな変化はないものと考えている。海外では欧州中央銀行(ECB)による国債買入の開始に伴ってボラティリティが上昇しているが、日本でも経験したように、今後ECBによるオペの手法が明らかとなり、市場とのコミュニケーションが改善していけば、欧州の金利上昇は一服するのではないかとみている。そうなれば日本においても、日本銀行による大量の国債買入によって金利上昇が抑えられる状況に戻っていくものと思う。

・米国やドイツも含めて国債市場の流動性が低下する中、足元の金利上昇はファンダメンタルズの改善の影響よりも流動性低下の影響による面の方が大きいと考えている。仮に足元の金利上昇が専ら流動性低下によるものだとすれば、金利が上昇するのも早いが低下するのも早いと考えられ、方向感がつかみづらい状況ではあるが、金利は最終的には低下方向にあるものと考えている。

市場は年内の米金利引上げは織り込んでいるが、その後の利上げのペースがどうなっていくか、FOMCの動向に注目していく必要。今後日米の短期金利差が拡大し、円安が進む中で、円安の悪影響に焦点が当たるような事態となれば、日本銀行の金融政策の柔軟性が失われ、金利上昇圧力が生じる可能性があるものと考えている。

・今年に入ってから日本国債との相関が最も高いのは米国債であり、その動向には引き続き注視する必要。

流動性の乏しさとともに市場で指摘されているのが、市場参加者の減少。短期のキャピタルゲインを狙って国債を購入した参加者が、売却したい水準で売却できない状況となってきている。最近の金利上昇の背景にもそうした要因があるのではないか。

また、最近の金利上昇のもう一つの要因として、財政リスクの高まりを指摘する声が高まっている。今月末頃までに策定される財政健全化計画においては、歳入についての議論が進んでいない中、長期に渡って景気変動をコントロールすることは難しいことを考えれば、歳出改革に重点を置くことが必要。2020(平成32)年度プライマリー・バランス(基礎的財政収支)黒字達成目標の維持は当然として、市場参加者の中には財政についての不安が根強くあることから、具体的な数字や根拠を示すことでこれに対処しなければならない。仮に金利が跳ね上がるような事態となれば、アベノミクスの成功も不可能となるため、全力で財政健全化に取り組む必要。

出典:財務省