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auctions / pd / m / 5 — 2005-05-31

国債市場特別参加者会合(第5回)

開催日2005-05-31
場所財務省 第1特別会議室
議題
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

配布資料

資料①PDF
資料②PDF
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議事要旨

(1)はじめに、最近の国債市場の動向等について意見交換が行われた。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・まだ踊り場局面にある日本の景気が今後いつ頃踊り場を脱して、巡航速度の回復に戻っていくかについて市場の見方が分かれていること、株価が債券市場が警戒感を持つような12,000円前後の水準に達するのはまだ程遠いこと等から、景況感の上振れを材料とした金利上昇が見込みにくい状況となっている。

一方、国債の需給動向は、今年度は比較的償還が多いこと、公的セクターの市場運用額も昨年度に比べると大幅に増えているなど良好な環境にあり、金利が上がりづらいという見方が増えている。

そのため、今後一段と株価が上昇したり、日銀短観等の経済指標で景気の上振れが警戒されるようなことになったりしない限り、当面は新発10年国債利回りで1.2%ないし1.3%台を中心とした動きになるのではないか。

・今年度、特に下期においては、景気回復により、今よりも金利が上昇し、高い水準で推移するとの見方がメインシナリオであったことから、投資家としては、現在の金利水準では買いたくないというところだと思うが、逆に投資家が買っていないのに金利水準が低いというのは、売りが非常に少ないということでしか説明できない。

昨年夏来、金利上昇、量的緩和の早期解除観測が広がる中で、デュレーションの短期化等により金利上昇に強いポートフォリオを作った結果、投資家にとっても金利上昇の方が好ましい状況になっていることを考えれば、下期にも金利が上がらず、その水準で債券の購入を迫られる、または、あまり蓋然性が高くないとは思うが、景気後退が現実のものとなって、更に金利が下がり、10年国債利回りで1%割れといった場面を迎えるといった方がむしろリスクシナリオとなるのではないかとも思っている。

・当初の想定以上に景気の踊り場局面が長くなっているが、特に北の方の景気回復が進んでいないなど、地域的な景気の濃淡、格差が埋まらないという状況を考えれば、今のような状況はまだしばらく続くだろうというのが投資家の心理ではないか。また、去年、一昨年の6月の金利急騰の経験から、ポートフォリオ上、金利上昇への備えが進んでいることが、金利のスタビライザー的な機能を果たしているという面もあり、目先金利は上がりそうもないと考えている。

ただ、逆説的ではあるが、こういう考え方が支配的となってくると何となく気持ちが悪いというのも事実である。

・需給環境が非常に良く、景況感もまだ踊り場からの脱却がいつになるかの判断が明確でないという状況にあり、あえてここで債券を売らなければならない理由が乏しいのは確か。ただ、毎年6月は期初の買いが一巡するタイミングであり、昨年、一昨年には景況感が好転するタイミングとも重なって大きな調整があったこと、本年3月上旬に安値をつけてから、すでに3ヶ月弱も強気相場が続いており、自律調整的な局面が近々あってもおかしくはないことから、6月に多少の相場の調整があるのかもしれないとは考えている。しかし、昨年のような急落という状況にないのは確か。

また、今の時点では、米国市場において、3月以来、一部社債市場の混乱等から国債に資金を回避するような動きがあって、まだそういった資金の流れが止まっていないことから、株価は上がってきているものの、米国の長期金利が4%台前半とかなり低位に張り付いている状況であるところ、その点との関連も引き続き見ていく必要がある。

・良好な需給環境に加え、5月20日の日銀金融政策決定会合で当座預金残高の下振れを認めるという決定がなされたことにより当面金融政策の大きな変更がないだろうという安堵感が出たこと、世界中でインフレに対する期待が後退し、金利が低下傾向にあることもあり、当面日本の金利も現状近辺で推移すると思っている。

ただ、先行きについては、景況感が今後非常に良くなるという見方とあまり良くならないという見方に分かれている。また、物価については、当面あまり上がらないという見方が一般的ではあるものの、先日発表になった4月のCPIが前年度対比でマイナス0.2%で、米価の下落や公共料金等の下げ部分を除くとプラスになっており、CPIが10月以降プラスになってくれば、債券マーケットにとって波乱要因になり得ると見ている。ただし、それまでは時間があり、基本的に金利の低位安定が続くのではないか。

・今の相場を形成しているファクターのうち、あえて一番影響の大きなものをあげるとすれば、本当に景気の踊り場局面がいつまで続き、その後景気がどちらの方向に向うのか、そして、その時に日銀がどのように動くのかという点にある。

・現在の債券相場にとっての波乱要因をあえて挙げるとすれば、株が想定外に上昇基調に入った場合ということなのではないか。

・今年度に入って日米ともに株価が軟調に推移し、債券相場が堅調となった背景としては、海外勢の資産アロケーションに変更があったという点がある。

日本・中国といった主要国の保有状況が変わらなかった中で、ヘッジファンドが本拠とするカリブ等が米債の残高を増やしたという動きにも見られるように、米国において、株価が低調に推移する中で、3月から4月にかけて投資家が資産構成を債券にシフトさせている。この動きは日本国債の需給にも影響しており、年初来の累計では海外の買い越しはすでにかなりの額になっている。

国内の投資家は、景況感の先行きについての判断がつかず、買い増しというよりは、消去法的に資金を潰すといった動きとなっている中、期初の買いがあまり実感として感じとれない状況にある。今の相場形成にあってはむしろ海外勢の影響が大きいのではないかと考えている。

波乱要因とまでは言えないが、先物の買い建ても含めて、かなり国債に買いを入れてきた海外勢が、6月上旬に出される日米の経済指標を受けて、再度株を中心としたリスク資産に向かうという動きが出てくれば、レンジの切上げにつながるかもしれない。

・海外投資家の買い越し状況が続いており、昨年の夏以降国内の投資家が残高を落とし、売り越しに転じた分をほぼ吸収したというのが最近の動き。海外IRの展開や昨年春で日本国債の格付けが底を打ったことにより、海外勢の日本国債に対するエクスポージャーが復元していくのであれば、海外勢が売り越しに転じるリスクは大きくはないのかもしれないが、目先の金利の方向感という意味では海外勢の動向の影響は大きいと考えている。

・波乱要因をあえてあげれば、安心感が市場の中で広がっている中で、買いが持続するようだと、最終的に金利上昇方向への材料が出たときにサプライズとなって、買いが全くなくなるような状況が考えられる。また、現在グローバルな債券高という状況にあるが、米国株価が戻り歩調にあることが鮮明になってきたときに、日本のマーケットに影響が出るといった展開があるかもしれない。

・為替も104円~110円ぐらいのレンジにあり、米債や日経平均も非常にタイトなレンジ内で推移しているなど、世界中の市場で非常にボラティリティが下がっている。各市場のボラティリティが下がれば、当然リスクプレミアムが低下し、キャリーのとれる商品に資金が向かう傾向にある。それが顕著に表れているのが米国の債券市場であり、カーブがフラット化し、利上げ局面の中で金利が低下するという珍しい状況になっており、その影響は日本にも及んでいる。

どこかの市場で相場が大きく動き始めたことを契機に、低下したボラティリティによってはがれ落ちたリスクプレミアムが回復するというシナリオは十分に考えられる。

(2)次に理財局より、資料①に基づき、国債整理基金による既発国債の買入の活用等について説明がなされた後、意見交換が行われた。

4出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・現行の買入消却の延長線上にあるものとして、国債償還の平準化を主たる目的としつつ、市場流動性の向上及びイールドカーブのスムージングを図っていくという形が理想ではないか。その場合、発行体である財務省が、全体のバランスの中で銘柄を選択し、イールドカーブのスムージングを図っていくというような形がよいのではないか。

・イールドカーブのスムージング、すなわち個別の割安銘柄の是正を目的として実施する場合には、本来市場が持っている市場機能を阻害しないよう配慮することが必要。

また、同じく負債構成の適正化を図る手法として、スワップとどのように使い分けをするかについては、バイバックや流動性供給入札により特定銘柄の発行額を調節するやり方の方が、他国で行われていることもあって、市場に受け入れられやすいと思う。

・「イールドカーブのスムージング」を目的として強調しすぎれば、逆に市場機能を歪めかねない面もあり、「国債管理政策の新たな展開」にあるように、「市場の流動性の向上」を主たる目的として実施してはどうか。

流動性供給入札と同様、銘柄選定等で制約を設けるというのはあまり好ましくなく、極力全ての銘柄が対象となることが望ましい。仮に銘柄を絞るということであれば、事前に特別参加者の意見を聴いた上で選定して欲しい。

・今後、バイバックの目的については、市場流動性の向上及びイールドカーブのスムージングよりも、むしろネット発行額の調整、コストアットリスク分析及び国債償還の平準化を中心に考えていくべきである。

財務省が、発行体として、どういう目的で、流動性供給入札及びバイバックを行い、どういう銘柄を対象とするのかを市場に示していくことは重要であるが、対象を広げて市場のニーズを聞きすぎるとディーラーのポジション調整に使われるだけになりかねない。銘柄等については、市場のニーズをある程度聞きつつ、基本的には、財務省の意向で決めて良いのではないか。

その際、日本の市場では、流動性が低下している債券は、需給がタイトで割高になっているケースが多く、そうした銘柄を追加発行によりスムージングする方が流動性向上に資することに留意すべき。バイバックは、むしろネット発行額の調整や国債償還の平準化を目的として行うべきなのではないか。

ネット発行額の調整については、個人向け国債の発行額が当初の予定額を超えた場合、第Ⅱ非価格競争入札の発行額が予想を上振れた場合、流動性供給入札で追加発行された場合等について、バイバックにより調整することが考えられる。

・市場流動性の向上及びイールドカーブのスムージングを目的として行う場合とネット発行額の調整、コストアットリスク分析及び国債償還の平準化を目的として行う場合は、市場の観点に立つものと財務省の観点に立つものという意味で異なるが、発行体としてバランスをもって実施すれば良い。

その際、オン・ザ・ラン銘柄だけでなく、その周辺銘柄のニーズも強いのが日本市場の特徴であり、欧米のように、オフ・ザ・ラン銘柄を買い切ってオン・ザ・ラン銘柄の発行量を増やすというのではなく、全銘柄に対する流動性を確保することが基本ではないか。

また、国債整理基金の余資運用というと、同基金の買切り・売切りオペというイメージもあることから、この目的によるバイバックも行う場合には、一回の買入額があまり大きく変動しないような配慮が望ましい。

・フランスでは、1年超の国債を買い入れる「リバース・オークション」と1年未満の国債を買い入れる「店頭買入消却」という2種類のオペレーションを並行して行っている。

このうち、「リバース・オークション」は、発行量が多ければ多いほど流動性が高いという考えに立って、例えば、発行後5年を経過した10年債を買い戻す代わりに5年債をまとめて新発債として出すというものであり、5年債等の入札日に併せて買入の入札が行われている。なお、オフィシャルな形では表に出ていないが、「リバース・オークション」導入当時の議事録等によれば、スワップを受けることによってデュレーションをコントロールするのと同様、既発債を買い戻すことによりデュレーションコントロールをしたいという仏財務省の意向もあったようだ。

「店頭買入消却」の方は、例えば、2003年に、2004年償還の国債を買い入れるというものであり、国債償還の平準化を目的としたもの。

いずれにしても、マーケットから見て、イールドカーブのスムージング目的を前面に出してやっているという印象はなく、そういう点も意識はされているということなのではないか。

日本については、フランスのように1回の発行量が小さいのでまとめて発行するというニーズがどこまであるのかやや疑問であり、また国債償還の平準化についても、単年度で翌年に送るだけであれば、あまり旨みはない。そのため、具体的なやり方はフランスとは違ってくると思われる。

・金額、頻度については、市場へのインパクトに留意することが重要。例えば、1回当たり1,000億円、多くても月2,000億円程度であれば、市場に大きく影響を与えるということは考えにくい。

・1回当たりの買入金額については、実際にやってみないと分からない部分はあるが、500億~1,000億円程度が適当かというイメージを持っている。

・対象銘柄数及び買入金額については、現在の買入消却と同様、1回10銘柄程度、買入額500億円程度というのが比較的適切なオペレーションの範囲なのではないか。実際にやってみないと分からないが、1回当たり1,000億円とした場合、多少なりとも市場に影響が出てくるおそれもある。

実施時期については、不定期ではなく、現行のように月初とするか、月後半とするかはともかく、定例的に実施することが望ましい。

・買い切りの規模については、フランスでは、「リバース・オークション」が総発行額の約5%、「店頭買入消却」が約2%となっているが、これを日本にそのまま当てはめるのは、やや過大という印象。やはり現行の買入消却の買入額プラスアルファくらいをコンスタントに継続して行くのがいいのではないか。

・買入銘柄の選定、買入金額、頻度及びタイミングは月1,000億円程度、事前アナウンスについては現行の買入消却に準ずるもので問題ないと考える。

・現在の買入消却は、取引時間中に、オファー・応募・結果発表が行われているが、事務上の問題、相場変動のリスク等もあるので、例えば、午前中にオファーが行われ、応募締切りは前引け後、結果発表は11時半ないし12時半といった仕組みとすることが検討できないか。

・現在の買入消却は、短期・中期ゾーンが対象で、ロットも500億円と少額なので良いが、長期ゾーンを買入対象とする、買入金額を増加させる等の場合には入札のタイミングを日本銀行の買切りオペ又は国債の入札と同じにすることにより、ディーラーが相場の変動にさらされる時間が短くなるよう配慮して欲しい。

・入札実施時刻については、時間外という意見も分かるが、現行のオペレーションで、特に不都合は感じていない。

・入札実施時刻については、残存期間1年未満のものについては、今の環境下では、ほとんど相場が動いていないことから、必ずしも場中にやらなくてもよいのではないか。

・実際に、デュレーションのコントロールや、デッド・マネージメントとしてバイバックを行う場合には、ある程度の規模が必要となることから、予見可能性を確保することが重要ではあるが、割安で放置された銘柄を買い入れると予め宣言してしまうと歪みがなくなってからも買入を続けなければならないという問題もある。日本銀行が国債の買い切りをコンスタントに行っており、イールドカーブ上、割安になっている銘柄があったとしても、それほど長く放置されることは考えられない。事前にアナウンスするといっても限界があるのではないか。

・対外公表のあり方については、現行の買入消却で行われている以上の情報開示を行う必要性はあまり感じていない。開示すればするほど、色々な形で影響が出てくる面もあり、簡潔にオペレーションを実行するという方がよいのではないか。

・大規模なものであればともかく、1回当たり1,000億~2,000億円程度であれば、事前にアナウンスする必要性は低い。

・バイバックを開始する際の議論だけでなく、どのように終了させるかについても議論をするべきではないか。

・流動性の向上という点については、日本銀行の買切りオペである程度手当てされていることもあり、対として考えるべき流動性供給入札の動向が分からない段階で買入規模等について議論を進めても、焦点がぼやけてしまうのではないか。

(3)最後に、理財局より、入札ルールの見直し、香港・シンガポールでの日本国債の説明会の模様及び郵政民営化関連法案について、資料②、③、④に基づき、出席者に対し報告が行われた。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 辻・佐々木

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

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出典:財務省