国債市場特別参加者会合(第39回)
| 開催日 | 2011-09-16 |
|---|---|
| 場所 | 全省庁共用1208特別会議室 |
| 議題 | (1) 平成23年10-12月における流動性供給入札について〔参考配布:資料〕 (2) 平成23年10-12月における買入消却入札について (3) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
| 原文 | 財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元) |
配布資料
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| 資料PDF(未取得) |
議事要旨
(1) 平成23年10-12月における流動性供給入札について〔参考配布:資料〕
はじめに、理財局から、平成23年10-12月における流動性供給入札について、以下のように説明を行った。
・資料1-1のとおり、残存5-15年を対象とする入札は、比較的安定した結果が続いており、残存15-29年を対象とする入札も、4-6月期実施分に比べて無難な結果に収まってきている。また、6月の本会合において、発行対象銘柄を見直す頻度について、入札の都度見直すことが望ましいとの意見が多くみられたところである。
このような状況を踏まえ、資料1-2のとおり、引き続き残存5-15年ゾーン及び同15-29年ゾーンを対象にそれぞれ毎月3,000億円ずつ発行するとともに、発行対象銘柄をアンケート方式で、入札の都度見直す案を提示している。この点について、参考までに事前に意見を聞いた際には、国債市場特別参加者及び国債投資家懇談会メンバーともに、大多数が本案を支持する結果となった。いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し総合的に判断していきたいと考えており、10-12月期の流動性供給入札の実施方式について意見を頂きたい。
なお、資料1-2下段に記載のとおり、アンケート方式の留意点として、引き続き要望の多かった銘柄から順に選定するとともに、要望先が同数となった場合には、日銀保有分を除いた市中残高の少ない銘柄を優先する方針である。
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・当局提案のとおりで特段異論はない。
・10-12月期の流動性供給入札については、当局提案のとおりで特段異論はない。なお、来年度以降の運用については、今年度の第3次補正予算や来年度の国債発行計画の中で増発となる年限を勘案した上で、対象年限やゾーン区分等の見直しに向けた議論をしていくべきではないかと考えている。
・当局提案のとおりで何ら異存はない。唯一挙げるとすれば、対象ゾーンを10年以下と10年超で分けることを将来的には視野に入れるべきかと考えてはいるものの、特段強い意見ではない。
・当局提案のとおりで特段異論はない。需給のバラツキを早期の段階で補完し得るという点において、流動性の向上に効果的と考えている。
・基本的には当局提案のとおりで異論はない。もっとも、残存15-29年を対象とする入札については、昨年9月実施分が大きく流れたことに加え、その後も応募倍率が2倍を切ることもあったことから、将来的には1回当たり3,000億円という発行額が適正かどうか検討の余地があるのではないか。
・発行額及び対象年限について全く異論はないものの、アンケートの取り方について1点提案させていただきたい。現状では、例えば残存15-29年を対象とする入札の場合64銘柄中60銘柄を選択する、すなわちニーズのない4銘柄を選択する方式となっているところ、限られた数社が強いニーズをもっている銘柄が発行対象銘柄から漏れやすくなっている。しかしながら、寧ろこういった銘柄の方が、ニーズ自体は弱いにも拘らず各社が消去法的に選択した銘柄より落札される可能性は高いと見込まれる。各社がニーズの強い20または30銘柄を選択する方式に変えた方が、本当にニーズの強い銘柄が入るのではないか。
(2) 平成23年10-12月における買入消却入札について
はじめに、理財局から、平成23年10-12月における買入消却入札について、以下のように説明を行った。
・物価連動債については、資料2-1のとおり、BEIは下落基調を辿った後、足元ではやや値を戻しており、9月15日時点で実質利回りは0.938%、BEIは▲0.420%となっている。こうした中、買入消却入札は7-9月期に入ってからも安く決まっている。
15年変動債については、資料2-2のとおり、無難な入札結果が続いていることもあり、価格は横ばいで推移しており、9月15日時点で実勢αは0.688%となっている。
資料2-3では、最近4年程の買入消却額の推移を示している。昨年10月の特別会計仕分けの結果を反映し、今年度も国債整理基金の取崩し等を財源とした買入消却を実施してきているところであり、10-12月期についても、従前同様に買入総額は7,500億円を予定している。また、参考までに事前に意見を聞いた際には、国債市場特別参加者からは、市中残高の減少等を背景に物価連動債の買入額を減額すべきとの意見も相応にみられたものの、国債投資家懇談会メンバーも含め総じてみれば、従前と同程度の買入規模、すなわち物価連動債1,500億円・15年変動債6,000億円を維持すべきとの意見が多かったところではあるが、当局としては、本日の意見も勘案し総合的に判断していきたいと考えているので、改めて意見を頂きたい。
なお、買入消却入札のオファー時刻は現行午前10時40分となっているが、本会合及び国債投資家懇談会において特段異論がなければ、10月実施分より同時刻を午前10時10分に前倒す予定である。
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・物価連動債は各月300億円の900億円まで減額し、その分15年変動債を6,600億円に増額することを提案する。また、15年変動債で十分吸収できるので、固定利付債の買入れは不要と考える。物価連動債の足元の市中残高は3.3兆円を若干下回るところまで減少しており、現状のペースで買入れを続けると今年度末には3兆円を下回る。買入消却の副作用として市場機能の低下が生じている中、実勢と引値が乖離するケースが多く、新規取引に対する妙味も薄れている。物価連動債市場をこのまま消滅させるのか、それとも発行再開に向け市場機能を維持していくのかという点を明確化する時期に来ているのではないか。当社は買入消却を減額し、少しでも市場機能の改善を図るべきと考えている。
なお、オファー時刻の前倒しについては、内外の投資家に対する周知徹底の時間に余裕ができることから非常に有り難い対応である。
・7-9月期と同額でよい。物価連動債は500億円×3回の計1,500億円、15年変動債は4-6月期と同様の割振りとし、10月1,600億円、11月2,800億円、12月1,600億円の計6,000億円を提案する。物価連動債は市中残高が減少しているが、投資家の売却ニーズも未だ残っていることから、10-12月期は現状維持でよい。
なお、オファー時刻の前倒しについては、特段異論はない。
・7-9月期と同額でよい。物価連動債は500億円×3回の計1,500億円、15年変動債は、10・12月1,500億円、11月3,000億円の計6,000億円を提案する。物価連動債はセカンダリーマーケットが機能しておらず、投資家の売りニーズに応える上でも現状程度の買入額は必要と考えるが、マーケットにおいて減額を支持する意見が多数を占めるのであれば、特に強い拘りはない。
15年変動債については、市中残高が相応にあること、本日の買入消却入札の結果からも売却ニーズの強さが窺えることを踏まえ、10-12月期については現状の買入額を維持してほしい。
固定利付債の買入れについては、物価連動債及び15年変動債に係る市場の状況や金利動向等も踏まえながら、来年度以降議論の対象にしていくべきと考える。
・買入消却に対するニーズは特段変化しておらず、10-12月期については現状維持でよい。
・物価連動債を若干減額して400億円×3回の計1,200億円とし、当該減額分を15年変動債に上乗せして6,300億円としてはどうか。
・物価連動債の売却ニーズがやや減少傾向にあるため、物価連動債を400億円×3回の計1,200億円に小幅減額し、残り6,300億円を相対的にニーズのある15年変動債に割当てて欲しい。
・物価連動債、15年変動債ともに、買入消却入札の応募倍率が比較的高い水準で安定的に推移していることから、物価連動債を500億円×3回の計1,500億円、15年変動債を10月と12月に1,600億円ずつ、11月に2,800億円の計6,000億円としてはどうか。
・物価連動債、15年変動債ともに、平準的に売り手が存在している。前回の会合で物価連動債の減額が議論されただけで、減額前に売りたいという動きが見られており、少なくとも現状維持が望ましい。具体的には、物価連動債を500億円×3回の計1,500億円とし、残額6,000億円を15年変動債に割当ててはどうか。
・10-12月期については、物価連動債1,500億円、15年変動債6,000億円を維持すべき。もっとも、来年度の実施分については、両債券への割当額の見直し等を検討してもよいのではないか。
・7-9月期と同額の物価連動債1,500億円、15年変動債6,000億円でよい。
(3) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・現状認識について、グローバルな環境に比して日本の金利が若干下がっていないという感覚を持っている市場関係者が多いのではないか。ただし、10年国債利回りで1%前後というのは基本的に低水準であるので、昨年度0.8%台を見ているためにそういった感覚にとらわれるが、ここから0.9%や0.8%もしくは0.7%まで下がるのかは、短期的に投資家の行動によるところも多いため、幅広に見た方が良く、今後どこまで金利が下がるかというより、今後どの水準まで上がる可能性があるのかという方が金利を占う上では重要なのではないか。
今年度中を考えれば、国債増発はどうなるのかという話になろうが、復興債の償還の手当がきっちりできるのかどうかという点で、増税が鍵となろう。最終的には国民が増税は仕方ないと思っていると考えられる中、どのような形であれ決着するにしても、今年はうまくいかない、すなわち償還が増税で担保できないということになれば、一時的な金利上昇は否めないだろう。その時には、決して高い水準ではないものの、10年で1.2%台という動きとなるのではないか。
海外の状況は、やや長い目で見た時の金利の上限を切っていく要因であると考えている。米国でいうと、今は景気循環的なリセッションの懸念が生じているが、日本のバブル崩壊後の動向からすれば、日本と同じような動きが起こっていることから、景気循環的なリセッションというよりは、長期にわたって構造的な調整が続くことによって低い成長を継続せざるを得ないというコンセンサスが形成されるのであれば、米10年債利回りの1%台はやや突っ込み過ぎであり、長い目で見れば2%台で推移、当面は2%台前半で安定するのではないか。米10年債利回りが2%台半ば程度まで上昇した時には、円債にとっても利回り上昇要因として認識される場面があるのではないか。欧州については、財政問題であるため政治的にいろいろ対応が必要になるが、それらに反応する形で金利上昇する場面があるのではないか。
日米欧の金利上昇要因がまとまって出てくるのであれば、10年で1.2%台もしくはそれ以上の水準への金利上昇があり得るだろう。基本的には低位安定が続き、目先は誰もが金利低下を考えているだろうが、逆にどの水準まで金利上昇する要素があるのかを議論していく時間帯になってきたのではないかと考えている。より長い目で見た場合は、グローバルに金利の上限を切っていくという力がかかっているため、これからの持続的な金利上昇は当面考えづらいだろう。何より目先は増税を担保してほしいというのがマーケットの切なる願いなのではないか。
・足元金利については低位安定しており、先行きとしても当面ほぼ低位安定に近い動きで推移すると思われる。しかしその中で10年が1%を割れてから買い進む動きがない背景には、これからの三次補正に伴う国債増発の全体像が掴めていないことや、復興増税等の財源手当てがきちんとできるかという点など、広い意味での財政規律を今後維持できるかについて投資家を含めた市場参加者の間では警戒感が広まっていることがあるのではないかと思う。
また今回議題に挙がった買入消却に関しても、一部で議論されているように国債整理基金特別会計の剰余金を財源に流用するということになると、国債整理基金の剰余金は将来の国債の償還用の手当てをしているものであることから、結果的には財政規律への不安感を高める可能性もあり、場合によっては買入消却が減少するとなれば市場の混乱を招くことになりかねない。そのことに関して十分に配慮していただきたい。
10-12月期については、日米ともに財政がテーマになりやすいと思われる。米国では、先日、景気雇用対策案を大統領が提出したが、財源等について共和党と議論が埋まっておらず、今回の対策がなかなか実現できないという意見がある一方、場合によっては共和党と妥協する形でかえって財政規模が膨らんでしまうというリスクもあることから、米国景気の二番底懸念と共に見極める必要がある。
また国内においては、3次補正も重要であるが、復興対策は来年度にかけても編成されていくことになるし、中期財政フレームも引き続き維持していかなければならない状況であり、2012年度の予算編成は、財政規律の観点から非常に重要である。
今後の本丸のテーマは社会保障と税の一体改革であり、消費税増税を含め中期的な財政再建への道筋をしっかりと示せるかということが一番大きなテーマになってくる。このため、年末にかけては、来年度予算編成や社会保障と税の一体改革も含めた中期的な財政規律を維持していけるかが最大の焦点になると考えている。
・当面は、10年債で1%を中心に上下20bp程度の安定した状況が来年3月まで続くと考えている。
ECBがドルの3ヶ月物の流動性供給オペを無制限に実施するとしたことで、市場はリスクオンの流れとなったが、あくまでこうした対策は繋ぎとしての性格が強い。前回、同様のオペが実施されたリーマンショックの時には、その後に財政的な措置が出てきたし、国が金融機関に資本を注入した。今回は、最終的なリスクの引受け手であるべき国がソブリンリスクを抱えている。あるいは財政政策を打とうにも打てない先進国が多いという状況を考えると、2008年や2009年の状況とは全く異なる姿になっていると見ている。
昨日のECBの措置ひとつをとっても、当時より現在のほうが金利はより安定しやすい環境にあると考えている。米国の景気後退懸念に対して、本来であれば財政・金融政策の対応余地があってしかるべきものが、対応する余地が無い。結果的に今後金利が上昇するとすれば、新興国のインフレ懸念がおさまって、アクセルを踏んでくれるのを待つしかないというのが現状と考えている。
外部でソブリンリスクがこれだけテーマになる中で円債の金利が安定しているのは非常に幸せな状況なので、この時間を使って増税の議論を進めて欲しい。
・海外市場の動向に振らされて円債がそれに付いて行くような展開がしばらく続いていたが、1%の壁を感じているというのが現状である。ただし、ここから先を見渡したときに、海外の景気動向がどうなるかが大きなテーマとなる。
第4四半期にかけて米国は再びマイナス成長に陥る可能性が非常に高く、日本もそれに追随する形になるだろう。すなわち復興需要を完全に打ち消すまでには至らなくとも、ある程度は外需の減少等によって苦しめられる局面もあると見ている。
景況感は全般的に米国でも悪化しているし、欧州の債務問題も片付かない中では、金利は上がろうにも上がれない状況が続きやすい。ただし、唯一リスクを挙げるとすれば、昨年もそうだったが、米国はQE2を実施することによって急激にセンチメントが改善したという局面もあったので、今年もまたQE3があるのではないかとの見方が高まっている中では、同様のシナリオを試しに行くこともあり得る。ただしそのリスクも、昨年一度見ているということと、米国と欧州の抱えている問題の深さがより意識された状況にあると思われるので、やはり円債の金利は相対的に見て上がりにくい状況が続くだろう。
また、昨今のもう一つのテーマとしては、やはり日本国債は他の先進国に比べても需給が非常に良いし、欧州の一部の国のような債務問題に陥っていないが、そういった中でも債務残高は増加しているので、再び金利上昇方向に賭ける投資家も最近は一部で増えてきているように感じる。こういう点は財政の部分をしっかりマネージメントして行かなければ、いつかは問題を抱えるという形で意識されているのが現状だと認識している。しかし、それは少なくとも今年のテーマではなく、おそらく景気回復局面が来るまでは意識されることはないだろう。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 中島・高嶋
電話 代表 03(3581)4111 内線 5701
出典:財務省