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auctions / pd / m / 36 — 2011-03-14

国債市場特別参加者会合(第36回)

開催日2011-03-14
場所第3特別会議室
議題
(1) 平成23年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について 〔参考配布:資料1〕
(2) 平成23年度における30年債及び40年債の発行方法について 〔参考配布:資料2〕
(3) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
原文財務省サイトでは公開終了(本ページはアーカイブから復元)

配布資料

資料1PDF
資料2PDF
資料PDF(未取得)

議事要旨

(1) 平成23年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について 〔参考配布:資料1〕

はじめに、理財局から、平成23年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について、以下のように説明を行った。

・資料1-1の流動性供給入札について、残存5-15年を対象とする入札は、比較的安定した結果が続いており、残存15-29年を対象とする入札も、昨年9月-12月実施分に比べて無難な結果に収まっている。なお、昨年12月の本会合では、発行額の配分見直しや減額等を検討すべきとの意見が多かった。

このような状況を踏まえ、資料1-2のとおり、残存15-29年を対象とする入札について現状維持と減額の2つの案を提示している。この点、参考までに事前に意見を聞いた際には、国債市場特別参加者の間では、現状維持を支持する意見と減額を支持する意見が拮抗した一方、国債投資家懇談会メンバーは、全員一致で現状維持を支持する結果となった。

いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し、総合的に判断していきたいと考えているところであり、4-6月期の流動性供給入札の実施方式について、意見を頂きたい。

次に、資料1-3以下で、買入消却入札について説明する。

物価連動債については、資料1-3のとおり、BEIは概ね0.3%台で推移しており、3月11日時点で実質利回りは1.269%、BEIは▲0.425%となっている。こうした中、当局の買入消却入札は安く決まっている一方、1月の日本銀行の買入オペは札が集まらない結果となっている。

15年変動債については、資料1-4のとおり、買入消却入札の前後で小幅な値動きはみられるものの、概ね横ばい圏での推移となっており、3月11日時点で実勢αは0.516%となっている。こうした中、1月実施分はいずれも倍率1.5倍台止まりでやや高い価格での決着となった一方、2月・3月実施分は前日引値近辺での決着となるなど無難な結果には収まっている。

資料1-5では、最近3年程の買入消却額の推移を示している。特別会計仕分けの結果を反映し、本年1-3月期から国債整理基金の取崩し等を財源とした買入消却を実施してきているところであり、平成23年度も同様に総額3兆円程度の買入消却を実施する予定としている。

この点、4-6月期の買入総額を7,500億円とした場合における買入消却の実施方式について、事前に意見を聞いた際には、国債市場特別参加者及び国債投資家懇談会メンバーともに、15年変動債の買入に重点的に割当てるべきとの意見が大勢を占める結果となったが、改めて意見を頂きたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・流動性供給入札については、直近の応募倍率が2~3倍程度と比較的安定していることや、投資家の既発債への投資ニーズも引き続き残っていることから、現状維持でよいと思われる。但し、金利水準によって応募倍率が低くなることもあるため、500億円程度の減額余地はあるのではないか。仮に残存15-29年ゾーンを500億円程度減額するのであれば、当該分は残存5-15年ゾーンに振り替え、総額は変更しないという方法もあると思われる。

買入消却入札については、固定利付債は対象とせず、物価連動債と15年変動債を引き続き対象としてもらいたい。物価連動債については、市中残高は減ってきているものの、買入消却に対する投資家のニーズも残っているため、現状維持の毎月700億円、合計2,100億円でよいのではないか。その上で、残額5,400億円を4月及び6月1,500億円、5月2,400億円という形で15年変動債に割り振ればよいのではないか。

・流動性供給入札については、超長期債全体の需給によっては札が流れることもあるが、年間を通してみると、30年債のカレント近辺の銘柄に対する需給は良好であり、残存15年や25年といったオフザランの銘柄に対する投資家からの需要もあることから、現状維持でお願いしたい。仮に国債発行額全体を減額する余裕があるのであれば、足元、買い手不在で非常に需給が悪化している40年債の増額を見合わせていただきたい。

買入消却入札については、物価連動債は500億円×3回の合計1,500億円、15年変動債は4月及び6月1,500億円、5月3,000億円の合計6,000億円を提案する。物価連動債は、市中残高が減少している中、価格も安定的に推移しているため、多少の減額余地はあると思われる。一方、15年変動債は、足元の価格こそ安定しているものの、IFRSにおける取扱いの不透明さがあり、将来的にマーケットが不安定化する要素を秘めていることから、物価連動債を減額した分も含め、買入額を増額していただきたい。固定利付債の買入については、今後の15年変動債の価格の動向や金利の推移をみながら、第2四半期以降に検討すればよいのではないか。

・残存15-29年を対象とする流動性供給入札については、直近四半期も依然として結果が不安定であり、セカンダリーマーケットでの重さ等も勘案すると、無難に消化しているようには思えず、若干の減額余地があるのではないか。流動性供給入札は、あくまで国債発行計画における補完的役割を担っていると考えている。対象銘柄の選定について、現状は機械的に60銘柄が設定されているが、以前のように、参加者に対し対象銘柄に関するアンケートを行う方法を提案する。具体的には、対象ゾーンに該当する全ての国債の中からどの銘柄が最もフィットするかアンケートをとり、その上で60銘柄を選定する方法を採用してはどうか。そうすれば、セカンダリーにおけるオフザラン銘柄の需給がより明確に出てくると思われる。

買入消却入札について、物価連動債は市中残高が相当減ってきており、現状の買入額を維持していくと若干ハードランディングとなる可能性があると考えられるため、1回当たりの買入額を200億円減額し合計1,500億円まで減額することも可能ではないか。一方、15年変動債については、値動き自体は安定しているものの未だ理論価格と市場価格の乖離が大きく、IFRSに対する不安感もあることから、将来的な不安要素を摘むためにも、合計6,000億円まで増額することが望ましいのではないか。

・流動性供給入札については、入札結果が流れることが多いため、減額でよいと考える。特に、残存15-29年ゾーンについて、当該入札を利用しているものの、実のところそれほどニーズは無いものと思っている。また、銘柄選定については、元々発行量が多くない銘柄、例えば30年債の手前の銘柄や20年50番台等の銘柄を復活させてもよいのではないかと考えている。一方で、残存7年より手前の10年280番台を対象外とすることも一案ではないか。

買入消却入札について、物価連動債は減額すべきと考えている一方で、15年変動債は増額余地があると考えている。具体的には、物価連動債については1,500~2,000億円、15年変動債については5,500~6,000億円を提案する。

・流動性供給入札については、需要が安定していないことから、可能であれば残存15-29年ゾーンの減額が望ましいと考える。

買入消却入札については、市中残高等を勘案すると、物価連動債を1,500億円、15年変動債を6,000億円とし、15年変動債に重点的に割り振った方がよいと考える。具体的には、日本銀行の買入オペと合わせた月毎の買入額の平準化を図り、物価連動債については、4月600億円、5月300億円、6月600億円、15年変動債については、4月1,500億円、5月3,000億円、6月1,500億円を提案する。

・流動性供給入札については、1-3月期は比較的安定した結果が見てとれるものの、若干不安定な状況は依然続いていると思われることから、微調整として500億円程度の減額余地はあると考えている。しかしながら、震災の影響から明らかに補正予算の編成等が予想される中で、単純に減額することが今のタイミングで適切かどうかはよく考えなければならないと思われる。

買入消却入札について、物価連動債は、市場全体の残高が減少していることに加え、銘柄毎の残高も非常に小さくなっていることから、1回の買入額を抑える必要があると考えている。具体的には、1回当たり400億円まで減額し、400億円×3回の合計1,200億円を提案する。一方、15年変動債は増額余地があると考える。今年度並みの売却ニーズは十分見込めることから、1,100億円×4回の合計4,400億円までの増額は十分可能であり、さらに潜在的な売りニーズ等を加味すれば、1,500億円×4回の合計6,000億円までの増額にも対応できるのではないかと考えている。固定利付債の買入については、差額分を実施すればよいという程度の認識であり、積極的なスタンスはない。

・流動性供給入札については、一時期に比べ1-3月期の入札結果に安定化の兆しが見られていることや超長期債のオフザラン銘柄に対する投資家のニーズが引き続き強いことから、現状維持でよいと考える。

買入消却入札について、物価連動債は、価格が安定して推移していることや市中残高が減少していることから、若干の減額余地があると考えており、500億円×3回の合計1,500億円を提案する。15年変動債は、市中残高が比較的大きいことや今後IFRSの適用が控えていることから、2,000億円×3回の合計6,000億円までの大幅増額を提案する。

・流動性供給入札については、ここもと超長期債の需給が少し重いため、残存15-29年ゾーンを1,000億円減額すべき。一方で、残存5-15年ゾーンについては、セカンダリーマーケットの安定化に貢献し、国債の安定消化に寄与している部分もあるため、若干の増額が可能と思われる。

買入消却入札について、物価連動債は、市中残高の減少に伴い減額するという考え方もあるが、ひとまず現状維持でよいのではないか。15年変動債も、期初であることや日本銀行の買入額がどうなるかといったこともあるので、現状維持でよいだろう。残った買入枠は固定利付債に充当し、マーケットインパクトを高める観点から、4月から6月のどこかで1回に纏めて入札を実施すればよいだろう。

・流動性供給入札については、当初は現状維持を希望していたが、足元、震災の影響により市場では国債の増発懸念が出てきているところ、年限の長いゾーンを増発しないで済むという安心感をマーケットに与える観点からも、入札結果の不安定な残存15-29年ゾーンには減額余地があると思う。

買入消却入札について、物価連動債はこれまでのペースに従い減額し、500億円×3回の合計1,500億円でよいだろう。15年変動債は、理論価格を採用している投資家が実際に売却できる額は小さいと思われることから、当初は日本銀行の買入額と合わせた現状維持を希望したものの、実際に売却が進むのであれば、大幅増額について検討の余地はあると考える。

・残存15-29年を対象とする流動性供給入札については、前回会合で来年度以降は減額方向で検討して欲しい旨要望してきたところであるが、ここもとのセカンダリーの動向や国債格下げリスク等を勘案すると、超長期債の需給が不安定化する惧れがあり、4月から30年債及び40年債が1,000億円ずつ増額されることも踏まえれば、前倒債を活用する形で1,000億円程度の減額余地があると思われる。

買入消却入札について、物価連動債は、市中残高が減少しているため500億円×3回の合計1,500億円まで減額し、15年変動債は、地方を中心に戻り売りニーズが強いため4月及び6月に1,800億円、5月に2,400億円の合計6,000億円まで増額して欲しい。

(2) 平成23年度における30年債及び40年債の発行方法について 〔参考配布:資料2〕

4理財局から、平成23年度における30年債及び40年債の発行方法について、以下のような説明を行った。

・平成23年度は、昨年末に発表した国債発行計画にあるとおり、30年債を1回当たり7,000億円で計8回、40年債を1回当たり4,000億円で計4回発行する予定としている。これらについては、流動性向上の観点から平成22年度と同様に複数回分を銘柄統合して発行することを考えており、資料2でそれぞれ2つの案を提示している。

30年債については、平成22年度と同様に年間2銘柄とする考え方と、年間4銘柄案として、3月債と本年4月の2回分、6・7月の2回分、9・10月の2回分及び12月と来年1月の2回分をそれぞれ銘柄統合する考え方を示している。

40年債についても、平成22年度と同様に年間1銘柄とする考え方と、年間2銘柄案として、本年5・8月の2回分及び11月と来年2月の2回分をそれぞれ銘柄統合する考え方を示している。

この点、事前に意見を聞いた際には、国債市場特別参加者及び国債投資家懇談会メンバーともに、30年債については年間2銘柄、40年債については年間1銘柄を支持する意見が大勢を占める結果となっていたが、改めて意見を頂きたい。

また、40年債については、平成19年11月の発行開始から3年以上経過しており、ロングエンドの商品として相応に定着しつつあるものと考えられる一方、未だ投資家層の裾野が広がっておらず、流動性に乏しいため適正なプライシングが困難との意見も聞かれている。

こうした状況を踏まえ、資料2では、①利回りダッチ方式の継続、②新発債は利回りダッチ方式とし、リオープン債は価格コンベンショナル方式とする案、及び③価格コンベンショナル方式への移行の3つの案を提示している。

この点、事前には、国債市場特別参加者及び国債投資家懇談会メンバーともに、利回りダッチ方式の継続を支持する意見が大勢を占める結果となっていたが、併せて意見を頂きたい。

4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・1銘柄毎の流動性を勘案し、30年債については年間2銘柄、40年債については年間1銘柄とこれまでと同様でお願いしたい。

40年債の入札方式については、引き続き流動性が十分とは言えず、投資家も限定的であるため、これまでと同様に、新発債、リオープン債ともに利回りダッチ方式が望ましいと考える。

・年間の銘柄数にそれほどのこだわりはないが、あえて言うならば、今までどおり30年債については年間2銘柄、40年債については年間1銘柄でよいのではないか。

40年債の入札方式については、以前から申し上げているとおり、価格コンベンショナル方式を希望する。

・30年債については年間2銘柄、40年債については年間1銘柄でお願いしたい。特に30年債については持ち切りの投資家が多く、金利水準によっては業者がショートになりやすい。また、レポがタイトになることも多いことから、1銘柄当たりの発行額を確保していただきたい。

40年債の入札方式については、未だ対象としている投資家が限られているということもあり、流動性の低い状態が続いているため、価格コンベンショナル方式への移行は時機尚早ではないか。

・30年債については年間2銘柄、40年債は年間1銘柄の発行でよいと考える。

40年債の入札方式については、新発債、リオープン債ともに利回りダッチ方式で入札を行いながら投資家層の拡大を待つという時期ではないか。

・1銘柄当たりの流動性重視か、投資銘柄の選択肢が多い方がよいか投資家と相談した結果、30年債は年間2銘柄、40年債は既存の発行銘柄数が多くないことを考慮し年間2銘柄がよいとの結論に至った。

40年債の入札方式については、新発債、リオープン債ともに利回りダッチ方式がよいのではないか。

・発行銘柄数については、来年度の発行額の水準を考えると銘柄数は増やさず、今年度と同様、30年債は年間2銘柄、40年債は年間1銘柄でよいのではないか。

40年債の入札方式については、マーケットの価格センシティビティを上げるという観点から、価格コンベンショナル方式に移行してもよいのではないかと考えている。

・発行銘柄数について、30年債については年間2銘柄、40年債については年間1銘柄の現状維持とし、両債券とも1銘柄当たりの流動性を重視するのがよいと考えている。

40年債の入札方式については、未だ流動性が十分とは考えていないことから、新発債、リオープン債ともに利回りダッチ方式として欲しい。

・リオープン方式については、現行どおり、30年債は年間2銘柄、40年債は年間1銘柄でよいと考える。

40年債の入札方式については、未だ流動性が低い状況であり、利回りダッチ方式が望ましいのではないか。

・発行銘柄数については、30年債は年間2銘柄、40年債は年間1銘柄でよいと考えている。30年債の1銘柄当たりの発行額は約3兆円とそれほど大きいものではなく、十分な流動性も確保できる規模であると考えている。

40年債の入札方式については、2月の入札等を見ると未だ不安定な局面があるが、徐々に入札回数をこなしてきており、30年債と同様、価格コンベンショナル方式に移行してもよい時期ではないか。

(3) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・地震前の環境は、グローバルに金利水準をじりじりと切り上げていく局面であった。特に米国では景気の持ち直しが見られており、欧州ではECBが利上げに動くということで世界的なインフレ懸念が高まっていた。円債市場に関して言うと、今年は消費者物価指数の基準改定があるということで、どちらかといえば金利は安定して推移するとの見方であったが、今回の地震の影響により大きく変わる可能性がある。特に短期的には中期セクターまでの需要が非常に高まる一方で、今後の成長に対する下押し圧力や財政懸念により、超長期セクターに関してはやや不安定化し、イールドカーブはスティープ化しやすい状況が続くのではないか。

・昨年の10、11月頃から金利は上昇していたが、基調としては既に頭打ちになりつつあった。その様な中、今般震災が起こったわけだが、震災によって今後の消費動向や生産活動といったマクロ経済に与える影響等が不透明になってしまったことが、金利の押し下げ圧力を一層強めたと見ている。こういったことが起きると、本日のように市場の売買を伴わずに値が飛んでしまうため、少しボラティリティが高くなると思うが、今後の方向としては、先行きの成長率について下押し圧力がかかるため、金利は低下すると見ている。

・今回の地震により、日本銀行の時間軸は大分伸びたと理解しているので、本日の値動きのように、中短期債はしばらくしっかりした状態が続くとみている。長期債については、もしかしたら5年債がつぶれたら10年債に買いが入るという展開もありうると思うが、現状では不透明要因が多く財政懸念も残っているため、ブル・フラットするから買うというより、ブル・フラットしたら一旦、戻り売りというのが目先の展開ではないかと考えている。

まだ先の話ではあるが、夏に消費者物価指数が基準改定されると思うが、連動係数の計算の仕方について出来る限り早めに公表していただきたい。5年前に基準年が変わった後、何日か公表されなかったと記憶している。出来るだけ早めの公表を要望したい。

また、本日の値動きがまさにそうであったが、しばらく値動きが荒くなる中で流動性が低下する懸念があり、日本銀行への要望となるが、日本銀行の国債補完供給オペの品貸料は先般0.5%から1%に引き上がったが、流動性が乏しい間は再度0.5%に引き下げて頂きたいと思っている。

・昨年11月の米国のQE2に加えて、12月に最終的に帰結した包括減税を受けて、株高・金利上昇の流れが2月下旬まで世界的に続いていたが、その後中東情勢の緊迫化の問題に加え、欧州の財政懸念やアイルランドの総選挙の影響等もあり、リスク回避志向が強まりかけていたところに、今回の震災により、東京市場では質への逃避が一段と進んだのではないかと考えている。今回の震災の状況を考えると、市場参加者の記憶の中には、1995年1月の阪神淡路大震災が蘇ってくるが、当時を振り返ると質への逃避が進むという見方と復興事業に伴い株価が上昇するという見方で分かれていた。一部の英系のマーチャントバンクが株高・金利上昇シナリオにベットし、多額の株価指数先物の買建て及び債券先物の売建てのポジションを構築するに至ったが、結果的には、それが裏目に出て、そのマーチャントバンクは破綻した。今回は、海外勢については、おそらく質への逃避である株売り・債券買いのポジションを構築しているのではないか。一方で、国内勢については、今回の被害はあまりにも甚大だと思う。阪神淡路大震災はマグニチュード7.3であったが、今回は最終的にマグニチュード9.0であり、世界では歴代第4位、国内では過去最高である。今回の被害については予測し難く相当不透明な状況である。その意味では、国内勢は様子を見極めたいと考えており、社内のリスク管理に追われている状況であることから、ポジションを大きく傾けるに至っていないのではないか。ただし、一部の投資家からは、阪神淡路大震災の救援事業や復興事業への対応として、1994年度第2次補正、1995年度第1次・第2次補正の3回に亘って補正予算が策定され国債が増発されたことを踏まえて、今後の国債発行がどうなるのかという照会が増えてきている。

(上記について、当局より以下のとおり発言した。)

今般の東北地方太平洋沖地震に関して、まずは予備費の使用が考えられるが、今後補正予算の編成も想定されるところである。その際、阪神淡路大震災の例によれば、状況の進展に応じ、段階的に累次にわたって予算措置を講じていくことも考えられる。

一方、本年度(平成22年度)の国債の発行状況をみると、昨年末の国債発行計画策定後においても、①第Ⅱ非価格競争入札や個人向け国債発行額が計画額を上回って推移しており、②財投債についても、発行不用の可能性があることから、平成23年度借換債の今年度中の前倒発行額については、増額が見込まれている。

従って、補正予算編成に伴い、来年度の新規財源債が増額になったとしても、カレンダーベース市中発行額については、増額をある程度抑制するなど、市場への影響を極力緩和するよう努める。

・今回の震災の影響で市場のテーマが変わった。これまではECBの利上げ示唆及びFRBの量的緩和の終了といった海外金利の上昇要因に注目する向きが多かった。また、日本国債の格下げリスク等が焦点だった。ところが今般は震災の影響が非常に大きいと思われる。景気について言えば、部品供給の減少や物流の問題で生産活動は停滞が見込まれ、企業や家計のマインド萎縮、節電等によって景気全体が下押しされるので、4-6月期にかけての景気はかなり悪化すると見込まれる。このため1-3月期に景気の踊り場を脱却するシナリオが崩れたと思う。政治において当面は震災対応が優先され、金利上昇要因が後退したことで市場参加者の金利見通しは下振れしている。一方で決算期末直前にあって、株価下落と震災関連の損失が金融機関にどの程度影響するかはまだ不透明であるが、債券による益出しニーズが高まれば、長期セクターを中心に債券市場の不安定要因となるので、決算期末に向けて当局は市場動向を注視してほしい。

新年度の動向は見通しにくいが、金利水準が低下するなら益出し売りが先行するだろう。今後については三つの点に注目している。第一が景気の動向で、4-6月期の下振れが見込まれる一方で、復興需要や財政政策の出方次第では、年度下期にかけて景気回復のピッチがむしろ上がると意識されるだろう。第二に円相場について、前回の阪神大震災の経験から円高を見込む向きが多いが、当時は1994年末のメキシコ通貨危機の影響が大きく、米国が輸出主導の景気回復を狙ったため米国の長期金利とドルが同時に下がった経緯がある。今回は必ずしもそうした展開になるとは限らず、量的緩和の終了でリスクマネーが新興国から米国に回帰すると逆にドル高要因となる可能性がある。このため現在の円高・株安がそのまま4-6月期も継続するかについては懐疑的に見ている。第三に、6月に予定されている税と社会保障の改革について、特に社会保障改革は4月に先行して行うということだが先送りのリスクもあるので、これが結果的に日本国債の格下げリスクを高めるのではないかと考えている。

・昨年のジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演を皮切りに8、9月から新興国における好景気が話題となり、年末から年初にかけては先進国においても景気回復期待が広がっていたが、やや期待感が強すぎたのではないかと思う。そういった中で、中東情勢の不安定化や今回の地震をきっかけに、今後しばらくはリスクに対して回避的な動きが続くのでないか。3月末に向けては決算対策で多少なりともマーケットが不安定化する可能性は十分にあるが、中長期的には欧州の財政問題やQE2の終了等、センチメントが回復しないような状況が続くため、緩やかな金利低下局面に入ると考えている。本日の前場のマーケットにおいては超長期セクターが極めて不安定な動きをしており、すぐに超長期セクターが崩れるという見通しは持っていないものの、今回の震災による増発だけでなく、24年度においてもカレンダーベースで発行額が増えていくと考えられることから、財政の問題にセンシティブな状況は今年いっぱい、特に年末にかけて出てくるのではないかと見ている。中長期セクターは強め、超長期セクターは弱めで、イールドカーブの緩やかなスティープニングというのが今年1年のテーマになるのではないか。

・震災の影響については、1995年の阪神淡路大震災と比較すると、やや大きいのではないかと考えている。東北から茨城までのGDP規模は兵庫県の約2倍弱に相当すること、電力不足によってボトルネックが生じることで企業活動が停滞するおそれがあることから、短期的な景気の下押し圧力は強いのではないか。また、その分財政の金額も膨らみやすいという思惑が出やすいということを勘案すると、本日のスティープニングはマーケットにおける正しい反応ではないか。9月までを考えると、金利については10年債で1.0~1.4%を想定している。結果的に、狭いレンジで推移しカーブの形状はスティープニングを予想している。震災以前はグローバルな景気の回復期待、インフレ期待、ECBの利上げ示唆といった3つの金利上昇要因が存在したが、景気回復期待については原油高と今般の震災によって先行き懸念がかなり強まり、インフレ懸念については消費者物価指数の基準改定や国内の価格転嫁力の弱さといった問題が考えられるため、景気回復やインフレ懸念といったものが金融政策の時間軸を縮める要因にはならないと考える。また、円安というのが時間軸を縮める要因として考えられるが、欧州の利上げが現実に迫っても、円安方向にはなかなか向かわずに、今年中は円高基調が継続するのではないか。そういった意味でも、金利の上昇要因は剥落していくのではないかと考えている。その結果、狭いレンジを想定しているが、リスクとしては、今回の地震により財政懸念が更に強まるおそれがあれば、金利上昇要因となるだろう。

・今回の地震の発生を受け、また期末を控えて、市場の流動性およびリスク許容度が目先低下した状況にあると考えられる。16日(水)に予定している20年債入札は予定通り実施される方向にあるのか。あるいは場合によっては市場環境等を睨んで延期の可能性を検討しているのか現時点での貴省のご見解を伺いたい。

(上記について、当局より以下のとおり発言した。)

マーケットの状況及び市場参加者へのヒアリング等から最終的に判断しなければならないと考えているが、現時点で延期についての検討はしていない。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 鈴木・高嶋

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

出典:財務省