PD Meeting #37
| Date | 2011-04-21 |
|---|---|
| Venue | 中央合同庁舎第4号館 共用第4特別会議室 |
| Agenda | (1) 平成23年度第1次補正予算に伴う国債発行計画について 〔参考配布:資料1〕 (2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
| Sources | Removed from mof.go.jp; restored here from web archives |
Materials
| 資料1PDF |
| 資料PDF(not archived) |
Minutes
(1) 平成23年度第1次補正予算に伴う国債発行計画について 〔参考配布:資料1〕
はじめに、理財局から、平成23年度第1次補正予算に伴う国債発行計画について、以下のように説明を行った。
・平成23年度第1次補正予算については、現在、今月中に国会へ提出できるよう作業を進めている。
配布資料の発行根拠法別発行額のうち、新規財源債については、増発を行わない形で検討されている。借換債については、現在、22年度決算作業中であり、今回の補正では22年度発行実績を反映した見直しは行わない予定である。財投債については、危機対応融資等の財政投融資の追加を検討しており、その半分を財投債の増発で、残りを財投FBの発行で調達することが検討されている。この結果、発行根拠法別発行額としては、財投債につき、若干の増発が考えられる。
この増発については、消化方式別発行額のうち「前倒債発行減額による調整分」で対応することとし、カレンダーベース市中発行額を含むその他の部分については、発行額の変更を行わない方向で検討している。具体的には、本年度当初計画では前倒債を6.4兆円取り崩すこととしていたが、これに先ほど説明した財投債の若干の増発分を増額することを検討している。
なお、22年度の前倒債の発行額は、年度当初は8.1兆円を見込んでいたところ、財投債の不用の発生(7.1兆円)や第Ⅱ非価格競争入札での発行額が予定を上回ったこと(2.8兆円)などの一方、個人向け国債等の販売が下回ったこと(1.2兆円)などにより8.8兆円増え、16.9兆円となった。
・また、今後、震災復興のための補正予算が組まれ、その中で国債が増発となることも想定される。その際、市中発行増額をできるだけ抑制するために、前倒債の取崩しによって対応することも考えられるが、更に取り崩すに当たっては、24年度の発行計画への影響も含めて検討する必要がある。仮に前倒債の残額全てを今後の補正予算の財源に充てると、24年度発行計画においては前倒債の発行減額による調整分を活用することができなくなり、大幅な市中増発の要因となることに留意が必要である。
いずれにせよ、今後、国債の増発が行われる場合には、市場との対話を通じて市場のニーズ・動向をきめ細かく把握すること等を通じて、円滑に消化されるよう努めていきたい。
(2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・今回の震災によって景況感は日本をはじめとしてグローバルに大きく変化している。日本のGDPも4-6月期にマイナスを示し、1-3月期の米国のGDPも各社下方修正という状況になってきているため、景況感を考えると当面金利の低下余地を探る展開が予想される。このところ、復興税の議論などが頻繁に出てきているため、財政に対する信認も比較的揺らぎにくくなってきており、それらがサポート材料となって金利は緩やかに低下していく局面が継続すると考える。
・震災以降も金利の急激な変動は特に見られず、金利はじりじりと上昇したものの、その後は落ち着いている。あまりにもわからないことが多すぎるので、結果的に落ち着いた動きになったと見ている。震災に伴う今後の国債増発がどの程度になるかが関心事であるが、一方で海外の経済情勢も変化しており、欧州に加えて米国においても、これから財政が緊縮方向に向かうかもしれないということで、海外の債券市場も次第に落ち着きを取り戻している。こうした中で円債市場でも長期金利が振れにくくなっているのが現状である。ただし、今後も財政に対する不透明感は残るので、マーケットの材料になりやすいかもしれない。
・先行き不透明な要因がたくさんあることから、証券会社・投資家の双方とも大きなリスクを取りづらい状況がしばらく続くと思うが、国債発行に関しては、本日の会合のように材料を示してもらえるため、増発懸念が徐々に和らいでいく可能性があるのではないか。資金循環上で考えても、年限にもよるが、10兆円規模に満たない程度の市中発行増であれば、債券の需給バランスが昨年度対比で大きく崩れるようなことはないのではないか。景況感に関しては、今後の電力供給力にかなり依存してくると思われるが、今回の震災がなかったとしても、そもそも原油高による交易条件の悪化がすでに見えていたため、2007年や2008年のように景況感の悪化から金利が上昇しづらい状況にあるのではないか。少なくとも当面不透明感が強いが、ブルフラット化をすぐに目指すとは考えられなくても、債券を売りづらい局面がしばらく続くのではないか。
・今後の見通しとしては、景気が回復力を強くしていくという状況にはなく、日本銀行がすぐに金利を上げる環境にないことから金利が上昇していく環境ではない。足元、財源の議論が活発化する中、第2次、第3次補正予算の策定において歳出規模が大幅に膨らむリスクがあるため、財政再建に対する姿勢が引き続きマーケットにおいては攪乱要因になると考えている。
国債の増発に関しては、前倒債の減額余力があるので、カレンダーベースの市中発行額が大幅に増えるという見方はしていないため、需給面での不安はそれほど大きくない。一方、6月の税と社会保障の一体改革や毎年の中期財政フレームの改訂において、中期的な財政再建に対する見通しをしっかりと出す事が出来なければ日本国債の格下げのリスクがあると考えられる。需給の問題だけでなく日本国債の格付けということも踏まえて、財政再建に向けた意識を深めていただきたいと考えている。
・3月11日の震災により、翌週には日経平均株価がブラック・マンデー、リーマン・ショックに次ぐ過去3番目の下げ幅を記録し、長期金利も一時1.1%台前半まで低下するなど、金融市場において相当の混乱が起こった。その後は、海外投資家から現物株に買いが入ったことなどから、株価がやや落ち着きを取り戻し、債券の動きも安定に向かった。ただ、原発、サプライチェーンの問題に加え、今回の地震がマグニチュード9ということで今後の余震に対する懸念もあり、当面先行き不透明な状況が続くのではないか。
債券市場については、期初ということに加え、3月には過去最大規模の大量償還や決算対策にからんだ地域金融機関等からの売りもあったことから、しばらくは本年度のキャリー収益確保のために国債を積み増す動きが続く上、4~6月期は厳しい内容の経済指標の発表が続く可能性が高いので、長期金利は低下局面に向かうと考えている。その後、余震が減少し電力不足やサプライチェーンの問題が徐々に解決していけば、夏場以降、復興需要の期待もあって株価、金利とも緩やかに上昇に転じていくのでないか。
今年度は借換債の増額分を国債整理基金の剰余金等で少し吸収したことにより、昨年度とほぼフラットの発行計画となっているので、第1次、第2次補正予算編成時に追加的な新規財源債や財投債の発行が行われたとしても、カレンダーベースでの大幅な発行増加にはつながらず、需給の問題で長期金利が大きく上昇する懸念は小さい。ただ、3月の貿易収支における大幅な黒字減少など、今回の震災を受けて我が国の国力が長期的に低下しないように、財政再建はもちろんのこと、復興・成長戦略を推進していくことが長い目で見て国債市場の安定化につながると考えている。
・3月11日の震災によってマーケット参加者は相当身構えるような荒れた状況になったが、1週間という比較的短い期間で各市場は落ち着きを取り戻した。その後の動きとしては、国内の景況感と海外の景況感の間にギャップが生じていたが、ここにきて日本だけでなく海外の景況感の見通しも下向きになってくると見られている中で、金利はやや低下傾向になると考えている。また投資家が残高を積み増すニーズの強い時期と重なっていることもあって、当面の金利はボラティリティの低下を伴い、低位安定で推移すると見ているが、大きな金利低下がラリーのように起こってくる環境ではないと思っている。
・震災後の相場については、当初は荒れており、海外勢を中心に金利上昇にベットするような動きが出たものの、それを国内勢の冷静な押し目買いが支え、通してみれば年末からのレンジを維持している。6月末頃まではそのレンジを維持していくだろう。その後の補正の規模などは見通しにくいので、そこを見てから相場は動くだろう。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 鈴木・高嶋
電話 代表 03(3581)4111 内線 5701
Source: Ministry of Finance.