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auctions / pd / m / 31 — 2010-03-12

PD Meeting #31

Date2010-03-12
Venue第3特別会議室
Agenda
(1) 平成22年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料1・参考〕
(2) 平成22年度における超長期債のリオープン方式について〔参考配布:資料2〕
(3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
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Materials

資料1PDF
参考PDF
資料2PDF

Minutes

(1) 平成22年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料1・参考〕

はじめに、理財局から、平成22年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について、以下の通り説明した。

平成22年度においても、本年度同様、流動性供給と買入消却については、四半期毎に市場の状況をみながら具体的な実施方法を決めたい。

(流動性供給入札)

まず、資料1-1の流動性供給入札の状況については、昨年12月の前回会合時点から大きな変化はみられていない。具体的には、残存5-15年を対象とした入札については倍率が3倍程度で安定し、残存15-29年を対象とした入札については超長期債の相場状況等に左右されながら、倍率は2倍から4倍の間で推移している。

こうした状況や昨年来のこの会合における実施方法の議論を踏まえ、発行当局としては、資料1-2のとおり、4-6月も引き続き、対象銘柄を若干入れ替えつつ、現行の2ゾーンを対象に毎月3,000億円ずつ発行してはどうかと考えている。

(買入消却入札)

次に、資料1-3以下で買入消却入札の状況について説明する。

物価連動債については、資料1-3のとおり、昨年12月の前回会合時点では最長期物の実質利回りが2%程度、BEIが▲1%であったが、足元ではデフレが続きCPIの回復状況が鈍いなか、総じて利回りは改善し、実質利回りで昨日時点1.78%、BEIで▲0.758%となっている。資料1-4の買入消却入札の状況については、1月以降5回実施したが、応募額は2,000億円台から4,000億円程度となっている。

15年変動債については、資料1-5のとおり昨年12月の前回会合時点では最長期物の実勢αは0.4%台前半だったが、1月以降実勢αは0.46%で安定している。資料料1-6のとおり、こうした中、買入消却入札を1-3月に3回実施したが、応募額は3,000億円前後から4,000億円弱の間で推移している。

物価連動債と15年変動債の買入消却については、資料1-7のとおり、昨年中は各四半期合計1兆円ペースで行っていたが、この1-3月から減額を開始し、年度計画における買入枠も21年度の4兆円から22年度は3兆円と減額したところである。

先程も説明したとおり、1月以降もマーケットの状況はおおむね安定しており、4-6月も引き続き減額していくことが適当と考えており、特に物価連動債については、市中残高がピーク時の10兆円程度から本年3月末には約5兆円程度にまで半減する見込みであることにも留意が必要と考えている。

その後、理財局から、「国の債務管理の在り方に関する懇談会」の論点整理及び、先般行った欧州投資家訪問の際の意見について以下の通り説明した。

参考資料の在り方懇の論点整理の5ページに、物価連動債と15年変動債の基本的な考え方が書かれている。

物価連動債については、現在発行停止を余儀なくされているが、今後市場の状況を踏まえて発行再開のタイミングを見極める必要があるとしている。また、再開をする場合には国内の投資ニーズに対応することが重要で、元本保証の付与等のニーズを踏まえた対応が必要としている。

他方、15年変動債の方は、諸外国にまず例が少ない商品であることや、リスク特性が非常に分かりにくいという指摘も多くあることで、今後については想定されるニーズや商品性の見直しの可能性等を見極めることが必要としている。

7ページは流動性向上の総論であるが、ポイントとしては、基本的には相場の自律的機能に委ねるが、必要な範囲で発行当局が補完的な役割を担う状況もあるということである。

8ページの流動性供給入札については、これまでの流動性供給入札はイールドカーブのスムーズ化といったものにも寄与していたというポジティブな評価、それから増発の中で資金調達全体を円滑化する補完的な機能を果たしてきたとしている。ただし、流動性供給入札は、どの銘柄にどの程度のものが出ていくのかということが事前に分からないため、不確実性を高めるところもあるとしている。いずれにせよ、補完的な位置づけであって、その範囲を逸脱しないことが重要としている。

9ページの買入消却については、20年度問題への対応や債務残高を圧縮するといった特定目的で行ってきた。またそれ以外でも、国債市場の流動性を高めるということで行ってきた部分もある。特に、物価連動債、15年変動債のマーケットが機能しなくなったような時には、市場の需給改善に寄与するといった市場に対するセーフティ・ネットとしての機能がある。この市場に対してのセーフティ・ネットは当然危機の状況が段々なくなっていくにしたがって、小さくしていくべきものであり、その都度その都度、今日この場のような局面で議論しながらその適正規模というものを考えていくことが必要である。

最後に、先般行った欧州投資家訪問における議論を紹介すると、過去に物価連動債にかなり大きく投資をした投資家が基本的にどうしようもなくポジションを持ってしまってどうしたらよいのか分からないという議論はほとんどなくなっていた。その代わり、物価連動債という商品を今後どのように位置づけるのか、その位置づけによって再開というものをどのように考えているのか、再開に当たり商品性についてどういう工夫があるのかということが主な議論となった。

買入消却に関しては、特に物価連動債の残高がどんどん減少している中で、流動性の観点から、ある程度の残高が必要ではないかという意見もあり、市場の反応を見る上でも相当ペースダウンはしようと思っているということを欧州の投資家に伝えた。これに対し、非常に困るという意見は今回の投資家訪問ではなかった。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

(流動性供給入札について)

・流動性供給入札については、補完的役割という点では現状の金額が適当であると考える。但し、対象銘柄に関しては、発行後2年程経過した40年1回債及び次四半期には新発20年債より償還が短くなる30年1回債を加えて欲しい。後者についても、償還時期が重ならなければ新発債の発行に対して大きな影響を及ぼさないと考えている。

・基本的には現行の方式でよいと考えている。ただし、入札対象銘柄数に制約があることは知っているが、当社としては、可能であれば残存5年より短いゾーンを対象に加えて欲しい。

・現行の方式でよいのではないか。長期的な視点では、国債発行額が将来減少する局面が来れば、流動性供給入札による発行は減額の対象となろう。現在は全体としての発行額が増加傾向なので、補完的という意味合いで妥当であると考える。

・当局の提案通りで概ね大丈夫だと思う。従って、直ちにというわけではなく、実際には来年度入り後の需給環境次第であるが、ゾーンⅠ(残存15-29年)・Ⅱ(残存5-15年)の割り振りについて、現在の需給環境を踏まえればゾーンⅠを若干減額し、その分ゾーンⅡに振り替えることもあり得るのではないか。ゾーンⅠにも需要があれば、少なくともゾーンⅡには吸収余地があるので、若干の純増も可能。投資家のオフザラン銘柄への需要は強く、流動性供給入札の趣旨にも合った対応と考える。1月からの入札結果発表時刻の繰り上げもあり、非常に便利な入札になっている。

(この他の意見はなかった)

(買入消却について)

・買入消却は減額方向でよいのではないか。特に、物価連動債については大幅な減額も可能と考えている。市中残高は約10兆円から現在5兆円台まで減少しているため、例えば四半期6,000億円という規模は市場残高の10%を上回り、大方の売却ニーズを吸収した現状では過大といえる。市場の流動性を補完するために買入消却を増額してきたわけだが、物価連動債の発行意義には市場の期待インフレ率の把握もあったはずであり、現在CPIがマイナス幅を広げている中でBEIだけが回復するというのは、もはやそうした趣旨からも逸脱している。ある程度市場の需給に任せるような観点で買入消却を減額してもよく、毎月1,200億円程度まで減額可能ではないか。15年変動債の方は、市中残高が非常に大きいこともあり、減額は緩やかでもよいが、実勢価格がオーバーパーになる銘柄も出てきており、それらも買入れていくことは買入消却の目的から離れる。今後相場が荒れるような展開があれば機動的に増額する余地を残すためにも、落ち着いているうちは若干減額してもよいと思う。

・物価連動債は毎月1,500億円で計4,500億円、15年変動債は毎月1,000億円で計3,000億円で、合計では年間枠の4分の1相当の7,500億円として欲しい。両商品とも比較的安定してきたが、当社では投資家からの買入消却を利用した売却ニーズを現在も強く感じており、今暫く現行程度の規模で買入消却を続けて頂きたい。物価連動債は、市中残高が5兆円台半ばまで減少し、投売りは見られなくなってきたので、毎月1,500億円程度で大丈夫だと思う。15年変動債は、国内外の投資家共に買入消却へのニーズは強く、現状維持で毎月1,000億円程度として欲しい。

・物価連動債については、市中残高が減少している一方、当社のCPI見通しを踏まえても再発行が可能となるような市場環境はすぐには来ないとみられ、あまり過度に買い上げることは適当ではないと考えている。来年度の買入消却の枠が3兆円であることとの関係でも、物価連動債の買入消却を若干減額する方向が適当ではないか。本年3月末には市中残高が約5兆円となり、そのうち浮遊玉は3~4兆円程度であることから、市場への影響に配慮して買入消却を急減させなければ減額は可能である。4-6月は毎月1,600億円とし、その後も徐々に減額させて、年間で1.2~1.5兆円あたりでの着地を想定する。15年変動債については、売却ニーズが相応にあることに加え、価格は安定しているとはいえ、理論価格対比では割安であり、発行体として買入れるメリットはあると考えるので、毎月1,000億円のペースで来年度中は継続し、年間1.2兆円程度は実施する必要があると思う。年間3兆円の枠は全て使い切らなくてもよいと考えている。

・物価連動債については、相場が崩れやすい状況は総じて改善されてきたが、引き続き不安定な状況が少しは見られる。従って、4-6月においても5,500億円、少なくとも5,000億円程度は維持して欲しい。3ヶ月合計で7,500億円の配分とするのであれば、その残額を15年変動債に割り当てて欲しい。

・物価連動債は、市中残高は減少しているものの、15年変動債に比べて価格のボラティリティは若干残っている。また、マクロ経済環境に照らしても、現時点で積極的に保有したい投資家はあまりいないのではないか。そうした中、物価連動債や15年変動債の動きを契機に市場全体が崩れることを非常に危惧しており、物価連動債は4月2,000億円、5月1,500億円、6月2,000億円で計5,500億円、15年変動債は、日本銀行の月別の買入れの有無と紐付けて、4月500億円、5月1,000億円、6月500億円で計2,000億円を提案する。4-6月の状況を見ながら、また次の四半期を考えればよいと思う。

・物価連動債は小幅減額、15年変動債は現状維持という意見である。物価連動債のBEIは着実に回復してきたが、▲0.758%という水準自体は昨年末よりむしろ低く、またエコノミストの平均的なCPI予想とはかなり乖離がある。将来の発行を念頭に置いても、実際のBEIがCPI予想にある程度近づくまでは、買入消却を大きく減額すべきではない。四半期毎に市中残高の減少に合わせて600億円ずつ減額するペースを想定し、4-6月は5,400億円、7-9月以降も600億円ずつ減らし年間計1.8兆円あたりが適当である。15年変動債の方は、実勢αは着実に回復しており、買入消却の効果が確実に出ているといえるが、イールドカーブに基づく理論価格と実勢価格は現在も6円程度乖離しており、その開きは以前と殆ど変わらない。従って、現状では買入消却の額は維持するのが市場の安定に資する。4-6月は3,000億円とし、来年度中はそのペースを継続すれば、年間1.2兆円となる。このような形で年間予算の3兆円を配分すればよいのではないか。

・物価連動債については、市中残高の減少を踏まえ、毎月1,500億円とし、四半期で4,500億円を考えている。15年変動債については、当社の店頭でも買入消却の機会に売却を希望する投資家が非常に多く、実勢価格が額面を超える銘柄が出てくる中ではその傾向に拍車が掛かることもあるため、現状の毎月1,000億円を維持して欲しい。

・4-6月について、金額から言えば、物価連動債は毎月1,500億円で計4,500億円、15年変動債は毎月1,000億円で計3,000億円とし、合計7,5 00億円と考えている。年間3兆円の枠に照らしても妥当な水準ではないか。物価連動債については、ピーク時は約10兆円あった市中残高が、本年度中には当初の8兆円台から年度末には6兆円割れとなり、約3割の減少となる。今のペースで買入消却を継続し、元本保証付きの物価連動債の発行もなされなければ、1年後には2兆円台となるが、残高減少によりグローバルインデックスから除外されることなどは、あまり望ましくないと考える。従って、市場の状況次第ではあるが、来年の今頃には毎月1,000億円程度までの減額を視野に入れるのが適当である。先程の毎月1,500億円という規模は、6兆円弱という市中残高に対する割合でみると、本年度初の市中残高8兆円台に対して実施していた毎月2,200億円と大体同じである。更に、1年後の毎月1,000億円という数字も、その時点での市中残高に対する比率は同程度になり、決して無理のないペースだと思う。

(ここまでの発言に対して、当局から以下のとおり発言した。)

来年度には年間3兆円の枠を設けているところ、発行当局としては必ず全額使い切る必要はないと考えている。一部には3兆円を全額配分する前提での意見も見受けられたので、その点を申し上げたい。

・当社の意見は、これまで出た意見とは少し異なる。4-6月には、物価連動債については、現状維持の毎月2,000億円で計6,000億円とし、15年変動債は、現状より減額し、日銀の買入オペの対象にならない5月に1回だけ1,500億円とする案である。物価連動債及び15年変動債の価格下落圧力は緩和方向にあるが、市場での売買の規模や頻度は依然として限定的である。また、国際会計基準において両債券に対する償却原価法の適用の可否を巡る議論の帰趨によっては、現在保有している投資家からの売却ニーズが高まる可能性もあると思われる。従って、今暫くは買入消却の継続により需給改善を図る必要があると考えているが、買入消却が減額方向にある中では、市中残高が依然として約40兆円もある15年変動債よりも、約6兆円程度まで減少している物価連動債を重点的に実施する方が、デフレ環境という状況とも相俟って、より大きな効果をあげると思われる。

・最終的に3兆円の一部を使い残すことが、国債発行の面からは好ましいという前提に立てば、4-6月に7,500億円を発射台とするのが適当ではないか。その場合、あくまでも感覚的ではあるが、現状の実施額から毎月500億円を減額するイメージを持っている。その割り振りについては、色々な理由付けはあり得るが、市場の状況を踏まえ、物価連動債の方は現状から毎月300億円減額して毎月1,700億円とし、15年変動債の方は毎月200億円減額して毎月800億円とすることを提案する。

(2) 平成22年度における超長期債のリオープン方式について〔参考配布:資料2〕

はじめに、理財局から、平成22年度における超長期債のリオープン方式について、以下の通り説明した。

平成22年度においては、昨年末に発表した国債発行計画にあるとおり、30年債を年間計8回、40年債を4回発行する予定としており、これらについては流動性向上の観点から21年度と同様に複数回分を銘柄統合して発行することを考えている。

資料2では、議論の整理のために当局からそれぞれ2つの案を提示している。

30年債については、年間2銘柄案として、先日入札を実施した3月債から本年7月までの4回分と本年9月から来年1月までの4回分をそれぞれ銘柄統合する考え方と、年間4銘柄案として、3月債と本年4月の2回分、6・7月の2回分、9・10月の2回分そして12月と来年1月の2回分をそれぞれ銘柄統合する考え方を示している。

40年債については、年間1銘柄案として、本年5月から来年1月までの4回分を纏めて銘柄統合する考え方と、年間2銘柄案として、本年5・8月の2回分及び本年11月と来年2月の2回分をそれぞれ銘柄統合する考え方を示している。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・超長期債のリオープン方式については、1銘柄当たりの流動性を考慮すると、30年債は年間2銘柄、40年債は年間1銘柄でよいのではないか。(出席者3名が同一の意見)

・超長期債のリオープン方式については、流動性の確保を考えた場合、1回当たりのロットで判断することは困難であると思うが、仮に将来的なこのゾーンの増発可能性まで考慮すれば、30年債は年間2銘柄、40年債は年間1銘柄でよいのではないか。

(この他の意見はなかった)

(3)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・最近は円債に限らずどこの金利市場であっても、また株価についてもレンジの中で推移しており、ボラティリティが下がっている。その中で、特に円債については、経済がデフレ基調にあるため安定して推移している。この先6ヶ月、1年でみても大きな金利変動は想定しづらく、40~50bp程度の金利変動となるのではないか。これからの注目点は参院選であるが、その前にどうなるかわからない点が多いので、財政政策に絡んで国債市場が振れる可能性には注意しなければならない。仮に、国債市場が振れる場合には、入札等がイベントとなって金利上昇に拍車が掛かることが十分に想定されるので、その際には市場とのコミュニケーションをうまくとってもらいたい。

・足元、10年債利回りは1.3%近傍であるが、2010年度も1.1~1.6%程度の狭いレンジでの推移になると見込んでいる。景気自体は回復基調にあるが、設備投資の本格的な回復が見込めないこと、CPIが大幅なマイナスにあることから日銀の利上げ観測が出てくることは考えにくい。例えば、企業サイドで銀行借入を伴うような新規設備投資が出てくるためには、今後、稼働率がここから10%上がらなければならないと考えているが、そうなるまでには1年以上かかると見ている。

ただし、4-6月を考えると、いくつか金利が上がるリスクもあると見ている。一つはソブリンリスクに伴い、ユーロが売り込まれているが、巻き戻しが起きてもおかしくないと考えている。もう一つは、欧米中銀がこれまで量的緩和を拡大してきたが、これからは横ばいないしは縮小に入ってくるかもしれず、これに伴い円安が進行し株価の上昇が想定される。日経平均が11,000円を超えてくると金利上昇圧力がかかるのではないか。

また、国内という面でみると、参院選が今後3年間の財政政策の方向性を決める上で非常に重要だと見ている投資家が多いので、そういう意味では、参院選までは買いを手控える動きが出てきてもおかしくないと考えている。

2010年度全体で見れば、それほど大きな金利変動を想定しているわけではないが、4-6月は時期的に注意が必要ではないか。

・ほとんど金利が動いていないが、これは通常債券市場の材料と言われるものが些細なことになっているということである。

先行きが暗くなってしまうが、おそらくマーケットだけではなく、日本全体に経済は成長しないという長期的な考え方がすり込まれてしまい、長期金利が上がらないのではないか。

来年度は今年度に比べると不安が少ないと思う。今予見される不安材料として、国債増発や財政悪化等を指摘する見方が多いと思うが、これらはある意味、今年度こなしてきたテーマである。実際、来年度もどこかで補正予算に伴う増発があるかもしれないが、今年度のようなことにはならないだろう。

一方、今年度に関しては、需要の方で金融機関の余資があると言われたが、来年度は今年度ほど、貸出は落ちないと考えており、その意味では余資の積み上がりは減っていくと思う。しかし、国債の増発額が減ると言うことは均衡点が下がるということであり、ボラティリティは一段と低下するだろう。

来年度の10年債利回りを予想すると、1.2~1.55%くらいだろう。もしかしたら、10~11月頃に増発の話で盛り上がる場面はあるかもしれないが、今年度ほどの利回り上昇にはならないだろう。ただし、思い起こしておくと、昨年11月10日に今年度の2番天井である1.485%をつけているが、その3週間後には今年度で1番低い1.19%をつけている。おそらく3週間前にはそんな水準は誰も予見できなかっただろうし、2週間前、1週間前でも同様だったのではないか。そこには円高、株安、日銀の金融緩和強化という背景があったが、狭いレンジで推移すると、どの時点でピークをつけるか、どの時点でボトムをつけるかという予見が難しい。しかし、レンジが狭いと、そのレンジに沿ってオペレーションをするという意味においては、今年度に比べると、非常にわかりやすい環境ではないかと思う。

・短期的に見ると、4、5月にかけ金利は上昇し、6月は若干低下という感じで考えている。金利のピークは、10年債利回りで1.5%程度と考えている。例年4月については、発行償還バランスや地方債、事業債の発行が増えることもあり、やや需給バランスが悪くなりやすい。また、7月には参院選があるので、政治的には株価を上げていきたいという方向になるので、債券市場にはややマイナス要因になると思う。

海外金利については、FRBが出口の議論を始めている中で、MBSの買取りを止めるという議論になるので、どうしてもイールドカーブにはベアスティープ圧力が掛かりやすい。そういう中で円債の金利上昇が限定的であれば、4月以降、生保中心に外債に目が向きやすくなるのではないかと考えている。ただし、構図としては、国内投資家は基本的には買い手サイドであり、要注意なのは外人売りをどう考えるかということである。そういう意味では、政府が6月を目途に出す財政運営戦略と中期財政フレームワークが非常に重要である。特に格付け会社や海外投資家が注目しているのは、数字としては、GDP対比の債務残高の方向性だと思う。中長期の数値目標を示すにあたり、期間をどのくらいにするかは難しいと思うが、例えば3年から5年位のスパンを考えた場合、着地の5年後に債務残高がどれくらい減少するのか明確な改善の方向性を示さないと、外人がこれを新たな売り材料とするおそれがある。また、そもそも財政再建の道筋として一番注目しているのは、実現可能性があるかということであり、一つは税収の見通しの前提となる成長率の推移は現実的なものを置くべきであり、それだけではなく、ある程度信頼性のある財源確保の道筋を示さないと、海外から日本国債の売り材料と見なされるおそれがある。実際に金利が上昇するかしないかの問題以上に、そもそも日本国債の信認を失くしては意味がないので、6月は日本の国債市場の将来を考える上でも非常に重要である。

話は変わるが、一つの選択肢として新たに3年債を発行することを検討してはどうか。見方は色々とあると思うが、投資家のカレントニーズは強く、特にアモチゼーションを嫌う投資家にはそれなりのニーズがある。実際に3年債を発行する場合の前提として、もし2010年度に補正予算で更なる増発ということになれば、この3年債の発行も一つの選択肢になるし、国債の増発がない場合でも、将来の借換債の負担を減らす観点から、3年債を発行する一方で、1年T-Billを減額するなど、中期的な視点から選択肢として考えられるのではないか。

・大きな金利見通しに異論はなく、日銀の方では追加緩和の憶測が出ているが、大きく金利が下がるという影響もなかなか出づらい。他方、増発の話について、目先に関しては引き続き国内で消化できる状況なので、大きくレンジは変わらないというのがコンセンサスになっている。ただし、低いボラティリティがずっと続くかというと、ここ一日二日が非常によい例であるが、証券会社、投資家は、レンジの中でも収益を上げなければならず、どうしてもレンジトレーディングになりやすいため、ポジションが傾きやすく一方向に動きやすい。従って、ちょっとしたきっかけで、先物が一週間で1、2円程度動くボラティリティは今後もあるのではないかと思う。ボラティリティが大きく低下しない以上は、リスクプレミアムもそこまで剥げ落ちず、金利低下の定着は難しいのではないか。そのため、盤石な堅いレンジというよりは、意外と危うい均衡になるのではないか。

・限月交替が終わった後の先物の動きにより、このまま崩れる感じもあるが、今月は需給自体はそれほど悪くないので、大崩れはしないと思う。4月から6月はここ3年ほど相場が下落しており、どちらかというとその方向に皆が動きたがると思うので、それが4月から6月に実現するのか、若しくは途中で止まってしまって戻るのか、その辺は見極めていきたい。

財政懸念にかかる話は今後もしばらく続くと思うので、財務省と引き続きコミュニケーションをとりながらやっていくべきと考えている。また、政府は6月を目途に財政運営戦略を出すが、ある程度の数値目標は必要であると思う。しかし、債務残高を減らしていくという実現性が示せるかは難しいと思っているので、その辺を市場参加者、特に海外投資家に見透かされてしまうようなものは出すべきではないと考えている。さらに、財源をどう確保していくのかを示すなど、投機の対象にならないようなしっかりとしたものを出してもらいたい。

・今後も国債発行額の減額が考えにくい中、日々入札に取り組む立場として、大量の発行額に対するマーケットのリスクを抑えるという意味から、新発債のクーポンの発表時刻を出来れば早めていただきたいと考えている。技術的に可能であれば、例えば9時30分などにしてはどうか。

(この発言に対して、理財局から以下のとおり回答した。)

クーポン発表のタイミングについては、市場では既に定着した慣行になっていると思う。技術的なこと等も含め、今後の検討課題としたい。今後もこの場に限らず意見がある場合にはいただきたい。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 鈴木・橋本

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

Source: Ministry of Finance.