PD Meeting #18
| Date | 2007-11-22 |
|---|---|
| Venue | 財務省 第3特別会議室 |
| Agenda | (2)流動性供給入札の在り方について 〔参考配布:資料3〕 (3)入札日から発行日までの期間短縮について〔参考配布:資料4〕 (4)理財局からの説明事項〔参考配布:資料5〕 (5)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
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Materials
| 資料1PDF |
| 資料2PDF |
| 資料3PDF |
| 資料4PDF |
| 資料5PDF |
Minutes
(1)
国債の年限別の発行額等について〔参考配布:資料1、資料2〕
はじめに、議論の前提として、来年度の国債の発行額等についての現時点での理財局の考え方について、以下のように説明を行った。
○平成20年度の国債発行計画について
・平成20年度の新規財源債については、歳出・歳入一体改革に着実に取り組むことにより、極力抑制できるよう、努力しているところであるが、現段階で確たることは申し上げられない。
借換債については、これから直近までの発行実績等を踏まえて精査していく予定であるが、19年度計画の99.8兆円からは減少する見込みである。
また、財投債については、今後の財投編成によるものであり、現時点で具体的なことを申し上げられる段階ではないが、19年度計画と比べて、経過措置分7.6兆円は皆減となるため、発行額は減額の方向になると見込んでいる。以上より、20年度の国債発行額は、19年度予算の143.8兆円と比べて、減少するものと見込まれる。
次に、国債の消化面をみると、日銀乗換は、日銀の政策委員会でご決定していただく事項であり、また、今後の国債買切りオペの効果等を勘案する必要があるが、10月末時点では日本銀行の20年度償還予定国債の保有額は9.3兆円となっている。財投債経過措置分については、先程申し上げたとおり皆減となる。また個人向け販売分をどの程度見込むかについては、今後更に見極めてまいりたい。
前倒債については、19年度においては、20年度問題の解決を踏まえて2年連続で大幅な取崩しを行うこととし6.2兆円の減額を行ったが、20年度においては同様の規模の減額は行わない方向で検討している。
20年度のカレンダーベース市中発行額については、以上の状況及び今後の予算編成、財投編成、市場のニーズ・動向等を踏まえつつ、検討していきたい。
本会合においては、我々として現時点でカレンダーベース市中発行額について確定的な見通しを持っているわけではない点にご留意いただく一方、各年限債の相対的な消化能力を把握する上で、ある程度共通の前提を置いて御議論していただく必要があることから、便宜上、市中発行額は19年度と総額が同額(109.6兆円)と仮定した場合の年限別発行額についてご意見をお伺いしたい。なお、増減額同額に拘るあまり、無理に特定の年限を減らしたり、増やしたりする必要はないので、どの年限が強い、弱いということについて、実感どおりにお話しいただきたい。
次に、政府短期証券については、今後、市中発行額を増加していかざるをえない状況にあり、先日、13週物の1回の発行額を4.5兆円とすることを発表したところであるが、更に、6ヶ月物の1回の発行額を次回12月発行分より3兆円とすることを予定しており、その場合、平成19年12月、平成20年3月は政府短期証券として、平成20年1月、2月は割引短期国債として発行することとしたいと考えている。
○買入消却について
・現在の市場環境の下、15年変動債については、既発債の流動性が低下するとともに、発行当局としても割安な条件での発行を強いられており、その流動性の向上が求められている状況にある。
また、今後の借換債発行額の見通しをみると、21年度にかけて減少するものの、その後は継続的に増加していくことが見込まれており、さらに、今後の金利や会計制度の動向等によっては、内外投資家の投資行動が急激に変化する可能性があること等を踏まえると、中長期的な国債償還リスクの軽減の観点から、できるだけ速やかに将来の借換債発行額の圧縮・平準化を図っていくことが今後の大きな課題となっている。
こうした状況を踏まえ、20年度の買入消却については、買入規模の増額も視野に入れつつ、買入銘柄の割振りに当たり、15年変動債により重点を置いたものとすることを検討したい
。
このほか、市場参加者からは、金融機関におけるLDI運用のニーズ等に応えるため、利付国債のストリップス化(元利分離化)を促進する観点から、ストリップス債の利札を買入消却の対象とするよう求める声もあがっているところである。このため、通常の買入消却とは別に、ストリップス化が円滑に行われるようになるまでの時限的措置として、ストリップス債の利札を対象とした新たな買入消却を導入することも併せて検討することとしたい。
○15年変動債について
15年変動債の発行額等について、理財局から以下のように説明した。
・15年変動債については、需給緩和等を背景に理論価格と実勢価格との乖離が続いており、19年度下期に1回1兆円から7,000億円に発行ロットを減額し、原則リオープン発行を導入したところであるが、理論価格対比で不利な発行が続いている。発行当局としては、中長期的な発行コスト削減(納税者の負担軽減)を図るために、発行減額と買入消却の増額の両面を通じて、不利な発行条件を改善したいと考えており、20年度については、買入消却額の総額の増額も視野に入れつつ、15年変動債の買入により重点を置いたものとすることも検討している。
また、流動性確保のために5月債と8月債、11月債と2月債をリオープン発行とし、利払月の多様性を確保するために、11月債と2月債の償還月を8月とし、利払月を8月と2月にしたいと考えている。その場合、11月債の基準金利は、入札月の10年債入札金利とすることを検討している。
15年変動債の①発行ロット及び発行回数の適正規模、②年間の買入消却額及び1回の買入消却額、③リオープン方法の3点について、ご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・発行額については、5,000億円×4回の2兆円が良いのではないか。買入消却の上限額としては、新規発行額の半分となる年間1兆円までは可能と考えている。買入消却の入札回数を同程度とすれば、現行の倍となる1回当り1,200億円までの買入は可能と考えている。
・発行額を減額するとして、現実的にみて1回6,000億円の発行ロットを維持するとした場合、年間の買入消却額は、新規発行額の半分程度、つまり年間2兆円程度の発行に対して1兆円程度の買入消却が良いのではないか。買入額を増額することで、理論値から割安方向で乖離している実勢価格がかなり改善できると考える。現在、投資家がポートフォリオで保有する15年変動債をマーケットで売却したくても、流動性が枯渇しているため受け皿がなく、売るに売れない状態である。買入消却を増額することで、市場流動性が向上し、市場の安定化も図れると考える。
・新規発行額から買入消却額を控除したネット発行額の観点から需給を調整する方向で議論が進んでいるが、新規発行額を大幅に減額すると、マーケットに対してネガティブな印象を与えかねないと考える。新規発行額は1回当り1,000億円程度の減額に止めて6,000億円×4回とし、その一方で買入消却を思い切って1回当り1,000~1,500億円程度まで増額し、年8回の入札回数を維持して、ネット発行額を年間1兆円程度とすることでどうか。マーケットに与える印象も良くなるし、市場環境が変化して、将来15年変動債のニーズが高まった場合の需給調整もしやすくなる。
・15年変動債の割安な状態が続く中で、買入消却を増額してもらえれば、非常に有り難い。既発債の流動性枯渇や償還が当面到来しないといった状況に対応するためには、買入消却の増額は、アナウンスメント効果も期待できるため、マーケットの流動性向上が図れると考える。買入額を1回当り1,000~1,500億円とし、ネット発行額が年間1兆円を下回るとしても、需給が改善するまでの時限的措置としては良いのではないか。
今年度も新規発行を減額したところであるが、さらに1回5,000億円までの減額が必要と考えている。ただし、マーケットの一部で言われている発行休止については、流動性が損なわれる可能性が大きいため反対である。
このほか投資家からは、15年変動債をストリップス化適格とすれば、理論値対比の割安さが改善するといった指摘も聞かれており、検討する価値があると思う。
・新規発行額については、大幅に減額し、5,000億円×4回とする必要がある。買入消却に関しては、年8回の入札回数を維持しつつ、1回当り1,000億円への増額で良いのではないか。
・理論値対比で割安な状況への対応としては、発行減額と買入消却の増額の両面から行うことが望ましい。今年度において、発行額は1回当り1兆円から7,000億円へ減額したところであるが、状況は大きく変わっていない。マーケットに対して改善に向けたクリアなメッセージを示していく観点から、発行額については、今年度当初計画から半減する1回当り5,000億円×4回とするのが適当である。この規模の減額を行えば、当局のメッセージがクリアに伝わると考えている。買入消却額については現状維持でも良いかと考えていたが、増額すべきとの意見も出ていることから、増額には賛成である。
・1回当りの発行額は5,000億円で良いのではないか。5,000億円あれば市場における新規銘柄の流動性は確保できると考えている。言い換えると、これ以上減額してしまうとマーケットが縮小してしまう可能性がある。
買入消却を増額することで割安さは一定程度解消されると考えている。当面償還がないことを勘案すれば、買入額を年間1兆円程度に増額し、1回当たり買入額を600億円から1,000億円程度に引き上げてはどうか。年間8回の買入頻度となっていることから、1兆円に足りない分については物価連動債の買入消却を行う月にも15年変動債の買入消却をしてもらえるとありがたい
。
・原則リオープンの発行方式については、投資家において利払月の分散ニーズや基準金利が一気にリセットされることに伴うリスクを懸念する意見があることから、当局の提案どおりで問題ない。
○30年債及び40年債について
30年債及び40年債の発行額等について、理財局から以下のように説明した。
・30年債・40年債については、ウルトラ・ロングということで市場環境が共通することから、両者を合わせて議論したい。40年債の初回発行については、1,000億円という小ロットでの発行となったが、落札・応札義務がなかったものの、順調な入札になったと認識している。当局としては、40年債市場は今後大きく育てていく必要があると考えており、具体的に入札に当たっては、そのスケジュールを予め示し、投資家に対する予測可能性を高めることが肝要と考えている。資料では40年債を他の年限とは別に掲載しているが、この扱いについては未定であり、他の年限と同じように総額の枠の中に入れることも選択肢としてはある。
30年債及び40年債について、①20年度の発行ロットおよび発行回数、さらに40年債については、②発行月、③発行上限額方式を継続するか、または発行額を確定して落札・応札義務を課すか、についてご意見を伺いたい。その際、40年債は流動性確保のために当面リオープン発行としているが、残高がいくらになるまでリオープンする必要があるのか、1銘柄のサイズのイメージについてもご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・現状の金利情勢も踏まえると、30年債の新規発行額は今年度と同じ6,000億円×4回を維持することが適当である。
・30年債については、7,000億円×4回に増額する余地があると考えている。将来的に負債の時価評価の導入が控えているので、できるだけ長い年限のイールドカーブをしっかり作った方が良く、40年債との間をつなぐ意味でも30年債を育てていく必要がある。海外では30年ゾーンが超長期の中心的な年限であることもあり、ニーズはあるのではないか。
・40年債は、現状を勘案すると1回当たりの発行ロットは1,000億円程度が適当と考えるが、1,000億円は最小ロットであり、状況に応じて徐々に増やす方向であると思う。半期に1回、1,000億円程度を最大2年間リオープン発行し、1兆円に近い残高とすれば、流動性も確保できるのではないか。発行月は、引き続き40年債と30年債が重複しないようにして欲しい。落札・応札義務のある定期発行に移行して、今後も継続的に発行していくことを投資家に示すのが良いのではないか。
・40年債の発行額は1,000億円×2回が良い。長い目で考えると、1,000億円×2回を今後2年間続けて、1銘柄が5,000億円になるまでリオープン発行するのが望ましい。落札・応札義務に関してはまだ不要ではないか。
・40年債の初回発行分については発行額が少な過ぎて投資家の購入対象とならなかった印象を受けている。20年度の発行額は2,000億円×2回に増額した方がマーケットでの取引が成立しやすくなるのではないか。
流動性の観点から1銘柄の残高は最低5,000億円以上とする必要があり、できれば1兆円程度になるまでリオープン発行を続ければ良いと思う。それだけの発行額とするのであれば、カレンダーベース市中発行
額に含めて、落札・応札義務も課した方が分かりやすいと思う。
・40年債については、1,000億円×4回の発行とし、5、8、11、2月の発行が良いと考える。場合によっては、今年度中の来年2月に発行しても良いかと思う。マーケットの総意であれば、2,000億円×2回としても良いが、いずれにしても年4,000億円の発行が可能と考えている。定期発行とするならば、カレンダーベース市中発行額の枠外というのは美しくなく、枠内とした方がわかりやすい。それに伴って落札・応札義務をつけることで良い
。
1銘柄の規模は最低5,000億円が目処だと考えており、リオープンの期間が1年以上にはなるが、それまでリオープンを続ける必要がある。財務省では1銘柄当たり1兆円というのを1つの考え方として持っているとも思うので、それを考慮すると1銘柄の残高は5,000億~1兆円とするのが妥当ではないか。
・40年債は、まだ情勢が不安定なので、例えば、20年度上期分として、2,000~3,000億円×1回とし、様子を見て下期に追加発行するような柔軟な対応も考えられる。
○その他の年限(物価連動債含む)について
その他の年限(物価連動債含む)の発行額等について、理財局から以下のように説明した。
・その他年限については、短中期(TB、2年債、5年債)、長期・超長期(10年債、20年債)、物価連動債と多岐に亘るため、年限によっても需給環境は区々であり、例えば、5年債については需給の緩みが指摘されているところ。こうした点も踏まえて、①20年度の発行ロット、発行回数、及び②利回り物・物価連動債の買入消却額の適正規模について、それぞれご意見を伺いたい。買入額については、年間買入額と1回の買入額の双方についてご意見を伺いたい。
また、当局としては、原則リオープン発行を順次導入していきたいと考えており、5年債、10年債、20年債についても、原則リオープンに移行すべきかどうか、これまでも本会合等において議論を重ねてきたところであるが、20年度の発行計画に即して、さらにご意見があれば、この点についても伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
(発行額について)
・カレンダーベース市中発行額の総額は、今年度並みの水準を維持した方が良いのではないか。当面減少するとしても将来的には借換債が増える方向にあることを考えると、市中発行額の水準をある程度維持していく必要がある。15年変動債について年間2兆円程度の減額を行うのであれば、その他の年限を増やすことで一定水準の発行量を維持する必要があると思う。
・15年変動債の発行額を減額するのであれば、その代わりに20年債を毎月1,000億円程度増額してはどうか。5年債については、同ゾーンの既発債の市中残存額がかなり多いので、毎月2,000億円程度減額し、その分10年債と2年債をそれぞれ1,000億円ずつ増額してはどうか。物価連動債については、リオープンの有無により5,000億円と1兆円の銘柄があるので、このバラツキを無くすために8,000億円×4回の発行としてはどうか。
・19年度(変更後)から特段増減させる必要はないが、あえて言えば、5年債を減らす余地があるのではないか。
・流動性の観点から、ややモタツキ感のある5年債を減らす方向が望ましいのではないか。
・物価連動債をやや減額し、他の年限は現状維持で良いのではないか。
・15年変動債の減額だけとした場合、全体の発行額が減額となってしまうことに加えて、当局にとっては平均残存期間の短期化に繋がってしまうという点であまり好ましくないのではないか。平均残存期間の長期化を図ってきた当局としては、残存期間の短期化を回避すべく、超長期、物価連動債を増額したいという意向があるのかもしれないが、マーケットとしては当該ゾーンの増額はなかなか難しいとの印象があり、増額する場合、需給が緩んで割安になる恐れがあることを十分に考慮した上で決断する必要がある。
カレンダーベース発行額が今年度と同額という前提では議論が窮屈になってしまうが、例えば、前倒債を20兆円程度発行している現状があるので、これを削ってカレンダーベース発行額を減額する方法もあるのではないか。
または、短い年限の減額を検討してはどうか。5年債を減額するという意見が多かったが、今後、サブプライム問題が落ち着いて日銀が利上げということになれば、短いゾーンの需給は苦しくなるだろうし、来年度はそれ程大きな額ではないにしても、短いゾーンの大口の買いが落ちることも想定されることから、2年債についても減額の余地がある。2年債を減額すれば、今後の借換債の資金繰りが楽になる面もあるだろうし、平均残存年限の長期化にも資することとなる。来年度の発行計画の策定に当たっては、マーケット状況という点とは別の視点も含めて議論する余地があるのではないか。
(買入消却について)
・利回り物と物価連動債の買入消却額については、現状維持で構わない。
・利回り物は、各年限でそれぞれ需給の良し悪しがあるため、流動性供給入札とセットであれば、買入額を増やす余地は十分にあるだろう。物価連動債の買入額は現状の水準で十分だろう。
・買入消却については、利回り物の買入額は現状維持が望ましいが、15年変動債の買入額が増えるのであれば、その分を減額して調整するのは止むを得ない。
・15年変動債について買入額を増やしてネット発行額を調整するという議論があったが、物価連動債もインデックスで動いているので、状況に応じて市中にある額を調整していくことが必要なのではないか。今後マーケットを育てていくという観点から、物価連動債の発行額は現状維持で良いが、買入額を少し増やして、その分利回り物を減らすことも考えられるのではないか
。
・15年変動債の買入額を増やすことがマーケットのコンセンサスになっていると思うが、それに伴って利回り物の買入額を減らすことは望ましくない。利回り物であっても日銀の輪番オペの対象外の銘柄もあるので、現状維持または同額以上で実施していただきたい。
(原則リオープンについて)
・原則リオープンについては、投資家の事情等もあってなかなか難しいと思うが、全年限で実施していただきたい。
・1銘柄当たりの流動性を増やすということは、結果的には、投資家、業者の双方にとってメリットがあると考えており、原則リオープンを全年限で実施する方向で進めていただきたい。
・5年債、10年債については、現在の発行額で流動性は保たれていると考えており、今の段階で原則リオープンを実施する必要はないのではないか。
・原則リオープンを実施していないことによって、銘柄数が非常に多くなっており、決済の際に必要玉が確保できないといった様々なトラブルを引き起す可能性を孕んでいると考えている。
原則リオープンにより銘柄数が減ると、業者にとってはロング・ショートで多くのポジションを抱える必要性が薄れて資本のユーセージが少なくなり、B/S圧縮に繋がって、レポコスト減少とあわせ、ビジネスがやりやすくなるメリットがある。また、原則リオープンを実施すれば、将来的に流動性供給入札は必要なくなる可能性もあるのではないか。
さらに、当局にとっても銘柄管理に要する事務負担が軽減されることに繋がるだろう。このように、業者、投資家、当局にとって数々のメリットがあるので、原則リオープンを推進していくのが望ましい。
○ストリップス債の買入消却について
ストリップス債の買入消却について、理財局から以下のように説明した。
・15年1月に導入したストリップス債は、全体の市場規模拡大は遅々としているが、このところ生保のLDI運用の広まり等、最終投資家のデュレーション長期化ニーズのもとで、30年債のストリップス化が徐々にみられてきている。
他方、ストリップス化後の分離利息については、投資ニーズが少なく、ストリップス化を行った国債市場特別参加者が事実上、満期まで保有せざるを得ない状況であり、これがストリップス化の進展を妨げる要因となっている。こうしたことから、ストリップス債(分離利息)の買入消却については、本会合等でも賛同意見が聞かれたところ。当局としても、分離利息の買入消却を行うことで、ストリップス債の市場育成、ひいては分離元本となりうる30年債の需給改善が期待できると考えられることから、20年度においてストリップス債の分離利息の買入消却を検討している。なお、利札部分の流通市場も育てる必要があり、分離利息の買入消却はストリップス化が円滑に行われるようになるまでの時限措置と考えている。
具体的な入札実務面では、買入規模が比較的少額となることを勘案すると、入札頻度は上期1回、下期1回の年2回が適当ではないかと考えている。現時点での分離利息残高が約1,000億円程度存在することを前提として、このうち再統合用や販売用に保有する分を除いて、買入額として適正と考える規模についてご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・30年債の分離元本に対する投資家ニーズは非常に強く、40年債についても引き合いがある。現状の分離利息残高1,000億円は、各業者が抑えに抑えた上での残高である。分離利息の買入消却を導入することで、業者はストリップス化しやすくなり、市場も成熟していくと考えている。買入額については、毎月入札を希望するが、現実的にそれが難しいならば、やや多目ではあるが500億円×2回の入札を実施して欲しい。そうすれば、ストリップス債の残高も増えていくと考えている。
・ストリップス債の今後の市場拡大や流動性向上のため、比較的大きい数字であるが、年間で200~300億円×2回が妥当と考えている。
・ストリップス債の残高増加を図るという目標がある一方、利札部分のマーケット整備も考えて、バランスの良い買入消却を行う必要がある。現在の利札部分の残高からすれば、年間100~200億円程度とし、50~100億円×2回が適切ではないかと考えている。
(2)流動性供給入札の在り方について 〔参考配布:資料3〕
理財局から、流動性供給入札の在り方について、以下のとおり説明を行った。
○
20年1~3月について
・19年10~12月の流動性供給入札の対象ゾーンは、20年債40~69回(残存11~16年程度、30銘柄)としている。20年1~3月の対象銘柄は、上記銘柄を基本としつつ、同入札の実施状況や市場関係者の意見を踏まえて決定することとしている。
現行ゾーンの継続を支持する意見も多く、残存6~9年ゾーンについては、『流動性供給入札の方針転換になるため、きちんと整理したうえで移行すべき』といった慎重意見もあるところである。
こうした意見も踏まえて、現行ゾーンを継続することとしたいが、この点についてご意見を伺いたい。
○
20年度について
・これまでの流動性供給は、構造的に流動性が低下しているゾーンの流動性を向上させることを主目的として導入した経緯があり、これまでの実績からみて一定の成果を挙げたのではないかと考えている。当局としては、市場ニーズも踏まえ、流動性供給入札の目的を「構造的に流動性が低下しているゾーンの流動性向上」から一歩踏み込んで「構造的に流動性が低下している銘柄の流動性向上」に拡大し、対象ゾーンも拡張してはどうかと考えている。
システムの整備により20年度以降のオファー銘柄数は60銘柄まで拡張される。ただし、発行銘柄はシステムの都合上、最大40銘柄までである。これまでの実績をみると蓋然性は低いと思われるが、仮に40銘柄超が募入決定されるような場合には、応札状況等を勘案して40銘柄以下となるように調整させていただく予定である。
これまで対象ゾーンを残存11~16年ゾーンに限定しているため、発行計画上は直近半期分のみを計上し、ニーズの継続について半期毎に確認していたが、ゾーン拡張に伴い、20年度分については、1,000億円×12回として通期分を発行計画に計上することとしてはどうかと考えている。なお、新規発行分への悪影響を避ける観点からは、カレント近辺のゾーンを流動性供給入札の対象ゾーンから除外したいと考えている。
現在、流動性供給入札の対象銘柄を買入消却のオファー対象から除外しているが、ゾーンを拡張する場合、現行ルールのままでは、買入消却の対象が大きく限定されることとなる。従って、20年度以降は、除外対象を流動性供給入札の対象銘柄から発行銘柄に変更したうえ、一定期間経過後は買入消却のオファー対象とすることとしたい。
その場合の具体的な除外期間として、構造的な不足に対応するという流動性供給入札の目的を勘案すれば、長期間の除外期間を設けることも一案であるが、一方で買入消却の機動性低下を懸念する声もあることから、当面、発行後6ヶ月間程度の除外期間とし、実施状況をみながら、必要に応じ見直すこととしたい。
ついては、①20年度通期分(1,000億円×12回)を発行計画に計上すること、②20年度上期の対象ゾーンを残存6~15年(60銘柄程度)、残存16~29年(同)の2つのゾーンを設け、月毎にいずれか片方を入札すること、③流動性供給入札の発行銘柄を6ヶ月間程度買入消却の対象外とすること、の3点についてご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
【20年1~3月について】
・年金資金等のニューマネーの継続的な流入が見込まれるため、現行のゾーンを維持することとしてもらいたい。
・現行ゾーンは、カーブ的には割安といえるような状況になってきている。逆に、構造的には残存6~8年のセクターの方がむしろ割高になってきていると考えている。今年度の20年1~3月は難しいとしても、早期にそういったゾーンへの拡大をしていただけないかと考えている。
・残存6~9年ゾーンを3回のうち1回は入れて欲しい。特に10年債の270番台は発行量に関わらず割高な水準が続いており、今後、先物のチーペスト銘柄になっていった場合、先物の流動性に影響を与えかねない。
【20年度について】
・20年度の発行計画への計上に当たっては、通期分の1,000億円×12回とすることで良い。対象ゾーンについては、構造的に流動性が低下している銘柄の流動性向上ということで、当局から提案のあった①残存6~15年、②残存16~29年の2つのゾーンとすることで良いと思う。
・15年変動債を減額するということであれば、その不足を補うという意味でも、オファー対象を60銘柄に拡大する点からも、発行額を1,000~2,000億円程度に増額した方が良いと考えている。また、当局からの案としては残存6~15年ゾーン、残存16~29年ゾーンということであるが、例えば流動性が枯渇している10年債240番台等も含めた残存4年ゾーンまで対象を広げていただき、①残存4~15年のゾーン、②残存16~29年のゾーンを交互に発行することで、十分なニーズもあると思われることから、2,000億円は十分に消化可能と思う。
・15年変動債の減額分をどこかで埋めなければいけない一方で、増額余地のある年限が限られているということも考えると、流動性供給入札のロットを1回あたり1,500~2,000億円程度まで増額する余地があるのではないかと考える。
流動性供給入札によるセカンダリーマーケットの円滑な価格形成を目標とした場合、対象範囲については、可能な限り広い年限に拡大していくことが必要ではないかと考える。20年度の対象年限として6年未満の年限についても検討の必要があると考えており、その場合、対象ゾーンは、10年未満と10年超に分けるのが適切ではないか。
・流動性供給入札については、対象銘柄の拡大を検討する余地があると考えており、流動性の乏しい銘柄がある残存4~5年ゾーンも対象銘柄にして欲しい。総額は1,000億円×12回でも問題ないが、売りも買いもできる銘柄が増えるのは好ましいので、若干の増額余地があると思う。
・来年度については残存6~15年ゾーンを検討願いたい。ロットは1回1,000億円程度と考える。
・残存15年ゾーン全体での流動性が不足しているとのことで流動性供給入札の制度が導入されたが、その結果、流動性不足が解消され、カーブの歪みが解消されたことについては非常に意義があった。
この制度を拡大するスタンスとの認識であるが、その在り方について十分影響を考慮したほうが良い。不足しているゾーンを埋めるということに関してはマーケットメイクする立場としても影響は無い。
しかし、ゾーン全体としては足りていながら、その中で不足している銘柄を埋めるということであれば、業者にとって、銘柄だけ見ればショートが埋まるため有り難いが、各銘柄の過不足がバランスしてイールドカーブが形成されているので、不足している銘柄をピンポイントで供給すると、ゾーン全体としてはダブついてカーブが歪む可能性がある。
業者は、不足している銘柄には不足している銘柄なりの価格を付けてマーケットメイクしているが、追加供給されることにより、その価格が変わってしまうという不確定要素が増えることはマイナスである。業者として、いろいろなカーブの形で在庫を持ちながら営業しているが、カーブの形状が追加供給で変わるとなると、管理が難しくなる。
万人が納得するコンセンサスを作るのは難しいと思うが、新発債を在庫として持つことが多いので、少なくとも新発債に影響を与えるような制度は避けたほうが良い。手前の銘柄が不足していても、その銘柄が不足しているなりのカーブ形状があり、一方で新発債が生まれてくるが、新発債を持っている状態でその近辺の銘柄が供給されるとその部分のカーブが変わるので、マーケットメイクがしづらくなる。
不足しているゾーンを埋めるという制度は分かりやすかったが、拡大することについては様々な配慮が必要である。新発債の在庫は常に持っているので、そのカーブ形成が容易には予測できない要因によってふらつくと、業者としてはやりづらい。新発債に近い残存4年、9年、19年、29年は避けるなどの配慮があっていいと思う。
・流動性供給入札が、割安・割高を狙った操作の手段となるのは本末転倒なので、買入消却からの除外期間として発行後6ヵ月程度が適当と考える。
・対象外とする期間は1~2ヵ月が適当である。
・対象の銘柄数が多岐に亘る中で、少額で発行された場合にも半年間除外されるとなると、恣意的に買入消却から除外する目的での追加発行も考えられる。
除外期間は出来れば1ヶ月間程度に止め、例えば、奇数月は残存4年または残存6~15年ゾーンを発行し、そこで落札された銘柄はその翌月は買入消却の対象から除外、偶数月は残存16~29年ゾーンを発行し、そこで落札された銘柄はその翌月の買入から除外するとしてはどうか。
・流動性供給で出した銘柄を買入消却するというのは考え方として難しいと思うが、恣意的に少額を流動性供給で落とし、買入消却の対象から外すということも十分考えられるため、流動性供給入札において、極めて少額で落札されたような場合には、その銘柄を買入消却の対象から除外しない方が望ましい。万が一、それが困難であれば、除外期間を1ヶ月程度と短くしていただきたい。
・供給されたものは買入消却の対象にしばらくしないことは、少額であってもそれが買入消却の対象にならないということになるとカーブが歪むので、それほどこだわらなくても良いのではないかと思う。
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特別流動性供給入札について
理財局から、特別流動性供給入札について、以下のとおり説明を行った。
・特別流動性供給入札については、前回会合でも議論したが、スキームが存在すること自体でスクイーズに対する牽制効果があるという肯定的な意見が聞かれた一方で、基本的に慎重な運用を求める意見が多く、当局としては運用の透明性確保に努める必要があると考えている。
具体的には、国債市場特別参加者、投資家の双方の意見を踏まえて、特別流動性供給入札の実施要否を判断したうえ、議論の内容については財務省HP上に掲載することで透明性を確保することとしたい。詳細については、引き続き議論をしていきたいと考えているが、進め方等について、現時点でのご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・特別流動性供給入札が制度化されることには賛成であるが、発動される可能性は小さく、また発動されないことが望ましいと考えている。過去にスクイーズという現象が起こってはいるが、特別流動性供給入札の制度が整備されれば、新発債の発行額等を考えるとそれほど激しいスクイーズが起きる可能性は小さくなると思われる。なお、実施の在り方については、当局の考え方のとおりで良いのではないか。
・特別流動性供給入札を制度化することは非常に大事だと思われる。実施に当たっては、国債市場特別参加者も非常に多く、問題の当事者ではない者も結構出てくる可能性があるため、利害が一致しない状況も十分考えられる。最終的には財務省の判断で実施すれば良いのではないか。
・制度の存在自体がスクイーズ等を防止するための重要なファクターになり得ると考えられる。一時的な状況としてスクイーズが起きた場合の緊急措置ということであれば効果があると思われるが、そもそも原則リオープン発行を全年限に適用すれば、スクイーズが起こる可能性が減少するのではないか。まずは原則リオープンの拡大を優先し、それでも突発的に問題が生じた場合の対応策として整理しないと、マーケットの信認を損なう可能性があるのではないか。
・当局の考え方から受ける印象として、発動のハードルが低いと感じられるので、もう少しハードルを高くしたほうが良いのではないか。
また、現実問題として、緊急会合を開催することが困難な場合には持ち回りで開催するなど、そうした実務面の問題を含めて、よりハードルを高くする形にしたほうが良いのではないか。
・当局の考え方で問題はないが、実施に当たってはそれなりにハードルを高くすることが望ましい。基本的には短期的に解決できないスクイーズの状態、例えば、フェイルが多数発生するといった状況が、発動の前提条件だと思われる。
(3)入札日から発行日までの期間短縮について〔参考配布:資料4〕
理財局から、入札日から発行日までの期間短縮について、以下のとおり説明を行った。
・10年債、5年債及び2年債は、入札から発行まで10営業日以上間隔が空くケースが多い。
入札参加者は、入札日前場にかけてカレント銘柄をショートして入札に参加することが多いが、レポ市場が急にタイトになり、ショート分の買い戻しやレポコスト増を強いられる事例が散見される。こうした状況を受け、安心して入札に参加できるよう
、改善して欲しいとの要望が寄せられている。
当局としては、こうした要望や投資家のニーズ、国庫の資金繰り等も踏まえ、5年以上の固定利付債について、20年度から入札から発行までの期間を短縮し、原則として通常の受渡しと同じT+3発行に移行してはどうかと考えている。その際、償還月については、償還日よりも前に発行すると、経過利子相当額が多額となったり、既発債の償還資金をもって新発債に乗り換える投資家のファンディングにおいて不都合が生じたりすることもあるため、3、6、9、12月の償還月については、T+3が償還日である20日よりも前になる場合には、20日発行とすることを考えている。こうした考え方について、ご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・当局案のとおりで異論はない。
・当局案に賛成である。移行期はあると思われるが、移行後はこのようなシンプルな形がよいのではないか。
・法人取引の観点からは当局案で問題ないが、個人への窓口販売に関しては、募集期間が短縮される弊害が出てくるのではないか。
(4)理財局からの説明事項〔参考配布:資料5〕
理財局から、以下の事項について説明を行った。
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海外IRの実施状況について
・理財局から、10月下旬に大和証券SMBC及びリーマン・ブラザーズ証券の協力を得てアジア・大洋州において実施した海外IRの結果を報告するとともに、来年度も引き続き海外IRを実施していく予定である旨を説明した。
(5)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・サブプライム問題によって金利はオーバーシュートして低下している状況であるが、私どもを含めていつ落ち着くかは不透明であり、先行きが見えない。
四半期決算を通じて欧米や日本の金融機関の損失が固まってくるため、11月、12月決算が明らかとなる年末から年始にかけて不透明さが払拭されるか、その時点で明らかにならなければ2月、3月決算になってしまうだろうが、期待感を込めると一番の混乱期はあと1ヶ月半程度で終わるのではないかと思う。
金利水準が戻ったときにどのような絵が描けるかについては、そもそも長期金利は1.5~2%がコアレンジと思っているが、マーケット参加者の下期から来年度にかけての国内経済に対する見方は強くない方向に若干変わってきている。今年度の成長率は1.5%くらい、来年度についても2%弱というのがコンセンサスになってきており、それに沿った金利水準が形成されていくだろう。
来年度当初時点でサブプライム問題がどれだけ落ち着いているかによって発射台が変わってくると思うが、長期金利の目線は1.5%~2%をベースとして、下限は1.4%か、さらに下もあるということになる。
今後、物価が多少上がってくるかもしれないが、現在のように賃金が上がらない中では、購買力が奪われるデフレ的な状況であるため、仮に今後日銀が利上げを連続して行ったとしても、イールドカーブのフラット化で吸収されると思う。
・最近はかなり金利が下がっているが、サブプライム問題については分からないところが多く、色々な国のセンチメント調査にも現れているが、2008年に入って景気悪化を予想する声が多くなっており、不透明感はかなり強い。
そのような中、日本においてはインフレを懸念する兆候もあるものの、根本となる賃金動向や雇用状況がやや悪化していることなどから、長期金利はどちらかといえば安定して推移すると思う。
・10年金利は1.5%程度を中心に来年3月まで推移し、場合によっては下振れもあり得るというのが現状の認識である。サブプライム問題については、実体経済やマネーフローに与えた影響は大きく、債券保有者にとっては時価評価に対する市場の見方や検査当局の考え方が想定外に厳しかったと思う。
日本銀行は量的緩和政策を解除して政策金利を上げてきたが、次回の金融政策変更が半年後から1年以内の利上げだとすれば、10年の1.5%は下がり過ぎているということになるかも知れない。一方、例えば、来年2月に利上げが出来なければ、日銀は1年以上政策金利を据え置くことになり、これをもって金利の正常化プロセスは一旦終了したという考え方もできる。
今後の米国経済や円相場の動向、株価の水準次第では、場合によっては利下げのリスクすらあり、そうした状況の中では、現在の金利水準は必ずしも下がり過ぎていないのではないか。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 金森・田原
電話 代表
03(3581)4111 内線 5701
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Source: Ministry of Finance.