PD Meeting #17
| Date | 2007-09-07 |
|---|---|
| Venue | 財務省 第3特別会議室 |
| Agenda | (2)流動性供給入札のあり方等について 〔参考配布:資料2〕 (4)今年度下期における国債発行等について (5)理財局からの説明事項 〔参考配布:資料5〕 (6)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
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Materials
| 資料1PDF |
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| 資料4PDF |
| 資料5PDF |
Minutes
(1)
40年債の発行条件等について〔参考配布:資料1〕
理財局から、40年債の発行条件等について、以下のとおり説明を行った。
40年債の発行にあたっては、その発行条件の検討に関連して、財務総合政策研究所の下におかれた「国債の金利推定モデルに関する研究会」において金利推定モデルの研究が為され、この研究会における報告書が8月8日に公表されている。
当局においては、金利推定モデルによる入札日午前中の40年金利の算出値等も踏まえて足切りレートを設定し、一部または全部の応募を除外することがある。この足切りレートは公表しない。また、前日までの市場実勢を用いて計算されるイールドカーブについても、何ら指標となる価格等がない状況において発行当局が入札前に一定のレートを示すことに対し疑問を呈する声もあることから、初回の入札前に公表することは差し控えたいと考えている。ただし、金利推定モデルにより作成したイールドカーブについては、国債が円の唯一の無リスク資産であり各種金利のベンチマークとなっていることから、金融・資本市場全体を通じて利用される公共財として公表されるべきとの意見が「国の債務管理の在り方に関する懇談会」でも出されているところ。このため、いずれかのタイミングにおいてイールドカーブの公表を開始することについては、検討をしていくこととしたい。
市場参加者からは、30年債の入札スケジュール等を勘案し11月発行、満期は40年、発行上限額は1,000億円程度、入札方式については、初回はイールド・ダッチ方式、次回以降ではリオープン発行を希望する声も大きいようであり、当局としても検討する必要があるものと考えている。40年債の発行条件等の設定につき、本金利推定モデルの活用可能性、発行上限額、入札方式、特別市場参加者の落札・応札義務の有無等につきご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
○
残存期間について
・当初の検討では、初回発行分の満期は、42年から40年の間とする、ということだったと思う。本年11月発行で60年3月償還とすると、残存期間が40年4ヶ月ということになる。その場合、次回以降、リオープン発行時には残存40年を切るが、その点について当局の見解を聞きたい。
(これに対して理財局からは、「市場関係者の意見では、40年債において残存期間が1、2年程度異なったとしても商品性に有意な差はなく、他の金融資産のベンチマーク性の観点や先進各国の40年債、50年債の発行状況も踏まえると、残存40年程度が適当と判断している」旨を回答。)
○
発行額について
・正直なところは投資家の声を聞かないと分からない。ただし、本日も40年財投機関債が700億円ローンチされており、より流動性があってしかるべき国債の発行額にしては、1,000億円は少ないという印象である。
・これまで発行された40年財投機関債については、相対評価に基づくスワップベースでの投資家が多く、金利の絶対水準からみた需要がどの程度あるかは、正直やってみないと分からない。そうした需要の不透明さや20年債、30年債の流通市場への影響を考慮すれば、初回発行額は1,000億円程度でよい。
・投資家の強いニーズが現時点では確認されていない中、商品の多様性や投資の選択肢を広げるという意味からは、1,000億円程度が極めて妥当な金額ではないかと考えている。
・1,000億円は若干少ないと思っているが、多数の意見が1,000億円ということであればよいと思う。ただ、第2回以降がリオープン発行されて行くと数年間は1銘柄しかなく、国内投資家にしてみると、簿価が単一に固定されてしまうので、若干使いづらい債券になる懸念もある。流動性確保の観点から、残高が4,000~5,000億円程度に達するまでリオープンを続けることも良いとは思うが、簿価分散の観点から、小ロットであっても銘柄を増やしていった方が、投資家にとってより使い易い債券になるのではないか。
・次回発行以降、当面、リオープン発行するということだが、将来的にどの程度のマーケット規模にしていくのかを、いずれは明確にしていただきたい。例えば、発行額全体に対する自社の保有比率や将来予想されるマーケット規模といったメジャーがあった方が、参加者としての裾野が広がりやすいと思う。
(これに対して理財局からは,「将来的なマーケット規模の目標となる水準については、現段階で数字を持っているわけではなく、第1回目の発行後の消化状況等を見た上で、次回以降の発行についてもまた相談させてもらいたい」旨を回答。)
○
入札・発行方式について
・イールド・ダッチ入札の場合、入札結果が市場実勢よりも若干強めに決まる傾向がある。さらに、発行量が少ない場合、その傾向が強まってしまう。納税者及び発行体の立場に立てば、初回発行分についてはそれでもいいが、長い目で見て、40年債のマーケットを育てていくためには、価格面からある程度投資家を呼び込まなければならないと思う。その観点からは、発行上限を1,000億円とするならば、価格コンベンショナル入札で取得価格を分散化するやり方や、イールド・ダッチ入札を採用するならば、発行上限を2,000億円に引き上げるといったやり方も考えられる。
・30年債の発行当時は、市場分析ツールが乏しい中、市場実勢の利回り水準が分からず、クーポン設定をどうすればよいのか、といった悩みもあって、イールド・ダッチ入札を採用していたと思う。現在では、マーケットも洗練されて、当局の金利推定モデルのほかにも、色々なツールがあり、また30年債も価格コンベンショナル入札に移行していることも併せて考えれば、価格コンベンショナル入札でもよいという印象である。ただし、全体として、イールド・ダッチ入札が適当という意見が多いのであれば、反対するものではない。
・業者として責任を持てる価格で応札すれば、イールド・ダッチ入札でも変な価格にならないと考えている。
・金利推定モデルに基づいて下値を設定することにより、取得価格の幅が制限され、そもそも自由な取引には繋がりにくいことから、価格コンベンショナル入札で各参加者の取得価格が分散するようにした方がよい。
・金利推定モデルの算出値に基づいて事前に設定する下値を公表しないということだが、イールド・ダッチ入札の場合、発行上限額未満で下値による足切りを行ったときには、実質的には下値がマーケットにわかってしまうと思う。
○
金利推定モデルの活用方法について
・アカデミックな理論値とマーケットで取引される水準とは別であり、最後はマーケットが金利水準を決めるものだと思う。発行体として、納税者に対しての説明責任があることは理解できるが、金利推定モデルの算出値を厳格に適用するのではなく、若干のバッファーを持って下値制限を付けてもらえると助かる。
・財投機関40年債や超長期債を買っている投資家は、レラティブ・バリューに着目した海外投資家が多い。モデルで算出した理論値がそのまま足切り水準になってしまうようだと、40年債は割高という印象を与え兼ねないので、そういった海外投資家に受け入れられるように、下値の設定にはある程度幅を持たせてもらいたい。さらに言えば、次回以降の入札においては、金利推定モデルの算出値はあくまで参考としての活用に止めて、下値の設定はせずに金利水準はマーケットに任せてもらいたい。
・資料によると、金利推定モデルによる40年スワップ金利の算出値は、30年-40年のスプレッドからみて実際のマーケット・レートと同じレベルとなっており、非常に妥当な結果である。
・金利推定モデルは財務省内部で入札等や市場分析のためにフレキシブルに使えば良く、金利推定モデルの算出値については初回入札後も公表する必要はないと思う。
(2)流動性供給入札のあり方等について 〔参考配布:資料2〕
理財局から、流動性供給入札のあり方等について、以下のとおり説明を行った。
19年度上期においては、20年38~60回債(残存11~15年)を対象ゾーンとし、毎回1,000億円で実施した。ただし、システム上の制限があるため、対象ゾーン23銘柄より市場ニーズを勘案して20銘柄を抽出している。なお、システム改良により20年度以降から、オファー銘柄数を60銘柄に拡大する方向で検討している。
19年度下期においては、関係者の要望などを踏まえると、現行を基本としつつ、残存期間を若干延長したゾーン(残存11~16年)で入札する案と、残存11~16年のゾーンで4~5回入札し、残存6~9年ゾーンで1~2回入札する案が考えられる。いずれの案が適当か、及び後者の案を採用するとした場合のゾーン間の供給額の配分について、ご意見を伺いたい。
さらに特別な流動性供給入札についてもご意見を伺いたい。流動性供給入札の導入の際、平成17年10月のPD会合等において、特定銘柄の一時的な流動性不足への対応策として、当該銘柄を緊急にリオープン発行する流動性供給入札についても議論されていたが、具体的な方法については確定していない。本年6~7月に10年カレント銘柄について、流動性不足によりSCレポ金利が急低下(価格は急騰)し、市場からは緊急に流動性供給入札を実施して欲しいという意見も聞かれたところ。
一方で、特別流動性供給入札を実施する場合、発動の要件、発行ロット、入札・発行スケジュール、一時的な不足解消後のダブつき懸念といった論点を詰める必要がある。
上記の論点について、市場参加者の意見を聴取したうえで、検討を進めていくこととしたい。なお、こうしたスキームを導入しておくこと自体が、実際に入札を実施しなくても一定の牽制効果を持つことになると考えられる。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
○
対象ゾーンについて
・下期の流動性供給入札の対象ゾーンとしては、現行を基本としつつ、残存期間を若干延長したゾーンとすることでよい。現行ゾーンでの流動性供給入札では、過熱する入札はなくなってきているが、継続する意味はある。
・基本的には、フレキシブルに対象銘柄を全ゾーンに拡大していくことは必要だと考えており、その意味では、残存6~9年ゾーンも含めることは非常に肯定的に考えたい。
・対象ゾーンを残存11~16年といった特定ゾーンや特定銘柄に絞らず、もう少し広いゾーンを対象とし、例えば、20年債では80回位まで、或いは、30年債のシングル回号も含めたゾーンから選定できるようにして頂きたい
。
残存6~9年ゾーンを新たに含める案については、フレキシビリティが高まるので歓迎する。また、残存期間が大きく違うものを同時に入札するとわかりにくくなるため、10年超とそれ以外の残存6~9年辺りといった2つに分けるという形が合理的であると思う。
・来年度に対象が60銘柄に増えるのであれば、対象年限を変えて残存6~9年とするよりは、むしろ、現行プラスαの残存11~16年ゾーンを対象にする案の方が、よりスムーズに移行できる。ただし、残存6~9年ゾーンも含める案について特に強い反対意見は持っていない。
・流動性供給入札に対するスタンスとしては、恒常的に流動性が不足していて、且つ、投資家ニーズがあるゾーンを発行すれば良いと思っており、一時的にタイトだから発行するといった考え方には反対である。その意味では、現行を基本としつつ、残存期間を若干延長したゾーンとすることでよいと思う。
・当初スタート時には、20年債の残存10~15年ゾーンが恒常的にショートであり、これを埋めることが趣旨であった。その考えを杓子定規にあてはめる必要はないが、残存6~9年ゾーンも含めるのであれば、当初の目的から逸脱してしまうように思う。来年度に60銘柄まで銘柄数が拡大する見通しであれば、流動性供給入札の趣旨を改めて整理する必要がある。更に、特別流動性供給入札も加わると、一時的なショート銘柄も供給対象となりうるので、流動性供給入札そのものの目的・理由付けを整理しておく必要があると思う。
・対象ゾーンについては、当社としては現行ゾーンに残存6~9年ゾーンを加えて頂きたい。物価連動債の発行も増えてきており、現実的に物価連動債の取引の大部分が同残存の10年債との複利差を利用したBEI取引となっている。10年債は発行時は潤沢な流動性があるが、残存期間が短くなっていくに従い、マーケットで取引される量は徐々に減っている状況である。需給のタイトな10年債の270番台にBEI取引のアンワインドによる買い戻しが大量に入った場合には、業者はただでさえショートな地合いにショートが重なることになり、非常に調達が困難という状況に陥ってしまう。こういった銘柄の流動性を確保してもらえば、物価連動債の取引もさらに円滑に行われるようになるのではないかと思う。
・対象ゾーンについては、現行ゾーンを基本とした残存11~16年程度で良いと思う。来年度から対象銘柄を拡大できるのであれば、どういう方法で対象ゾーンの流動性を供給できるのかということを考えなければならないが、下期実施のうち1~2回ということであれば、残存6~9年ゾーンを加えるようなことでいいのではないかと思う。
・対象ゾーンについては、現行ゾーンに残存6~9年ゾーン加えることで良いと思う。マーケットの需給というのはその場その場で動くが、現時点で言えば、現行11~15年程度ゾーンの需要は、業者間での取引を見ても、ある程度満たされてきていると感じている。実際に入札を行ってみて、どれくらいのところで足切りになるのかというところをフォローしつつ、下期の現行ゾーンでの実施回数を判断していくのが良いと考えている。自分の感覚としては現行ゾーンの入札は4回くらいでも十分かと思う。
・1回の流動性供給入札の発行額を、現行1,000億円から1,500億円或いは2,000億円に増加しても良いと考えている。流動性供給入札によりコンスタントに割高に落札されている事を考えれば、発行額の増加も今後の検討課題に加えて頂きたい。
・30年債のストリップス化された分離元本の残高が1,000億円を超えており、また今後予想される40年債の発行コストを抑えるという意味でも、30年債の安定消化は非常に大事だと思う。来年度以降の検討課題ではあるが、ストリップス債の元本、もしくは利札についても、ニーズが見られた部分を追加発行して頂きたい。これによりストリップス債保有者も、キャッシュ・フローの再構築ができることになり、市況を回復させるためにも大事だと思う。
○
特別流動性供給入札について
・基本的には緊急流動性供給入札を導入することは非常に肯定的に考えていきたい。
・緊急流動性供給入札については、存在自体が非常に大きな効果を持つし、アナウンスメント効果も大きい。1回あたりの供給額は1,000億円なのか2,000億円になるのかは、わからないが、上限を設けた方が適当ではないかと考える。また、事務上可能なのかどうかという議論は当然あるが、性質上、出来る限りT+0に近い形で発行するのが望ましいのではないかと考えている。
・緊急流動性供給入札については、基本的には必要ないという考えである。発行当局がオプションとして持つだけであれば賛成できるが、一時的にショートになっているところを供給し、その後、需給が緩んでしまうということも考えられるため賛成しかねる。恒常的にショートになっていて投資家の需要があるゾーンを供給することが理にかなっていると思う。
・緊急流動性供給入札が必要な例として、10年債286回について、ショートで苦労した時がある。確かに、この時は、新発債の発行日近くでかなりレポレートがタイトとなった部分もあると思う。この場合、緊急流動性供給入札の要望に応えて、次の新発債と銘柄統合し1兆9,000億円を発行していれば、通常の10年債入札とあわせて3兆8,000億円の発行になるということにもなりかねない。本当に流動性に危機があったときに備えることとして、そのあたりの線引きや実際の運用はかなり厳しい形で行うべきと考える。
・緊急流動性供給入札は、運用自体はかなり厳しく行っていくことになると思うが、発動の具体的なクライテリアもかなり詳細に決めておかないといけないと思う。また、緊急のPD会合を開いて決定するとした場合でも、PD会合から実際の入札までの期間というのは短ければ短いほど裁定の期間等がなくてよいと思う。
・緊急流動性供給入札については、当然ながら証券会社としては行ってほしい。しかしながら、実際にどのように運営するのかは極めて難しいので今後具体的に内容を詰めた後に、危険な話ではあるが、試行してみるということができればよいのだが。何かしてみないと具体的なイメージがなかなか沸かないというのが本当のところである。
・緊急流動性供給入札については、実施自体が非常に難しいと思う。具体的にいかなる場合に発動するのかは詰めないといけないと思う。今回、10年債286回で起きたことは、新発債の発行日が絡んだということが特に大きな問題であったが、このような場合は、原則リオープンであったら避けられたのではないかと考えている。
(3)
原則リオープンの年限拡大について〔参考配布:資料3〕
理財局から、
原則リオープンの年限拡大について、以下のとおり説明を行った。
我が国の国債市場は、発行残高ベースでは米国の国債市場と遜色がないにも関わらず、売買高が米国市場に比して少なく、市場流動性の面では見劣りするとの指摘がある。
当局としては、これまで30年債、物価連動債といった小ロット発行の国債について、原則リオープン発行を導入し、市場流動性の向上、ひいては国債の魅力向上に取り組んできたところ。
一方、銘柄の多様性や市場実勢に見合ったクーポン設定も魅力の要素と考えられる。四半期ごとの原則リオープン発行の場合、年限ごとに年間4銘柄となるが、これはグローバルにみれば少なくないと考えられる。また
、クーポン設定についても、市場実勢が大きく変動した場合には例外的にリオープン発行しないことで、極端なオーバー・パー、アンダー・パー発行は回避しうる。
当局としては、市場参加者の理解を得られれば、既に導入した物価連動債、30年債に続き、いずれは他年限(5、10、20年)についても四半期毎の原則リオープン発行を導入すべきであり、まずは売買高の大きさや指標性の高さを考慮して10年債を優先するのが適当と考えている。
こうした考え方や、原則リオープンを導入した場合のメリット・デメリット、および仮に導入するとした場合の導入時期についてご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・5年債、10年債、20年債いずれの年限もマーケットは成熟しており、近い将来、原則リオ-プンを導入することでマーケットの流動性は高まることになる。全ての年限を原則リオ-プンに移行するのが時期尚早であれば、10年債から導入するのが妥当ではないか。10年債は、発行から3年が経過すると先物のチーペスト銘柄となり、スクイーズが発生する可能性があるため、流動性向上の要請が強い。また、投資家層の面からみても、5年債は国内銀行、20年債は生命保険会社といった、特定の投資家層があるが、10年債については最も多くの投資家層が存在する。
・基本スタンスとしては反対であるものの、原則リオープンについは賛否両面ある。銘柄数が減少することで、流動性向上や業者として自らのB/Sを効率的に使える点は有り難い。一方で、国内投資家のカレント志向は引き続き根強いため、業者としては、様々な尺度をもった投資家に、いろいろな選択肢を提供できる方がよいとも考えている。両者を総合的に判断で反対としているが、賛成・反対とはっきりとした回答でもない。仮に始めるとすれば、カレント志向の強い銀行系の投資家が中心の5年債ではなく、10年債か20年債をまずは導入してはどうか。
・5年債、10年債、20年債とも原則リオープンを導入してはどうかと思う。基本的には1銘柄の流動性を高めていった方が各種のアプローチをする投資家やトレーデイングをやっている方々を呼び込めるのではないか。導入する年限としては、5年債は最後にすべきではないか。
・原則リオープンの導入を要望するが、発行銘柄が非常に多いと、同じ残存年限でも、ロングまたはショートが出てくることによってB/Sが大きくなり、管理コストや取引時の銘柄選別のコスト負担も大きい。一方で、投資家サイドからは、会計上等の理由で銘柄が多い方がいいという意見もある。入札回数の多さも負担となっていることから、入札回数を減らす形で銘柄数の集約を図る方法もあるのではないか。1回の発行ロットが大きくなるが、マーケットが入札のイベントリスクを吸収できる状況であれば、発行ロットの拡大による銘柄数の削減も検討すべきである。
・原則リオープンには反対である。最終投資家は圧倒的に国内投資家が多く、その国内投資家が、様々な会計上の問題を抱えている以上、中長期的に見て安定消化を図るとの観点から、当面は導入すべきではない。仮に導入するとしても、原則リオープンへの移行のタイミングは、もう少し金利水準が上がってから議論すべきではないか。例えばクーポンが1.5%と1.6%の差は、相応のインパクトがあるが、3.1%と3.2%であれば、インパクトは変わってくると思う。
・原則リオープンには反対である。現状の1銘柄の発行量は決して小さくないうえ、流動性は1銘柄の発行量よりも、投資家の買い意欲がどれくらい高いかということの方が重要である。国内投資家が簿価通算を行う必要があることを考えると、現状の金利上昇局面でリオープン発行をした場合、新たにリオープン玉を購入すると、その時点で含み損が生じることがあり得る。また、銘柄数が多いかどうかというのは、要するに業者サイドとして在庫コストの問題に関わってくるものではないか。
・証券会社としては、一番大きなメリットはB/Sに負担をかけないことであり、債券の銘柄は少ない方がよい。また、5年債、10年債、20年債の全てを原則リオープンにすれば、業者のレポコスト削減を通じて、投資家にも安い価格で提供できると思う。どの年限から導入すべきかと問われれば、10年債が最優先かと思うが、20年債についても銘柄間で需給格差が大きく、10年債でも20年債でも、可能な限り早く原則リオープンの導入を要望する。
(4)今年度下期における国債発行等について
〔参考配布:資料4〕
理財局から、今年度下期における国債発行等について、以下のとおり説明を行った。
19年度下期の国債発行については、市場には15年変動債の減額を求める声があるものと承知している。当局としても、15年変動債の市況を踏まえれば、納税者に不利となるような水準での発行を極力回避するという観点から、これを減額することはやむを得ないと考えているところ。
例えば、流動性供給入札の下期継続により得られる6,000億円を、すべて15年変動債の減額に充て、下期2回の各回の発行額を現行の1兆円から7,000億円に減額してはどうかという声もあるようである。
ただし、仮にそのような減額を行うと、1回の発行ロットが小さくなることから、原則リオープン発行により1銘柄あたりのロットを確保することが考えられる。具体的には、19年度については、11月に新発債を発行し、2月発行分を11月債の原則リオープンとすることが考えられる。
なお、20年度以降も、5月と8月、11月と2月の原則リオープンとすると、利払月が同一となるが、その場合、投資意欲が低下しかねないとの意見もあることから、20年度以降の発行方式については、こうした意見も踏まえ、20年度国債発行計画の策定までに検討する必要がある。
これらの考え方を踏まえ、19年度下期の国債発行、さらに20年度以降の発行方式の在り方について、ご意見を伺いたい。
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・15年変動債については、1回あたり7,000億円で原則リオープンでよいと思う。現状、15年変動債が理論価格対比で非常に割安であることから、納税者・発行体の立場を考えれば当然の結論ではないかと考えている。1回の発行額が7,000億円であれば、流動性の点から原則リオープンという考え方についても賛成である。利払いについては、必ずしも5月、11月に合わせるということではなくて、逆に後玉(2月、8月)に合わせて利払い日を変えることも今後検討していただければと思う。
・15年変動債については1回あたり7,000億円の発行でよいが、リオープンする必要はないのではと思っている。15年変動債はかなり高い水準から減額が進んでおり、どの水準になったらフェアバリューに戻るのかといった印象がある。恐らくマーケットでは、減額についてかなりの部分を織り込んでいることもあって、現在は多少カレント部分の割安が解消されているものの、基本的には割安な状況が維持されている。こうした中では、今後さらに1回5,000億円に減額されることも考えられ、またリオープンして1兆円を維持するのかという議論が繰り返し生じてしまうと思っている。やはり15年変動債は最終的にはexitするということも含めて、投資家の意見を中心に議論をしていく銘柄ではないかと思っている。
・15年変動債については流動性が著しく乏しくなっているので、減額については優先して実施して頂きたい。リオープンについては特に意見はないが、利払いについては分散するような形で検討して頂きたいと思っている。
・発行量が7,000億円のものをバイバックの対象に入れていくというのは、今後ある意味での流動性低下の危険性をはらんでいると思われる。1回あたり7,000億円の発行量であれば原則リオープンが妥当と考える。
・証券会社としては銘柄数が多いよりも少ない方がよい。7,000億円というのは、1銘柄の発行量としては相当少ないという印象があるので、そのサイズに減額するというのであれば原則リオープンとして1兆円以上を常に保つようにするべきではないかと思う。
・15年変動債については、個々に新規の発行銘柄を減額したところで、理論値と実勢価格の乖離幅が縮小するのか、という疑問を正直なところ持っている。15年変動債については可能な限り減額の幅を大きくする形で、最終的にはexitというところまで議論を進めていく段階に来ているのではないかと思う。今年度下期についてであれば、1回あたり7,000億円で原則リオープンということに異論はない。
・15年変動債については、1回あたり7,000億円で原則リオープンでよいと思う。全体的には、確かにマーケットではフェアバリュー対比で割安に放置されている一方で、個別銘柄を見た場合には、20番ないしは30番台の一部のように、過去に発行量の少なかった銘柄等で非常に流動性の落ちているような銘柄もあるので、相応に1銘柄あたりのボリュームを確保して頂いた方が後々禍根を残さないという気がする。
(5)理財局からの説明事項 〔参考配布:資料5〕
理財局から、以下の事項について説明を行った。
○
新型窓販の開始について
郵便局で行っている募集取扱い方式による国債の窓口販売を、郵政民営化の中でイコールフッティングを実現する観点から、一般の金融機関にも募残引受義務のない形で拡大する。9月3日に報道発表を行った通り、本年10月2日より、156の募集取扱予定機関にて導入することとした。個人向け国債とあわせて、本新型窓販の開始が、個人の国債保有をさらに高める方向で機能してくれるものと期待している。
○
海外IRの実施状況について
5月末から6月にかけて北欧・ロシア・北米にて海外IRを行った。財務省単独での開催だけではなく、現地で開催された投資家向けのセミナーにも参加することにより効率的に実施し、また初めての訪問地を加えている。次回IRは、現時点で10月下旬にアジア・大洋州での実施を予定している。
(6)最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
出席者から出された意見等の概要は以下の通り。
・サブプライム問題はマーケットでは想定されていなかった出来事かもしれないが、米国の様々なファンダメンタルズを考えれば10年金利が5.3%台をつけたということ自体、行き過ぎだったのではないかと思っている。現在、サブプライム問題が拡大したことで今度は4.5%を割り込んでいるが、4%台後半が修正されるべき水準と思われる。そう考えると日本の10年金利も1%台後半が適正な水準ではないか。
今、このような問題が出てきている中で日本の10年金利が1.5%台ということは、今後、これ以下の水準は定着せず、今の1.5%台の水準は今年度や来年度を通じて低い水準ということになる。他方、それでは2%台になるかといえば、米国の10年金利が現在の水準に留まるのであるならば日本で2%台に達しないであろう。また、サブプライム問題が解決し、日本銀行が利上げをすれば金利水準が上がってくるという見方が多いが、設備投資や夏場の個人消費などの国内の経済環境、更に海外景気も米国中心に減速をすることを考えると、連続利上げという前提自身が徐々に崩れていくことにもなる。サブプライム問題が解決したとしても金利水準は変わらないという新たな見方が生じても不思議ではない。どちらにしても、日本の長期金利の水準は1%台後半で当面変わらないと考えている。
・足元の金利は低下してきており、原因となったサブプライム問題は、米国での住宅のストック調整が始まったからではないか。米国では1991年頃から2006年にかけて住宅のストックが積み上っていく過程で、1994年から1995年、あるいは2001年からの利下げにより常に住宅需要を刺激し、景気のダウンサイドリスクを低くしていたが、今回は本格的な調整局面に入る可能性が出てきたと考えている。FRBが今後2回程度利下げすれば、住宅ストックの調整も深刻な問題にならないのではないかと考えているが、現在は非常に不透明な状況である。実際、この水準で本当に投資するのが良いのかを迷っているという者は多い。8月に日本銀行が利上げするという見通しが多かったが、実際はなかったために金利の低下幅が大きくなり、投資家としては先行きを見通すのが非常に難しい局面になっている。最終的には米国のストック調整がどの程度で進むかということであり、簡単に方向性がでてくる問題ではないと思われる。
・最近の動きで一番顕著なのは、LIBORが高止まりしている状況で、LIBOR参加者ですら資金調達が困難となるようなクレジット・ラインの問題が発生していることである。これが経済実態にどう影響を及ぼすかということは、今後、検証しなくてはいけないが、米国でのストック調整の動きなど、他のところにもほころびが見えている。そういった意味では「質への逃避」の動きが当面続くのではないか。そのため、どうしても短期金利のボラティリティーは高くなり、昨年のレンジ相場のように非常に狭いレンジ内での動きとなることは考えにくく、かといって金利が上昇するかというとそうではないという局面が当面続くのではないかと思う。
・足元、特に9月については、中間及び四半期決算期末ということで、まだサブプライム関連の損失が膨らむリスクがあることから、金利は上がりづらい。ただ、実際に足元、米国の経済が悪くなるかというと指標はそれほど悪化しておらず、景況感が過度に下振れしているリスクはある。その意味で金利が低下している分、秋以降サブプライムの損失の実態もある程度明らかになれば、反動で上昇するリスクがあるかもしれない。
これまでは、金利の低位安定を支えてきた日本銀行の低金利政策、小泉内閣以降財政構造改革等の財政再建路線、更に公的機関の大量の国債購入というものがあったが、今後中期的に考えると、いずれ日本銀行は金利の引き上げを実施するであろうこと、今回の参議院選の結果を受け財政規律を維持するのが難しくなってきていること、10月より郵政の民営化が実施されることを考えると、中期的には金利上昇リスクをある程度意識しなくてはならない。
・サブプライム問題が米国のマクロ経済の問題に格上げされたことでFedの利下げ期待が大きくなり、これまでのグローバルなイールドカーブのフラット化というテーマは棚上げになった感がある。それにより、多くの投資家がポジションをアンワインドする方向に動いている。Fedが金融緩和に向かう局面で日本銀行が利上げに向かうという図式は1970年以降なく、金融政策の正常化路線そのものに修正が入るのではないかという見方も芽生えている。また、テクニカル的な面では、債券先物価格の月足チャートも2005年6月の141円程度から一旦下がってきたところでダブル底をつけている状況であり、金融政策の修正に少し期待する向きが出てきているのではないか。ただ、この観点については、サブプライム問題もレバレッジの問題が非常に話題になったように、少なくとも増幅したフラットニングポジションがアンワインドされるパワーがどれぐらいなのかを考える必要がある。また、我が国のクレジットマーケットはやけどを負わずに済んだが、一方で海外投資家の関与が高い株式市場は割安に放置され続けるような状況になっており、相対的なバランスで見ると金利はやや他市場とのバランスから見てもマーケットでは買われすぎ、レベル感で言えば低すぎる状況である。
2005年10月頃から金融政策の正常化の議論がスタートしたが、10年債の利回りのレンジがその頃の水準を下回るという状況がそんなに長く続くとは思っていない。金融当局が現在の混乱の問題について、時間をかけて対処する方針であることからも、すぐに金利の循環の経路が回復することはないと思われるが、生産の循環自体、今後緩やかに上向きに動く可能性もある。それらを勘案すれば株式市場とのバランスなども含め、金利の水準自体、切り上がる方向に向かっていくのではないか。
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財務省 理財局 国債業務課 金森・田原
電話 代表
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Source: Ministry of Finance.