PD Meeting #47
| Date | 2012-12-14 |
|---|---|
| Venue | 財務省 第3特別会議室 |
| Agenda | (1) 平成25年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料〕 (2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
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Materials
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Minutes
(1) 平成25年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料〕
○はじめに、理財局から、平成25年1-3月における流動性供給入札及び買入消却入札について、以下のように説明を行った。
・流動性供給入札について説明する。資料1のとおり、残存5-15年ゾーン及び同15-29年ゾーンを対象とする入札ともに、10-12月期入り後は、直近12月11日に実施した残存15-29年ゾーンを対象とする入札で、応札倍率が過去最低であったものの、総じて見れば、無難な入札結果が続いている。
このような状況を踏まえ、来年1-3月期の流動性供給入札の実施方式については、資料2のとおり、10-12月期と同様、残存5-15年ゾーン及び同15-29年ゾーンを対象に、それぞれ毎月3,000億円ずつ発行するとともに、発行対象銘柄は、国債市場特別参加者へのアンケート結果を踏まえ、入札の都度見直す案を提示している。この点について、参考までに事前に意見を聞いた際には、大多数が本案を支持する結果となった。いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し、総合的に判断する考えであり、来年1-3月期の流動性供給入札の実施方式について、意見を頂きたい。
次に、資料3から資料5で、買入消却入札について説明する。
物価連動債については、資料3のとおり、実質利回り及びBEIは、ここもと横ばい圏内での推移が続いており、12月13日時点で、実質利回りは▲0.496%、BEIは+0.703%となっている。
また、15年変動債についても、資料4のとおり、新発10年債-20年債スプレッドは拡大傾向であるものの、実勢αは12月13日時点で、+0.804%と概ね横ばい圏内で推移している。
このような状況の中、物価連動債及び15年変動債の売却ニーズは引続き強く、10-12月期の買入消却入札及び日銀買入オペは、買入平均価格較差がマイナス圏での決着となっている。
来年1-3月期の買入消却入札の実施方式については、資料5のとおり、10-12月期と同様、物価連動債の買入消却を毎月1回300億円、合計900億円とし、15年変動債の買入消却を1回当たり1,300億円で、1月及び3月に月2回、2月に月1回、合計6,500億円とする案を提示している。この点について、参考までに事前に意見を聞いた際には、大多数が本案を支持する結果となった。いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し、総合的に判断する考えであり、来年1-3月期の買入消却入札の実施方式について、意見を頂きたい。
○ 出席者からは、流動性供給入札については当局提案のとおりで特段異論なし、買入消却入札については現状維持でよい、との意見が多数であった。
○ その他の意見の概要は、以下のとおり。
・流動性供給入札については、カレントに近い銘柄(20年債の残存10年ゾーン及び30年債の残存20年ゾーン)も、以前から申し上げている通り、入札の対象にして頂きたい。
・流動性供給入札について、1~3月は当局提案のとおりで特段異論はないが、ここもと日銀の買入オペにより、中期ゾーンで著しく流動性が枯渇している銘柄が出始めているので、時期尚早かもしれないが、来年度には1~5年を対象として検討していただきたい。
・流動性供給入札については、概ね当局提案のとおりで異論はない。ただし、流動性向上のため、40年債も対象としていただきたい。
・買入消却入札については、現状維持でよいが、買入消却を減額する必要が生じた場合は、15年変動債は据置き、物価連動債を減額することが望ましいのではないか。
(2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
○ 出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・10年債を含め、比較的短いゾーンは、今後の金融緩和期待等を通じて利回りが低下している一方、より長いゾーンについては、7月下旬に10年債が0.72%を付けた際、20年債は1.515%であったのに対し、足元では10年債は7月下旬とあまり変わらない水準である中で、20年債は本日の最高値が1.705%となっており、カーブはスティープ化している。この点について、直近ではFOMCでの決定等も影響しているが、底流には、12月16日の衆議院選挙で自民党を中心とする政権ができそうであり、どちらに転んでも大型補正予算の編成や財政悪化につながるのではないかとの懸念がある。
今後の見通しに関しては、個人的判断で色々と変わってくるとは思うが、それなりの財政規律は保たれるものと、期待感も込めて考えており、徒に補正予算の規模が大きくなりカーブのスティープ化が続くとの見方はしていない。ただ、マーケットには絶えずそうした懸念が残るだろう。
また、このPD会合に関しても、通常12月の段階では、発行計画に従い、カレンダーベースでの発行をどうするのかという議論が固まっている時期であるにも係らず、今年度は予算の策定が進んでいない状況下、どうしてもそのスケジュールは遅れがちになることが懸念される。
今後、補正予算が組まれれば、それが今年度の国債増発につながり、来年6月までに押し込まなければならなくなるだろう。この点、例年であれば前倒債を削ることも可能であるところ、今年度はほぼ全ての発行が終わってしまっているはずであり、来年度の発行額による調整が可能とは言え、今後の発行スケジュールはかなりタイトになるだろう。
以上のような漫然とした不安がマーケットには残っていると考えられるため、そういった点を一つ一つクリアにしていくことが重要である。無論、政治的な日程を踏まえての話であり、財務省で全て決定できるものではないが、通常と異なるスケジュールにおいて、マーケットとの対話を丁寧に行っていくことが必要ではないか。
金利の方向性に関しては、財政や国債増発に対する懸念がどうしても残るが、長期的な日本の経済成長率が様々な角度から下方屈折している中、金利には下向きのバイアスがかかっており、国債増発による金利上昇はある程度抑えられるとの見方でよいのではないか。
・直近のJGBの金利形成要因は、大きく分けると米債市場の動向と日銀の金融緩和の二つであると見受けられる。
米債金利に関しては、これまでは時間軸とオペレーションツイストが、イールドカーブの両側から米債金利を安定させており、10年金利は8月以降、1.55~1.85%の比較的狭いレンジ内で方向感のない動きが続いており、今後も同様の状況が目先は続くと予想される。財政の崖懸念が足元で金利を抑える要因になっており、これが解決すれば多少の金利上昇要因になるとは思われるものの、先日のFOMCで決定されたQE4により、金利は安定を続ける可能性が高いと考えている。
こうした中、JGB金利の米債金利に対する感応度はやや低下しており、その反面、日銀の金融政策の影響力が相対的に増してきている。日銀の金融緩和がかなり浸透していることで、中短期の金利は低水準で安定的に動いている。こうした状況下、失われたキャリーとロールダウンをどこで補うかということで国内投資家の資金がどこに向かうかが決まり、ひいてはイールドカーブの形状が決まってきている。直近ではボラティリティが低く、キャリーとロールダウンの高い10年近辺に資金が集まり、10年超のカーブがスティープ化の動きになっているものと理解している。
今後に関しても、JGB市場では日銀の金融緩和と国内の政治動向の相対的な影響力が高いと考えている。日銀の金融緩和は継続していくであろうし、国内の政治動向によってはもう一段の緩和措置が想定されること等も考えると、中短期金利の低位安定や更なる低下の可能性が見込まれる。
他方、超長期金利に関しては、欧州情勢がかなり落ち着いてきており、急激なリスクオフを引き起こすようなイベントが直近では見込まれないことを考えると、大幅な低下は見込みづらい。今後焦点となってくるであろう政治や財政の問題は、超長期金利の上昇というかたちで反映される可能性が高い。また需給面で言えば、超長期債の残高の増加が見込まれることや、超長期債の主要な投資家である生保勢の動向も考えると、超長期金利は、カーブ上で比較的高い水準を維持する可能性が高いと考えられる。日銀の金融緩和と併せて考えると、イールドカーブには引き続きスティープ化の傾向、少なくともフラット化しづらい傾向が続くと考えている。
・今年の金融市場をグローバルな視点で見ると、元々欧州債務問題によるテールリスクが起きるかどうかとの懸念により、リスクオンやリスクオフとなり、様々な金融商品がかなり高い相関で動くという相場が続いていたと思われる。これが9月のECBによるOMTの発表で緩和され、欧州発のグローバルなテールリスクは少なくなったものと認識している。また同時に起きたことは、システミックリスクが中銀に移ってきているという状況であり、恐らくこの流れを本邦においても受け継いでいくと考えている。
本邦の金利動向を見る上では、目先は米国の財政の崖の解決や、景気の悪化のボトムアウトの時期がポイントになっていくと思われ、今後は金利上昇要因の方が強いのではないか。ただ、大きなリスクファクターがない限り、その上昇は緩やかなものになるであろう。中銀のシステミックリスクについては、これが意識されるのは出口戦略の際に失敗しないかという点であり、これが懸念されれば金利上昇要因になると思われるものの、少なくとも2013年中に起きるとは考えにくい。むしろ懸念するべき点はそれ以外の要因であり、例えば経常赤字が継続することや、消費増税が撤回されてしまうといったことが起きると、国内の10年金利は1.6%位まで上昇してもおかしくはないと考えている。
・今後の見通しについては、世界経済は基本的に中長期的に低迷するリスクが高く、資金需要が出づらい状況が継続すると考えており、国内経済も同様のことが当てはまると考えている。
日米欧の中央銀行は、場合によっては3年かそれ以上長いタームで低金利政策、金融緩和政策を継続するという状況であり、長期金利は上昇しづらい環境にあると考えている。一方で、足元は円安、株高の流れとなっており、欧州でもテールリスクがかなり後退する等、当初のような米国債を中心とした質への逃避需要は低下していると考えている。
今後の金融政策として、例えば日銀がインフレターゲット2%を採用した場合、時間軸がその分長くなる可能性が高いという見方ができる。一方で、インフレの実現性が高まる、もしくは為替相場が円安に大きく振れることで期待インフレ率が上昇し、結果的に名目金利が押し上げられるということも考えられるので、政策面の不透明性が高まっているという見方もできる。
次期政権の枠組みは定かではないが、来年夏には参議院選挙があり、2014年4月からは消費税率の引き上げが控えている。政治家には共通して、参議院選挙の前にある程度景気を押し上げ、更に株価を上昇させ為替を円安にしたいという意思が働きやすい。また、消費増税についても、消費税率の引き上げには附則として景気弾力条項等がついていることから、2013年10月頃には予定通り消費税率を引き上げるかどうかの閣議決定を行うため、2013年春から夏にかけて景気を押し上げておく必要がある。そういった状況のため、話題に上っているような大型の補正予算を組み、景気対策を行っていくという議論に流れやすいのではないか。成長率を高め、税収が増えていくのは良いことではあるが、一方で、箍が外れて財政規律が緩み、信認が低下することになると、想定外の金利上昇が起こるリスクもあるため、市場の立場としては、次期政権にもこれまでの政権と同様に財政規律を重視して頂きたい。
・今年半ばからイールドカーブのスティープ化が進んでいるが、基本的にこれは、年限によって需給構造が異なっていることによると考えている。10年までは金融政策の更なる積極化も含め需要が強い一方で、超長期ゾーンについては絶対的な金利水準が重視されている構造にあることに加えて、最近の動向として財政に対する一定の懸念、もしくは増発懸念といったものが合わさって、一層こうした傾向が顕著になってきていると考えている。政治状況については総選挙後にならないと分からないが、補正予算や来年度予算の歳出規模及びそれに関連して国債の増発がどうなるかという点が解決しなければ超長期セクターの金利が低下することはないと考えている。
来年については、グローバルに金融緩和が継続しており、10年金利がそう簡単に上昇する状況ではないと判断しているが、短期的にはテールリスクが後退してきていることや、また、年内に財政の崖問題が決着するのであれば、更にグローバルでテールリスクの後退が著しいものになると考えている。足元では、株高円安の傾向が顕著となっており、ドル円の水準も3月頃の水準に迫っている状況である。昨日みられたように、為替の動きがスワップ市場等を通じてJGBの金利にも影響を与えることもあり、1-3月期にかけては財政の枠組みの問題も含め、一旦ボラティリティが過度に高まる懸念があることに留意する必要があると考えている。
・ごく足元の債券市場では、今週末の総選挙を睨み、新政権下での財政政策の行方についての不透明感が漂っており、特に超長期債がやや不安定な動きとなっている。新政権の枠組みがどうなるかは分からないが、財政の持続可能性や健全性については、新政権下でも担保される必要があると思う。中央銀行の金融緩和策が大規模に進んでいるが、各国の中銀総裁の発言にも見られるように、金融政策の効きが悪く、景気に与える影響が低下していることから、量が加速度的に増加している状況である。これにより主要各国の国債金利は当面上がりづらく、この低金利状態はかなりの長期間にわたって継続すると見ている。
・国内のファンダメンタルズにおいては、10-12月が最悪期であると思っていたが、最近の指標を見ると、想定したほど悪くなかったという印象を持っている。中国や米国の経済指標には、一部に底堅さが見られる。
金融政策については、世界的に量的緩和の長期化が潮流となっている中で、総選挙後には、新政権の枠組みに係わらず、日本銀行に対して追加緩和圧力が強まるという見方が世の中を支配していると思う。国内の債券市場については、売り物が極端に出にくくなってきている中で、10年金利がムード先行で0.7%割れまで低下したが、株価の水準と比べてみても非常に違和感がある。日銀が追加緩和をしても、長期金利にはなかなか低下圧力が加わりにくく、むしろ、今回の米国のように長期金利には上昇圧力が加わる可能性もあるのではないか。また、財政面を見ると、中期財政フレームが維持できるかという観点から、国債の信認低下懸念が払拭しづらい状況が続くと思う。
このような財政リスクやインフレ懸念により、超長期金利には上昇圧力が加わり続けると見ている。もっとも、10年と20年の金利差が100bpに達しているといった状況下で、値頃感からの買いがある程度期待できるのではないか。5年金利が0.2%以下で抑えられている間は、10年金利も1%までは届きそうにない。従って10年金利で1%、20年金利で2%を超えるようなことは来年も起こらないのではないか。
・5年以内の金利については、来年4月の日銀総裁・副総裁の任期満了後も、積極的な金融緩和が実施されるとマーケットでは折り込まれており、横ばい圏内で推移するか、さらに低下すると見ている。一方、10年金利や20年金利については、米長期金利が財政の崖が実現した場合の景気下振れリスクによって抑制されていることや、ファンダメンタルズに対する上振れの期待感が阻害されていることにより、低位安定していると思われる。
財政の崖問題が早期解決となれば、米国の民間需要は強いため、米景気の上振れリスクへと視点が転じるのではないか。この場合、先週Fedが時間軸に関する文言について、従来の2015年半ばまで低金利を継続するという表現を、失業率が6.5%を下回るまで継続するという数字を持ち出した表現に変更したことの意味が大きい。過去にも日銀がCPIをターゲットに時間軸を作成したことがあったが、景気が上下どちらかに振れる局面では、時間軸も極端に振れるという特性がある。例えば、市場が予想しているよりも米国の失業率が早いスピードで下がるようなことがあると、安定していた時間軸が一気に短くなる可能性がある。この動きは、来年前半に起こる可能性もあり、ドル高・円安を促す要因になろう。
国内では、補正予算と財政出動について議論されている。来年7月の参院選や消費増税の判断時期を考慮すると、今年度については大規模補正が組まれることはある程度仕方ない。現状、この点についてマーケットのコンセンサスが取れていない状況であり、補正予算の規模が市場予想を上回った場合、1-3月期には、10年金利や20年金利に上昇圧力がかかると予想している。なお、中長期的には、自民党総裁はサプライサイドを重視した発言が多いところ、財政規律を重視して、法人税引き下げなどに重点を置いた経済政策に取り組まれることを希望している。
・11月以降の動きをみると世界的に質への逃避のアンワインドまたはリスクオンの流れが続いている。
欧州については、先日の財務相会合において、ギリシャに資本注入されることが正式に決定され、スペインにおいても、欧州安定メカニズム(ESM)からの資金拠出が決まり、足元での課題であったスペインの銀行問題、ギリシャ向け支援問題が落ち着き、リスクが軽減されている。
中国については、春先以降の景気減速が懸念されていたものの、7月以降の総額5兆元超の投資プロジェクトの認可の効果が出始め、足元の経済指標は改善へと向かっている。
米国については、雇用統計や住宅関連統計などの改善から景気動向は悪くなく、世界的な株高傾向となっている。
日本国内では、先月14日の衆議院解散発言により、日本の政権交代・政策展開への期待から株高・円安トレンドに変化している。しかし、長期金利については、0.7%前後で安定しており、株価・為替の水準に比べると、我が道を行く状態にある。この背景にあるのは、一つは、日銀の追加緩和等によって需給が極めてタイトになっているという国内の需給要因である。
もう一つは、新政権下の当面の政策として考えられる大幅な追加緩和と大型の財政出動の前後関係について、財政出動には予算編成や国会の議決が必要であることから、タイムスケジュール上、追加緩和が先に実施されることである。海外投資家からも、このような観点から為替・株式市場を優先していると聞いている。
また、これに加えて、米国の長期金利が低位安定していることもあるだろう。
このような中、現在の相場の流れが変わるとすれば2月頃になるのではないか。財政の崖問題が簡単には解決しないことに加え、デットシーリング問題に関しても、大統領から上限引上げ提案が提出されたものの、共和党がこれを拒否しており、2月頃にデッドエンドを迎える可能性がある。米国の財政問題が解決するまでは、世界的に一段のリスクオンは見込みにくいが、逆に、この問題が解決すれば一段の株高・円安などのトレンド、または米債金利上昇へと向かう可能性がある。
この頃には、国内では来年度の当初予算、今年度の補正予算が固まり、国債発行計画が提示される時期になると思われる。特に新政権下では、参院選、消費増税などの閣議決定前に当面はリフレ政策を強力に打ち出す可能性があることから、春先以降、金利が上昇していくと予想している。もっとも、全体の国内債券相場の需給がタイトな状況に変化はないため、大きくボラティリティが高まることがなければ、その金利上昇スピードも緩やかとなり、過度な混乱もないと予想している。
Source: Ministry of Finance.