PD Meeting #40
| Date | 2011-10-13 |
|---|---|
| Venue | 財務省 第3特別会議室 |
| Agenda | (1) 平成23年度第3次補正予算に伴う国債発行計画について〔参考配布:資料〕 (2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて |
| Sources | Removed from mof.go.jp; restored here from web archives |
Materials
| 資料PDF |
| 資料PDF(not archived) |
Minutes
(1) 平成23年度第3次補正予算に伴う国債発行計画について〔参考配布:資料〕
はじめに、理財局から、平成23年度第3次補正予算に伴う国債発行計画について、以下のように説明を行った。
(平成23年度第3次補正予算に伴う要発行額の増減について)
・平成23年度第3次補正予算について、10月7日(金)に閣議決定された基本方針によると、総額概ね12兆円程度の歳出であり、その財源については、歳出削減等のほか、同決定の参考資料において復興債を11.4兆円程度発行することで調達することとなっている。また、財政投融資計画について、1.3兆円程度を追加することとなっているが、その財源のうち、財投債による調達は数千億円になる見込みである。更に、補正予算の機会に借換債の発行額を見直すことに伴い、借換債が2兆円程度減額されることとなる。これは、平成23年度の国債発行計画を公表した後の平成22年度末に、日銀再乗換による1年債の発行を2兆円減額し、市中発行による満期2年以上の国債で借り換えたため、今年度の満期到来額がその分減少することによるものである。
以上のことから、復興債、財投債及び借換債の増減を合計すると、国債発行総額としては10兆円程度の増発が見込まれる。
なお、これらの予算及びその関連法については、10月中に国会へ提出できるよう現在作業を進めているところであるが、与野党協議の状況等によっては、金額について変動がありうることは含み置き願いたい。
(現在までの国債発行の進捗状況について)
・10兆円程度の増発分について、具体的にどのように発行していくかであるが、当該金額をそのまま月々の入札額に上乗せすることは考えていない。
・昨年度以来、財投債の不用(7.1兆円)や特例公債の出納整理期間発行分の発行取り止め(2兆円)、第Ⅱ非価格競争入札の上振れなどにより、本年度の国債発行は昨年末の計画策定時の想定を上回るペースで進捗している。平成23年度第3次補正予算に伴う国債の増発に当たっては、このような状況を勘案し、カレンダーベース市中発行額の増額は相当程度抑制することとしたい。
(消化方式別発行額の変更)
・具体的に消化方式別発行額としては、第Ⅱ非価格競争入札について、今年度上半期実績における上振れ分を増額する予定である。また、前倒債発行減額による調整分については、相当規模の増額を考えている。さらに、個人向け販売分のうち個人向け国債について、発行計画額の増額を現在検討中である。その他窓販及び日銀乗換については、増減は予定していない。これらの結果、カレンダーベース市中発行額についての増額幅は相当程度抑制されたものとなる。
・カレンダーベース市中発行額における具体的な増発年限については、増発額が限定的であることから、最近のマーケットの状況や復興債の償還期間が10年間であることも踏まえ、対応したいと考えている。
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・カレンダーベースで2.4兆円の増額を想定しているが、その場合、復興債の趣旨や償還財源等に鑑みれば10年債までの年限で対応するべきであり、具体的には、12月から4ヶ月間、T-Bill6ヶ月物を月2,000億円、T-Bill1年物、2年債、5年債及び10年債をそれぞれ月1,000億円、一月当たり合計6,000億円の増額とすることが望ましいと考えている。
・仮に増額規模を2兆円程度とするならば、金利への影響は特段ないと見込まれるところ、年限に特段の拘りはないものの、10年債と5年債に増額余地があると考える。短い年限は、更なる増額が必要となった場合の調整に使用すればよい。
・12月から一月当たり合計3,000億円で総額1.2兆円、11月下旬に入札のある2年債から増額できれば総額1.4兆円と想定している。発行年限については、2年債、5年債及び20年債の増額が可能と考える。
・年末年始にかけてマーケット参加者が少なくなっていく中、超長期債の需給には不安があるところ、原則10年以下の年限で対応すべきであり、具体的には、T-Bill1年物を月2,000億円、2年債及び5年債をそれぞれ月1,000億円増額し、5ヶ月間で合計2兆円の増額とすることを提案する。もっとも、この場合には発行年限がかなり短くなってしまうため、来年度、発行計画を策定する際に時間をかけて議論していく必要があるのではないか。
・増額規模を1.8兆円と仮置きし、来年1月~3月の3ヶ月間、2年債及び5年債をそれぞれ月2,000億円、10年債を月3,000億円増額する一方、残存5-15年を対象とする流動性供給入札を月1,000億円減額することが望ましいと考えている。第3次補正予算の趣旨を踏まえると、財源は税外収入と今後10年間の増税により確保していくものであることから、10年債までの年限で対応すべきと考える。また、流動性供給入札はあくまで補完的な位置付けであると認識しているところ、国債の大量発行が常態化する中、更なる増発が行われ市場へのリスク供給量が増加する状況においては、新発債の発行でしっかりと消化を進めていくことが原則であり、同入札への依存度は減らしていくべきと考えている。なお、流動性供給入札の減額分を10年債に振替えたのは、これまでの同入札における落札銘柄の平均残存年限が約9年だった点を勘案したものである。
・T-Bill1年物及び2年債に相当の吸収余力があると思うが、T-Bill1年物は来年度における借換債の増加につながることから、増額はある程度抑制すべきである。月4,000億円程度の増額を前提とすれば、2年債を月2,000億円、T-Bill1年物及び5年債をそれぞれ月1,000億円増額することで対応可能と考える。この点、更なる増額が必要な場合には10年債まで含めて検討すればよいものと思う。
・12月からの増額開始が可能かどうか不透明であるが、月5,000~6,000億円程度の増額を前提とすれば、2年債を月3,000億円、5年債を月2,000億円、10年債を月1,000億円増額することを提案する。基本的に中短期債を中心に増額すべきと考えており、増額幅がもう少し抑制されるのであれば10年債の増額を見送ればよい。
・全年限とも月1,000億円程度であれば増額は可能。中期債まではさらに月1,000~2,000億円の増額余地がある。今次補正予算の趣旨を踏まえれば、中期債の増額をメインに据えることが望ましいと考えている。
・来年1月~3月の3ヶ月間増額するとした場合、5年債のみ月2,000億円、1年から40年までの各年限でそれぞれ1,000億円、総額2.1兆円の増額を想定している。復興債の償還年限を考慮する一方、発行される国債の平均年限の長期化を進めるためには、来年度以降も金額を上下させず全年限を1,000億円程度の増額に止めてイールドカーブへの影響を低減させる必要があると考えている。
・2年債、5年債、10年債、及びT-Bill1年物をそれぞれ月1,000億円増額し、一月当たり4,000億円の増額としてはどうか。更なる増額が必要な場合には、復興財源の調達期間が10年以内であることに鑑みれば、短い年限で対応する方が望ましい。また、実際に国債市場で安定的に消化できるゾーンを勘案しても、中期から短期中心での発行が望ましいのではないか。
・20年債と中期債でそれぞれ月1,000~2,000億円程度の増額を考えていたが、仮に復興債の償還期間を10年以内とするならば、中期債メインとすべきではないか。
・基本的に2年債、5年債を中心とした増額は可能であり、更に超長期債についても余力が見えることからこのゾーンも増額は可能と考えている。
・増額規模については、2~2.5兆円程度を想定。増額可能な年限については、30年債及び40年債以外であればいずれの年限も対応可能と考えている。
・増額規模については2.4兆程度を想定しており、12月~来年3月の4ヶ月間、T-Bill1年物、2年債及び5年債でそれぞれ月2,000億円程度の増額であれば、十分吸収できると考えている。更に増額が必要となった場合、20年債を月2,000億円程度増額し、T-Bill1年物や2年債は月2,000億円、5年債は月1,000億円を更に積み増すことも十分可能と考えている。
・増額により利回りが上昇するのであれば、どの年限においても悪材料というより好材料として市場に受け取られるのではないか。また、仮に増額規模を2兆円程度とするならば、2年債、5年債、10年債に増額余地があり、それぞれ毎月1,000~2,000億円程度の増額が可能。特に中短期ゾーンについては、時間軸政策により利回りが著しく低下しているところ、増額の結果需給が悪化することはないのではないか。
(2) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて
4出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。
・今年の債券相場は、年明け以降、質への逃避要因が増えてきた。まずは中東・北アフリカ情勢の緊迫化による商品価格の上昇、その後の新興国の金融引き締め、3月に東日本大震災の発生、4月にギリシャの財政不安の再燃、その後の米国経済の停滞や債務上限引上げ問題のこじれと格下げ、またギリシャ問題の一層の緊迫と進んできている。これらを受け、夏場以降は世界的に質への逃避が進み、米金利も過去最低水準の10年金利で1.6%台まで低下した。国内でも1%を割ってきた。ただ、足元では世界的にもようやく政策対応が動き出している。今日明日にもスロバキアがEFSFの機能拡充案を可決することになると思うし、昨日のEU委員会の委員長の議会での説明でもESMの前倒し等一段と欧州の財政問題の再建に向けた手立てが徐々には打ち出されつつある。ただし、様々な問題がすぐにクリアされるわけではない。特にギリシャの問題は構造的な問題なので、短期的に解決が進むような問題ではない。まだ今後も、ひと山越えてもまた次の山が見えているという状況も想定される。
ただ国内の金利に関しては、米金利が過去最低水準をつけたにもかかわらず、今回10年金利は0.965%とやや低下幅が限定的なものにとどまっている。今後国内については、復興需要が見込まれる。1995年の阪神淡路大震災の際も本格的な復興対策である補正予算が成立した5月下旬以降に銀行貸出にも少し動意が見られており、その後夏場以降は株価とも持ち直したという経験を踏まえると、国内でも復興のプラス効果が年末以降は少し出てくるのではないかと思う。ただし今回は金利の低下幅が限定的にとどまったことで、市場のボラティリティはそれほど拡大しないだろう。過去の経験を踏まえると、山高ければ谷深しだが、一方で山低ければ谷浅しということで、今後復興が徐々に本格化してきたとしても、投資家の資金の余剰動向やリスクを取りにくい最近の状況などを勘案すると、金利の上昇は限定的なものにとどまると考えている。
・米国に関しては、ここ1年間を振り返ってみると、年初の景気楽観論が剥落し、景気のスローダウンを市場が織り込み始めているという印象を受けている。欧州に関しては、年末に向けてもう一波乱二波乱があるのではないかと考えている。欧州の政策対応がかなり出てくるだろうが、それ以上に民間金融機関のバランスシートの圧縮や年度越えの資金繰りなどが景気後退要因に繋がってくると考えている。10-12月期は米国よりも欧州が注目されるのではないか。
円債に関しては、8~9月に欧米金利がかなり低下した中であまり低下幅が大きくなく、出遅れ感が出ているため、その修正が出てくれば10年金利についても、さらに10~15bp低下する余地があるのではないか。今回の復興債も、市場での発行自体はそれほど額が大きくないことや、来年度以降に向けた消費税の増税や最低限の財政規律を堅持していくことを示すことによって、それほど大きな金利上昇余地がない中で、年末に向けては緩やかに金利低下していくかたちで、10年金利で0.9%、可能性としては0.85%を付けることもあると考えている。
・足元の動きについては、米国経済の落ち込みが想定ほど厳しくなさそうだということ、また欧州では金融機関の資本増強論が持ち上がるなど、欧米を中心に株式相場がリバウンドしており、債券には若干調整売りが出ている。これに合わせて国内においても、多少影響を受けている。先行き1、2ヶ月の見通しとしてはJGB利回りについてはレンジもみ合いが続くだろう。しかし、欧州の金融機関の資本増強については、具体的に資産査定がどの程度厳格に実施されるのか、また十分な資本増強が実施されるのかまだ不透明であり、結局中途半端に終わってしまうのではと想定している。また米国に関しても、住宅問題はかなり深刻なものであることで、あくまで足元の経済指標の好転は一時的なものにとどまり、現状の株高も頭打ちし、次第に債券は買い戻しが優勢になるだろう。
国内では年末から年明けにかけては、復興対策の効果も徐々に表面化し、景況感の改善を前提に小幅ながら金利は上昇するだろう。11月以降、3次補正が成立すれば、その次は、社会保障と税の一体改革と2012年度予算編成が注目されることとなる。2012年度の予算編成においては中期財政フレームがある程度維持されると考えているが、社会保障と税の一体改革の関連法案や消費増税の準備法案が最大の焦点となるだろう。そこで来年の通常国会に提出される準備法案に、ある程度具体的な消費増税時期・引き上げ幅が盛り込まれ、実際に来年内に法案が成立するような流れになれば債券にとってプラス材料となろう。しかし、総選挙も視野に入ってきており、増税や社会保障の削減について消極的になってしまうと、中期的な財政規律の維持について疑問符がついてしまう。そのため、11月以降は、消費増税等に関する議論が本丸のテーマになるだろう。景気動向が厳しい中ではあるが、消費税について議論していき、債券市場がやや投機的なマネーゲームのかたちでJGBが売られる場にならないように財政規律の維持に努めていただきたい。
・最近の興味深い動きとして、日米欧の製造業PMIの地域間の相関みたいなものが無くなっているのに対して、各地域の株価指数のリターン相関はむしろ高まっている。つまり実体経済は先進国間でデカップルしているように見えるが、市場はそれを反映していないということがある。その背景には、欧州の金融危機が、リーマンショック時のように世界経済全体のリセッションをまねくというような観測があるわけだが、その兆候がハードデータで確認できないという局面が続いている。そういった局面が続くのであれば、デカップリングをテーマとした、ユーロ安と日米株価の上昇というような組合せが短期的に実現する可能性が高いのではないかと考えている。
米債市場については、未だ時間軸政策下での国債市場の動きがまだ成熟していないのではないかと見ている。すなわち、少し指標が改善しただけで、時間軸がゆらいでしまい容易に金利が上昇してしまう。逆に、キャリーロールダウンというような収益を得るという名目でデュレーションリスクに半ば盲目的になり、行き過ぎた水準まで金利が下がってしまう。このようなことを両方とも一度は経験する可能性を十分に想定しておく必要があると考えている。円債市場への影響としては、後者の金利低下というパターンのときに、より追随する動きが大きくなるのではないかと考えている。
・足元までの金利低下の背景としては、ユーロ、ソブリン、金融への懸念と、また、世界的な景気減速とそれに対して財政金融政策を取る余地が先進国を中心に乏しいという閉塞感、この2点にまとめられると考えている。足元では前者のユーロ・ソブリンの問題について公的資金の注入に具体的な進展が見られるのではないかという期待感が出ているが、実際に日本の経験を踏まえても、金融機関を税金で救済する、かつそれをユーロの多国籍間でやる可能性もあるということなので、そう簡単に進む問題ではないだろう。年末に向けて金融機関の資金繰り等の問題も残っているし、ユーロのソブリンの問題は引き続き金利の低下圧力として残存するのではないかと考えている。2点目の世界的な景気減速とその閉塞感という部分については、確かに足元のアメリカの景気を見てもマーケットが懸念していたような急失速は無いものの、潜在成長率に届かない低成長が長く続く可能性が出てきている。欧州については今後より厳しい局面を迎えてくる可能性が高いということを考えると、後者の金利低下要因というのはほとんど変わっていないと捉えている。海外主導のマーケットになってしまうが、足元の円金利については、10年の1%から上下10~20bpといった狭いレンジの相場が来年3月まで続くのではないかと考えている。
・世界経済では、ギリシャの債務に対するものや金融機関への資本注入などの施策が出てきているが、進度が相当遅いことから世界経済の回復には相当の時間を要することが見込まれ、円金利が上昇することは考えにくい。
また、需給について考えると、中期ゾーンは投資家層が厚いことに加えて、これほどにまで金利低下が進捗すると以前は長期ゾーンに投資していた投資家が金利リスクを勘案して同ゾーンに投資し始めていることからも、安定的な投資家がいるという認識を持っている。超長期ゾーンに関しては、生保の決算などを見てみると銀行窓販で保険商品が結構売れているように見受けられることから、そのフローがあると同ゾーンも安定するのではないか。長期ゾーンに関しては、不安定であるとよく言われているが、上半期から1.2%という目線でいて買い遅れてきた投資家が多いため、同ゾーンも1%越えの水準では粘り強く買いが入っている。しかし、昨年度に金利が急上昇して相当程度の損が出たことから、0.9%程度がボトムになってくるのではないか。このように、長期ゾーンはレンジでの推移、中期ゾーンは安泰、超長期ゾーンは保険商品の売れ行きに依存することが見込まれる。
連絡・問合せ先:
財務省 理財局 国債業務課 中島・高嶋
電話 代表 03(3581)4111 内線 5701
Source: Ministry of Finance.