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auctions / pd / m / 4 — 2005-03-04

PD Meeting #4

Date2005-03-04
Venue財務省 第3特別会議室
Agenda
SourcesRemoved from mof.go.jp; restored here from web archives

Materials

資料①PDF
資料②PDF
資料③PDF
資料④PDF

Minutes

(1) 理財局より資料①に基づき説明が行われた後、意見交換が行われた。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・流動性供給入札については、①一部特別参加者にとって、特定銘柄の調達が一時的に困難となった場合に対応する「危機管理的」なもの、②先物のチーペスト銘柄のように、ニーズが特に高い銘柄について、中期的に市場全体から流動性が不足している場合に対応するもの、③残存15年ゾーンなど、発行量が少なかったり、投資家の満期保有に入ってしまっていること等により構造的・長期的に流動性が不足している場合に対応するもの、の3つのあり方が考えられる。

このうち、危機管理的なものと構造的・長期的な流動性不足に対応するものについて、それぞれを明確に区別した上で対応していけば良いのではないか。他方、中期的な流動性不足については、取扱いが難しい。例えばチーペスト銘柄の場合、受渡しが終わった後は、急速にニーズが減少することから追加発行のために供給過剰となってしまうことも考えられる。

対象銘柄の選定については、危機管理型の場合は、多くの参加者から見て追加発行が望ましい銘柄は明らかであり、特別参加者とのコミュニケーションの中で対象銘柄を選定すればいい。危機管理ということから、それほど時間的な余裕がない中で決定することも予想され、フレキシブルな対応が望まれる。

一方、構造的・長期的なものの場合、追加供給が必要となるものを吟味する時間的な余裕もあることから、15年ゾーンのほか、過去に発行量が少なかった銘柄にはどのようなものがあるかといった議論を特別参加者と行った上で決定することが考えられる。

頻度については、危機管理型のものは随時、構造的な流動性不足への対応型については、3ヶ月に1回程度供給すれば十分とも考えられることから、四半期ごと2,000億円といったイメージを持っている。

なお、対象銘柄の保有者の不測の損害については、危機管理型の場合にあっては、保有者は、追加発行による価格低下の損失を受けることから、財務省においてその追加発行によるメリットとの比較考量により是非を判断することになる。他方、構造的な流動性不足に対応する場合には、制度の基本的な運営方針をある程度前もって打ち出せば、もう「不測の損害」ではないと言ってもいいのではないか。また、割高な銘柄を保有していることの経済的な利益を保有者側がどこまで主張できるのかという点については、リオープンされることによりレポレートが低下するというようなレベルでは毎月のように起こっている話でもあり、程度問題と見ることもできるのではないか。

・実際に短期的、中期的、長期的を区別するのは難しいのではないか。むしろ、毎月1,000億円~2,000億円の追加発行を行うと決めて、定例的に実施すれば、スクイーズ等による短期的な不足は1ヶ月以上続かないということになり、構造的な不足についても、1回の発行では十分でなくとも、2回、3回と続けて対象となれば次第に解消されていく。したがって、頻繁に、少なめのロットで入札を行って欲しい。

対象銘柄については、(財務省から説明があったように)1回の入札で20銘柄まで追加発行の対象とできるのであれば、現実問題として需給がタイトな銘柄が20銘柄もあるということは考えられず、特別参加者からヒアリングした上で財務省が対象銘柄を選定すれば、特定のゾーンの構造的な不足に対しても、短期的なスクイーズによる短期的な不足に対しても、対応できるのではないか。

・構造的なものと一時的なものを区別することは概念的には重要だと思うが、実施面で明確に線引きするのは難しいのではないか。また、先物のチーペスト銘柄に関してはそもそも対象とすべきか疑問。

流動性の低下を具体的な数字で示すことは非常に難しく、特別参加者に対するヒアリング、各銘柄のレポレート、特別参加者間取引の売買高といったものも参考にしつつ、対象銘柄の最終的な判断は、財務省で行うしかない。また、例えば市中残高が1兆円以下の銘柄に限るといった基準を設けることも考えられるのではないか。

実施頻度、1回当たりの発行額については、回数が多いほうが望ましく、毎月1回、最大2,000億円程度を希望している。発行額についてフレキシブルに対応する場合には、例えば、現在の入札のスケジュールと同様、3ヶ月前に発表することが望ましい。

この流動性供給入札が導入されるというアナウンスがされてから既にだいぶ経過していること、日本銀行でも、これまでのところ一回だけではあるが、国債補完供給オペを行っていること、18年度の実施まで時間的な余裕があり、その間にそのような銘柄を売却する余裕も十分あることから、投資家に与える損害をそれほど懸念する必要はないのではないか。

・流動性供給入札が一時的な流動性の不足に対応するためだけに行われるのであれば、正直どれだけの意味があるのか疑問。

他方、10年~15年ゾーンなど、発行量がかなり少なく流動性が非常に低いことから投資家のニーズは高いものの、特別参加者サイドがなかなかそれに応えられないという銘柄について、追加的に供給することができれば、流動性の向上に役立つと思われる。例えば、30年債について、数年後には30年までを通じたイールド・カーブが描けるようになれば、その時点で発行量が少ない20年から25年ゾーンに対しても投資家ニーズが高まることが期待されており、そうした状況において、追加的に流動性が供給できるのであれば、効果はあるのかもしれない。

ただし、1銘柄当たりの追加発行額が5~10億円程度となってしまった場合、本当に流動性が向上するのかは疑問。

・対象銘柄の選定に当たっては、市場の声を聞くのも一つの方法ではあるが、発行体たる財務省の立場から見て、スワップ・スプレッド等を基に、有利な条件で発行できるものを適宜選ぶということでも良いのではないか。

また、1回当たりの発行額と頻度に関しては、ある意味で流動性供給入札と対している性格を持つ買入消却入札を参考に、1回当たり500億円程度を目安としてはどうか。

・利回り格差方式で入札を行う場合、当日のイールドカーブの形状によっては、流動性供給を最も必要としている銘柄にビッドが多く集まるのではなく、たまたまカーブ上安い銘柄が落札されてしまうということも起こり得る。そのため、少額、例えば500億~1,000億円ずつ何回かに分けて行ったほうが良い。

・先物チーペスト銘柄等について中期的に流動性が枯渇する場合や特定銘柄の調達が一時的に困難となる場合については、追加発行の枠組を作り、スクイーズ等の危険があれば機動的に対処するという姿勢を見せれば、抑止効果が働き、実際には発行する必要がなくなるのではないか。

他方、15年ゾーンのように、元々発行量が少ない上に日銀の買切りオペ等で市中残高が極端に少なくなっている年限については、追加発行を行うことにより、投資家の需要に見合った流通市場を作ることが期待できる。その場合の対象銘柄の選定については、特別参加者から品薄になっている銘柄についてのヒアリングを行い、その上でイールドカーブの歪み等を確認して、財務省が流通市場に支障があると認められた銘柄を選定してオファーするという形が望ましい。

その際には、銘柄はある程度絞って、毎月1回程度の発行とすべき。1回当たりの発行額は少し多いかもしれないが、当初3,000億~5,000億円程度を考えている。

保有者への影響は、一時的には否定できないとは思うが、需要のあるゾーンの流通量が増せば、長い目で見てプラスになるということで理解が得られるのではないか。

・市場への影響を抑えるため、頻度を多くして、1回当たりの発行量を減らすことが必要。具体的には、毎月1,000億円程度というのがマーケットに影響を与えない額なのではないか。

また、マーケットへの影響に配慮し、市場参加者に対し、予め入札のタイミングと発行額を周知していくことが必要。周知した後に額が変わる場合にも、一定期間前にアナウンスすることが望ましい。

イールドカーブの形状によっては、必ずしも流動性が不足していない銘柄に札が集まることもあり得るという意見があったが、流動性が不足していない銘柄は財務省として対象銘柄にしなければよいのではないか。その意味では、1回に20銘柄も対象にする必要はなく、真に流動性が不足する銘柄に絞ってやっていく方が制度の趣旨に適っているとも考えられる。

・発行額・発行頻度については、導入時の趣旨や目的、市場の状況等にとらわれず、淡々と実施していくことが望ましい。毎月1,000億円実施するということであれば、スクイーズ等に対する抑止力も機能し、ディーラーもマーケットメイクし易く、投資家の需要に応えられるようになることが期待される。

対象銘柄については、財務省がヒアリングを行い、入札の数日前に決定することとしてはどうか。

頻度については、毎月1回で、とりあえず半年か一年実施し、一定期間経過後、十分に流動性の供給がなされ、必要性が少なくなったと判断されれば、四半期に1回程度に減らすことも一案。

なお、多数の銘柄の追加発行が小刻みに行われれば、銘柄ごとの発行残高が頻繁に変更されることとなり、財務省・特別参加者双方の残高管理に負担がかかるほか、インデックスも影響を受けることも懸念される。例えば、5億、10億円といった少額な発行を何回も実施するのではなく、中期、長期といったゾーンごとに対象銘柄を限定するようなことも考えられないか。

・潜在的な供給懸念がある中で、アドホックな発行量増加となるのは好ましくなく、基本的には限定的に実施すべき。例えば、構造的・長期的な流動性の不足は、投資家のニーズと発行のミスマッチにより発生するものであり、その修正はアドホックな追加発行によってではなく、より分かり易い発行計画の修正という形で行うべき。流動性供給入札は、割高となっている銘柄を追加発行するというのではなく、少量の発行にとどめ、むしろアナウンスメント効果が発揮できるようなあり方を目指すべきではないか。

・対象銘柄の選定方法において、恣意性を排除し、透明性を確保するという観点が必要。例えば、特別参加者ごとに最大5銘柄まで申請させ、最もニーズの高い銘柄を最大20銘柄まで選定するといった方法も考えられる。

(2)次に、理財局より資料②に基づき説明が行われた後、意見交換が行われた。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

○落札・応札制限について

・入札においては、本来は、応札の分布が市場での実需を反映したものとなり、入札の結果が市場実勢と著しく乖離しないことが理想。その意味では、現在の入札のあり方は正常とは言えない。

・発行額を上回るような応札は案分狙いのもので、応札額相応のニーズが存在するわけではないため、応札限度額は発行額とするのが自然。

・応札倍率が異常に高いことにより、外国から見た場合に不透明感を持たれかねないのも事実であり、基本的には発行額を応札上限とすべきなのではないか。

・落札限度を設定した場合、リスク量が落札限度額に限定され、却って満額の応札が従来以上に増えるおそれがあることから、落札限度の設定はしない方が良い。一社あるいは少数の社に落札が集中して、その銘柄の流動性が低下する懸念もあるが、この問題については、例えば3ヶ月間は同じクーポンによりリオープンすること等によりプライマリーの発行量を増やすことにより対応すべき。

・基本的には落札・応札制限とも設ける必要はない。各社ともそれ相応のリスクをとって応札をしており、案分狙いの応札も手段として認められても良い。ただし、応札上限に関しては、いずれにせよ発行額以上は落札できないことから、発行額の上限で応札制限を設けても構わない。

・各国において何らかの基準を設けていることから考えれば、落札額にもある程度の上限があれば良い。特に、現状10年債には落札制限があることで、マーケットが落ち着いているという面もあるのではないか。

・全体として競争を促しつつ、自由競争であり過ぎることに弊害があるからこそ、諸外国において制限が設けられている。多様なディストリビューターを制度的に確保することが必要なのではないか、全ての玉が特定の社に集中することが市場として望ましいのか、といった命題に対する答えとして、欧米では落札制限が設けられており、35%、25%という落札上限が設けられているのも少なくとも3~4社間で分配することが望ましいという理念の現われ。確かに国債の発行量は十分に大きく、現段階で1社への集中がすぐに起きる訳ではないが、本件は発行市場の形はどうあるべきなのかというレベルで議論すべき問題であり、その意味では、「国の債務管理のあり方に関する懇談会」等において学識経験者等の意見も聞いてみてはどうか。

○15年変動利付債の入札方式について

・15年変動利付債については、流動性が高まり、市場参加者のプライシングもしっかりしてきていることから応札利回りの刻みを0.1bpに引き下げても問題はない。基準金利が下がってゼロフロアにかかるようなことになれば、ボラティリティが高まり価格競争入札がやりにくくなることも起こり得るが、実際にはそういうことは考えにくく、価格競争入札への移行も可能。なお、30年債についても価格競争入札への移行は十分可能。

・15年変動利付債については、流通市場マーケットにおけるWIのスプレッドが0.5bp~0.25bpとなっており、現状の1bp刻みの応札ではWI取引が行いにくい。αの刻みを0.1bpに引き下げた上、今の30年債に似た形の入札、すなわち1bp刻みに切り上げた水準のαを決定αにして価格調整し、発行価格を100円ないしアンダーパーにする(たとえば、入札の結果101.1bpで足切りとなった場合、αを102bpにしてアンダーパー発行とする)という入札にすれば、WIの取引が非常に活発になるのではないか。

・ほとんどの利付債が、流通市場において、0.25bpから0.5bpスプレッドで取引されている中、15年変動利付債入札におけるαが1bp刻みというのは著しく大きい。αを事前に決める価格競争入札への移行が望ましい。

・15年変動利付債については、αを決めた価格競争入札がいいのではないか。価格競争入札にすれば、15年変動利付債もリオープンすることが可能になり、流動性を高めることも期待できる。ただ、事前に設定するαが10bpというのは少々広いと感じており、5bp刻みで行うことができないか。

・今の15年変動利付国債については、まだマーケットで完全なヘッジができる状況になく、しばらくはイールドダッチ入札の方がやりやすい。

○応札の刻み幅について

・10年債の5銭刻みは、利回りに直せば0.5bp以上に相当し、現状、刻み幅で一番利回りの変動が大きいことから、10年債の応札刻み幅を細かくして欲しい。

・刻み幅を細かくすることによるデメリットは特にない。むしろマーケットの需要をきれいに反映させるという意味では、できる限り細かくすべき。具体的には、10年債、20年債、30年債については1銭、2年債、5年債については1厘、TB、FBについては1毛を希望している。

・現在の過大な応札は、最低落札価格の予想が過度に特定の価格帯に集中していることが原因となっており、入札の刻み幅は極力小さいほうが望ましい。また、落札額の確保のために、応札を行う価格帯が上がり気味となるおそれがあり、その意味でも応札の刻み幅は極力小さくすることが望ましい。

・応札刻み幅については、15年変動利付債は0.1bpとし、他の入札についても、刻み幅は小さい方が健全な入札が可能になるのではないか。

○リオープンのあり方について

・投資家のカレント志向を懸念する意見もあるが、同じ償還月のものについては一銘柄で十分であり、流動性の観点からは定例的なリオープンとする方が好ましい。

・リオープンについては、あまりに極端なクーポン格差が出ることとなる場合は別としても、例えば上下0.1%ないし0.2%のレンジ内であれば、強制的に3ヶ月間リオープンするという形も考えられるのではないか。

・発行量の少ない30年債、物価連動債に関しては、強制リオープンも検討すべき。

・償還月が一緒になる3回の発行を強制的にリオープンすれば、銘柄が今の3分の1になることとなるが、投資家にとって選択肢をそこまで狭めるのが本当にいいことなのか疑問。現状の国債市場において、流動性がなくて困っていると感じている者がどれだけいるのか。

・ポートフォリオを作る人間にとっては、カレントものでパーに近いものが数多く発行されれば、銘柄の選択肢が増え購入しやすくなることから、現行のリオープンルールには特に問題を感じていない。

(3)次に、理財局より、資料③に基づき、本年1月に行われた国債に係る海外説明会についての報告が行うとともに、次回の説明会を本年5月下旬に、みずほ証券株式会社及びモルガン・スタンレー証券会社の協力を得て行う予定である旨、報告があった。

(4)続いて理財局より、資料④に基づき、来年度の15年変動利付債、30年債、物価連動債の入札日程について報告があった。

(5)また、理財局より、第Ⅰ非価格競争入札が4月1日から、第Ⅱ非価格競争入札のオンライン化が4月12日から行われる旨、報告があった。

(6)最後に、最近の国債市場の状況について意見交換が行われた。

出席者から出された意見等の概要は以下の通り。

・去年の夏からの金利低下は一旦終了した。きっかけとなったのは、景況感の改善が見られたことに加えて、日米の中央銀行総裁の発言が金利上昇要因に働いたという面もある。

日銀総裁の発言は、景況感が改善し、マーケットが弱気に傾いている時に出たことから、タイミングも良くなかった。特に、海外のファンド等は日銀の量的緩和がいつまで続くかをテーマとしており、日銀総裁等の発言が売りを誘った面がある。

今後については、既にある程度景況感の修正等が進んでおり、米債市場が大きく崩れなければ、相場はある程度落ち着いてくるのではないか。ただし、市場、特に海外投資家の関心が、当座預金残高目標をどうするのか、量的緩和策がいつまで続くのかといった点に集まっていることから、例えば、量的緩和の副作用について発言があって、海外を中心に市場が過剰反応するケースがリスクシナリオとなる。

・景気は緩やかな回復軌道に戻るという見方が大勢であり、ゼロ金利政策が始まって以降、平均値が1.42%であることを考えれば、今の1.5%は相当高い水準であり、ボトムとなった1.265%からの上昇ペースも速かったという印象。その原因を、景気回復だけに求めるのは問題があり、日銀の対応がもう少しセンシティブでも良かったのではないか。

特に、先月末の福井総裁の発言は、やや荒っぽいところもあったのではないか。わが国では、他の資産価格がそれほど上がっていないことに加え、リスクが取れるか否かの境界が不連続、すなわち「デジタル的」になっており、許容できるところに資金が集中し、貸出利回りが低くなってしまっているという制約条件があることについても留意が必要。その意味ではグローバルな枠組みの中で、日本が過度にリスクを取り出したという発言は言い過ぎという面もある。

イールドカーブに関する発言についても、日本語の「長期を含めたイールドカーブのフラット化」という発言が、英訳では単にlong-term interest

ratesと、完全に長期金利を意識した発言になってしまっており、これを読んだ外国投資家が反応したのは無理もない。また、市場は、総裁発言の2月28日の時点ではイールドカーブが極端にフラット化していたとは見ていなかった。講演資料の準備などのタイムラグのせいかも知れないが、あのような発言が過去の推移から見てイールドカーブがフラット化していない時点でされれば、市場は日銀が現状に危機感を持っていると受け止めてしまう。

過去2年間、夏頃に、量的緩和の早期解除を巡る思惑もあって金利が上昇したこともあるので、今後配慮していただければありがたい。

・もともと景気がそれ程弱かったわけではなかったことから、足元の金利上昇については、それ程不自然な印象は持っていない。ただし、景気回復が昔のようなインフレ圧力に結びつくかと言えばそれも疑問と感じている。

また、最近非常に多くのヘッジファンドが設立され、そこに集まるお金が5年間で倍以上に膨らんでいるといった状況を見れば、米国で利上げが始まっているものの、世界的に見ればまだ十分金融は緩和状態にあると考えている。先の欧州や米国で見られたイールドカーブのフラット化や、その前の米ドルの下落のように、解かりやすい収益機会があれば、リスクマネー・投機的なお金が必要以上に集まるというのがここもとの市場の動きであり、日銀総裁の発言は、そういったことをイメージしてのことだったのではないか。

・2月に入って、強い経済指標が出され、株価が一段上を目指す展開となったことからは、相場の下落は自然な流れともいえるが、やはり1月末から、2月初以降の日銀要人の発言の影響が大きかったという印象。ただし、昨年6月の時と比べて、手前の金利がほとんど動いておらず、市場状況は比較的落ち着いている。

長期金利の水準については、基本的には1.4%から1.5%を挟んだレンジ内の動きが続くのではないか。

・もともと国内景況自体がそれほど悪かった訳ではなく、福井総裁の発言は起爆剤となった面はあるかもしれないが、もともと金利が上振れするような地合いはできていたということなのではないか。

・日銀の量的緩和政策の下、CPI基準はしっかりとコミットされており、景気が回復するような場面になっても、CPIの水準が意識されて、徐々に長期金利の低下に繋がっているのが現状。

いずれにしても企業が余剰資金を抱え、銀行の預貸ギャップが広がるという状況では、潜在的に国債の需要が高く、金利が急激に上昇するということはない。ただし、年後半に景気が回復してくるというのが大方の見通しであり、そのタイミングでの長期金利の上振れには注意しておいた方がいい。

・日本のイールドカーブがグローバルな動きに比して、フラット化し過ぎたとは思っていない。2月の初旬には、欧州のイールドカーブは非常にフラット化していたが、その中にあって、日本のイールドカーブは、2月上旬に一瞬フラット化したものの、総じて非常に安定的に推移しており、その間投資家が過度にリスクをとっていたという状況ではなかったと見ている。

いずれにせよ、スワップ市場の動きやイールドカーブの形状を見ても、2003年や2004年に経験したベア相場時に比べ、投げが投げを呼ぶといった悪い循環に入っているという状況になく、現在の金利は、比較的居心地のいいレンジに戻ってきたということではないか。

連絡・問合せ先:

財務省 理財局 国債業務課 辻・佐々木

電話 代表 03(3581)4111 内線 5701

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Source: Ministry of Finance.